ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • 人生への配慮が抜け落ちているんじゃないか
    単純作業は前向きの気持ちが持てない  「知的障がいの人には単純作業が向いている」と、昔からよく言われています。知的な障がいがあるから難しいことはできない、という意味だと思います。ですから福祉事業所の多くは「軽作業」と言われる電機部品や自動車部品の簡単な組み立て作業、ダイレクトメール、教材のセット作りなどの仕事が多いようです。確かに仕事は簡単で、誰にでもでき、知的に障がいのある方には向いているのかもしれません。  同じ事の繰り返しに、はまる方も確かにいます。でも、同じ事の繰り返し、というのは1,2週間ならともかく、それが何ヶ月、何年も続くとなると、ふつうは、かなり辛いものになる気がします。    以前、養護学校の校内での実習で電機部品の組み立て作業をやったことがあります。部品を組み合わせてねじを締めるという簡単な仕事でした。でも、その部品が何の部品なのか、どういう役割をしているのか、といったことはわからない仕事でした。  わからなくても部品を組み立てる、という仕事はできます。でも、自分がやっている仕事の意味がわからなければ、仕事をやった、という充実感は生まれにくいと思います。もっといいものを作ろうとか、売り上げを伸ばすにはどうすればいいか、といった仕事をする上での前向きの気持ちも持ちようがありません。仕事に対する前向きの気持ちが持てない中で、ただ決められた日までに決められた量をこなさねばならないという仕事は、何かロボットのようで、むなしく、辛い気がしました。  このむなしさ、辛さは知的に障がいがあっても、同じように感じられると思います。知的に障がいがあるのだから、そんなことはわからない、と考えるのはずいぶん失礼な気がします。私は自分にとって辛い仕事であれば、それを知的な障がいのある方にさせることは、そうすること自体が辛いなと思います。    これは仕事なんだから、辛くてもやるべきだ、と考えるのか、仕事は前向きの気持ちを持てるものであるべきだ、と考えるかで、この問題の対応は違ってきます。  私は養護学校の教員をやっている頃、仕事は辛くてもがんばるべきもの、と思っていました。ですから生徒たちにもそういった話をずいぶんしました。卒業生が就職後、仕事が辛いと相談に来たこともあります。そんなときも、 「仕事はお金を稼ぐ以上、辛いことがあっても我慢しなきゃだめだよ。」 などといったりしていました。  でも、自分で彼らの働く場を作ってから、考え方が180度変わりました。きっかけは介護認定調査での利用者さんの言葉でした。   まっすぐに前を向いて生きています。  日常生活の中で介護が必要な方は4年に一度、介護認定調査というのがあります。ケースワーカーさんが来て、「これをするときは一人でできますか?」「誰かの介護が必要ですか?」といった質問を、いろいろな場面を想定しながらします。その答によって、この人にはこれくらいの介護サービスがつけられる、といった判定をします。  みーちゃんという方の調査があったときの話です。みーちゃんは「ぷかぷか」に来る前、地域作業所で仕事をしていました。刺繍や織物をしていたそうです。ただ仕事といってもノルマがあるわけでもなく、自分のペースでやっていました。そういう意味では仕事に追われるといったこともなく、きわめてのんびりした楽な仕事だったようです。ただ楽すぎて、ずっとこんなのでいいのかなという思いがあって、「ぷかぷか」にやってきました。  「ぷかぷか」ではクッキーやラスクを作っていました。ノルマというほどのものではありませんが、今日はこれだけ作ります、という形で、前にいた作業所よりは仕事は少し厳しい、ということはありました。最初の頃はその落差がけっこう大変だったように思います。  でも、仕事を覚えていく中で、少しずつ任されるようになり、今はクッキーの材料や道具の準備、製造を全部一人でやっています。自分で仕事をこなすことで、仕事がだんだん楽しくなってきたようでした。  認定調査でケースワーカーさんに 「ぷかぷかの仕事はどうですか?」 と聞かれ 「以前はいつもうつむいていましたが、今はまっすぐ前を向いて生きています」 と答えました。  私はケースワーカーさんのそばで聞いていたのですが、 「まっすぐ前を向いて生きています」 という言葉には、ちょっとびっくりしました。普通に会社勤めをしている人だって、こんな言葉はなかなか口にできません。仕事が忙しくても、それが人生に結びつくことはまれだからです。でも、ミーちゃんにとって、仕事をすることは、そんな風に「生きること」にストレートに結びついていたようです。だからこんなすばらしい言葉が、ぽろっと出てきたのだと思います。  仕事というものが利用者さんにとって、とても大事なものであり「利用者さんの人生をしっかり支えている」ということに恥ずかしい話、この時初めて気がつきました。みーちゃんに感謝!です。  「まっすぐ前を向いて生きています」なんて、そうそう言える言葉ではありません。それをさらっと口にするくらい、みーちゃんの毎日がすばらしく充実していたのだと思います。そして、そんな毎日を「仕事が作り出した」ということ。仕事ってこんなすごい力があったんだ、とその時思いました。仕事についてのイメージが、このとき大きく変わりました。    人は仕事をすることでいろいろ成長していきます。仕事をする、ということは、創意工夫が求められ、緊張感があり、達成した喜びがあり、仕事を通していろんな人との出会いがあり、売れるとお金が手に入る、といったことの連続です。そういった中で人は成長していきます。だからこそ仕事は楽しいのです。  みーちゃんは仕事をする中で、それを自分で見つけたんだと思います。だからあんな素敵な言葉をさらっと口にできたのだと思います。  そして「ぷかぷか」はそういう仕事を利用者さんに提供できていたことに、みーちゃんの言葉で気づかされたのでした。特に意識していたわけではありませんが、「ぷかぷか」で提供している仕事の評価が、そういう形で出てきたことを、とても嬉しく思いました。   人生への配慮が抜け落ちてるんじゃないか  みーちゃんは障害者手帳を持っていますから、いわゆる「知的障がい」と言われる方です。でも、みーちゃんに単純作業が向いているとはとても思えないのです。もし「ぷかぷか」で毎日毎日単純作業をやっていたら、「まっすぐ前を向いて生きています」などという言葉はたぶん出てこなかったでしょう。たとえばボールペンの組み立て作業を毎日毎日やるとして、そんな言葉が出てくるかどうか、ちょっと想像すればすぐにわかります。毎日毎日同じことを繰り返す単純作業では、創意工夫が求められることもなければ、達成した喜びもありません。人が成長する機会が全くありません。  みーちゃんは、仕事をすることで、人生がすごく楽しくなりました、といっています。仕事と人生をしっかり結びつけています。みーちゃんの言葉を丁寧に見ていったとき、「知的障がいの人には単純作業が向いている」という言葉を当たり前のように使う社会は、知的障がいのある人たちの人生への配慮が抜け落ちているのではないか、ということに気がつきました。社会全体が気づいてこなかった、とても大事な問題だと思います。  彼らも人として生きているということ。人として生き、それ故、日々成長しているということ。そういったことをきちんと見ていく視線が社会から抜け落ちているのではないか、ということです。そしてそれは私たちの社会そのものがやせこけていくことを意味します。  みーちゃんの「まっすぐ前を向いて生きています」の言葉は、まさにその問題を突いているように思うのです。それを私たちはどう受け止めていくのか、私たち自身の生き方が問われるような、深い問いだと思います。      (みーちゃんにいろいろ教えてもらいながらクッキーを作る後輩たち)  
  • 田貫湖電鉄物語 うそがこんなに広がって
     最初にあったのは路線図。  鮮明に見るには下のアドレスをクリックしてください。ダウンロードボタンが出てきますので、それをクリックすると鮮明な路線図が出てきます。 http://pukapuka-pan.xsrv.jp/index.php?田貫湖電鉄路線図  田貫湖は富士山の西にあるので、そのあたりにある電鉄だろうと思って地図を探しましたが見つかりません。ネットの「乗り換え案内」で駅名を入れて調べましたが、いくら入れても、「見つかりません」の回答。ここまで来て、この「田貫湖電鉄」は「うそ」なんだということがわかりました。  ここで「なんだ、あの路線図、うそじゃん」って言っていたら、ここですべて終わっていました。これだけの絵は出てきませんでした。(写真をクリックすると大きくなります)  障がいのある人たちの文化、あるいは豊かさを掘り起こせるかどうかは、私たちの想像力にかかっているように思います。   「うそ」は「想像」です。しかもこれだけの「うそ」は「すばらしい想像」です。  うそとわかった翌日、ヨッシーに 「あの路線図、すごいじゃん。せっかくだから駅の絵も描いてくれないかなぁ。」 「はいわかりました」 と描き始めたのが、「田貫湖電鉄物語」です。  「田貫湖正門」「こずえ野」「田貫湖心太屋前」「榊原三丁目」「駿河紙が沼」…  路線図の駅名を考えた時点で、それぞれの駅のイメージがあったのか、駅名を前に考え込むといったこともなく、さらさらと描いていました。  映画のロケが盛んな駅「田貫湖心太屋前」、きつねがいる駅「木津根新田」、妖怪のでる駅「榊原三丁目」など、描きながら本当に楽しかったと思います。  全部で39駅。田貫湖電鉄物語の記録として、ここに全駅を載せます。ヨッシーが何を思いながら描いたのか想像しながら見てください。  尚、田貫湖電鉄物語の絵は8月20日(木)ワークショップの前にすべて取り外します。ぜひ原画を見に来てください。「アート屋わんど」に展示中です。  原画をどういうふうに保管するか思案中です。どなたかいいアイデアをお持ちの方、アドバイスください。   
  • いっしょに舞台に立とう!
    9月13日(日)デフパペットシアターひとみの『森と夜と世界の果てへの旅』の舞台に立つワークショップのチラシができました。二人で歩いている絵はヨッシーの作品、デザインはアート屋わんどのKONです。  
  • 料理教室
     土曜日に料理教室をやりました。作ったのは「水餃子」「とうもろこしスープ」「たたきキュウリ」です。 かなり悲惨な状態 え〜い、丸めちゃえ お焼きになりました。   楽しいひとときでした。  
  • 詩を読むということ
     第二期ワークショップは詩を朗読することから始まります。詩は朗読することで、言葉がむくむくと生き始めます。そんな言葉にふれたくて、教員をやっていた頃はよく詩を読みました。  生徒たちと沖縄をテーマにした芝居を作っていた頃の話です。 詩を読んだ - ぷかぷか日記pukapuka-pan.hatenablog.com   第二期ワークショップ。詩を読むことでどんな物語が生まれるのか、楽しみです。     『仮繃帯所にて』は教員向けの新聞でも紹介したのですが、反応は皆無。生徒たちの反応を思うと、情けない限りでした。  政治家たちは「核ミサイルも運搬可能」だという法案を通そうとしています。8月6日、広島に原爆の落ちた日、「この70年、何を学んできたのだろう」と朝日新聞の「素粒子」は書いていましたが、全くその通りだと思いました。  広島型の原爆が15キロトンだったのに対し、現代の最大規模の破壊力を持つツィーリ型の水爆は、5万キロトン。約3千300倍の破壊力です。東京と大阪に一発ずつ落ちたら日本はそれで壊滅です。 ※戦後70年で核兵器はここまで威力を増している(インフォグラフィック) http://huff.to/1IREyom  本当に恐ろしい世界に今私たちは生きています。「核ミサイルも運搬可能」などという政治家は、核兵器の恐ろしさをどこまでリアルに感じているのでしょう。政治家こそ『仮繃帯所にて』を朗読する必要があるように思います。    
  • ぷかぷかだと、こころ、はだかん坊で、ありのままで居ても良い気がして…
     昨日、第二期ワークショップの企画と参加者募集の記事をアップしたところ、すぐに参加申し込みがありました。参加理由がすばらしいです。   「 少し前からぷかぷかさんの事を知り、だんだん何故か魅かれて行きました。第一期の舞台を見て、胸が熱くなって。これはどんな気持ちなのだろうか?みんな、まぶしいな、出汁が良い。  ぷかぷかの みんなは、そのまんまで、素敵だなぁ・・なんか、良いなあ・・構えないで、安心して過ごせるなあと。ぷかぷかだと、こころ、はだかん坊で、ありのままで居ても良い気がして。うまく言えませんが(笑)みんなともっと一緒に過ごしてみたいなと。」    「人が自由になれる場所」というイメージは、「ぷかぷか」を立ち上げる際、私の中にはあまりありませんでした。あったのは「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」という思いだけでした。でもその中身、つまり一緒に生きていく理由を丁寧に見ていくと、私自身が彼らと出会い、自由になれたことがあります。自分を縛り付けていたつまらない「規範」からの自由は、彼らと出会ったおかげです。  人生がね、なんだかとても楽しくなったのです。彼らと出会ってから…。それはやはり自分が自由になれた、ということが大きかったと思います。  彼らと一緒に生きていく場を作る、というのは、彼らと出会う人たちが自由を感じられる場所をつくることなんだろうな、と、今回の参加理由を読ませていただきながら思いました。  「こころ、はだかん坊で、ありのままで居ても良い」なんてステキな言葉なんだろうと思いました。そんな言葉がぽろっと出てくるような場所を、あーだ、こーだの議論ではなく、ただ黙って黙々と作り上げた彼らに、あらためて拍手!拍手!です。  
  • 『森と夜と世界の果てへの旅』の舞台に立つワークショップやります。
     9月13日(日)午後2時から「デフパペットシアターひとみ」の『森と夜と世界の果てへの旅』の公演があります。   www.youtube.com    この公演の最後のシーンにデフパペットシアターの人たちと一緒に舞台に立つワークショップを、この日の午前中(10時〜12時)やります。  デフパペットシアターの『森と夜と世界の果てへの旅』はジュジュマンという飲んべえが椰子酒を求めて世界の果てまで旅をし、いろいろひどい目に遭います。最後はなんでも願いが叶う卵が割れて、世界の終わり、といった感じになりますが、その中でなおもジュジュマンが自分の足で前に向かってぎこちなく歩き始めます。もうだめかと思うような状況の中で、それでも前に向かって、とにかく歩き始めるということ。アフリカの太鼓のリズムでぎこちなく歩き始めるジュジュマンの姿には、どんなに辛い中にあっても前に向かって自分の足で歩いて行くしかないんだ、という力強いメッセージがあります。そのジュジュマンを支えるように、みんなで歩くのです。  アフリカの太鼓のリズムでズンタッタ、ズンタッタ、とゆっくりと力強く歩き出します。舞台に登場するのは時間にするとわずか1分半ほどです。でもその1分半の舞台を作るのに昨年は3時間のワークショップをやりました。今年は会場の関係で約2時間のワークショップになります。  演出家、振り付け師が進行役をやります。   昨年、まーさん連れて飯田であったワークショップに参加したときの記録です。これはリハーサルの時の記録ですが、だいたいこんな感じのワークショップです。 まーさん、ついにデフパペットシアターの舞台に立つ - ぷかぷか日記pukapuka-pan.hatenablog.com  参加する方は自分の出番まで舞台の袖で待っているので、舞台は見られないことになりますが、舞台の裏で役者たちが汗だくになって走り回っている姿を間近に見ることができます。 作品を見たい方には事前にDVDをお貸しします。  いずれにしても「デフパペットシアターひとみ」の舞台に役者さんたちと一緒に立つ機会なんて、そうそうありません。  20名募集します。参加費はなんと100円です。問い合わせ、申し込みはぷかぷかの高崎(pukapuka@ked.biglobe.ne.jp  045-453-8511)もしくは みどりアートパーク上條(045-986-2441)までお願いします。  9月13日(日)9時半、舞台に集合です。動きやすい格好できてください。ワークショップは10時から12時すぎまで。身体をほぐし、歩き出す練習のあと、本番で着る白い衣装をつけて練習します。お弁当食べて、ちょっと休憩して、すぐ本番です。バチッと照明が当たり、すごい緊張しますが、ものすごい楽しいです。ふだんの何倍も凝縮された密度の濃い時間を楽しんでください。   「デフパペットシアターひとみ」についてはこちら <a href="http://wrs.search.yahoo.co.jp/FOR=Zu.x475V3igVEfgnlJeyyKtEaciPQh3iqeI2I0pErUKuB8xS49H107VY7E9.c1L5O56IVdM4a8xgu5DK71aEh6mBo6ygE59Gq4FuA4FX0zs7GZ3F3hrgveb_MbL1AESEikE1s97aDoL6wH99Vwg54V9svkDO4Nj1qsKkA0yzDF6OBW_Oe6ebZOkUA.CWMwNgBKyQZiKWwUvaYQ--/_ylt=A2RA0mc9UMdVQUwAwIKDTwx.;_ylu=X3oDMTEyMjBjcWJwBHBvcwMxBHNlYwNzcgRzbGsDdGl0bGUEdnRpZANqcDAwMTc-/SIG=11dot40pm/EXP=1439226365/**http%3A//deaf.puppet.or.jp/" data-mce-href="http://wrs.search.yahoo.co.jp/FOR=Zu.x475V3igVEfgnlJeyyKtEaciPQh3iqeI2I0pErUKuB8xS49H107VY7E9.c1L5O56IVdM4a8xgu5DK71aEh6mBo6ygE59Gq4FuA4FX0zs7GZ3F3hrgveb_MbL1AESEikE1s97aDoL6wH99Vwg54V9svkDO4Nj1qsKkA0yzDF6OBW_Oe6ebZOkUA.CWMwNgBKyQZiKWwUvaYQ--/_ylt=A2RA0mc9UMdVQUwAwIKDTwx.;_ylu=X3oDMTEyMjBjcWJwBHBvcwMxBHNlYwNzcgRzbGsDdGl0bGUEdnRpZANqcDAwMTc-/SIG=11dot40pm/EXP=1439226365/**http%3A//deaf.puppet.or.jp/">デフ・パペットシアター・ひとみ - Deaf Puppet Theater Hitomi</a>wrs.search.yahoo.co.jp  
  • 第2期ワークショップやります。
      9月19日(土)から第二期「みんなでワークショップ」が始まります。昨年やったワークショップではオペラ『森は生きている』を材料にして、歌ったり、お話を考えたりして6ヶ月。最後はみどりアートパークのホールの舞台で歌劇『森は生きている』を発表し、大好評でした。  障がいのある人たちと一緒に作るとこんなにも楽しい、こんなにも豊かな芝居ができる、ということを、具体的な作品で示すことができました。「障がいのある人たちとは、一緒に生きていった方がいいよ」というメッセージが、言葉ではなく、彼らと一緒に作った作品を通して伝えられたことが、すごくよかったと思います。  第二期はオリジナルな作品に挑戦します。タイトルは『みんなの生きる』。谷川俊太郎の俊太郎の詩『生きる』をモデルに『みんなの生きる』を作ります。    第一回目のワークショップでは谷川俊太郎の詩『生きる』をみんなで朗読します。   生きる                     谷川 俊太郎          生きているということ今生きているということそれはのどがかわくということ木もれ陽がまぶしいということふっと或るメロディを思い出すということくしゃみをすることあなたと手をつなぐこと生きているということいま生きているということそれはミニスカートそれはプラネタリウムそれはヨハン・シュトラウスそれはピカソそれはアルプスすべての美しいものに出会うということそしてかくされた悪を注意深くこばむこと生きているということいま生きているということ泣けるということ笑えるということ怒れるということ自由ということ生きているということいま生きているということいま遠くで犬が吠えるということいま地球が廻っているということいまどこかで産声があがるということいまどこかで兵士が傷つくということいまぶらんこがゆれているということいまいまが過ぎていくこと生きているということいま生きているということ鳥ははばたくということ海はとどろくということかたつむりははうということ人は愛するということあなたの手のぬくみいのちということ       読み手と聞き手に別れ、一行ずつ交代で読みます。なんとなく読むのではなく、誰かに向かって言葉を届けるつもりで読みます。少しまとまったセンテンス毎に読んでみます。立ったままではなく、歩きながら読んだり、どこかにもたれかかって読んだり、腰掛けて読んだり…。  音楽を入れます。エリックサティの曲をピアニストのあみちゃんに弾いてもらいます。すばらしいピアノをバックに朗読します。詩の言葉が生き生きと生き始めます。  一人で黙って読むときと、どんなふうに違うのか、しっかり確かめます。    谷川俊太郎の詩を朗読したあとは、一人ひとりの詩を書きます。参加者それぞれが「生きているということ、今生きているということ」を感じるのはどんなときか、を二、三行の短い詩で表現します。  「サッカーをやって走っているとき」とか、「木漏れ日のきれいな林の中を歩いているとき」とか、「抱きしめた赤ん坊のからだのぬくもりを感じるとき」とか、「朝、窓を開けて、ひんやりした空気を吸い込んだとき」とか…。できあがったら、一人ひとり発表します。それぞれが、どんなときに生き生きしてるのか、お互いしっかり聞きます。  全体を四つくらいのグループに分け、グループの中で、それぞれの詩をいろいろ組み合わせ、グループとしての詩を作ります。詩の言葉を短冊に書き、それをいろいろ入れ替えてグループの詩を作ります。これがすごい大変な作業になります。大変な分、グループの詩はびっくりするほどのエネルギーを持ちます。グループの詩を発表します。「みんなの生きる」が少し見えてきます。    グループの詩を元に6ヶ月かけて芝居を立ち上げていきます。できあがった芝居は2月14日(日)にみどりアートパークホールの舞台でおこなわれる『表現の市場』で発表します。  ワークショップの日程は9月19日(土)、10月17日(土)、11月21日(土)、12月19日(土)、2016年1月16日(土)、2月6日(土)、2月13日(土)計7回。2月14日(日)発表会。    参加者募集します。できるだけ全日程参加できる方。  今年は現段階で確定している助成金が少ないので、参加費をいただきます。大人1,000円、子ども500円です。11月頃に新しい助成金が確定すれば、参加費は変更します。  お問い合わせ、参加希望はメールでお願いします。     pukapuka@ked.biglobe.ne.jp    担当:高崎    
  • 今日もブルーベリー狩りに行きました。
     暑いさなか、今日もブルーベリー狩りに行きました。   木漏れ日のきれいな、気持ちのいい道を行きます。   谷が広がるこのあたりも、本当に気持ちのいいところです。   トーテムポールのおじさんにあいさつしていきます。   木漏れ日がまぶしい道です。   ブルーベリー畑が見えてきました。   ブルーベリー畑、到着   ブルーベリーを摘みます。   ちょっと休憩   ブルーベリーは一個一個採るのではなく、実の下にざるを持ってきて、まとめてボロボロッ、ボロボロッと落とします。   来週にはブルーベリージャムとブルーベリーデニッシュを販売します。
  • うれしい感想が届きました。
     先日のパン教室に参加した方からうれしい感想が届きました。写真を何枚か撮ったそうで、その写真の話から始まります。     一番気に入っているのは、ちやことさらちゃんがふざけていて隣の部屋にいる紺野さんが笑っている写真です。 障がいをもっている方と、一緒に子どもたちが笑っている。それが「特別」な限られた空間と時間の中での出来事ではなく「日常」の中である風景として見えた。ということが、とてもいいなと思いました。パンを作っている間、普段見慣れない顔の私たちが一緒にいてもみなさんが、良い意味で特別扱いせずに普通に輪に入れてくださったのが少し新鮮でもありました。たいてい、初めて会う方と何かを一緒にする場合何となくよそよそしさが伴い、だんだん慣れていくということがありますが、ぷかぷかのみなさんとはよそよそしさが最初から全くありませんでした。それは普段からぷかぷかのFBなどを通じてみなさんのことを私が知っている(ように感じている)ことも大きいのだなと思います。ワークショップに参加すると、初対面の人たちとのコミュニケーションを円滑にするためにアイスブレイクという手法が使われますが高崎さんは、ぷかぷかのみなさんが活躍する場をつくることを通じてそれらを発信することを通じて「世の中と、障がいをもつ方たちとの間にあるアイスをブレイクしている」のだなという風に感じました。誰かがやらなければ、アイスはそのまま固く、冷たいものとして存在し続けるだけでそれをブレイクする必要があるということすら、感じられないままそこにあり続けるのかもしれません。でも、そこをブレイクしてみると思いもしなかったような、温かく、奥深い世界が広がっていてその世界に触れた人たちを魅了して止まない。それを知らないなんて、もったいないことだ。そういうことを高崎さんは伝えているのだなと改めて思いました。また参加できるのを親子で楽しみにしています。        なんだかね、思いもよらない評価をいただいたりして、恐縮しています。恥ずかしい話「ブレイク」という言葉は、「そうか、こういうときに使うんだ」って今日初めて知りました。まぁ別に知らなくても、みんなで楽しくパン作りができたらいいな、って思っていると、その楽しい雰囲気が、みんなの心を自然にやわらかくするのですが…  子どもたちの笑顔がいいですね。障がいのある人たちも、当たり前のように周りにいて、この雰囲気がいい。
  • 最近の日記
    カテゴリ
    タグ
    月別アーカイブ