ぷかぷか日記

2019年6月

  • 福祉事業所は障がいのある人たちにとって大切な場であるだけでなく、地域社会にとっても大切な場である...
    先日ぷかぷかのファンの方が『ぷかぷかな物語』を読んだ感想をFacebookに投稿していました。その中にこんな文章がありました。 ●● 「ぷかぷかさん達」はぷかぷかだけでなく、日本中に世界中に居るのに、ぷかぷかに居る「ぷかぷかさん達」がキラキラして見えるのは何故でしょう? ●●  障がいのある人たちは、どこの福祉事業所にもいます。でもぷかぷかで働いている障がいのある人たちがキラキラして見えるのはどうしてでしょう、という指摘です。  ここにこそ「ぷかぷかのヒミツ」があります。ぷかぷかで働く障がいのある人たち=ぷかぷかさんたちは、どうしてキラキラ輝いているのか。  キラキラ輝くことで。「ぷかぷかさんが好き!」という、たくさんのファンを作りました。そうすることで地域社会を豊かに耕してきました。  福祉事業所は障がいのある人たちにとって大切な場であるだけでなく、地域社会にとっても大切な場である、という新しい福祉をぷかぷかは提案してきました。  福祉事業所は全国、どこにでもあります。でも、多くの福祉事業所は、なんとなく入りにくかったり、中で何やっているのか全く見えなかったりします。  福祉事業所には魅力ある人たちがたくさんいるのに、すごくもったいないと思っています。ちょっと発想を変えるだけで、障がいのある人たちのファンをたくさん作り、地域社会を豊かに変えていくことができます。  ぷかぷかは、今までにない発想で、たくさんのファンを作り、新しい福祉を展開してきました。そのヒミツに迫るセミナーを日本財団CANPANとの共催で6月27日(木)午後6時半から日本財団ビルでおこないます。  地域社会を豊かにするような新しい福祉を模索している方、ぜひご参加ください。 www.pukapuka.or.jp
  • 子どもたちを支えることは、いっしょに冒険の旅に出ること
     親が精神障がいの子どもを支える動画です。私は親の立場で精神障がいの娘と日々向き合っていますが、なかなか大変な日々です。ただその大変さを相談できる相手がいるので、まだ救われるのですが、子どもの場合は、相談できる大人を見つけるのがすごく大変だろうと思います。そこを支えていこうという動画です。子どもの頃苦労したチアキさんの言葉が光っています。 kidsinfost.net  子どもはまわりの大人が理解していないとなかなか心を開けません。  あの子は心を開かない的な発言に対し、 「心を開いて、それを受け止めるキャパあるんかい」 とぽろっと言うチアキさん。この言葉は、社会全体に対する問いかけでもあろうと思います。  いろんな家族があること、いろんな親がいること、何よりも、いろんな人がいること、いろんな人のいろんな生き方があること、そういうことを受け止めるキャパを社会はどれくらい持っているのだろう、という問いかけ。  そのキャパは、何か勉強して広がるものでもありません。やはりいろんな人とおつきあいすること、障がいのある人、とりわけ精神障がいの方とおつきあいすること、そのことで自分のキャパが少しずつ広がっていくのだろうと思います。キャパが広がることは、自分が豊かになることです。  親が精神障がいの子どもを支えることは、子どもにとってはもちろん、自分にとっても、すばらしくいいことだと思います。  チアキさんの書いたこの本がすごくいい  大人の脳を使って生き抜け10代を  君が「自分が自分であるために」 の言葉がいいですね。  オペラ『ロはロボットのロ』の主人公テトは、パンが作れなくなってしまう、つまり「ぼくがぼくでなくなっちゃう」危機の中で、「ぼくを取り戻す」冒険の旅に出かけます。弱いロボットのテトを応援する子どもたちもいっしょに、わくわくドキドキハラハラしながら冒険の旅に出かけます。  pukapuka-pan.hatenablog.com  そうだ、ぼくもチアキさんの本を片手に、子どもたちといっしょに冒険の旅に出よう。  子どもたちを支える、といったって、精神障がいのこと、それほど知らないので、たいしたことはできません。できることは、子どもたちといっしょに冒険の旅に出ることだと思いました。  「自分が自分であるために」  ★『生きる冒険地図』はアマゾンで手に入ります。
  • 10年後、20年後に、この事件はどのように語られるのか
    先日のぷかぷか日記で  障がいのある人に向かって  「あなたにいてほしい」「あなたが必要」 と、素直に思える関係がぷかぷかにはあります。 と書きました。これはぷかぷかさんたちと私たちの関係から出てきた言葉です。この言葉は、相手とどういう関係を作っているかがストレートに見えます。  相模原障害者殺傷事件の犯人は 「障害者はいない方がいい」 といいました。これも相手との関係を語る言葉だと思います。つまり、やまゆり園を利用していた障がいのある人たちと犯人との関係から出てきた言葉だろうと。  もし犯人が、ぷかぷかのように「あなたにいてほしい」「あなたが必要」と思える関係を相手と築いていたら、事件は起こらなかったはずです。  ぷかぷかでは、下の写真のようなことをいっしょに楽しめる関係があります。犯人がこんな関係を利用者さんと作っていれば、事件は起こらなかったのではないか、と思うのです。  このことは何を意味するのでしょう。  事件に関する報道では、犯人の特異性がいつも強調されます。犯人がやまゆり園で障がいのある人たちとどのような関係であったのか、の検証は全く出てきません。   神奈川県の事件検証委員会の報告書には、その点に一切ふれていません。どこまでも防犯上の問題としてかたづけています。 http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/853791.pdf#search=%27神奈川県相模原障害者殺傷事件検証委員会%27  事件直後閉鎖されたやまゆり園のホームページは事件から1年後に再開されたのですが、事件について書かれていたのは、まるで他人事のように書かれたわずか2行の言葉です。 《 昨年7月26日、津久井やまゆり園で起きました事件から一年になります。今まで多くの皆様にご迷惑やご心配をおかけしてきたところでございます。 》  犯人は事件の半年前までやまゆり園で働いていました。雇用していた人間が引き起こした事件です。雇用していた立場からの責任ある言葉があってしかるべきです。社会に大変な衝撃を与えた事件です。わずか2行の、他人事のような言葉ですましていいはずはありません。   やまゆり園はかながわ共同会という社会福祉法人が運営しています。社会福祉法人にはぷかぷかのようなNPO法人に比べると、はるかに大きな社会的責任があるはずです。  事件についてきちんと語る、という社会的責任です。  どうしてあのような事件がやまゆり園で起こったのか、どうして元従業員があのような事件を起こしたのか、犯人は利用者さんたちとどういう関係を築いていたのか、をきちんと語る、という社会的責任がやまゆり園、かながわ共同会にはあります。  どうしてその責任を果たさないのでしょう。  本来なら社会福祉法人かながわ共同会を監督する立場にある神奈川県が指導を入れるべきところです。指導を入れていないから、たった2行ですましているのだと思います。  かながわ共同会は、神奈川県の職員の天下り先として有名です。それを理由に神奈川県が指導を入れないのだとしたら、とても恥ずかしい話です。  自分たちにとって不都合な事実を隠しているのではないか、そんな気がします。  犯人は施設に勤めたときは非常に腰の低い人間だったといいます。  障害者問題総合誌『そよ風のように街に出よう』91号「明日に向かって語れ」という対談で編集委員の牧野さんはそのことをこんなふうに語っていました。 「…ボクも植松くんに精神障害っていうレッテルを貼って解決する問題ではないと思っています。ではどうして彼のような人間が生まれたのか。植松くんは施設に勤めている時は非常に腰が低いというか「これから勉強します」っていう、仕事に対して前向きな、いい青年らしい発言をしているわけですよね(正式採用後、「津久井やまゆり園」家族会の機関誌「希望」に記載された彼の挨拶文)。そういう青年が3年間施設にいて、最後の数ヶ月でああいう精神状況に変貌したと思いますけれども、どうしてこういうふうになっちゃうのかなと、そこをボクは一番考えたいなと思ってます。」  ここの指摘はとても大事です。  そしてやまゆり園の雰囲気を語るこんな話もあります。 「前の家族会の会長もいってましたけど(就労支援施設「シャロームの家」主催の集会(2017年2月27日)での尾野剛志さんの講演)、日頃ごろごろ寝転んでテレビばっかり見てたり、そんな職員が目立ってた。そこに突然彼が行ったらびっくりして飛び上がるって…」  NHKクローズアップ現代で植松被告のNHKあての手紙が取り上げられたことがあります。「障害者は不幸しか生まない、という考え方に確信を持ったのはやまゆり園で勤務した3年間だった」と書いていたそうです。そのことについて、事件から1年目のやまゆり園事件追悼集会で会った家族会の方に聞いたことがあります。  「彼は最初はそれなりの思いを持ってやまゆり園にきたのだと思います。でも、現場がひどすぎた。だからそんなふうに思ってしまったんだと思いますよ」 とおっしゃってました。それくらい現場が荒廃していた、と。前の家族会の会長と同じことを言っています。  現場の荒廃については昨年7月のNHKスペシャルでも語られていました。  12時間も拘束された女性の話がありましたが、本当に驚きました。この異常な事態を誰もおかしいといわなかったやまゆり園の雰囲気こそ異常です。この荒廃ぶりと事件との関連はどうなのか。取材を拒否されたのか、ここの突っ込みがなかったのはとても残念でした。 www.nhk.or.jp  昨年7月におこなわれた2回目のやまゆり園事件追悼式のあいさつにおいても、元従業員が起こした事件としてのお詫びの言葉はひとこともありません(ホームページのお知らせのタグをクリックすると出てきます)。びっくりしたのは犠牲になった人たちのことを「仏様のような皆様方」と表現している部分です。  先ほども紹介したNHKスペシャルでは女性が12時間も拘束されていた事実を報道していました。利用者さんに対するやまゆり園の姿勢がよく見えたのですが、そういったことを考えると、「仏様のような皆様方」といった言葉にはやまゆり園の欺瞞性が吹き出している感じがして、私は吐き気がしました。  私が家族であったなら、もう怒り怒り狂ってしまうようなあいさつです。どうして家族会の方は抗議しないのでしょう。  NHKが事件直後からこつこつ取材を重ねて作っているサイトがあります。犠牲になった人たちのエピソードも少しずつ膨らんできているので、地道な取材が続いているのだと思います。本来ならやまゆり園がやるべきことです。やまゆり園がやればエピソードがもっと充実したものができるはずです。どうしてそういったことをやらないのでしょう。結局のところ、なくなった方たちへ「思い」がないのではないか、と思ってしまいます。 www.nhk.or.jp  10年後、20年後に、この事件はどのように語られるのか。歴史に耐えうる検証をしなければならないと思います。  事件はなぜ起こったのか、それをあらゆる角度から検証するのです。  本来はやまゆり園がやるべきことです。でも、事件をわずか2行で語るような法人にはとても期待できません。  でも、誰かがそこのところをやっていかないと、19人のいのちは浮かばれないと思います。
  • 子どもたちはテトといっしょに冒険の旅
     オペラ『ロはロボットのロ』の出だしは、主人公テトの自己紹介の歌で始まります。 ♪ ぼくはロボットです  でも、空は飛べません  走るのは苦手です  泳ぐのも苦手です  けんかは苦手です。  算数は苦手です  鉄棒は苦手です  跳び箱も苦手です  犬も苦手です  お化けも苦手です  ピーマンも苦手です  ……   ♪  と、苦手なものがずらりと並びます。  え?ロボットなのに、泳ぐのが苦手? 犬も苦手? ピーマンも? 「なーんだ、ぼくと同じじゃん」「わたしと同じだわ」  と、子どもたちは、一気にテトに親しみを覚えます。  テトは「弱いロボット」なのです。だから親しみがわきます。 ♪ 苦手なものを数えると  両手の指と、足の指を足しても、足りません。  ぼくが得意なもの  たった一つだけ得意なもの  それはパンを作ることです ♪  苦手なことの多い「弱いロボット」だけれど、一つだけ得意なものがあります。それがパンを作ること。  更に歌います。 ♪ たった一つ得意なこと  たった一つ自慢なこと   たった一つ誰よりも胸を張れること  それはパン作り  楽しいパン作り  もしもパンが作れなくなったら  ぼくはぼくでなくなっちゃう ♪  そのぼくがぼくでなくなっちゃうところから物語が始まります。  毎日1,000個作れていたパンが、ある日999個しか作れなくなります。次の日は998個、その次の日は997個、とどんどん減っていきます。  ぼくがぼくでなくなっちゃうのです。  そのぼくを取り戻すために、テトを作ったドリトル博士に会いに、冒険の旅に出かけます。  「弱いロボット・テト」に、様々な困難が降りかかります。弱いが故に親しみを感じる子どもたちは、わくわくドキドキハラハラしながらテトといっしょに冒険の旅をします。怖い思いをしたり、大声で笑ったり、心がきゅんとしたり、時にほろっとしたり、オペラはまさに夢のような時間です。  ふだんの暮らしの中では絶対に味わえないわくわくドキドキハラハラが、喜びと悲しみが、今回のオペラにはぎっしり詰まっています。  オペラを見終わって、ああ、楽しかった!って、子どもたちが思いっきりの笑顔でいってくれたら、と思っています。  そして、こんな楽しい世界があったんだ、という発見! オペラとの出会い、です。世界がね、ぐ〜んと広がります。 「ロはロボットのロ」プロモーションビデオ https://www.youtube.com/watch?time_continue=83&v=_p88lFgxE4w    そんな夢のような時間を子どもたちにプレゼントしよう、というのが「子どもたちにオペラをプレゼント」というクラウドファンディングです。目標額のまだ22%しか集まっていないので、なかなか厳しい状況です。ぜひご協力ください。このサイト、拡散してください。 motion-gallery.net チケットはこちら pukapukaopera.peatix.com
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