ぷかぷか日記

パンへのこだわり

楽しいパンの提案

パンの学校に求人を出し、提出書類の中に「お店の絵に合うパンを提案してください」と言う課題を出した。
今日、応募者の一人から書類が届き、その中に「星のパングラタン」と「森のくまさんパン」というのがあった。
いずれも丁寧な絵が描かれ、うちの子どもは絵を見ただけで「食べてみたい!」といっていたくらい。

食べてみたくなるようなパン、というのがとても大事だと思う。
作り手のセンスが一番問われるところだ。
今回若い女性の提案なので、遊び心もあり、お店のターゲットにしている子育て中の若いお母さんたちに十分伝わるセンスだと思った。

季節ごとにお店の絵を元にしたお話を作り、それにつながるパンや焼き菓子だけでなく、絵やパフォーマンスをみんなで楽しめたらと思っている。今回の楽しいパンの提案は、それに向けての第一歩のような気がしている。

国産小麦

あこ庵の社長から「国産小麦とカナダ産を比べると、味、価格においてはカナダ産の方がいい、ポストハーベストの問題は今はない、国産小麦にこだわっているお客さんは1割くらいしかいない、そのあたりを総合的に考えると、すべて国産小麦でやるのは、価格、味の面でかなり厳しくなるので、1,2割を国産にして、それ以外はカナダ産を使うのが無難ではないか」といわれました。

とにかくこの世界で40年も美味しい小麦を探してきた人の言葉なので、かなりの重みがあります。
社長の言うように、国産小麦のコーナーを設けるのがいいのか、すべて国産でやるのがいいのか、迷っています。

という内容のメールをパン屋をやっている知人に送ったところ、感動的な意見が返ってきた。

外国産か国内産かという選択についてですが、当店は開店から一貫して国産を使っております。ポストハーベストの問題についてはさまざまな議論がありますが、私は直接安全性を確認したわけではないので、危険とも安全とも言えません。

私たちは一事業主として誰かが(どこかの企業の経営者や有名人、もしくはテレビ等)問題ないと言っているから大丈夫という判断はあまりに無責任だと考えるようにしています。

カナダ産1CWなどは本当に美味しくパンに適していると思います。しかし収穫量のほとんどは南米経由で船便で輸出されています。私たちが視察に訪れたのは3年前ですが、輸出前に燻蒸をしていました。\ここ3年で状況が変わったのであれば今後外国産の小麦も安心して\使えるようになるのではないでしょうか。

国産小麦がパンに適していないのに関わらず、国産小麦を使うパン屋があるのはどうしてでしょう?とくに神奈川・東京には件数が多いように思います。

コストが高いという意見は、間違いなくその通りです。小麦の収穫量はアメリカ・カナダと比べると驚くほど少ないわけですから当然ですね。

ではなぜ私たちの店では国産を使うのか?

私たちはパンを作り売ることがもちろん仕事ですが、地域の景観、麦の穂がゆれる景色を守る責務があると考え、秦野産・神奈川産の小麦、農作物を最優先して使っています。

もちろんコストは高いですが、地域を四季の風情あふれる景観にし、人の心を豊かにすることができれば、原材料代が高いぐらいのことはまったく問題になりません。毎日パンを作ることで社会貢献ができて自らの収益も大いに上がるのであればこんなにいいことはないと思います。

逆に自らの店のコスト意識だけで原材料を選べばもっとも身近な社会・地域とのつながりを放棄してしまうのではないかと思います。

国産小麦のパンを求める1割ほどのお客様・・・という意見についてですが、国産小麦だからとパンを買ってほしい、天然酵母だから買ってほしい・・・という意識でいれば1割ほどというのは正しいといえるでしょう。

当店のお客様の9割以上は美味しく、安全で毎日買える価格であると言って買いに来てくれます。外国産でも不味くて下手なパンならば残り9割のお客様も購入しなくなるでしょう。

国産小麦を使う理由はマーケティングに有利だからではなく、自ら確かめた中で確実に安全で、美味しいパンを作れるからです。自分や家族が安心して食べることのできるパンだから不特定多数のお客様にも勧められるのです。

長々と駄文になってしまいました。もう間もなくオープンですね。障がい者だからではなく美味しいから選ばれるお店にしたいという抱負を先月新聞で見ました。国産小麦だから、天然酵母だからではなく、美味しいから選ばれるお店になったら素晴らしいことだと思います。

さらに冬に芽を出し、春の訪れとともにぐんぐん成長し、初夏のころに立派に実る小麦の景色がある地域はきっと豊かで優しい気持ちになり、暮らしやすいのではと思います。

 

お店をいかに成功させるか、ということばかりに気を取られ、地域社会のことは二の次になっていたところへ、こんな素晴らしい意見をいただき、目が覚めた思い。
パンの材料購入の点から地域社会の中で生きる意味をもう一度考えたいと思った。

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