ぷかぷか日記

第一期演劇ワークショップ

あんなにも心の底から楽しい〜って思えたのは久しぶりです

 「あんなにも心の底から楽しい〜って思えたのは久しぶりです。」という感想が、ワークショップに参加した地域の方から届きました。うれしいですね、こんな感想が届くと。

 ワークショップとその発表会の舞台が、参加者にとってどういうものであったか、とてもよく語った言葉だと思います。

 楽しいことはふだんの生活にもたくさんあります。でも「心の底から」という言葉がつくほどの楽しさはなかなかありません。だからこそ、そんなふうに思える「時」と「場」を自分で作っていきたいと思うのです。ワークショップはそういうことが実現できる有効なメソッドだと思っています。

 ワークショップは、それ自体楽しいものですが、そこに障がいのある人たちが加わることで、楽しさが2倍にも3倍にもなります。そういうとびきり楽しい「時」と「場」を、障がいのある人たちといっしょに生きたい、という思いがありました。お互いが、心の底から楽しい〜って思えるような「時」と「場」と「関係」を共有できたらこれほどすばらしいことはありません。いっしょに生きていった方がいいね、という思いは、そういったことを共有することから生まれるんだと思います。

 さらにそういう「時」と「場」と「関係」の中で作り上げた作品を舞台に上げ、芝居を見に来たたくさんの人たちと、障がいのある人たちといっしょに生きていく楽しさ、大事さを共有したいと思いました。

 結果は予想をはるかに超えるすばらしいものができあがったように思います。

 歌劇「森は生きている」は37分の舞台です。その37分は、いつもの37分ではなく、たくさんのお客さんを前にした、ひりひりするほどの緊張感の中で、ふだんの何倍も密度の濃い37分だったように思います。ここにしかない、そんなすばらしい時間を、障がいのある人たちといっしょに生きることができたこと、そしてそのことをたくさんの人たちと共有できたこと、それがほんとうによかったと思います。

 舞台の上では「障がいのある人」ではなく、「ゆみっち」であったり、「かーくん」であったりする「普通の」個性あふれる人たちでした。そういう関係で舞台に立てたことが何よりもすばらしかったと思います。

 

 この舞台に立った地域のおじさんこと「げんさん」は

「明日からまた〈自称、何の変哲もない普通の会社員〉の日常に戻る私です」

と、ちょっとさびしそうにメールを送ってきました。げんさんにとって、ワークショップ、とりわけ最後の舞台は、本当に夢のような世界だったんだろうと思います。

 普通の会社員であるげんさんにとっては、ワークショップに参加するとか、大きなホールの舞台に立つ、なんてことは、想像することもむつかしい世界だったと思います。それがひょんなことからワークショップに参加し、そのおもしろさにのめり込み、気がついたら、照明がバチッと当たり、たくさんのお客さんが見ている舞台に立っていた、というわけで、こういうところがおもしろいなと思うのです。

 大きなホールの舞台に立ち、お客さんの前で作品を発表する、なんてことは、普通、なかなかできることではありません。それがワークショップを楽しんでいるうちに、自然にできてしまう、というところが、ワークショップのおもしろいところであり、ワークショップの持つ〈力〉だろうと思います。今回プロ集団である〈演劇デザインギルド〉〈デフパペットシアター〉〈安見ちゃん=プロのピアニスト〉の力は確かに大きかったと思います。でも最終的に、げんさんはじめ、みんなを舞台に引っ張り上げ、感動的な舞台に仕上げたのは、ワークショップという〈場〉の持つ〈力〉だと思うのです。(昔、京都で平和をテーマにワークショップやったとき、800人くらい入ったホールの舞台の発表だけではもの足らず、京都駅前まで出かけていって街頭で芝居をやってしまったことがありますが、そこまでみんなを引っ張ったのはワークショップそのものの持つ力としかいいようがないのです。)

 

 げんさんにはタケちゃんという子どもがいます。タケちゃんは知的障がいのある子どもです。げんさんはタケちゃんの障がいをうまく受け止められなくて、ずいぶん悩んでいたと聞きました。障がいのある人たちとあまりおつきあいのない普通のお父さんによくある悩みです。

 ぷかぷかのパンをよく買いに来る近所の方だったので、ワークショップに来ませんか、と誘ってみました。毎回タケちゃん、お父さん、お母さん、の3人で参加しました。タケちゃんは活発な子どもで、いつも真っ先に発言し、その意表を突いた言葉に、みんなどぎまぎし、爆笑しました。

 コミュニケーションゲームで好きな季節や、好きな野菜ごとに別れたりするゲームをしたことがあります。進行役に変わって「今度は私が質問したい」「僕がします」という人が次々に出てきて、その質問はお菓子であったり、漫画やディズニーランドのキャラクターだったりしました。

 タケちゃんは、「げんさん」「じゅんちゃん」「ぱっつん」「あみちゃん」のうち、いちばん好きな人は?、という質問をしました。「げんさん」は自分のお父さん、「じゅんちゃん」はお母さん、「ぱっつん」は進行役、「あみちゃん」はピアニストです。で、本当は「げんさん」「じゅんちゃん」「ぱっつん」「あみちゃん」は部屋の四隅に立ってみんなが選んでくれるのを待っているのですが、どういうわけか「げんさん」は自分を放棄して(?)、ピアニストの「あみちゃん」が好き、というグループに入っていて、みんな笑ってしまいました。

 この質問のおもしろさは群を抜いていました。こんなふうにタケちゃんがいたからこそできた楽しいことが、今回のワークショップの中ではたくさんありました。ワークショップの場で、タケちゃんはとても大切な存在であることが、回を重ねるにつれ、げんさんにも伝わっていったようです。げんさん一家の食卓で、ワークショップのことが毎日のように話題になったと聞きました。

 前日の舞台リハーサルの前、鼻に白いドーランを塗ったとたん、タケちゃんは大爆発。お父さん、お母さんで必死になだめること30分、ようやく舞台に上がったものの、途中で「やだ!」とかいいだし、舞台の上でひっくり返っていました。普通なら大騒ぎになるところですが、いいよいいよ、と誰も気にせずに舞台が進みました。いかにもぷかぷからしい舞台だったと思います。

 本番もどうなることかと心配していましたが、タケちゃん、前日のことはすべて忘れたような顔で立ち直り、一家三人で舞台に立つ、という画期的なことが起こったのです。げんさん一家が輝いて見えました。げんさん、じゅんちゃん、タケちゃんに拍手!拍手!です。

 げんさんにとってワークショップはタケちゃんと出会い直しただけでなく、げんさんの人生にとって、あるいはじゅんちゃんの人生にとって、とても大きな出来事ではなかったかと思います。この6ヶ月で体験したこと、舞台で体験したことをゆっくりゆっくり振り返って欲しいと思っています。

 

 本番前、小道具の確認をするげんさん一家。

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本番直前。みんなドキドキです。

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直前まで音の打ち合わせ。

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もっともっとパンをちょうだい!

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年に一度の神さまたちのおまつり。

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神さまたちのお祭りに迷い込んだ娘たち。

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真冬に1時間だけ時間をゆずってもらった4月の神さまがマツユキソウを咲かせます。

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 娘たちの持った来たマツユキソウを見て、もっともっと欲しいとわめく王様と王女。

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自分勝手なことを言い続け、神さまたちに懲らしめられる。

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自分勝手な人間たちも入れ、みんなで「森は生きている」を歌う。

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 ワークショップの発表会が終わってなんだかふぬけ状態になり、1週間たってようやくワークショップのことを振り返ることができました。まだまだ書き切れてないことがたくさんあります。気がついたらまた書きます。

 写真では残念ながらあの舞台の熱気は伝えられませんね。ごめんなさい。

 来年3月くらいにワークショップの記録映画ができあがるかも知れません。ドキュメンタリー映像作家の宮沢あけみさんが膨大な記録を撮っていました。本番は夫のNHKのカメラマンまで動員して撮っていました。楽しみにしていてください。

 できれば来年もこんな舞台を作りたいと思っています。 計画が固まりしたいホームページでお知らせします。時々チェックしてください。

 ワークショップの記録写真集を作る予定でいます。これもホームページでお知らせします。

 

いよいよ明日本番です

 第6回目のワークショップ。リハーサルルームで、歌の稽古と通し稽古をやったあと、衣装を着て実際に舞台でリハーサルをしました。衣装を着て、穴の頭に白いドーランを塗ると、一挙にテンションがアップしました。

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わがままな王様はちょっと間抜けな感じ

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王様役のコンノさんが書いためくりの文字。なんとも味のある字です。

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舞台はみんな初めてなので、舞台監督から舞台の構造などについて説明を聞きました。中程に幕を引くことで、王様のお城の場面になり、幕を開けると冬の森になることなど。

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ピアニストのあみちゃん。ピアノ一本で食べてる人だけにすばらしくピアノがうまい。前日、あみちゃんの希望で、かつてジャズピアニストキースジャレットの調律をしたという調律師に調律してもらいました。ピアノは神奈川県に3台しかないというすごいピアノ。歌劇『森は生きている』には林光さん作曲のすばらしい歌がたくさん歌われます。

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 冬の森のシーン。みんなで凍った木々を表現しました。真ん中でタケちゃんが寝っ転がっていますが、こういうのもアリなぷかぷかの舞台です。タケちゃんはメイクを塗ったことが気に入らなくてパニック状態になり、30分くらいわめいていました。ようやく舞台に上がったのですが、やだ!と寝っ転がってしまいました。ま、そういう形の木もあっていいんじゃないか、とそのまま続行。 

 お母さんはタケちゃんといっしょに舞台に立てるなんて夢にも思わなかった、ととても喜んでいました。お父さんもいっしょに舞台にたち、タケちゃんの家族は、この舞台で、また一歩前に進んだようでした。

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パンがもっと欲しいとわめく王様と王女。

 ♪ もっと もっとパンをちょうだい

  もっと もっと

  もっともっともっと パンをちょうだい

  もっともっともっと

  もっともっともっともっと パンをちょうだい

  もっともっともっともっと

   もっともっともっともっともっと

と、歌い疲れて家来と娘たちは倒れてしまいました。

 この歌はオペラ『ロはロボットのロ』の中にある歌。作曲は萩京子さん。とても楽しい歌です。

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冬の森にやってきた娘たち。いかにも寒そう。バックは舞台監督ナルさんの演出。舞台だけ見たときは、何?これ、って感じでナルさんに言ったのですが、役者が立ち、照明が当たると、とたんに雪の光景になるんですね。さすがナルさん、と思いました。

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年に一度の12月(つき)の神さまたちのお祭り。『森は生きている』は、この12月(つき)の神さまたちに娘たちが出会ったお話です。

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わがままな王様、王女たちを懲らしめる神さまたち。

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わがままな王様、王女たちも、もう反省したのだから、いっしょに生きていこうよ、と『森は生きている』をいっしょに歌います。

 タケちゃんはすっかり立ち直って、真ん中で歌っていました。

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いよいよ明日(24日)本番です。ぜひ見に来てください。みどりアートパークのホール、午後2時開演です。

 

 

 

 

 

 

これが私たちのメッセージ

 第5回目のワークショップがありました。発表会まで残すところ今回を含めてあと2回。今日は一通り歌を歌ったあと、通しをやりました。

 わがままな王女、王様のわがままさ加減をどう表現するかで、ワークショップの中でいろいろやってみたのですが、これ!っていう感じのわがままが見つかりませんでした。以前見た「ロはロボットのロ」というオペラで、わがままなお姫様が

♪もっともっと パンをちょうだい

  もっともっと

もっともっともっと パンをちょうだい

  もっともっともっと

もっともっともっともっと

 もっともっともっともっと

 パンをちょうだい! ♪

という歌を歌っていたので、これを試みに歌ってみました。手話の「もっともっともっとパンをちょうだい」というアクションと、タケちゃんの考えた「もっともっともっと」のアクションを組み合わせると、なかなか楽しい雰囲気になったので、これを採用することに決定。

 冬の森で12月の神さまがたき火を囲んで歌う歌は、いつものように盛り上がりました。

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 今回一番苦労したのが、12月(つき)の神さまたちが懲らしめたわがままな人間たちを最終的にどうするか、でした。

 薪と一緒にたき火の中で燃やしてしまう。雲の上に上げて落とす。反省させる。自分たちの食べるパンは小麦を育てることからはじめ、自分たちで作らせる。「森は生きている」の歌詞を朗読させ、その意味をしっかり考えさせる等々、いろんな意見が出ましたが、なかなかみんなが納得できる結論が出てきませんでした。「アイスクリームにして食べちゃう」というおもしろい案もでましたが、残念ながら不採用。

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 神さまたちのお仕置きを受け、情けない顔をする人間たちをどうするか。

 かなり時間をかけていろんな人に意見を言ってもらいましたが、結局、考え方の違う人間たちとも一緒に生きて行くしかないんじゃないか、ということになりました。

 会場のお客さんたちに12月の神さまが、

「このわがままな人間たちをどうしたらいいでしょうか?」

と聞きます。

 その問いを放ったあと、フィナーレの歌が始まります。神さまたちが、うずくまっている人間たちの肩を優しくたたきます。人間は一人ずつ立ち上がり、神さまたちと一緒に「森は生きている」を歌います。これが私たちのメッセージです。

 障がいのある人たちと一緒に生きていこうよ、というメッセージを出し続けているぷかぷからしい結論といえば結論です。これがでも、みんなで長い時間かけた話し合いの中で出てきたのはすばらしかったと思います。

 最後に一人ずつ感想を言い合う中で、「寝っ転がっている子どもも、初めて来た子どもも、同じように受け入れてくれるこの場はすばらしいです」といった方がいましたが、自然にそういう雰囲気になっていたんだなぁ、とあらためて思いました。

 

 ワークショップのあと、舞台監督、照明担当者、音響担当者、みどりアートパークのホール担当者の打ち合わせがあり、幕の位置、ピアノの位置、照明、音響等の確認を行いました。話を聞いててびっくりしたのは「ここは1尺だよね」「ここは2尺はほしいね」と話がすべて尺貫法を単位として進んだことでした。できてまだ1年の近代的なホールで、演劇界の習慣とはいえ、おもしろい世界だと思いました。

 専門用語がぽんぽん飛び交い、ホールで発表会をやる、というのはこんなに大変なことなんだと、今更ながら思いました。

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こんなにもたくさんの人たちが発表会の舞台を支えてくれてるんだと思うと、なんだか胸が熱くなりました。

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 発表会の前にはピアノの調律もします。ワークショップに来ているピアニストが頼んだ調律師はジャズピアニストのキース・ジャレットが日本に来たときに調律した人だそうで、びっくりしました。すばらしい音が聞けると思います。楽しみにしていてください。

発表する楽しさがだんだんわかってきて

 9月6日(土)、第4回目のワークショップがあり、みんなずいぶん自由になった話を先日書きました。自由にはなった感じですが、お話作りはまだ慣れていないせいか、いろいろ仕掛けをしても、ぴりっとした物語が出てきません。

 わがままな女王のわがままさ加減をみんなで共有しようと,季節ごとのグループでわがままを出し合ってみたのですが、ケーキがほしいの、肉まんがほしいのと、発表はそれなりにおもしろかったのですが「わがままがちいせーな」という感じがしました。スケールのでかい、突拍子もないわがままが出てくれば,もっともっとおもしろくなるのになぁと思いました。

 季節ごとの得意技でわがままな女王を懲らしめるお話作りも、発表のパフォーマンスはおもしろかったのですが、物語の中身がまだまだ薄い感じがしました。

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  それでもみんなの前で発表する楽しさがだんだんわかってきたようでした。写真を見るとみんなの心と体のはずみ具合がよく見えます。みんなの心と体がはずんできて、ワークショップらしい雰囲気が出てきたように思います。このはずみ具合の中で、どれだけ新しいものを見つけられるか、これからが楽しみです。

 

 デフパペットのメンバー,エノさん、マッキーによる手話のレッスンがありました。12月(つき)の歌の最後のフレーズ

 ♪ もえろ もえろ  あかるくもえろ

   消えないように どんどんもえろ

の部分を手話でやりました。「きえないように どんどんもえろ」と気持ちが膨らんでいくのをデフパペのエノさんは身振りで実にうまく表現していて、ろうの人たちの表現の豊かさにぞくぞくしました。右手前のおじさんがエノさん。なんともかっこいいのです。

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 たき火の周りに神さまたちが集まっているシーンは手話のレッスンで体が熱くなっていたこともあって、ものすごい盛り上がりでした。

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 冬の森の表現は、デフパペのマッキー,エノさんのアドバイスが効いて、びしっと決まった気がしました。舞台に出てくるときの歩き方、立ち位置を決めたあとのポーズの決め方のアドバイスは、さすがプロ!という感じでした。みんなの体の動きがとてもしなやかになりました。全体の立ち位置のバランスはエノさんがアドバイスをし、さらっとアドバイスしただけなのに全体がみるみる引き締まった感じになりました。

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 本番まであと2回。かなり追い込まれた感じで,みんなちょっと不安に思っているようです。でも、人間、追い込まれたときこそ、すばらしい力が出てくるもので、どんなものができあがるかわくわくしています。とにかくこんなにもみんなの心と体がはずんでいるのですから、すばらしい舞台が期待できそうです。

 

 

みんな悪意がないんだよね

 第3回目のワークショップがありました。

 進行役の「せっちゃん」と、ワークショップの中で、まだまだみんな自由になりきれてないというか、自分を表現しきってないね、といった話をしていて、その仕掛けをどうするか考えていました。そんな中で、コミュニケーションゲームで進行役の「ぱっつん」が、今日はみなさんにいろいろ質問したいと、好きな季節毎に別れたり、好きな野菜ごとに別れたりしていたのですが、「今度は私が質問したい」「僕がします」という人が次々に出てきました。お菓子であったり、漫画やディズニーランドのキャラクターだったりしました。

 おもしろかったのは、「げんさん」、「じゅんちゃん」、「ぱっつん」、「あみちゃん」のうち、いちばん好きは人は?、というタケちゃんの質問でした。「げんさん」は自分のお父さん、「じゅんちゃん」はお母さん、「ぱっつん」は進行役、「あみちゃん」はピアニストです。で、どういうわけか「げんさん」は自分を放棄して(?)、ピアニストの「あみちゃん」が好き、というグループに入っていて、みんな笑ってしまいました。

 こういう思ってもみない質問がぽ〜んと飛び出すところが、彼らといっしょにやるワークショップの楽しいところです。質問そのものは、なんだか答えにくいなぁ、と思っていたのですが、「げんさん」が「あみちゃん」が好きというグループに入っていた結果がすばらしくおもしろかったと思います。

 もちろんタケちゃんはそこまで考えて質問したわけではありません。「あなたはどの季節が好きですか?」の質問は、みんながただ四つのグループに分かれただけでした。でも、あなたは「げんさん」「じゅんちゃん」「ぱっつん」「あみちゃん」のうち、誰が好きですか?という質問は、みんなが思わず笑ってしまうような結果を生みました。ここがおもしろいと私は思うのです。彼らの言葉を丁寧に拾い集め、それを生かす工夫をしたいと思いました。

 

 『森は生きている』のお話を使いながら、その中で彼らの発想をどのように生かすか、そこが今回のワークショップのいちばんのテーマです。

 体を使って、物や場所を表現することにはかなり慣れてきましたが、「お話」を作ることにはまだ慣れていないので、今回はパン屋で好きなパンが焼き上がるところを体で表現したあと、そのパン屋に、夜、パンの大好きな巨大なドブネズミが勝手口から入ってきました。さて、どうしますか?というテーマで「お話」を作り、体で表現しました。

 おなかいっぱいにして眠らせる、とか、激辛なカレーパンを作って、びっくりさせるとかいろいろなアイデアが出ました。

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   こんにゃく座のオペラ『森は生きている』の中で、4月の神さまが、冬の神さまたちから1時間だけ時間をもらい、冬のさなかにマツユキソウを咲かすシーンがあります。舞台いっぱいに真っ白なマツユキソウが咲く、思わず「おおっ!」とうなってしまう場面で、マツユキソウを探しに来た娘と4月の神さまがデュエットで歌う歌があります。

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 「一瞬の今を、千秒にも生きて、このうれしさを胸に、胸に、胸に、きざもう」というところが私は大好きなのですが、この「一瞬の今」をぜひ舞台でみなさんに体験してほしいと思っています。ワークショップはですから、新しい生き方を見つける可能性をも秘めた場でもあるように思うのです。

 

 

 季節ごとに神様たちが集まり、森にやってきたわがままな女王たちをどうやってやっつけるかという作戦を練ってもらいました。進行役サイドの話の投げかけ方にも問題はあったのですが、物語にするにはかなり物足りない気がしました。

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 「やっつける」という気持ちがなかなか見えないというか、はっきりしない感じでした。

 そのことについて、今回のワークショップのあとの反省会でピアニストのあみちゃんが

「みんな、悪意がないんだよね」

とぼそんと言い、だから、女王をやっつける、などという、いわば悪意の上に成り立つ物語が作りにくいのではないか、というのです。

 「森は生きている」の物語をなぞってみようと、みんなで簡単な芝居をやったとき、わがままの女王と並ぶわがままな王様をやったコンちゃんは、娘から取り上げた大切な指輪を、娘から返却を要求されると

「いいよ」

と簡単に返そうとします。物語がよくわかっていない、ということはもちろんあるのですが、本質的にはやはり「悪意がない」ということなんだろうと思います。人が大切にしている物を取り上げてしまうとか、返さない、といった悪意ある発想がないのではないかと思うのです。

 ふだん彼らと接する機会のない「あみちゃん」の新鮮な感想は、彼らの本質を突いていると思いました。

 悪意のない彼らと、どうやって悪意ある物語を作っていくのか、またまたむつかしい問題が見えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

人形に魂を入れて 第2回ワークショップ

 第2回、「みんなでワークショップ」をやりました。今回は12月(月)の神さまの人形を作りました。こういうものつくりは場がものすごく集中して、ワークショップらしい、とてもいい雰囲気でした。

 直径15ミリの丸棒に新聞紙を丸めて芯にした頭にじぶんの好きな布を巻き付けて人形を作っていきます。いろんな布があって、その中から自分の好きな色、柄の布を選んで人形を作る作業は、ふだんの仕事にはない楽しさがあって、ぷかぷかの利用者さんにとっては、新鮮な体験だったようです。

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 人形に魂を入れるのがむつかしかった、と言った方がいましたが、それでも一生懸命思いを込めて作ると自然に魂がこもるのか、人形を横たえるとき、まるで赤ん坊を横たえるように、丁寧に丁寧に横たえていました。

 できあがった人形を手に持ってお披露目するとき、デフパペットシアターのスタッフの方が、人形の口から息を吸い込むように息をしましょう、とおっしゃっていましたが、人形と一体化するというのはそういうことかと思いました。

 人形と一緒に楽しそうに歩いたり、悲しそうに歩いたり、怒って歩いたり、ジュンベの音で支えてもらいました。

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  春、夏、秋、冬の四つのグループに分かれ、それぞれの季節の「はじまり」「中程」「終わり」を入れたお話を作り、発表しました。

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  次回は今回作った季節のお話に、マツユキソウやわがままな王女様のお話を入れていく予定です。

 次回は8月16日(土)です。いっしょにやってみたい方、連絡下さい。 

 電話453-8511(NPO法人ぷかぷか 高崎)もしくは

  メール pukapuka@ked.biglobe.ne.jp でお問い合わせ下さい。

 

 

 

 

 

 

第1回みんなでワークショップ

 

 ワークショップが始まりました。コミュニケーションゲームで体をあたためたあと、久しぶりに「マルマルマル」というアクションソングを歌いました。ぐるっと輪になって座り、隣の人の膝をたたいたり、肩に触れたり…。こういうおつきあいはふだんなかなかないので、ちょっと解放された気分になります。おまけに歌がびしっと決まって、最後にはすごい拍手でした。この盛り上がりがいいですね。ちょっと疲れて息が切れましたが…

 

『森は生きている』の概略を朗読と歌で説明してもらいました。歌はオペラシアターこんにゃく座のオペラ『森は生きている』で歌われているもので、ピアニストのあみちゃんに歌ってもらいました。

 ♪ 森は生きている/風だって雲だって/小川のせせらぎだって/生きている…

  森と空を/ 私は見た/ 生きているものたちの笑う声/話すことば…

 ここが、ぷかぷかが命に関することでやっていることと、どこかつながるところがある気がして、今回のワークショップの軸みたいなところに置きたいと思いました。

 あみちゃんの歌を聴いたあと、みんなでこの歌を歌いました。久しぶりに歌を歌って、とてもいい気持ちでした。歌は人を元気にしますね。

 

 ギブミーシェイプをやりました。体を使っていろいろなものを作ります。4グループに分かれ、森と動物を作りました。これはグループの中での関係作りと、体の表現のトレーニングです。

 下の写真、左側で走っているタケちゃんは森に住んでいるアイアイだそうです。

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 お昼を挟んで午後一番、『雨の音楽』を歌いました。乾ききった大地に、ドラムを打つばちのように雨が降り、新しい命を呼び覚ます、という元気の出る歌です。

 ♪ ほこりっぽい大地のドラムに 降る雨が打ち付ける

  はじめはささやく小声で それから だんだん大声の調子で…

 途中に入る手拍子が歯切れよく、だんだん元気になります。この歌も「森は生きている」と並んで毎回歌うことにしています。

 

 グループで1枚の写真を作るギブミーシェイプをやりました。まず一人が舞台に出てポーズを作ります。それにあったポーズを次の人が作ります。更に3人目、4人目と続き、1枚の写真ができあがります。

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 季節ごとに四つのグループに分かれ、簡単なお面を作りました。

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 できあがったお面をつけ、鏡の前に立って動いてみました。いつもと違う体になった気がします。ここがお面の持つ不思議な力ですね。

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  デフパペットシアターのメンバーに即興で音を入れてもらい、グループごとに舞台に出て、踊りました。

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 だんだんみんなのテンションが上がって、全員が真ん中に出て声を出しながら踊りまくりました。第1回目でこんなにテンションが上がるとは思ってもみませんでした。もう発表会のフィナーレのようでした。

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