ぷかぷか日記

本の校正原稿が上がってきました。

  ぷかぷかの本の校正原稿が上がってきました。

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 自分で書いた原稿ですが、すごく楽しかったです。あらためてぷかぷかっていろんなもの作り出してきたんだなぁ、と思いました。ぷかぷかがどんな風にして障がいのある人たちの「社会モデル」を作ってきたかがよくわかります。

 

 目次はこんな感じです。そうそう、本のタイトルは『ぷかぷかな物語』です」

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 前書きだけちょっと紹介します。

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はじめに

 

 横浜市緑区霧ヶ丘に「ぷかぷか」というおもしろいお店があります。

 パン屋、お惣菜屋、アートスタジオ、ごはん処があって、障がいのある人たちが働いています。

 と書くと

「ああ、福祉事業所か」

とたいていの人は思います。

 でも「ぷかぷか」はちがいます。よくある「福祉事業所」とはほど遠い雰囲気です。何がちがうのか。

 やたら明るくて、やたら楽しそう。なによりも元気!しかもみんな笑顔で働いています。更にぷかぷかさん(「ぷかぷか」で働く障がいのある人のこと)にはたくさんのファンがいます。世間では「なんとなくいやだ」とか「近寄りたくない」と思われている障がいのある人たちに、たくさんのファンがついているのです。

 どうしてこんなことになったのか。

 

 ぷかぷかさん達は社会にあわせるのではなく、ありのままの自分で働いています。社会にあわせることがないので、自分を押し殺す必要がありません。私らしく働くことを何よりも大切にしているのです。

 いい一日を過ごす、いい一日を作る。それがみんなの目標です。

 だからみんな明るいし、楽しそうだし、元気なのです。

 

 笑顔で働くのは、仕事が面白いからです。仕事が本物だからです。ほかのお店に負けないくらいおいしいものを作っているからです。

 

 たくさんのファンができたのは、ぷかぷかさん達がありのままの自分で働いているからです。そのままの彼らはとても自由です。その自由さこそが彼らの魅力であり、それに、たくさんの人たちが気がついたのです。

 

 ファンを作ることは、障がいのある人たちと健常者といわれる人たちを分けている垣根を外すことです。それは地域を耕すことです。

 ぷかぷかさん、つまりは障がいのある人のファンになることは、心が豊かになることです。ファンが増えることは、地域が豊かになることです。

 

 あれができない、これができない、社会のお荷物、などと言われている障がいのある人たちですが、ぷかぷかさんたちは地域を耕し、地域を豊かにする、というすばらしい仕事をやっているのです。

 

 「ぷかぷか」は代表の高崎が養護学校教員時代、障がいのある子ども達に惚れ込み、彼らと一緒に生きていきたいと思って始めた事業所です。ですから「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」「その方がトク!」と日々発信し続けています。

 

 この「トク!」という感覚が大事です。「共生社会」を作ろうとか、共に生きよう、といった感覚ではありません。どこまでも一緒に生きていった方が「トク!」という泥臭い感覚です。

 

 「ぷかぷか」はぷかぷかさんたちと一緒に生きる場です。支援とかはしません。支援されているのはむしろ私たちの方です。

 ぷかぷかさん達がいるからこそ、こんなにも活気ある楽しいお店ができ、たくさんのファンができました。地域の人たちにとっても大事なお店、場所になっています。

 ぷかぷかさん達がいるからこそ、楽しいパン教室ができたり、演劇ワークショップではすばらしい舞台ができたりします。新しい文化といっていいほどのものを創り出しています。

 ぷかぷかさん達がいるからこそ、2017年秋にはカナダのバンクーバーまで行って、世界自閉症フェスティバルに参加する、というとんでもないこともできちゃいました。そして、ぷかぷかのメッセージを世界中に発信したのです。

 ぷかぷかさん達がいなかったら、ただのパン屋であり、ただのお惣菜屋です。こんなに面白いことはできませんでした。

 ぷかぷかさん達がいるからこそ、みんなを元気にするような、たくさんの素敵な物語が生まれたのです。題して『ぷかぷかな物語』。ぷかぷかの、ではなく、ぷかぷかな、というところがミソです。どうしてミソなのか。そのヒミツがこの本には隠されています。さぁ、わくわくしながら探しましょう!

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 どんな本か少しだけイメージが伝わったかと思います。これからタイトルをぷかぷかさんに手描きで書いてもらったり、足りない写真をあらためて撮ったり、の作業があるのですが、編集者の話では4月半ば頃できあがるそうです。楽しみにしていて下さい。

 編集者の方は福祉の世界を知り尽くしたような方ですが、ぷかぷかが作り出したようなものは、今までどこにもなかったんじゃないか、とおっしゃっていました。

 今までの福祉の範疇では収まらないというか…、ま、だからこそ、おもしろいと思いますよ。

 出版社は『現代書館』です。

 

 

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