ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • ソーシャルビジネス
      朝日新聞の記者がソーシャルビジネスの観点から取材に来ました。日本政策金融公庫に融資先でおもしろいソーシャルビジネスをやっているところを紹介して下さい、と依頼し、ぷかぷかを紹介されて来たようでした。金融公庫もぷかぷかをそんな風に評価してくれているんだと思いました。  就労支援の事業所をビジネスとしてやるとどういうメリットがありますか?という質問がありました。  パン屋をビジネスでやるというのは、競合店に負けないパンを作るとか、お客さんの心をしっかりつかむパンを作ることになり、結果的においしいパンができます。これが「障がいのある人たちが作ったものだから買ってあげる」とか「障がいのある人たちが作ったものだから買ってもらって当然」という関係にもたれかかっていたら、決しておいしいパンはできません。  売れるパンを作る、という本物の仕事をするので、利用者さんにとっては、仕事のおもしろさを知ることになります。仕事がおもしろくなると、仕事は自分の人生を支える大事なものになります。  介護認定調査に来たケースワーカーさんに 「ぷかぷかの仕事はどうですか?」と聞かれ、 「以前はうつむいていましたが、今はまっすぐ前を向いて生きています。」 と、すごいことを言ったみーちゃんも、仕事がみーちゃんの人生を支えるくらいおもしろいものだったからこそ出てきた言葉だったと思います。  今日も外販に行った区役所の方とお話をしていて 「ぷかぷかのメンバーさんがみんな楽しそうに仕事しているからみんな買いに行くんだよね」  といったことをおっしゃってました。  別の区役所ではぷかぷかさんの外販はほかの事業所に比べてお客さんとの関係の広がりがすごいですね、といわれました。これもメンバーさんが仕事を楽しんでいるからだと思います。  カフェの常連のお客さんも、メンバーさんが楽しそうに仕事をしているから、それを見ている私たちも楽しくなって、また行きたくなるんですよ、といっていました。  仕事をビジネスでやると、仕事が楽しくなり、メンバーさんが楽しく仕事をしていると、お客さんが自然に増えてくる、という好循環がだんだん見えてきました。  「障がいのある人たちが作ったパンだから買う」のではなく、「おいしいから買う」パンを作りたいと思ってスタートしたぷかぷかでしたが、それが今、こういう形で結果が出ているんだ、と取材に答えながら思いました。  
  • わずか1分20秒の舞台のために長野まで
     先日長野飯田で行われたワークショップの映像がデフパペットシアターから送られてきました。 「森と夜と世界の果てへの旅」のラストシーン、まーさんが横たわっているところから映像が始まり、アフリカの太鼓のリズムの中でゆっくり起き上がり、ひょこたんひょこたんと三拍子で歩き、あいさつして退場するまで、わずか1分20秒でした。  この1分20秒のシーンを作るために3時間のワークショップがあったのですが、そのわずか1分20秒の舞台に立つために、まーさんはまた長野の飯田まででかけます。  今まで何度も、 「もうなんの希望もありません、生きててもつまらないので、もう死にます。」 と言っていたまーさんが、まさかここまで来るとは思ってもみませんでした。  舞台の持つ力というのは本当にすごいと思いました。デフパペの舞台を見るだけでは、多分ここまで変わらなかったと思います。  私自身にとってはちょっと物足りないくらいの舞台でしたが、まーさんにとっては、また新幹線に乗って出かけるに値する舞台だったようです。  10日は11時からのリハーサルに間に合うように、朝5時50分に駅でまーさんと待ち合わせして出かけます。輝くような1分20秒の舞台のために。
  • まーさん連れて飯田まで
     デフパペットシアターのワークショップに参加するために、長野県の飯田までまーさん連れて行ってきました。  飯田は新幹線、飯田線を乗り継いで4時間もかかります。ふだんのまーさんなら絶対にそんな遠いところまで出かけたりしません。それが4周年記念イベントでやったデフパペットシアターのマキノさんのパフォーマンスがかっこよかった、といったのがきっかけで、マキノさんが一部進行役をするワークショップに参加し、マキノさんと一緒に人形を作り、その人形を持って舞台に立つところまで行きました。その後マキノさんの稽古場に行き、稽古を見学したあと、本番で使う人形を持たせてもらい、人形を動かす個人レッスンを受けました。  そのとき稽古していた『森と夜と世界の果てへの旅』の舞台をぜひ見せたいと思い、岐阜の公演をまーさん連れて追いかけていこうと思っていたのですが、飯田人形劇フェスティバルの舞台でラストシーンに一緒に立つ企画があり、ただ見るより、一緒に舞台に立つ方が100倍くらいいい、と思い、「飯田まで行こう!」とまーさんを誘ったのでした。  「え〜!長野?そんなところまで行けません」 と、そのときは言っていたのですが、2,3日おいてからもう一度誘うと、まんざらでもない感じ。数日後、 「飯田まで行くのにいくらぐらいかかりますか?」 と、聞いてきました。横浜からの高速バスがあって、4,000円と安いのですが、5時間もかかり、往復で10時間。これではワークショップをやったあと、もう本番は行かない、といいかねないので、新幹線と飯田線、もしくは高速バスを使うルートを提案。費用は往復で18,000円弱。まーさんにとってはかなりの大金なので、かなりの冒険的な提案でした。それでもまーさんはあっさり、 「いいです、それで行きます」 と、言ったのでした。  いつも暗い話ばかりで、毎週のように、もう仕事やめます、なんの希望もないので、もう死にます、と言っていたまーさんが、18,000円も払って長野の飯田まで行くといいだしたのです。  そんなことがあって、今日、飯田まで行ってきたのでした。飯田線は今日初めて乗ったのですが、山また山で、こんな山奥で人形劇フェスティバルをやるのか、とちょっと信じがたい心境でした。飯田は小さな、閑散とした町でした。こんな小さな町で、こんなすばらしい人形劇フェスティバルを企画した人たちに頭が下がる思いでした。 http://www.iida-puppet.com/index.html    デフパペットシアターの舞台になる会場までタクシーで乗り付け、ワークショップに参加。心と体をほぐしたあと、本番舞台で使う3拍子の歩き方の練習。体をほぐす延長にこの歩き方が自然に入り、進行の仕方がとてもうまいと思いました。自分でもワークショップをやっているので、とてもいい勉強になります。  デフパペットシアターの「森と夜と世界の果てへの旅」はジュジュマンという飲んべえが椰子酒を求めて世界の果てまで旅をし、ひどい目に遭い、最後はなんでも願いが叶う卵が割れて、世界の終わり、といった感じになります。その中でなおもジュジュマンが自分の足で前に向かってぎこちなく歩き始めます。アフリカの太鼓のリズムでぎこちなく歩き始めるジュジュマンの姿には、どんなの辛い中でも自分の足で歩いて行く、という希望があります。そのジュジュマンを支えるように、みんなで歩くのです。    舞台衣装を着てやる気満々のまーさん   ジュジュマンを支えるようにみんなで歩きます。   歩き方のレッスン。簡単なようでむつかしい。   真剣に説明を聞くまーさん   演出家の指示で何度も何度も練習しました。    8月10日(日)11時からリハーサル、13時から本番です。まーさんが、ぎこちなくとも、自分で前に向かって歩き出してくれれば、と思っています。ジュジュマンのように。      
  • 今日は12時20分に焼き上がり
     パン教室がありました。準備が手際よくできたのと、全体の手順にみんな慣れたこともあって、12時にオーブンの焼きと肉まんの蒸し始めをスタートさせ、12時20分にはすべて焼き上がりました。ピザは11時過ぎた頃から焼き始め、16枚にピザを1時間くらいかけて焼きました。  気合いの入った「こね」です。これくらい気合いが入るとおいしいパンが自然にできます。   メンバーさんたちもがんばってこねていました。 ピザのトッピングを作ります。今日はオクラも入ったのですが、食べたときはどこにあるのかよくわかりませんでした。  ミネストローネを作りました。『おひさまの台所』の大将・イモトさんの技ありの作品で、絶品でした。    タマネギ切るときはゴーグルをつけて。このアイデアがすばらしい! ピザソースを作ります。オリーブオイルでニンニクを炒め、トマト缶を入れます。とてもシンプルなピザソースです。   肉まんの具を35グラムで分けます。料理研究家ウーエンさんの『北京の小麦粉料理』に載っていたレシピで、いつも大好評です。   あんパンに入れるあんこも手作り。これもイモトさんの技あり作品。このあんこを使ったプレミアムあんパンを『ぷかぷか』で売り出そうと密かに作戦を練っています。    生地を分割します。お姉さんが優しくリードしています。  ピザ生地をのばします。この伸ばす作業が結構むつかしい。 焼き上がったピザ。この芸術的なデザイン!   プレミアムあんパンの成形。 焼き上がったピザ、ピザ、ピザ。全部で16枚も焼きました。 今日のメニューはピザ、肉まん、あんパン、バターロール、ミネストローネスープでした。 今日は12時半に「いただきまーす」ができました。    
  • シンプルな絵に表情
    パン屋の入り口に柱に貼ってあったケンさんの絵に、今日もにんまり。 いつも同じ形なのに、シンプルな目と口にはしっかり表情があります。だからにんまりしてしまうのです。  この時期に雪だるまが登場するところがケンさんのマイペースないいところ。曇り一時雪か雨。傘の表情がなんともいえずいいです。
  • そらちゃんのおかげで
     人生に困難はつきものです。なんの困難さもない人生なんて、あり得ないし、困難さがあるから人生はおもしろいとも言えます。そして、その困難さにどう向き合うかで、人生の豊かさも変わってくるように思います。  みんなでワークショップの記録映画を撮りに来ている映像作家宮沢あけみさんの『ミラクルBaby』(彩流社刊)を読ませていただきました。  620グラムの超低出生体重児のそらちゃんと出会った宮沢さんの物語です。そらちゃんは宮沢さんが産んだ子どもですが、「出会った」としか言いようのない二人の関係が紡ぎ出す人生の豊かさがこの本にはいっぱい詰まっていました。「出会う」という新鮮な関係は、やはり宮沢さんのそらちゃんへの向き合い方だと思います。  出産した次の日、重症部屋の保育器のそらちゃんに会いに行きます。 「…口には大きな人工呼吸器の太い管が入り、それを支えるためにテープのバツがあごや頬まで伸びている。両手は点滴のため、ギブスのようなものをしてがんじがらめに包帯で巻かれ、足には普通よりは小さいサイズでも大きすぎるモニターがテープで固定されていた。」  そんなそらちゃんに 「そら、お母さん、来たよ」 と、声をかけます。そらちゃんはもぞもぞと動きました。宮沢さんは保育器の小さな窓から手を入れて、そらちゃんのぬくもりにふれます。 「そのぬくもりが語るそらのコトバを、私ははっきり感じ取った。そら、あなたは、母胎が保たないことを知って、自分から出てきてしまったんだね。おなかにいればなんの苦労もせずにできた呼吸を、こんな大げさな機械に頼って、痛い思いを全部ひっかぶって、自ら選んで生まれてきたんだね。強いね。エラいね。ゴメンね…そら。それでも、そんな思いをしてまで、お母さんのところに生まれてきてくれたんだね。ありがとう」  そらちゃんのおかげで宮沢さんは本当にすばらしいお母さんになれたんだと思いました。もちろんそれは、宮沢さんの人生の困難さへの向き合い方の結果ではあるのですが…。小さなそらちゃんが持っている大きな力を感じました。  一つだけ。「10日に一度帰ってくるか来ないかのオットが、家で一日中寝てられた日には、ブチ切れた。そらを2キログラムまで育ててくれた4ヶ月の入院は、私を母に育てたが、オットを父には育ててくれなかったようだ。」とありましたが、そのオットはでも、宮沢さんに「子どもをあやしといて」と頼まれ、「前から聞きたかったんだけれど、『あやす』ってどういうこと?」って聞いたというのですから、一生懸命で、まじめで、えらいお父さんだと思いました。なんといっても父は母ほど痛い思いをしないので、どうがんばっても、母には追いつけないのだと思います。     本の最後に「そらのおかげで、私たち家族も空を見上げて生きていける」とありましたが、心にしみることばでした。  ぜひ読んでみて下さい。   http://www.amazon.co.jp/ミラクルBaby-宮沢あけみ/dp/4779110386    
  • ぷかぷかしんぶん8月号
     ぷかぷかしんぶん8月号ができました。今月号も堂々6ページです。オリジナルな「ぷかぷかしんぶん」読みたい方はメールで連絡いただければ郵送します。 pukapuka@ked.biglobe.ne.jp  今日は暑い中、1,000部くらい集合住宅の郵便受けに入れました。暑くて暑くて、本当に参りました。あと4,000部、来週がんばって配布する予定です。    
  • 500円で似顔絵描きます
     以前福祉事業所のまつりで500円で似顔絵を描くという人がいて、500円も取るんだから、相当うまいんだろうと思って500円払って似顔絵を描いてもらったのですが、誰の似顔絵もみんな同じ顔で、 「これ、全然似てないじゃん」と文句を言うと、 「いえ、似てます」と言い張り、 結局500円返してもらえなかったのですが、その人の話をしていたら、ぷかぷかにも似顔絵を描いている人がいますよ、と見せられたのがこれ。  おひさまの台所のメンバーを描いたのですが、なんとなくその人の特徴もしっかり描き込んでいたりして、機会見つけて「500円で似顔絵描きます」という仕事をやってみようかと思いました。
  • ああ、あの人たちね
      霧ヶ丘第一小学校跡地活用についてのヒアリングに行ってきました。教室が三つくらい借りられるのであれば、カフェとアートスペースとして使いたい旨、伝えてきました。  ヒアリングの相手は緑区役所の方だったので、緑区役所での外販の話をしました。区役所での外販は、ただ単にぷかぷかがパンを販売してもうけるとか、お客さんがおいしいパンを買って満足する、ということだけではありません。パンの販売を通して、お互いが出会い、お互いが豊かになるということが大事で、そのことこそが区役所でぷかぷかがパンを販売する「意味」だと説明しました。  障害支援課の方はともかく、ほかのセクションの方は障がいのある人たちと接する機会はほとんどありません。ぷかぷかのパン販売が始まって初めて接した、という方が多かったのではないかと思います。最初はどうつきあっていいかわからず、戸惑った方もいたでしょう。でも回数を重ねるにつれて、彼らのなんともいえない楽しさもわかってきて、ぷかぷかの外販の日を楽しみにしている人も増え、売り上げがどんどん増えていきました。  ヒアリングの担当の方も、asanoさんやtujiさんがしょっちゅうパンの宣伝にいっていることもあって、彼らの名前出すだけで、「ああ、あの人たちね、毎週宣伝に来るんですよ」と顔がほころんでいました。  「ああ、あの人たちね」と顔がほころぶような関係を、彼らはパンを販売しながら区役所の中で作ってたんだなと思いました。知らない間に、そんな関係をチャチャッと作ってしまう彼らに、今更ながら頭が下がります。  関係が広がることは、世界が広がることであり、お互いが豊かになることです。区役所で外販をやって、いちばんよかったと思うのはこの部分であり、ここにこそ、区役所でパンを売る「意味」があるように思うのです。  そして第一小学校の跡地周辺にも、ぷかぷかがそこにお店を出すことで、そんな豊かさをもたらす関係が広がるといいなと思っていることをヒアリングの担当者に伝えてきました。          
  • 自家製甘夏ジャムと自家製ヨーグルト
     天草の川野さんから無農薬の甘夏を送ってきたので、それを使って家で甘夏ジャムを作りました。普通甘夏は2月の終わり頃収穫するのですが、川野さんの甘夏は木になったままなので、今の時期でも収穫できます。もうそろそろおしまいですが…  甘夏を真横に半分に切り、ジュースを絞って、皮を薄く切ります。二度ほど煮こぼしてにがみを取り、あとはきび砂糖を入れてコトコト煮るだけ。  この自家製の甘夏ジャムを自家製のヨーグルトに入れて食べるのが私は大好きです。自家製のヨーグルトは牛乳に市販のプレーンなヨーグルトを入れてほうっておくと、夏の時期なら1日でできあがります。  市販のヨーグルトは増粘材と呼ばれる糊が入っているので、食感がいやだなと思っています。自家製ヨーグルトのスタートは市販のヨーグルトを大さじいっぱいくらい使いますが、何度も引き継いでいく中で、糊を感じない、さっぱりしたヨーグルトになります。  保温器も何も使いません。瓶に入れて、室内にほうっておくだけです。夏は1日、冬でも3〜4日でさっぱりしたヨーグルトができます。この自家製ヨーグルトになれてから、市販のヨーグルトに入っている「糊」がいやだなと思うようになりました。  ほうっておくだけでできる手抜き自家製ヨーグルトと、コトコト煮るだけでできる簡単ジャムを組み合わせるだけで、毎朝幸せな時を味わうことができます。  ぜひお試し下さい。  甘夏ジャムはぷかぷかでも販売しています。
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