ぷかぷか日記

あーだこーだイロイロあって、うるさくて、面倒で、でも愛おしい!

  先日ぷかぷかに来られた方から感想をいただき、その中に素敵な言葉がありました。ぷかぷかは障がいのある人たちを支援するところではなく、いっしょに生きる場です、といつも言っているのですが、それを実にうまく語っていました。

 

「活気があって、生き生きしていて、ごちゃごちゃしていて、・・・大好きです!」

「みんなそれぞれ、あーだこーだイロイロあって、うるさくて、面倒で、でも愛おしい!」

 

 いっしょに生きるってどういうことなのか、いっしょに生きる場ってどういうところなのか、それをとてもうまく表現していると思います。ぷかぷかに来て、わずか1時間ほどでしたが、感じたままを言葉にしたのですね。

 …にしてもうまいなぁ。言葉に豊かさを感じます。

 障がいのある人たちといっしょに「いい一日を作ろう!」って、あーだこーだいいながら、あっちに曲がったり、こっちに曲がったりして作ってきたぷかぷか。こういう場こそ、今、私たちに一番必要じゃないか、って思います。ごちゃごちゃで、イロイロうるさいけど、なんだか楽しくなれて、自由になれて、彼らのこと愛おしく思えるような場。理屈っぽい話抜きに、彼らといっしょに心地よく生きられる場。

 「あーだこーだイロイロあって、うるさくて、面倒で」は「支援」する人たちがいちばん嫌うこと。そういうことを避けるために「支援」する。そのいちばん嫌うことを、ぷかぷかはどちらかといえば楽しんでやってきた。あーだこーだイロイロあるから毎日楽しいし、うるさいことも面倒なことも全部そのまま引き受けて楽しんできた。だからからこそ、こんなにも彼らのこと愛おしく感じられるぷかぷかができ上がった。

 彼らはたまたまこの時代にいっしょに生まれ合わせた仲間。ならばいっしょに楽しく生きていった方がいいじゃん、て思う。

 障がいのある人の数だけ、こんな場があれば、社会はもっと楽しくて、生き生きとしたものになる気がする。

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ケームホイ(養護学校キンコンカン-⑥)

 養護学校の教員をやっていた頃の話をふたつ(『子どもとゆく』164号)

 

 高1のキイ君が作業学習で余った布を使ってうちの娘に小さな袋を作ってくれました。うちへ持って帰って、娘が袋を開けると、かわいい手紙が入っていました。

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 「ケームホイってなに?」と娘(当時5才)。家族みんなでしばし考え込みました。

 「これって、ひょっとしたらゲームボーイのことじゃないの」と長男(当時10才)。

 ピンポーンでしたね。キイ君はゲームボーイが大好きでした。それで今度娘にそれを教えてあげるって書いたのだとわかりました。

 にしても、こんなあたたかな手紙を書いてくれるなんて、キイ君最高!って思いましたね。だって、こんな短い手紙で、うちの家族みんなの心をほっこりあたたかくしてくれたのですから。こういう人は社会の宝だと思いましたね。

 

 

 もう一つはやっくんに春が来た話。

 相手は同じクラスのサユリさん。サユリさんは一人だと帰り道がちょっと不安。それでやっくんに途中までいっしょに帰るように頼みました。で、毎日いっしょに帰るうちに春が芽生えたようでした。最近はしっかり手をつないで帰ったりしています。

 今日は帰りがけ、サユリさんが玄関で靴を履き替える時、ひもがほどけてしまいました。結び直そうとするのですが、サユリさんはうまく結べません。私が結んであげようとしゃがみ込んだとたん、近くにいたやっくんがさっとやってきました。

 「ぼくがやってあげるよ」

なんてカッコいいこというんだと感心しましたが、やっくんもうまく結べません。ああでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返します。

 ゆるゆるでしたが、なんとか結べました。また途中でほどけてしまうのではないかと不安になるほどでしたが、サユリさんは大喜び。

 「やったぁ、ばんざ〜い」

そんなサユリさんをうれしそうに見つめるやっくん。

 春はいいですね。いっしょに「ばんざ〜い」っていいたくなりました。

お互いが豊かになる、ということ、それがいっしょに生きていくことの本質

 11月28日にアップされたばかりのアマゾンの『ぷかぷかな物語』販売サイトのカスタマーレビュー、社会の状況をしっかり見据えた今までにない素晴らしいレビューです。

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この本はある障害者就労継続支援事業所B型のお話ですが、同じくB型で働いている私としては全く違った視点で事業展開されていることに大きく関心をもちました。
まず感じたことは障がいをもつ人たちを支援する対象とした見方でなく、「共にはたらく・生きる」同志として地域を巻き込み(耕す)ながら一緒に活動し、そのほうが絶対楽しいということ。そして持続性があること。「多様性を認め合うインクルーシブ社会の実現を」とどこでも耳にしますが、今の社会の在り方は、教育、就労が障がいをもつ人たちとそうでない人たちとを分けた制度の上で成り立っています。
分離が進むほどその社会の規範に縛られて、障がいをもつ人たちがその多様性を認めてもらうどころか社会に合わせるために押し殺さなければならない、ますます支援、配慮の対象にされてしまう。
ぷかぷかさんのように障がいをありのまま楽しむ方法を作り上げれば、そこに生産性も生まれ、制度も使い倒し、地域も社会も豊かにしていくことを実現していけるのだなととても参考になりました。障がいをもった人たちと関わる仕事をされている方、学校教育関係の方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。
何より、ぷかぷかさんたちがとても魅力的です。

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《「多様性を認め合うインクルーシブ社会の実現を」とどこでも耳にしますが、今の社会の在り方は、教育、就労が障がいをもつ人たちとそうでない人たちとを分けた制度の上で成り立っています。》

 なかなか鋭い指摘です。多様性を認め合う社会の実現は、障がいのある人とそうでない人をわけている制度そのものに焦点を当て、そこを変えることが同時進行でないと、多様性を認め合う、なんてまやかしに過ぎないのではないかと思います。といって制度を正面から変えるなんて、実に大変なこと。考えるだけで気が遠くなりそうです。

 じゃあどうするのか、ということですが、ぷかぷかはそんなことは一切考えずに、ただ彼らに惚れ込み、彼らとはいっしょに生きていった方がいいよ、その方がトク!と言い続け、様々な実践を積み重ねてきました。でも結果的には、そういった制度を超えるものを作り出せたのではないかと思っています。

 教育、就労の世界で、後に続く人がたくさん出てくれば、制度は形骸化していきます。何よりも、教育、就労の世界が豊かなものになります。この豊かになる、というところが大切です。それこそがいっしょに生きていくことの本質だと思います。

 ただ残念なのは、後に続く人が、この業界でなかなか出てこないことです。ぷかぷかに見学に来て「素晴らしい」という人は多いのですが、自分の事業所での新しい動きは出てきません。カスタマーレビューを書いた方も、「とても参考になりました」というところでとまっている感じで、なんとも残念です。

 大事なことは、新しい動きを作り出すことであり、社会を変えることです。お互いが生きやすい社会に。

いつも健常者が上に立って、指導したりサポートしているという言い方が違うなと思っていました。

『ぷかぷかな物語』の素敵な感想が届きました。

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様々、障害者雇用や福祉に関する本を読みましたが、
1番共感した本でした。
 
私は障害者雇用に携わりたく、ある会社に入社いたしましたが、
色々考えているうちに、障害者雇用、障がい者支援、どれも何だかしっくりこなくて、結局いつも健常者が上に立って、指導したりサポートしているという言い方が違うなと思っていました。
 
自分はどのようにして障がいを持つ方たちと携わりたいのか、何をしたいのか、言語化するのが難しいなと思っていましたが、本ではなるほど!そういうことか!と納得する表現がたくさんあり、本当に共感しました。
 
ぷかぷかさんとは、一緒に生きていく方が豊かで、街を耕してくれる存在。
素敵すぎます。
私もぷかぷかさんのようにどんな人の魅力も引き出せるようなことができたらなあ、そして、知ろうとしてくれる人が増えたらなあ、そう思っています。
 
まだまだ自分の中での周りに対する偏見や、知らないことが多く、未熟だなあと感じる事ばかりですが、ぷかぷかさんに伺うことで一歩前に踏み出せたら良いなと思っています。
 
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 「いつも健常者が上に立って、指導したりサポートしているという言い方が違うなと思っていました。」という感覚が素晴らしいですね。こういう人こそが、障がいのある人たちと一緒に新しい未来を作っていくのだと思います。理屈ではなく、感覚的に「それはおかしい」と思うことが大切です。その感覚は障がいのある人たちとのフラットなおつきあいから生まれます。
 いろいろできないことがあっても、おつきあいしていると、なんかすごく楽しかったり、ほっこりあたたかい気持ちになったりしたのだと思います。だから「いつも彼らの上に立って指導したりサポートしたり」といったことに疑問を感じたのだと思います。すごく大事な気づきですね。
 
 昔養護学校の教員をやっていた頃、「指導」という言葉がどうもしっくりきませんでした。子どもたちは、いろんなことができなくても、そういったことを突き抜けてしまうような魅力を持っていました。そんな人たちにえらそうに「指導」するなんてことは恥ずかしくてできない気がしていました。彼らからは人間が生きる上で大切なことをたくさん教わりました。彼らと出会うことで、私は人生が変わったと思っています。人生がとても豊かになったと思っています。ですから、彼らより自分がえらいとはどうしても思えなかったのです。
 
 彼らのおかげで『街角のパフォーマンス』という本まで書くことができました。

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 彼らと出会い、こんな素敵な人たちを養護学校に閉じ込めておくのはもったいないと、学校の外に連れ出しました。たくさんの人に出会い、たくさんの素敵な物語が生まれました。社会を、お互いがもっと生きやすくなるように変えていくような物語です。それをまとめたのがこの本です。
 「ともに生きる」だの「共生社会」だのの言葉もまだなかった時代です。それでも養護学校の子どもたち、生徒たち、それに地域の人たちで小さな共生社会を実現させていたのです。
 
 たとえばこの写真。養護学校の生徒たちと地域の子ども、大人たちが一緒になって即興で人形劇を作った時のものです。

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 こんなことを街角でやっていたのです。小さな共生社会がここにはありました。

 今、この社会の中で、こんな場面がいったいどれくらいあるでしょうか。社会はどれくらい進化したのでしょうか?「ふれあいフェスティバル」だなんて、ちゃんと関係ができないことのごまかしだと思います。ふれあってるような関係からは、豊かなものは何も生まれません。上の、いっしょに人形劇を作っている写真、ふれあってるとはいいません。ふれあったくらいで、いっしょに人形劇なんか作れないのです。

 ここに集まっている人たちは演劇ワークショップを3年ほど一緒にやっていた仲間です。月一回集まり、みんなで芝居作りをやっていました。そういうクリエイティブな関係があって、街角の人形劇作りが成立しています。彼らといっしょに生きるということと、ふれあう、というのは全く違うのです。そういう関係をどこまで丁寧に作ってきたか、ということです。『街角のパフォーマンス』は、そんな関係をどんな風にして作ってきたかの記録です。

 

『ぷかぷかな物語』はぷかぷかサイトで販売中。著者サイン入りです。

shop.pukapuka.or.jp

 本を読んで、ああおもしろかったって思われた方は、ぜひアマゾンの販売サイトでカスタマーレビューを書いてください。よろしくお願いします。

 

『街角のパフォーマンス』はオンデマンド版をぷかぷかのサイトで販売中。オンデマンド版なので少し高いですが、読む価値はあると思います。著者サイン入りです。
 
 
『街角のパフォーマンス』はタイトルを『とがった心が丸くなる』に変えて電子本がアマゾンで販売中。アマゾンのKindle会員であれば、なんと無料で読めます。ふつうに買っても900円で安いです。

www.amazon.co.jp

 本を読まれて、ああおもしろかったって思われた方はぜひ『とがった心が丸くなる』のカスタマーレビューを書いてください。

社会にあわせたあなたではなく、そのままのあなたがいちばん魅力的、と私たちが思えるかどうか

『ぷかぷかな物語』は読まれましたでしょうか?アマゾンの販売サイトのカスタマーレビューにはこんなことが書かれています。

          

《 横浜市緑区霧ヶ丘にあるしょう害のある人たちが働いている「ぷかぷか」という面白いお店の誕生からの様々なドラマがとても読みやすく書かれているノンフィクション。よくある「福祉事業所」とは程遠い世界の成り立ちや世界観に引き込まれてしまいます。「しょう害があっても、社会に合わせるのではなくありのままの自分で働く」「しょう害の無い人も、しょう害のある人と一緒に生きていったほうが幸せ」それを伝えたい筆者でありぷかぷかの理事長の高崎さんの厚く深い人間愛に感動します。
この本に出逢い、いてもたっても居られなくなり、実際に「ぷかぷかさんのお店」にも行ってきました。本の通りの明るく楽しく元気なエリアで、とても幸せな時間を過ごせました。まるで天国のような所でした。》

 

 本を読んでいても立ってもいられなくなり、ぷかぷかのお店にやってきたという方。「とても幸せな時間を過ごせました」といいます。

 障がいのある人たちの働く場で、どうしてそんな気持ちになるのだろうと思います。障害者はなんとなくいや、怖い、近寄りたくない、と思う方がまだまだ多い社会にあって、「とても幸せな時間を過ごせました」という言葉が出てくるのはどうしてでしょうか。

 

 別の方はこんなことを書いています。

《 私も障害のある子どもを育てていますが、家族になってよかった。家族があたたかくなりました。ぷかぷかさんは社会をあたたかくします。耕します。そのことがこの本を読んでしっかりわかりました。》

 

 ぷかぷかさんたちは社会をあたたかくする存在なんだろうと思います。ぷかぷかのほっこりあたたかな雰囲気、ホッと一息つけるような雰囲気は、ぷかぷかさんたちが作り出したものです。私たちがああしなさい、こうしなさい、といってできたものではありません。彼らがありのままの彼らでいた時、自然にこんな雰囲気ができました。それが彼らのチカラなんだと思います。

 そのチカラがこんな素敵なぷかぷかを作り上げたのです。

 

 こんな場所をあちこちにつくるコツ、それは障がいのある人たちに向かって、社会にあわせたあなたではなく、そのままのあなたがいちばん魅力的、と私たちが思えるかどうかです。そんな風に素直に思えるようになった時、あちこちに素敵なぷかぷかが出現します。ぜひやってみて下さい。

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 『ぷかぷかな物語』には、そのコツが満載。まだお読みでない方はぜひ。

shop.pukapuka.or.jp

 

 すでに読まれた方はアマゾンの販売サイトでぜひカスタマーレビューを書き込んで下さい。

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いや〜別によく働くなくてもいいよ

 この季節、長野のリンゴ農家佐藤さんからたくさんのおいしいリンゴが届きます。その佐藤さんには昔、養護学校の生徒を2週間ほど預かってもらったことがあります。佐藤さんちに泊まり込みでリンゴ農家の仕事を体験させてもらったのです。

 養護学校の生徒とのおつきあいの経験はありません。でも、私の学校での楽しそうな話を聞き(その頃毎年のように夏、北海道の子連れ旅の帰り、小樽から新潟までフェリーに乗り、その足で長野の佐藤さんちに一家で泊めてもらっていました)、じゃあ一度生徒を預かってみるか、ということになりました。

 障がいのある生徒と一緒に仕事をするとか、生活するとかの経験がなかったので、いろいろ大変なこともあったと思います。それでも2週間のおつきあいの中で、自分の人生が変わるような気づきがたくさんあって、すっかり惚れ込んでしまったといいます。実習が終わって帰り際、佐藤さんは涙がとまらなかったといいます。

 そんなことがあって3年後、佐藤さんはなんと近くの養護学校でコンサートの企画をします。京都からじぶんの好きな歌手を呼んで養護学校の生徒たちに聞かせるんだといいます。

「マサル(佐藤さんちに泊まり込んで実習した生徒)のおかげで自分の人生が変わった気がするから、そのお礼よ」

と事もなげに佐藤さんは言います。歌手へのギャラとか交通費を考えるとそれなりのお金がかかったのではないかと思うのですが、もうびっくりしました。

 

 後日、よく働く生徒が見つかったから、来年の夏、またお願いします、って電話したら、

「いや〜別によく働くなくてもいいよ、俺は養護学校の生徒といっしょにいるだけで楽しいんだよ」

 「ともに生きる社会」だの「共生社会」だのの言葉がまだなかった頃の話です。人と人との出会いこそ、新しい時代を切り開くのだと思います。

 

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ぷかぷかのパン屋があることが街の価値を上げている

 2年前のぷかぷか上映会の感想に「ぷかぷかのパン屋があることが街の価値を上げている」というのがありました。

 

《 4年前に霧ヶ丘に引っ越してきました。毎朝、ぷかぷかのパンを食べています。娘は保育園でもぷかぷかのパンを食べています。この街にぷかぷかのパン屋があることが、この街の価値を何倍にも上げています。映画を見て、それをますます感じました。霧ヶ丘の街が、ぷかぷかが、ますます好きになりました。》

 

 ぷかぷかの評価はいろいろありますが、

 「街の価値を上げている」

というのは初めてです。

 感想を書かれた方は4年前に引っ越してきた方のようですが、この街に来てぷかぷかさんたちのとほっこりあたたかな出会いを経験し、この街に来てほんとうによかったと感じたのではないかと思います。多分それまでは障がいのある人たちとこんな楽しいおつきあいはなかったのではないかと思います。だから余計にぷかぷかさんたちとの出会いが新鮮で、うれしかったのだと思います。この街に来て、障がいのある人たちと思いもよらない楽しい出会いがあったこと、この街に来なければ、こんな風に彼らと出会うこともなかったし、こういうことってこの街の価値をあげてるんじゃないか、というわけです。

 

 ぷかぷかは街の人たちの障がいのある人たちと出会って欲しいと思い、街の中にお店を作りました。障がいのある人たちの魅力を知って欲しいと思ったからです。彼らの魅力を知る人が増えることは、街を豊かにすると考えていました。

 今回は街の人、つまりは彼らと出会う側からの、今までにない新しい視点を教わった気がしました。あれができないこれができない、効率が落ちる、役に立たない等々、マイナスの評価の多い彼らですが、出会ってみたら素敵な人たちじゃないか、こんな素敵な人たちと出会える場があるってことは、素晴らしいことだよ、街の価値を上げているよ、と街の人がいっているのです。

 「街の価値」という言葉が新鮮でした。ぷかぷかさんたちの存在が、街の価値を引き上げている。素敵な言葉だと思いました。

 

 家で飼っている猫の絵をぷかぷかさんに描いてもらい、それをTシャツに転写して、子どもに着せている方が昨日の「でんぱた 米まつり」に来ていました。

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(お母さんのFacebookに載っている写真)

人、子供、立っている、レンガ壁の画像のようです 

 

アート屋わんどで頼んだうちの猫のチーちゃんのTシャツ。
好きです!素敵すぎます!
 
とお母さんのFacebookにありました。ぷかぷかさんは街の人たちがこんな素敵な物語を作り出すお手伝いをしているのです。こんな風にして街の価値を上げているのだと思います。

虐待を起こさないような関係を日々作っていく

県立障害者施設で虐待事件があり、あまりにひどいので県に対し質問状を出しました。

www.pukapuka.or.jp

  で、その返事。

 

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 どこまで本気でやるのか、といった感じです。いろいろ研修はやったようですが、こんなありきたりの研修で人は変わりません。研修に本気度が感じられないのです。

 ぷかぷかがやった人権研修会はこんな感じです。

www.pukapuka.or.jp

 

 月刊『創』に渡辺一史さんが事件について原稿を書いています。

www.tsukuru.co.jp

binb.bricks.pub

 

 いずれにしても県には期待できないので、自分で虐待を起こさないような関係を日々作っていくしかないのだと思います。

 コロナでこの2年、休んでいた演劇ワークショップを来年は感染対策をしながら再開しようと思っています。障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいことが素直に伝わるような舞台を作ります。虐待を起こすような関係とは正反対の関係です。

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オオキしゃん  (養護学校キンコンカン-⑤)

 養護学校の教員をやっていた頃の話です。

 

 トミちゃんは業務員のオオキさんが大好きです。一日一回は会わないと気がすみません。オオキさんに会いたくなると「オオキしゃん」とぼそっとつぶやき、もうそれだけでうれしくなって「ヒャ〜」ってコーフンした声が出て、顔はもううれしくてうれしくてくしゃくしゃ。

 「ようし、オオキしゃんとこ行くか」

と、トミちゃんの手を引いて業務員室に向かいます。業務員室が見えてくると

 「オオキしゃん、オオキしゃん、ヒャ〜ッ」

と、声がだんだんうわずって、うれしさに身もだえするように床にひっくり返ってしまいます。誰かのこと好きになるって、こういうことなんだとしみじみ思ったりしました。

 業務員室の前まで来ても、すぐには飛び込んだりせず、ちょっとはにかむように業務員室の方をチラチラ見ながら、まわりをうろうろします。大好きな人に会える気持ちの高まりをちょっとずつ楽しんでいる感じなのです。トミちゃんは、ふだんは何かと大変な子どもなのですが、こういうところを見ると、ほんとうはすごくナイーブな心を持ってるんだ、となんだかうれしくなってしまいます。

 そうして長い時間かけて気持ちの高まりを楽しんだあと、いよいよ業務員室に飛び込みます。オオキさんがいれば

 「オオキしゃん!オオキしゃん!ヒャ〜ッ」

と抱きついたり、手を引っ張ったり、床にぺたんと座り込んだり、もう大変な騒ぎ。顔はもう幸せではち切れそう。

 でも、机の上にお菓子があったりすると「オオキしゃん!」とうわずった声を出しながら、机に向かって突進。カメレオンの舌のような早業でお菓子を口に運んでしまいます。このあたりがトミちゃんのすごいところ。

 

 トミちゃんが人の名前を言うのはオオキさんだけです。毎日いちばんつきあっている担任のぼくの名前は、くやしいことに一度も口にしたことがありません。まわりの教師たちの名前も口にしません。それはそのまま、トミちゃんがまわりの人をどんな風に感じているかを物語っています。

 学校の中でいちばん子どもの面倒を見ていると自分で思い込んでいる教師の名前ではなく、いちばん地味な仕事をしている業務員のおじさんの名前を口にするというところが、なんとも痛快というか、トミちゃんの人間を見る目の確かさを思うのです。

 学校には業務員さんのほか、スクールバスの運転手さんや添乗のおばさん、給食の調理員さんといった、子どもたちにいわゆる「指導」をしない人たちがたくさんいます。そういう人たちは子どもたちとごくふつうにつきあっていて、見ていてとても気持ちがいいです。そのことをいちばん感じているのは子どもたちだと思います。

 

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 「しばいごや」に登場したバスの運転手さん(中央蝶ネクタイのおじさん)とバスの添乗のおばさん(右側赤いドレスとサングラスの女性)、その後ろ、赤いシャツにサングラス、鼻に白い線を引いている怪しい男が若き頃のタカサキ。

 

 「オオキしゃん」とつぶやいて、床にひっくり返ってしまうくらいうれしいトミちゃんを見ていると、ぼくも含めて教師というのは子どもたちに対して何をしているのかと思ってしまうのです。「タカサキぃ」とつぶやいて、床にひっくり返るくらい喜ぶ子どもがいないのはどうしてなんだろう、ということこそ、真剣に考えねばならない問題だと思うのです。

 トミちゃんとオオキさんのおつきあいを見てると、人と人がおつきあいすることの豊かさのようなものを感じます。「指導」という関係は、こんな豊かさを作り出しているだろうかと思うのです。機会見つけてオオキさんのところへ教えを請いに行こうかと思っています。

1000年プロジェクト

 上野さんのいろいろ米、ライ麦をこれから先も長く残して欲しいと思い、何年か前から農業法人(複数の人間で上野さんの思い、技術を共有しながらいろいろ米、ライ麦を作っていく)の提案をしているのですが、なかなか話が進まず、どうしたものかと思いながら先日上野さんに会ってきました。

 たまたま出かけた日の朝日新聞朝刊に「千年耕せる農業」と題した記事がありました。「千年後もこの地を耕し続けられるよう持続可能性と生物多様性に資する農業をしたい。それには有機農業だ。」という記事です。

digital.asahi.com

 千年先を見通しながら農業やるってすごいなと思いました。

 上野さんのいろいろ米、ライ麦も1000年先まで残せたらいいなと思いました。いろいろ米もライ麦もそのくらい価値あるものだと思います。残すためにはどうしたらいいのか。1000年先を考えると家族だけでやるには多分むつかしいです。たくさんの人のつながり、アイデア、情熱が必要です。それを「上野さんのいろいろ米・ライ麦 1000年プロジェクト」という形でやってみてはどうかと思うのです。

 奥さんの礼子さんの話では、地元の生産者の集まりでも、

「やっぱり上野さんのお米が一番」

と、評判だそうです。お米を作る技術と上野さんのお米への思いがそういうおいしいお米を作り出しているのだと思います。そのおいしいお米を1000年先まで残すにはどうしたらいいのか。技術と思いをどうやって継承していくのか。そのことを上野さんにも考えて欲しいとお願いしてきました。

 そのアイデアを広く募集します。アイデアは takasaki@pukapuka.or.jp までメールでお願いします。そのうち上野さんのいろいろ米、ライ麦の魅力を伝えるサイトを作りたいと思っています。

 いろいろ米もライ麦も大事にしたい社会の財産です。その財産を1000年先まで残したいと思うのです。

いろいろ米を作っている田んぼ

f:id:pukapuka-pan:20211031185150j:plainライ麦の畑

f:id:pukapuka-pan:20211031185303j:plain上野さんご夫婦

f:id:pukapuka-pan:20211031185402j:plain家の天井の梁がすごい

f:id:pukapuka-pan:20211031185439j:plainお土産にいただいたぽんせんとうどん。ラベルの絵を描いたのはぷかぷかさんです。

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いろいろ米の入った食パン

ぷかぷかではライ麦の入ったカンパーニュ、食パンを作っています。

お食事処「ぷかぷかさんのお昼ご飯では」いろいろ米を使ったおいしいランチを提供しています。

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