ぷかぷか日記

『ぷかぷかな物語』のカスタマーレビュー

『ぷかぷかな物語』のカスタマーレビューです。こういうの書いてくれる人がいることはとてもうれしいですね。

                               

 

●横浜市緑区霧ヶ丘にあるしょう害のある人たちが働いている「ぷかぷか」という面白いお店の誕生からの様々なドラマがとても読みやすく書かれているノンフィクション。よくある「福祉事業所」とは程遠い世界の成り立ちや世界観に引き込まれてしまいます。「しょう害があっても、社会に合わせるのではなくありのままの自分で働く」「しょう害の無い人も、しょう害のある人と一緒に生きていったほうが幸せ」それを伝えたい筆者でありぷかぷかの理事長の高崎さんの厚く深い人間愛に感動します。
この本に出逢い、いてもたっても居られなくなり、実際に「ぷかぷかさんのお店」にも行ってきました。本の通りの明るく楽しく元気なエリアで、とても幸せな時間を過ごせました。

 

●肩に力の入った毎日を送る人たち。
なんだか分からないけど頑張らないといけない!っていつの間に自分を追い込んでいる人たちに是非読んでもらいたい一冊。
「いいんだよ、自分らしく生きていっていいんだよ」って事を教えてくれます。
障がいがあるとかないとか、関係ない世界がそこには見えてきます。
みんな一緒!上も下もない!
優劣を決めることがそんなに大切ですか?

 

●横浜の片隅にひっそりとあるカフェベーカリーはいつも笑いと笑顔で溢れています。
そんな場所を作りだすまでにどんな苦労があって、それを乗り越える原動力はなんだったのか。
その秘密が本書には溢れています。

誰もが明日はどうなるかわからない中で「包摂」を社会の中に実装することの大切さを考えさせてくれます。

 

●私も障害のある子どもを育てていますが、家族になってよかった。家族があたたかくなりました。ぷかぷかさんは社会をあたたかくします。耕します。そのことがこの本を読んでしっかりわかりました。

 

●障がいのある方たちと暮らすということが真摯に、かつ面白く朗らかに描かれている。専門用語も少なく、福祉業界に従事していなくてもすんなりと読める内容。障がい者の福祉って?と知りたくなった方にはオススメです。

 

●ぷかぷかを知った時、私は息子たちの為にぷかぷかの秘密を知りたいと思いました。でも、ぷかぷかを知るほどに私自身の生き方を考えるようになってきました。「ぷかぷかな物語」は私の人生のバイブルとして大切に、そして沢山の人たちにオススメしたいと思います。
出来る、出来ないなんて関係無い。
その人の存在そのものの尊さを見つめている著者の
「障がいがある人とは一緒に生きていった方がいい!」という繰り返しの言葉が、ズシン!と心に響きます。

 

●本の表紙に引寄せられました。
綺麗な色使いにちょっと不思議な動物達
障害についての本の表紙は堅苦しい感じのものが多い気がします。読み終わった後も考え深くなるものが多い中。
すらすらと短い時間で読めて分かりやすく
読み終えると不思議に何だか心の角がとれて
軽くなる誰かに話したくなる一冊。
様々な場面で登場するぷかぷかさん達にパワーを充電して貰えました。
高崎さんの思いつきはやはりただ者ではなさそうですね。笑
 
 
●この本はある障害者就労継続支援事業所B型のお話ですが、同じくB型で働いている私としては全く違った視点で事業展開されていることに大きく関心をもちました。
まず感じたことは障がいをもつ人たちを支援する対象とした見方でなく、「共にはたらく・生きる」同志として地域を巻き込み(耕す)ながら一緒に活動し、そのほうが絶対楽しいということ。そして持続性があること。「多様性を認め合うインクルーシブ社会の実現を」とどこでも耳にしますが、今の社会の在り方は、教育、就労が障がいをもつ人たちとそうでない人たちとを分けた制度の上で成り立っています。
分離が進むほどその社会の規範に縛られて、障がいをもつ人たちがその多様性を認めてもらうどころか社会に合わせるために押し殺さなければならない、ますます支援、配慮の対象にされてしまう。
ぷかぷかさんのように障がいをありのまま楽しむ方法を作り上げれば、そこに生産性も生まれ、制度も使い倒し、地域も社会も豊かにしていくことを実現していけるのだなととても参考になりました。障がいをもった人たちと関わる仕事をされている方、学校教育関係の方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。
何より、ぷかぷかさんたちがとても魅力的です。
 
●障がいのある子ども達に惚れ込んで、一緒にいたくて作ったのが「ぷかぷか」。
だから、内容もおもしろくてあったかくてやさしい。
「好き」という思いで、まわりを巻き込んで、心を耕してやわらかくする。
その場も街も、ふかふかにしていく。
「あなたが好き」から出発した世界に人間の上下はない。

人を矯正していく支援はやはり無意識に「上下」があるのだと思う。
相手だけでなく、修正する側も自分自身が縛られていく。
自分を修正し、社会も修正しようとする。
それが今の息苦しさにつながっているのではないだろうか。

という訳で
先生や支援職にある人やサポートの組織を立ち上げる人には
ぜひ読んでほしいと思う。
他では得られない大きな気づきがあるはず。

最後の相模原障がい者施設殺傷事件への言及も必読です。

 
 
★なんだかおもしろそうって思った方はぜひ読んでみて下さい。ぷかぷかのサイトもしくはアマゾンのサイトでどうぞ。

shop.pukapuka.or.jp

 

 もう読んでしまった方は、ぜひアマゾンのカスタマーレビューを。

リスクを背負い込んで勝負をかける

 そうか、こういう勝負の仕方があったか、と思うような記事。こういうのは従来の福祉の発想では絶対に出てきません。障がいのある人達の新しい可能性を感じます。

 

 観客にどう見られるかを気にせずに自由に演じる障害者の舞台を見て

「音楽というより、音そのものになっている」

と心を奪われたそうです。この気づきがすごいと思います。そしてここが活動の原点になっている、と。

 

 障がいのある人達に何かやってあげるのではなく、彼らといっしょにリスクを背負い込んで勝負をかける、というところがすごいなと思います。

 ぷかぷかを立ち上げたとき、どこからもお金が出なかったので、自分の退職金を全部つぎ込みました。ひょっとしたら失敗するかもしれないというリスクを背負い込んで勝負をかけた、という感じです。

 たまたまですが、今日ぷかぷかがパン製造に使っているあこ天然酵母の社長さんがきました。パンを作るとき、どの天然酵母を使うか迷っていたとき、たまたまあこ天然酵母で焼いた食パンに出会い、そのおいしさにびっくり。よし、これでいこう!と決めたのです。

 社長さんはこんな話をしていました。航空母艦は風に向かって走り、飛行機は向かい風に乗るからこそ高く飛べる。

 商売のこと、まるで知らないままのスタートだったので、何もかもが向かい風でした。ほんとうにきつい毎日でした。でも、それで鍛えられた気がします。

 あれから14年。今、高く飛べているかどうかはわかりません。でも、今までとは少し違う福祉ができ、新しい価値(たとえば障がいのある人達は社会を耕し豊かにしている、といった見方)を生み出したことは確かです。

 

 ★ぷかぷかがどんな価値を生み出したかは『ぷかぷかな物語』にまとめていますので、興味を持たれた方はぜひ読んでみて下さい。

       

shop.pukapuka.or.jp

 

 アマゾンでも手に入ります。

社大福祉フォーラム

  東京新聞の特報面でいつも優れた記事を書いている木原さんが日本社会事業大学の福祉フォーラムで6月23日(日)の基調講演に登壇します。テーマは「福祉を複眼的にとらえるために」。

 

 

 先日の朝刊特報面で福祉を複眼的にとらえることの意味を木原さんが書いていました。鳥の目の視点、つまり社会全体を大きな視点で見渡すということ、その中で何が問題かを考える、更にソーシャルリアクションすることが大事だと。そうやって社会を少しずつみんなが生きやすいものに変えていく。

 

オンライン参加希望の方はこのサイトから。参加費は無料です。

www.jcsw.ac.jp

幸せがほとばしり出るような絵

 ミーちゃんは昔小さな地域作業所で働いていました。ぷかぷかを始める前にやっていたパン教室や陶芸教室に来ていた縁で、ぷかぷかにやってきました。1年くらいたった頃、ケースワーカーさんが様子を見に来て、

「最近はどうですか?」

「まっすぐ前を向いて生きています。以前はずっとうつむいていました」

と答え、ちょっとびっくりしたことがあります。

「まっすぐ前を向いて生きています」なんて、なかなか口にできる言葉ではありません。それがさらっと出てきたのです。それくらいぷかぷかで働くようになってから、人生が生き生きしてきたのだと思います。

 最近描いた絵も、幸せがほとばしり出るような絵でした。こういう絵は、その人自身が幸せでないと描けません。

 

 

 ぷかぷかは就労支援事業所です。建前は就労を目指して仕事をやります。

 でも、この絵を見ていると、何が大事なのかをストレートに教えてくれます。今日、幸せな一日を過ごす、ということです。

私たち自身、それをやっているんだろうか。

奈緒ちゃんのおかげで、私たちは人になれるのかも

 先日の奈緒ちゃんについてのブログは「今までにない新しい未来を奈緒ちゃんは作っているのではないか」という言葉で終わっているので、その「今までにない新しい未来」って、どんな未来なんだろうってちょっと考えてみます。

 

     

 

 その時々に発する奈緒ちゃんの言葉がいつもステキです。場をふっと和ませ、私たちの気持ちを和らげてくれます。奈緒ちゃんがいっぺんに好きになります。

 奈緒ちゃんは場の雰囲気を感じ取るセンサーと、そこで発する言葉のセンスが、なんともすばらしいと思います。私たちにはない素晴らしいチカラを持っています。

 奈緒ちゃんのような人が社会にいることの豊かさを、もっともっとたくさんの人達と共有したいと思うのです。

 

  障害のある人達との関係は、「何かやってあげる」とか「支援する」という関係がほとんどです。「大好きになる」なんて関係は、今までありませんでした。

 ということは、この今までにない関係は、ひょっとしたら、障害のある人たちといっしょに生きる新しい未来を作っていくのではないかと思ったりするのです。

 

 そもそも、障害のある人が好き、という人はあまりいません。どちらかというと

「おつきあいしたくないな」

とか、

「なるべく近寄りたくないな」

と思っている人が多いのではないかと思います。そういうネガティブな思いが今の社会を作っています。

 それならば尚のこと、障害のある人たちのこと「大好きになる」という関係は、ひょっとしたらそこから今までにない何か新しいものが生まれるかも、と思ったりするのです。

 「大好きになる」というのは、純粋に人と人の関係です。そういう思いの時、人は人になれます。

 奈緒ちゃんのおかげで、私たちは人になれるのかも知れません。

地域における精神看護

  看護学校の精神看護学の授業で「地域における精神看護」というテーマで講義をします。ぷかぷかの話の予定でしたが、送られてきた講義スケジュールにはこんなタイトルが入っていました。精神障害の方の勉強はほとんどしたことがないので、どうしようかと思いましたが、断るのももったいないので、そのまま引き受けることにしました。娘が精神を病んでいて、色々大変だったので、そのあたりの話をしようかなと思っています。

 娘は鬱がひどく、調子が悪いと一日中布団をかぶって寝ています。色々やりたいことがあっても、体が動かないので、思いを断念する日々だったと思います。そんな中で何度も不満が爆発し、家の中で大暴れしました。もう手がつけられなくなって、警察に連絡し、夜中に何度かパトカーが来たこともあります。

 家の壁に何カ所も穴が開いています。娘が思うようにならない人生に対し、怒りを思いっきり壁にぶつけました。壁の穴を見るたびに娘のイライラ、欲求不満のすさまじさが見えるようで、とても辛くなります。

 自殺願望もあったので、外に飛び出すたびにかみさんと二人で追いかけました。階段を駆け上ったときは、上から飛び降りるのではないかと、ほんとうにハラハラしました。

 病院も4箇所くらい変えました。でも、何の改善もありませんでした。3年ほど前から中規模の病院に代わり、今はそこの院長先生に見てもらっています。いつも笑顔のやさしい女の先生で、つい昨日も受診した際、娘は彼氏が見つかった話をし、

「ええ、すごいじゃない!」

と喜んでくれたりする先生です。そのおかげで症状はずいぶん落ち着きました。

 でも一番よかったのは、病院よりも、たまたま出かけたボクシングジムとの出会いです。兄に勧められて恐る恐る出かけたのですが、ボカスカ殴ることでストレスが発散できるのか、すっきりした顔で帰ってきます。

  ジムがきっかけで、あらゆる活動が活発になりました。それまでほとんど引きこもり状態で、エネルギーのはさん場所がなかったのですが、それが一気に解放された感じ。

 娘にとっては病院の治療よりも、はるかに効果があった感じがします。ボクシングが精神障害を改善するわけではありません。でもたまりにたまったストレスを発散するにはとてもいい場所だと思います。

 ボクシングジムという地域にある資源によって救われたと思っています。地域と様々な形で関わりを持つこと、そのことが病院に行くこと以上に大事なことのように思います。

 

今までにない新しい未来を

『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年』見てきました。

 

 

 「奈緒ちゃんはお母さんが大好き、お母さんは奈緒ちゃんが大好き。50年に及ぶ大好きの記憶」と映画のチラシにありました。

 重いてんかんと知的障がいを持って生まれた奈緒ちゃん。お母さんはほんとうに大変だったと思います。

 それでも日々をいっしょに過ごす中で、奈緒ちゃんのこと、お母さんは大好きになりました。人を大好きにさせるものが奈緒ちゃんにはあります。映画を見てるだけでも、奈緒ちゃんが大好きになります。そういう魅力が奈緒ちゃんにはあります。

  それは奈緒ちゃんの生きるエネルギーそのもののような気がします。それがお母さんを育て、家族を育て、地域社会を育てたのではないかと思います。

 映画『奈緒ちゃん』のチラシに「平凡な家庭の中で、〈障害〉と立ち向かう。西村家の〈ノーマライゼーション〉の実践と言えよう」という感想が載っていましたが、そんな古い福祉的発想のはるか先を奈緒ちゃんは行ってる気がします。

 今までにない新しい未来を奈緒ちゃんは作っているのではないか、そんな気がするのです。

 

 

「いい絵ですね」って、みんなが素直に言えるようになれば

 こういう絵を描く人達こそ大事にしたいと思うのです。こういう絵を描く人達がいること、それが社会の豊かさなんだとみんなが共有できたら、社会はお互いもっと生きやすいものになる気がするのです。

 

     

 

 まぁまぁの暮らしができるニッポンにあって、こんなすばらしい絵を描く人達には、まっとうな給料が払えていません。それはやっぱりニッポンの貧しさだと思います。

 どうしたらいいのか、それをみんなで必死になって考える。

 

 以前見学にきた市会議員が、絵を見て「指導が大変だったでしょう」などといったことがありましたが、指導しないとこういう絵が描けない、という彼らへの思い込みこそが問題だと思うのです。そういった思い込みが社会全体を覆っている気がします。

 これはすごくもったいないと思うのです。宝物を見落としているというか、そんな気がするのです。

 こんな作品を作る人達は社会の宝だと思います。だから大事にしたいし、まっとうな給料も支払いたい。そのためにはどうしたらいいのか、そこをちゃんと考えたいと思うのです。

 

  「いい絵ですね」って、みんなが素直に言えるようになれば、社会はお互いがもっと生きやすく、豊かになっていく気がするのです。何よりもまっとうな給料が払える社会になる気がするのです。

最近の日記
カテゴリ
タグ
月別アーカイブ