ぷかぷか日記

出生前診断

  • #障がいのある人がいる暮らしも悪くないよ
     相模原障害者殺傷事件で犠牲になった方の中に美帆ちゃんというかわいい女性がいました。名前と写真が公表された方です。              19歳でした。美帆ちゃんの名前と写真が公表されたことで、事件の重みをリアルに感じることができるようになり、事件が一層辛くなりました。公判中、朝日新聞横浜版に、犯行当時の様子が詳しく載ったことがありました。その中に美帆ちゃんの名前も載っていて、美帆ちゃんが殺される様子がリアルにわかり、私は読むに耐えませんでした。お母さんのことを思い、朝日新聞に抗議しました。読む人がどんな風に受け止めるか考えなかったのか、と。後日横浜支局の編集責任者から「名前を載せるかどうかは難しい判断でした」というメールが来ましたが、お母さんが名前を公表したのは、あんな風に記事に使われるためではなかったのに、と思いました。  裁判が終わってあらためて思うのは、なんの罪もない美帆さんが、どうして殺されなければならなかったのか、ということです。裁判ではそのことについて何も明らかにならないまま、被告に死刑の判決が出て終わりました。今、マスコミもほとんど話題にしません。事件はどんどん忘れられていきます。  「美帆さんは殺された」「美帆さんは、今、いない」という重い事実だけが残りました。家族だけがそのやりきれない事実を背負い込んでいます。そのことが私は辛いです。せめて 「美帆ちゃんは、どうして殺されなければならなかったのか」 の問いを、ずっと考え続けようと思っています。それは社会のあり方を問うことであり、社会のなかの自分の生き方を問うことです。お母さんの辛さを自分の辛さとして少しでも感じたいからです。  その延長に、出生前診断の問題があります。  出生前診断で陽生が出た人の9割以上が産まない選択をするそうですが、障がいのある人たちに対する社会の思いがそのまま現れていると思います。9割の人が障がいのある人たちの存在を否定する、という現実です。  言い方がちょっとストレートですが、生まない選択は、家族に「障害者はいない方がいい」ということだと思います。そんなふうに障害者を否定する社会の雰囲気が、相模原障害者殺傷事件を生んだと私は考えています。決して植松被告の特異性だけが生んだのではありません。だから彼を死刑にしても、障害者を否定する社会の雰囲気は何も変わりません。社会が抱えた問題は、何も解決しないのです。  陽性反応が出て、産まない選択をするのは、多分、障がいのある人たちのこと、よく知らないのだと思います。知らないまま、社会のなかの障がいのある人たちのネガティブなイメージに負けてしまったのだと思います。  だったら障がいのある人たちのポジティブなイメージを私たちで届けようじゃないかと思うのです。  「#障がいのある人がいる暮らしも悪くないよ」  「#障がいのある人がいる暮らしは、楽しいこともいっぱいあるよ」 といった感じの明るいメッセージです。   出生前診断で反応が出て、辛い思いをしたり、悩んでいる人が、「あっ、そうなんだ」「そういうこともあるんだ」って、ちょっと気持ちが楽になるといいなと思うのです。  例えばこんな話です。 ameblo.jp  関係者がこんな楽しい話を「#障がいのある人がいる暮らしも悪くないよ」「#障がいのある人がいる暮らしは、楽しいこともいっぱいあるよ」をつけて発信すれば、きっと楽になる人がいると思うのです。そしてそういう人が少しずつでも増えていけば、障がいのある人をなかなか受け入れない社会はきっと変わります。       ★下記サイトに美帆さんのお母さんの話が載っています。ぜひ見て下さい。 www.nhk.or.jp
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