先日ある新聞社の記者から、その後やまゆり園事件について何かやってますか?という質問が来ました。特にやっていません、と回答しました。以前は事件を考えるためのイベントを色々やっていましたが、イベントをやっても社会が変わるわけでもなく、最近は何もやっていません。
イベントはやっていませんが、「障がいのある人たちといっしょに生きていく」ということを、就労支援事業所、生活介護事業所を運営するという形でやっています。
「障害者はいない方がいい」という事件のメッセージに対する私たちの応えです。
障がいのある人達と日々一緒に過ごすことを楽しい、と思えること。そう思う人が増えること、それが日々の暮らしの中で自然にできること、それが事件を超えることだと思います。
ぷかぷかのメンバーさんの中に、事件で犠牲になった美帆ちゃんの誕生日に、毎年のように誕生日カードを描く人がいます。丁寧に丁寧にカードを描きます。できあがったカードは私の方で美帆ちゃんのお母さんに送るようにしています。
美帆ちゃんは唐揚げが好きでした。なので、美帆ちゃんの誕生日には給食が唐揚げになったりします。
こういうことが事件を忘れない、ということだと思います。コムツカシイ話をするイベントではなく、給食の唐揚げ食べながら、「そういえば美帆ちゃん、唐揚げが好きだったんだよね」って思い出したりする方が、長く続けられる気がします。
障がいのある人達と楽しい毎日を過ごすこと、それがあの忌まわしい事件を超えることです。「支援」という上から目線ではなく、どこまでもフラットな関係でおつきあいすること。そこがすごく大事だと思います。