ぷかぷか日記

ぷかぷか上映会

  • 気持ちがいっぱいです。とても。(相模原障害者殺傷事件5年目に思うこと−⑨)
     ぷかぷかは事件以来、毎年事件をテーマにした上映会、トークセッションを続けています。ぷかぷかさんたちもいっしょですから、堅い話ではなく、誰にでもわかるように、障害のある人たちといっしょに生きていく意味を話し合ってきました。7月31日(土)のぷかぷか上映会もその延長にあります。        事件直後はたくさんの人が 「決して忘れない」 なんていってたのに、あの時の声はどこへ行ってしまったのでしょう、という雰囲気。感想の中に 「こうした公開イベントを主催された法人の姿勢と努力に感謝です。こうした法人が増えることが相模原事件の再発を防ぐ第一歩だと思いました。」 というのがありましたが、とても大事な指摘だと思いました。事件を考え続けること、意見を言い続けること、それが大事だと思います。そこから事件を超える社会ができ上がっていきます。  コロナ禍にもかかわらず80名近い方が参加されました。ありがとうございます。たくさんの感想をいただきました。その一部を紹介させていただきます。 ●「静かにしないと帰っちゃうよ」は、やさしい脅迫?(トークセッションの時、そういった意見が会場から出た)上下関係がある親子はそうなると思うけど、友人のような信頼の関係があれば、決してそのような意味を持たない気がします。コトバあそびのような。介護者の方と一矢さんの関係性が、上下でないからこそ、微笑ましいものにもなる気がする。この部分もゆるやかにとらえられる社会がいい。  三人の娘が小さい時、マンションの近所の方からよく、足音がうるさい、と注意を受けました。「今何才?静かになるまで、あと何年ね、がまんするわ」とおばさんに言われたこともあります。すみません、と謝りながら、「なぜ、こちらを理解しようとしないんだろう。歩み寄る気がないのはさみしい」と思いました。もちろん子どもに注意もしましたが、それでも2,3才の動きはドタバタするのが自然で、どうしようもないところもありました。  高崎さんの「大声出しちゃってもしょーがないじゃん」って、とってもいいなと思いました。一つの答えだと思いました。  自分の中の、ああしちゃダメ、こうしちゃダメ、をはずしてはずして、最後に残る無力な自分をそのまま認めることができれば、きっと環境におきたいろんなこと「しょーがないじゃん」って思えると思いました。 ●『いろとりどりの親子』素晴らしい映画でした。親として子どもの幸せを願うのは当たり前。でも、その幸せが本人にとってはどうなのか?親の思いと本人の気持ちは、必ずしも一致するわけではない。むしろ、一致しない方が多い。本人にとってどんな選択肢があり、それをどう選んでいけるのか。  子どもを授かるために努力をしている低身長のカップルに対して、病院は生まれてくる子どもの障害リスクに焦点を当てた。障害は負であるという視点からされた説明と、それに対する二人の考え方にはっとさせられ、赤ちゃんが生まれるまで二人を応援し、生まれてきた時には思わず拍手したい気持ちになりました。  突然、犯罪者の親になってしまった夫婦の思い…  いろとりどりの親子が織りなす人間模様。  それぞれの親子にそれぞれのドラマがあり、それぞれのエピソードに対していろいろな思いを持ちました。  素晴らしい映画を見せていただき本当にありがとうございました。 ●『いろとりどりの親子』では抱えているものも様々な家族が葛藤しながらも、自分にとっての幸せを見つけていき、心から幸せそうに生きている姿に励まされました。  『Secret of Pukapuka』でぷかぷかの活動を見ていると「いっしょにいると心ぷかぷか」を体現されているようで、地域との自然な関わり方が心地よいなと思いました。しかし、そのような状態にまで至るのにたくさんの苦労があったことを初めて知りました。  尾野一矢さんの話で、大学でのオンライン授業の感想に「一矢さんが一番人間らしい」という言葉があり、私も強く同感しました。いろいろな抑制を強いられている中で生きている私たちにとって、障害のある方の姿は自由で生き生きとして見えます。 ●『Secret of Pukapuka』を見て、障害のある人たちが本当に生き生きと生活されているのがよく伝わってきました。  私は今まであまり障害のある方と接点がなく、どんな方なのかよくわかっていなかったのですが、ぷかぷかさんたちは、今を生きることに全力で、人生を全力で楽しんでいるように見えて、その姿がまわりの人たちを明るくしているというのがよくわかりました。  ぷかぷかのような場が、各町に一つずつあれば、地域の人たち、子どもたちがぷかぷかさんたちと当たり前のように接することができていいのかなぁと思いました。  高崎さんもおっしゃっていましたが、「見えない」「わからない」から怖いのであって、友達大作戦で「友達」になれれば、もっとお互い暮らしやすくなるんだろうなと思いました。  今日参加して、ぷかぷかさんたちの楽しい世界を垣間見て、私自身の考え方が大きく変わりました。素敵な時間をありがとうございました。 ●『いろとりどりの親子』すごい映画でした。特に殺人加害者の家族への取材は、日本では考えられないことで「いろとりどり」の意味が深められていました。いろいろな意味で「希望」を見つけ出すことができた素晴らしい映画でした。 ●今日は素晴らしい上映会や尾野一矢さんのトークイベントを企画いただき、ありがとうございました。一矢さんを初めてテレビで拝見してから、一生懸命なお姿に、ご両親の大きな愛にとても感動いたしました!ひと目お会いしたい一心で今日お伺いいたしました。  ぷかぷかのみなさんは、生き生きとしたお顔で、私よりもよっぽど人間として豊かで、一日一日を大切に生きていらっしゃる。  かずやさんの友達大作戦、心より応援しています。  私事ですが、日頃介護士として仕事をしており、お邪魔でなければ、何かお手伝いしたいという思いです。一矢さんやぷかぷかさんのみなさんといっしょに生きたいと強く感じました。 ●気持ちがいっぱいです。とても。 ●障害のある、なしにかかわらず、一番の問題は「孤立」「お互いの無理解」なのかな…と思っています。  つながることーつなげること  知ることー知ってもらうこと 「ぷかぷか」の取り組み、一矢さんを取り巻く動きは、その実践だな…と思います。 ●映像や会場でのお話を通し、まずは物事にしろ、人にしろ、知る、知り合うことから始まるのだなと、あらためて気づかされました。  大声を聞いたとき、知らないと「怖い」と思うけど、知っていれば「あー、元気いいな」と印象が変わります。 ●映画もトークもとても考える機会となりました。子どもの頃からいっしょに笑う、泣く、怒る、をたくさんすること、障害のない、ある、では人間は区別できず、区別は差別につながること、あらためて思いました。 一矢さんの生活応援しています。私も街を耕す活動をしっかりやっていこうとあらためて思います。 ●今日はとても素敵な学びの場を提供していただき、ありがとうございました。  「彼らといっしょにいると楽しい」と発信される「ぷかぷか」も最初は苦情があったと知りました。積み重ねが大切とあらためて思いました。  尾野さんのお父様のお話は本当によかったです。ご自身がどんどん変わっていかれたことに敬意を表します。  社会の側が線を引いて、当事者や親御さんを追い込んできたことを思うと、学んで変わっていかなければならないのは社会であり、私たちの側だとあらためて思います。「ぷかぷか」のみなさんを目標に頑張っていきたいと思います。  渡辺一史さんのお話で(『創』2021年8月号に載った「相模原府県死刑囚に新事実」)共同会について私が感じていた違和感の謎が解けた思いがしました。 ●こうした公開イベントを主催された法人の姿勢と努力に感謝です。こうした法人が増えることが相模原事件の再発を防ぐ第一歩だと思いました。入所施設悪者論のような印象が気になりました。 ●大声に対する苦情の話について  自分たちの思いをわかってもらいたいのはわかるが、聞かされる方にも、障害や事情などがあるかも知れないことに考えが至っていない。  私は聴覚過敏を持っている。自閉でも知的障害でもないが、ふつうの人に聞こえない音を振動として感じてしまうので生きづらい。  私の息子は重度の知的障害があり、奇声は日常のこと。ものをたたいたり、足踏みしたり、とにかく音や声を出さずにいられない。言葉のない彼にとって唯一の表現であることは百も承知だが、その刺激はすさまじく、車酔いのような状態。気持ちが悪くて吐き気がするほど辛い。感情は息子の行動を受容したいが、この身体はそれを全身で拒否してしまう…耳栓をしてもほとんど効果はない。一矢氏のアパートの2階にも、もし私のような人が住んでいたとしたら…? ●笑顔あふれるぷかぷかさんたちが築く世界をあらためて素敵だなぁ、とうらやむくらいに思いました。ドキュメンタリー映像はFacebookでも拝見しましたが、友達大作戦は自分の地域の子どもたちとも考えて行けたらおもしろいなぁと感じています。 ●とても考えることが多いイベントでした。地域や日本社会のあり方、自分のスタンスなど、振り返るきっかけになりました。障害を持っている、持っていないにかかわらず、生きやすい社会が実現できるよう何か自分にできることはないか考えていきたい。 ●『いろとりどりの親子』みなさん楽しそうに一日を送っているように感じた。ここまで来るにはいろいろなことがあったと思いますが、素敵なパートナー、友達、こんな人たちに会えたら最高なのにと思いながら見ていました。三人での共同生活、楽しそうで、結婚、出産、素晴らしいなぁ。両親の対応にも感動ですね。自分にはここまでできるのか。 ●障害がわかった時から、ずっと自分を責めてきました。日本でも外国でも変わらないのですね。今は楽しく過ごしていますが、将来的なことを考える時が近づいていると感じました。思わず胸が詰まってしまいましたが、よい映画をありがとうございました。 ●『いろとりどりの親子』は多様性を考えることのできる素晴らしい映画でした。『Secret of Pukapuka』は以前見たことがありましたが、再度拝見しても素晴らしかったです。みんなの笑顔、楽しい雰囲気、こちらも笑顔になりました。  トークイベント、オープニングからダンスでちょっと笑いありのスタート。よかったです。一矢さんのところに苦情が来ていないと聞いて、よかったと思います。 ●『Secret of Pukapuka』が印象に残りました。利用者の方々が地域住民の方々に当たり前に馴染んでいて、みんなで料理をしているシーンでは、障害の有無がわからない環境で、それがとてもいいと感じました。 ●「不幸の形はいろいろだけれど、幸せの形は様々である」とおっしゃっている方がいて(『いろとりどりの親子』)、本当にその通りだなーと、思った。 ●介護を必要とされる方、介護者がいないと過ごせない方は、完全に一人きりになる時がない。私は母親で、家族全員が通勤、通学に出たあと、一段落してホッとする時間があります。誰もいないとだらだらと過ごす日もあります。かといってずっと一人でいたいわけでもありません。両方必要な時間。  どんな人にも一人っきりになる時間とつながっている時間が必要だなとあらためて思いました。 ●私が一番思うのは、すべての人が自分の人生を幸せに生きられる社会であって欲しいと思います。障害のある人もない人も。そのためには違いを知り、いろいろな人と出会える社会にしていきたいと思います。私にできることを一つずつ頑張っていこうと思いました。 ●尾野一矢さんの話を聞いたのが最も印象的でした。一矢さんの大きな声をどのようにしたら周りに受け入れてもらえるのかが大きな課題だと思いました。より多くの人に、障害者は決して怖い存在ではないことを知ってもらい、理解してもらうことがとても重要だと思いました。 ●『いろとりどりの親子』では、誰もが自分個性に誇りを持つべきであり、そしてその個性にかかわらず、すべての人が家族や周りの人に愛されるべきなのだと考えさせられました。  ぷかぷか上映会とトークショーを通じて考えたことは、障害の当事者について自身が知ること、それを周りにも伝達することが大切なのだということです。自分の知らないことには不安を覚えたりするけれど、知ることで見え方が大きく変化するのだと思いました。 ●「幸せ」「不幸」というものは、他人が決めるものではないと強く感じました。それぞれの幸せの形があるので、「こうしたらあなたは幸せ」「こうだからあなたは不幸」というものを押しつけてはいけないと思いました。押しつけることで、その人にとってはマイナスになってしまうのではないかと思います。私たちにはそれぞれの幸せを認める心が必要だと思いました。  障害者と直接関わらないと昔から存在する偏見はずっと消えないと思う。自分は大学で福祉について学び、様々な場所で関わってきたから偏見という意識が薄れているけれど、そういう機会がない人はなかなかむつかしいと思いました。もっと接点が持てる社会になれば、と思います。  あらためて津久井やまゆり園事件、障害者差別について考えるきっかけになりました。
  • にうしもの(相模原障害者殺傷事件5年目に思うこと−⑧)
    おひさまの台所のショーウインドウを見ていて 「ン?」  「にうしもの? 何これ」 と思いながら笑っちゃいました。  こういう字に出会うと、なんだか幸せな気分。  この気分こそが、彼らといっしょに生きる理由。  あーだこーだ理屈っぽい話ではなく、なんだか幸せな気分になるくらいがちょうどいい。  そういえば以前「西作のいもの」というのがありましたね。  こういう字は社会をゆるっとしてくれます。  まずいのは、これ間違ってるじゃん、と直してしまうこと。支援とか指導の現場で多いですね。以前、福祉事業所が運営するパン屋に行った人が、 「いや〜、やっぱりぷかぷかに来るとほっとしますね」 とおっしゃってましたが、間違いをさせまいとスタッフが一生懸命にやってると、お客さんもくつろげない雰囲気になるのだと思います。  ぷかぷかはこういう字を見つけると、ニカッとしながら、そのまま使います。そしてお客さんも、その楽しさを共有します。 「すみません、にしさくのいもの、ください」 って感じ。  彼らといっしょに生きる社会、事件を超える社会は、こういったところから始まります。一緒にいることの楽しさの共有です。  事件の犯人は、そういった楽しさを経験できない職場にいたんだろうと思います。そういう職場の雰囲気こそ、本当は事件で問われるべきじゃなかったのか。彼らと人として向き合わない職場が引き起こした事件。  明日、相模原障害者殺傷事件をテーマにした上映会とトークセッションをやります。
  • わくわくしながらこういう作戦を考えることが大事(相模原障害者殺傷事件5年目に思うこと−⑦)
     「相模原障害者殺傷事件を超える社会を作る」なんていうと、すごく大変な感じがします。でも大きなことをするのではなく、私たちにふだんの暮らしの中で無理なくできることは何なのかって考えると、できることはいっぱい見つかります。  で、ぷかぷかは何をやっているかというと、 「ぷかぷかさんたちと一緒にいい一日を作る」 ことをやっています。「障害者はいない方がいい」といって排除された人たちと一緒にいい一日を作るのです。 お互い 「いい一日だったね」 って言える日々を作り続けること、それは彼らとともに生きる社会を作ることであり、事件を超える社会を作ることになると考えています。これなら誰にでも簡単にできます。  「いい一日でしたか?」 それを障害のある人たちも含め、みんなで共有するのです。  上映会とトークセッションにはぷかぷかさんたちも参加します。トークセッションの始まりのところで、どういうわけかツジさんが舞台で「きみのためにSuperman」を歌うそうです。こういうところがいかにもぷかぷか。イクミンはダンスを踊るそうですが、踊りたい人はどうぞ舞台に上がって一緒に踊って下さい。歌やダンスを一緒に楽しむこと、その時間をいっしょに生きること、それが事件を超える社会を作ることになると思っています。  トークセッションのメインテーマは尾野一矢さんの地域生活です。一矢さんは障害特性なのか時々大声が出ます。そばにいると結構うるさいです。その大声に近所から苦情が寄せられ、それをきっかけに友達大作戦が始まりました。苦情に謝罪して終わりにするのではなく、これからも続く大声と、どうやったら共存できるかを考える作戦です。  具体的にいうと 「大声出すような人がいても、ま、しょうがないじゃん」 て思える人、あるいは一矢さんの友達を地域に少しずつ増やしていくにはどうしたらいいのかを考えるのです。   女子栄養大学では「社会科学入門」の授業で、なんと114名もの学生さんが友達大作戦を考えてくれました。  こういうことをきっかけの一矢さんの友達を地域にたくさん作っていこうというわけです。一矢さんは事件で排除されかけた人です。そんなかずやさんの友達を作ることは、そのまま事件を超える社会を作ることにつながります。  当日、ぜひみなさんの友達大作戦のアイデアを聞かせて下さい。楽しみながら、わくわくしながらこういう作戦を考えることが大事です。
  • ぷかぷか上映会やります。
    今年も映画を見て、やまゆり園事件を考える集まりをやります。  やまゆり園事件について考える集まりですが、ムツカシイ、しんどい話ではなく、「やっぱりいろんな人がいた方がいいね」って、みんなで前を向けるような話になればいいな、と思っています。  『いろとりどりの親子』は、いろとりどりだからこそ、そこには葛藤があり、葛藤故に、豊かなものが生まれることを映像を通して見せてくれます。葛藤の先にある、思いもよらない親子の出会いは、とてもハッピー。見ているこっちまでハッピーになりました。社会にいろんな人がいるっていいなって思いました。  事件の犯人の言う「障害者はいない方がいい」ではなく、障がいのある人たちとは「いっしょにいると心ぷかぷか」になるような関係を作っていった方がいい、と思うのです。『Secret of Pukapuka』は、それがどういった関係であるのかを語った映画です。見ている方まで「心ぷかぷか」になります。そういう関係を広げていくこと、それがやまゆり園事件を超える社会を作ることだと思います。  今回のトークイベントではゲストに尾野一矢さんに登場していただきます。かずやさんはやまゆり園事件で重傷を負った方ですが、昨年8月から施設を出て街の中で自立生活をしています。                      かずやさんは時々大声を出すので、アパートの2階の方から苦情が来ています。ただ謝るだけでは、大声の問題は解決しません。なぜなら、 「大声出すのはやめましょう」 なんていっても、かずやさんには通じないからです。悪気はないのですが、これからも大声は時々出てしまいます。結局はその大声とどう共存していくのか、共存するにはどうすればいいのか、ということです。  先日大声が外に聞こえにくいようにかずやさんの部屋の天井に防音のパネルを貼りました。窓に防音のカーテンもつけました。これで多少は改善できますが、完璧ではありません。  あとは多少声が聞こえても、 「ったくしょーがねーなー」 とブツブツ言いながらも、そこで踏みとどまれるような関係ができるかどうかです。  苦情をきっかけに2階の方と前向きのいい関係ができるといいな、と思っています。休みの日に、おいしいケーキの差し入れがあったから、とかなんとか声をかけて、一緒にお茶飲んだり、お正月には一緒に餅つきをしたり…そんな関係です。  2階の方だけでなく、地域の人たちみんなと顔なじみになって、一緒に何かおもしろいことができるような関係もつくりたいと思っています。題して「友達大作戦」。  友達大作戦はこちら www.pukapuka.or.jp  重度障がいの方の自立生活というのは、ただアパートを借りて生活する、というのではなく、地域の人たちとのさまざまな関わりの中で生活する、ということだと思います。今回、大声に対する苦情をきっかけに、地域との新しい関係が生まれます。  重度障がいの方の自立生活が、地域社会を豊かにしていく。かずやさんの周りに、なんだか素敵な物語が生まれそうです。  地域には大声を出すとか、色々おつきあいのむつかしい方はいらっしゃいます。そんな人たちともお互い地域で気持ちよく生きて行ければ、地域社会はとても豊かなものになります。かずやさんの大声問題は、どこにでもある問題なのです。  トークイベントのテーマは《あなたととなりのかずやさん》です。  そうそう、トークイベントが始まる時、ツジさんが舞台で「きみのためにSuperman」を歌うそうです。今からもうノリノリです。これはもう絶対に聞かなきゃソン!です。  「何でやまゆり園事件を考える集まりで、きみのためにSupermanなの?」なんて考える人も多いと思います。でも、これがぷかぷかなのです。これがぷかぷか流の事件の超え方です。  ツジさんの歌を聴いて、一人でもたくさんの人が心ぷかぷかになること。それが事件後の今、とても大事だと思っています。社会はそうやって少しずつ変わって行くからです。
  • 友達大作戦は、夢みたいな話を実現するプロジェクト
    「かずやしんぶん」の話です。                                          「かずやしんぶん」は地域社会を耕すしんぶんです。かずやさんの自立生活が、施設を出てアパートで暮らす、といったことだけにとどまるのではなく、地域社会を耕す、といったことにまで広がるといいなと思っています。重度障がいのかずやさんが地域で暮らすことが、そのまま地域社会を変えることになる、というわけです。そのためには地域の人たちと様々な関わりを持つ、様々なメッセージを発信する、そういったことが大事です。「かずやしんぶん」はそんな活動の一つです。  ぷかぷかは、障がいのある人たちがお店で働いている、というだけでなく、地域社会を柔らかく耕してきました。ぷかぷかは創設以来地域社会とのいろんな関係を積極的に作ってきました。ぷかぷかさんたちとの楽しいおつきあいの中で、「ぷかぷかさんが好き!」というファンがたくさん現れ、地域社会が明らかに変わってきました。障がいのある人たちを排除してしまうことの多い社会全体の雰囲気を考えれば、彼らのことが好き!という人たちが現れたことは画期的です。  障がいのある人たちは、あれができないこれができない人たちではなく、「彼らは地域社会を耕し、地域社会を豊かにする存在」というふうにぷかぷかはいいます。それは彼らのおかげで地域社会が変わってきたという実感から出てきた言葉です。  彼らが地域にいるというのは、そのことで地域社会が変わることだと思います。そういったことがかずやさんの場合もできないだろうか、と思うのです。「重度障がいの人が地域で暮らすと地域社会が変わってくる」なんて素敵じゃないですか。  夢みたいな話です。友達大作戦は、その夢みたいな話を実現するプロジェクトです。「かずやしんぶん」は、その実現のための一つの重要なツールです。  出発点は、かずやさんの大声に対する苦情にどう向き合っていくのか、というところでしたが、プロジェクトを進めているうちに、これは重度障がいの人が地域で暮らすことの意味を深く問い直すことにつながることに気がつきました。      第1号では、かずやさんがどういう人か、どうしてここで暮らしているのか、といったことを書いています。いってみれば自己紹介号です。かずやさんの家の周りにあいさつ方々配布します。一回で終わるのではなく、ぷかぷかしんぶんのように定期的に発行し、かずやさんの自立生活がリアルタイムで伝わるようにしましょう。あなたの近所にこんな人が暮らしていますよ、というメッセージです。今週はこんなおもしろいことがありました、こんな料理が気にいりました、こんなおもしろい人が訪ねてきました、今度お茶会やります、餅つきやります、といった楽しい話をたくさん載せていきましょう。  かずやさんの自立生活を伝えるホームページも立ち上げましょう。かずやしんぶんよりもはるかに詳しくかずやさんの自立生活を伝えます。写真をとって、こんなことがありました、あんなことがありました、と日々の出来事をどんどんアップしていきます。それを見るだけでかずやさんの自立生活がリアルに伝わります。              若い介護スタッフの人たちには日々の思い、気づきをホームページのブログに書いて欲しいなと思っています。かずやさんを介護することで、日々どんなことを感じているのか、どんな気づきがあったのかを書いて欲しいのです。大変なことも多いと思うのですが、それでも日々かずやさんと接していれば、大変さを超えて、楽しいこと、笑っちゃうこともたくさんあると思います。何よりも人が生きる上で教えられるものもたくさんあるのではないでしょうか。そんなことを飾ることなく、気軽に書いて欲しいと思うのです。すぐ忘れてしまうような気づきを書いて残しておくと、それは自分の財産になります。  社会の多くの人は、重度障がいの人たちのことを知りません。どんな生活をしているのかほとんど知りません。彼らの生活を介護するなんて大変だろうな、というイメージだと思います。そんな人たちに向けて、今日こんなことで笑っちゃいました、こんな楽しいことがありました、といったメッセージは、彼らを見る社会の目を確実に変えていきます。  メッセージを読むのがだんだん楽しくなって、ひょっとしたら「あ、私もやってみようかな」って思う人が出てくるかも知れません。かずやさんでおもしろい!っていうファンが現れるかも知れません。「かずやさんみたいな人、地域にはいた方がいいね」って思う人が少しずつ増えてくるかも知れません。地域社会を耕す、というのはそういうことです。  「障害者はいない方がいい」というメッセージを発信したやまゆり園事件は、こうやって地域の人たちと一緒に乗り越えていけます。  友達大作戦、これからおもしろくなります。  友達大作戦開始のキーポイントになるアイテムができ上がりました。                                                   近々大声で迷惑かけている方のところへ、「かずやしんぶん」とこのアイテムを持ってあいさつに行く予定です。もちろんかずやさんも一緒です。かずやさん、その時にまた大声出さないとも限らないので、まさにハラハラしながらの友達大作戦です。 ●●●  7月31日(土)桜木町駅前の横浜市健康福祉センターホールで「あなたととなりのかずやさん」をテーマに上映会とトークイベントをやります。社会にはいろんな人がいた方が楽しいねって思えるような映画と、そういったことを話し合うトークイベント。トークイベントでは友達大作戦の経過報告もします。友達大作戦、こんなこともやるとおもしろいよ、といったアイデアも募集します。かずやクッキーも販売します。 来なきゃソン!
  • あなたととなりのかずやさん
    先日の一矢さん、 「うるさくしないの」 と何度も大声を出しながら、コーヒーカップ作りました。   集中する目がすばらしくいいです。一矢さん、一生懸命です。      介護する人と一矢さんのすばらしい連係プレー    かずやクッキーができました。ぷかぷか焼き菓子工房が焼きました。文字と絵はぷかぷかさん。            似顔絵の下に 「いつも大声出してごめんなさい」 みたいな吹き出しを入れる予定です。文字は一矢さんが書きます。わんどに置いてあった書道の道具一式を持ち帰りました。  一矢さんの大声に対し、先日一矢さんの部屋に直接苦情が来たそうです。介護者派遣事務所の苦情の窓口に電話するだけでは何の解決にもならないので、直接文句を言いに来たようです。介護の人はひたすら謝るばかりだったようです。  一矢さんは「静かにして下さい」といっても聞いてくれる人ではないので、苦情を言いに来た人を前に、本当に困ってしまったと思います。  一矢さんはいつも「うるさくしないの」といわれるせいか、余計に「うるさくしないの」と大声で言ってしまうようです。先日の陶芸教室ではずっとその大声が出ていました。いつまた苦情が来るかわからないので連休明けに「友達大作戦」開始します。 www.pukapuka.or.jp  花の植わった植木鉢、コーヒーカップ、かずやクッキー、かずやしんぶんを持って、かずやさんと一緒に苦情の出ている家に行ってきます。まずは謝ること、向こうの言い分を謙虚に聞くこと、一矢さんのことを丁寧に説明すること、ご迷惑おかけして申し訳ないのですが、声の大きいご近所さんとしておつきあいしてもらえたらうれしい、といったことなどを話してくる予定です。  結果、どうなるかは今のところ全くわかりません。  これからも続く一矢さんの大声に 「ったくしょーがねーなー」 と聞き流してくれるようになるのか 「うるさい!」 とまた怒ってしまうか。  苦情にきちんと向き合うこと。ここからしか未来は始まりません。  ここからどういう物語が生まれるのか。未来に希望が感じられるようなものが生まれるなら、一矢さんの自立生活は社会的にものすごく意味のあるものになります。これこそが重度障がい者が地域に暮らすことの意味だと思います。  彼らの自立生活が社会を耕すことになるなんて、今まで考えたことがありませんでした。一矢さんの苦情にどう向き合っていくのか考えているうちに気がついたことです。うまくすれば彼らとはいっしょに生きていった方がいいね、って思う人が地域の中で少しずつ増えていくかも知れません。やまゆり園事件を超える社会がここから始まります。  7月31日(土)桜木町駅前の横浜市健康福祉センターホールで「2021年ぷかぷか上映会」をやります。午後「あなたととなりのかずやさん」というタイトルでトークイベントをやります。 【たとえば人よりも目立ちやすい側面があったとしても、人と自分は全く違うわけではないし、全く同じわけでもありません。すごく当たり前のことです。   なのに社会の中にいると簡単に「違う」とか「同じ」とかくくってしまいそうになることが多くあります。 それに待った!をかけて、「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話がしたくなる作品でした。】(午前中に上映する『いろとりどりの親子』という映画のレビュー)  一矢さんの自立生活を手がかりに、「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話ができたらいいな、と思っています。一矢さんの話は特別なものではありません。迷惑をかけたりかけられたりは、あなたの近所にもある話です。だからテーマは「あなたととなりのかずやさん」。  津久井やまゆり園事件から5年目になります。異質なものを排除する社会はどこまで変わったのでしょうか?  異質なものを排除する社会は、許容できる幅が狭まり、お互いが窮屈になります。違うものがたくさんある方が社会は豊かな広がりを持ちます。いろとりどりの人がいる方が、お互いの幅が広がって、人として豊かになります。なによりも社会が楽しくなります。  そんな社会はどうやったらできるのでしょう。それはたとえば一矢さんの大声とどうやったら共存できるかを考えることだと思います。それはそのまま、障がいのある人たちを暴力的に排除したやまゆり園事件を超える社会を作ることだと思います。  今まで書いた一矢さんの物語はこちら www.pukapuka.or.jp
  • 「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話がしたくなる集まりをします。
    友達大作戦進行中です。 www.pukapuka.or.jp  かずやさんのことを伝える「かずやしんぶん」は、第1号が大体でき上がりましたが、ページ数が多すぎて、読む人にとってちょっと負担かなと思いました。せめて「ぷかぷかしんぶん」なみに6ページくらいに収めてくれるように要請しました。小さなしんぶんですから、さらっと読めるぐらいがいいです。              もっと詳しいことを伝えるために、「かずやさんとその仲間たち」という名前のサイトを立ち上げた方がいい、という提案もしました。今日、こんなおもしろいことがあった、こんなおいしいものを食べた、といった日々の出来事、お茶会やりますとか、みんなで街の掃除します、といったイベントのお知らせも発信しましょう。一矢さんの自立生活のリアルが伝わるサイトです。  一矢さんの似顔絵をラベルに使った「かずやクッキー」を作ろうという話もあります。「いつも大声出してごめんなさい」のひと言も入れておきましょう。苦情をよこしている二階の人に、手作りのコーヒーカップと一緒に持っていけば、多分印象がずいぶん変わります。  というわけで、昨日はそのコーヒーカップを作りました。       まずは粘土を伸ばします。               コーヒーカップの側面に当たる部分を切り抜きます。              それをジュースの缶に巻き付け、コーヒーカップの形を作ります。               ジュースの缶とそれに巻き付けた新聞紙を取ります。              ソーサーを作るための粘土を伸ばします。           完成!       7月31日(土) 桜木町駅前の横浜市健康福祉総合センターホールで上映会とやまゆり園事件に関するトークセッションをおこないます。上映する映画は『いろとりどりの親子』と『Secret of Pukapuka』です。  『いろとりどりの親子』の映画の情報はこちら longride.jp  映画のレビューにこんなのがありました。 ●「違うこと」を受け入れることで、輝きに溢れる「幸せ」を前に、「普通」という言葉があきれるほどに意味を失いモノトーンであるリアルをこの映画が教えてくれる。 ●たとえば人よりも目立ちやすい側面があったとしても、人と自分は全く違うわけではないし、全く同じわけでもありません。すごく当たり前のことです。   なのに社会の中にいると簡単に「違う」とか「同じ」とかくくってしまいそうになることが多くあります。 それに待った!をかけて、「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話がしたくなる作品でした。  『Secret of Pukapuka』は、社会から排除されることの多い障がいのある人たちが、ぷかぷかにあっては、なんと「ぷかぷかさんが好き!というファンがたくさんいます。なぜなのか、そのヒミツに迫る映画です。 www.youtube.com  ぷかぷかができて1年くらいたった頃、「ぷかぷかしんぶん」を広い団地の中で配っていて、迷子になった方がいました。地域の方から電話がありました。 「ぷかぷかさんが迷子になってますよ。私が見ててあげるから迎えに来て下さい」  地域の人たちはこんな風に見ててくれてたんだ、ってうれしくなりました。「ともに生きる社会を作ろう」とか言ったわけではなく、ただ日々の活動をコツコツ続けていく中で、こんな風に見てくれる関係が自然にできていたのです。  一矢さんも、こんな風に見てくれる関係が、地域に自然に広がっていくといいな、と思っています。それが「友達大作戦」の思いです。  いろんな人がいること、それが地域社会の豊かさです。一矢さんの話を手がかりに、そんなことを考える集まりにしたいと思っています。  上映会、トークセッションの詳しいことが決まりましたら、またお知らせします。とりあえず7月31日〔土〕あけておいて下さい。冒頭、多分ツジさんが勝手に歌を歌います。お楽しみに。
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