ぷかぷか日記

一矢さんの物語

  • 想定外のことが起こり…
     6月8日(火)友達大作戦の打ち合わせがありました。      参加者は、かずやさんほか7名、マスコミの取材3名でした。  内容はホームページのコンテンツなどの確認、早稲田大学での授業ができなくなった件など。 かずやさんちの看板ができました、という報告。絵はヨッシーです。                        早速かずやさんちのドアのそばに置きました。         このドアにかずやさんの似顔絵をパネルにして貼り付けます。どんな人がここに住んでいるのか、少しイメージできると思います。           この前を二階の人は毎日通ります。ほんの少し、気持ちが柔らかくなるかな、と期待しています。  そうして今度の日曜日6月13日(日)に、いよいよあいさつ、謝罪にかずやさんと介護者が行きます。かずやさんがどんな人で、なぜここにいるかを簡単に説明します。「かずやしんぶん」もこの時渡します。   二階の方がかずやさんの顔を知り、どんな人かを知ること。それができれば、今回は最初の一歩達成!だと考えています。お互い顔を知れば、近所で会った時、あいさつができます…  と、甘いストーリーを考えていたのですが、木曜日、想定外のことが起こり、先が見通せない状態になりました。   発端は私の提案 高崎:「かずやしんぶん」を事前に二階の家のポストに入れておいたらどうでしょうか。読むかどうかわかりませんが、ひょっとして読んでくれれば、ラッキー!という感じです。住所を手書きで部屋番号まで入れておけば、下の部屋の人のことなんだということがすぐにわかります。  10日木曜日、大坪さんはかずやさんと二人で行こうとしたようです。 大坪:一応今日、ポスティングを一矢さんと一緒にと試みましたが、本人やはり嫌だったらしく、大声を出されまくって挫折しました。日曜日本当に一緒に行けるのかなぁ…ちょっと気掛かりです。 高崎:そうでしたか。かずやさん、どうして嫌だったんでしょう。 大坪:やはり今日の一矢さんの反応を見て、もう少し慎重にやらないとマズいかなと思いました。 大きな声について介護者が二階に響くのではないかとハラハラしていて、本人も声を出さないように努力をしていると思いますが、それがなかなかできない。 その辺の葛藤、ストレスもかなりギリギリの所に今いると感じます。  そうした中で「謝罪」に行くというのは、本人にとって、かなりツライ経験である事は間違いないと思います。  先日の会議のように皆さんが一矢さんに好意的な場面であれば、様子を見て「一本橋」も出て来るけど、本人に部が悪い場面である事は肌身で感じ取っているのだと思います。  そこで本人が、納得して二階に行くという手続きを取るのはかなり難しい…本人にそれをどう伝えるか。 「障害」を、自己責任論で本人が克服しなければならない問題とするのではなく、環境や関係を変えて行く事で解決して行こうというのが、「社会モデル」の考え方だと思いますが、やはり今、そのギリギリの所が問われているのだと思います。  なので、とりあえず日曜日は、慎重に様子を見ながら二階に行くかどうかを判断したいと思います。  二階にあいさつに行く時、かずやさんは大坪さんに素直についていくものとばかり思っていました。かずやさんの気持ちを丁寧に想像してなかった、ということです。  《そうした中で「謝罪」に行くというのは、本人にとって、かなりツライ経験である事は間違いないと思います。 》  という大坪さんの言葉で、かずやさんの気持ちに初めて気がつきました。情けない限りです。  「大声に対する苦情」という問題を、《環境や関係を変えて行く事で解決して行こう》としたのですが、肝心なかずやさんの気持ちを取りこぼしていたのです。  本人が納得して二階に行くという手続きを取るにはどうしたらいいのか、またまた難題を抱えることになりました。  6月15日(火)の友達大作戦はその「どうしたらいいのか」を考える集まりになります。大学での自主セミナーの企画も。  zoomのオンライン参加もOKです。ぜひいろんなご意見お願いします。 2021年 6月 15日 (火) 午前10:30~ 午後12:00  参加希望者はぷかぷか問い合わせ窓口から申し込んで下さい。URLとミィーティングID、パスコードをお送りします。 www.pukapuka.or.jp  早稲田大学でやる予定だった「友達大作戦」に関する授業は、外部講師の依頼は半期に一度だけ、という規則に引っかかって(担当教員がすでに一人申請していたので)不許可になりました。映画「道草」の続編の撮影も予定していたのですが、それも不許可。  ちょっとがっかりしましたが、授業でなければいい、ということなので、自主的なセミナーみたいな形でやろうかなと考えています。会場は早稲田大学です。大学の枠も超えてたくさんの人に呼びかけ、友達大作戦を展開していこうと考えています。  どういう言葉で呼びかければ学生さんたちが集まってくるのか思案中です。小難しい話ではなく、 「あっ、これ、なんだかおもしろそう」 って軽い気持ちで乗ってきてくれるような言葉を探しています。  友達大作戦に、軽いノリで 「こうやったらおもしろいんじゃない」 という提案をしてもらい、その提案で 「あ、おもしろい、おもしろい」 と、人が動き始めるかも知れません。その動きの中で、かずやさんと様々な形で出会う人も増えます。 「かずやさんのような大声出すような人もいていいか」 っていう人が地域に増えれば、地域社会は受け入れる人の幅が増えることになります。 かずやさんの周りの小さな社会が、ほんの少し居心地がよくなります。みんなにとって居心地のいい社会が、こうやって実現するのです。  「自分の手で社会が変えられる!」 若い人たちがこんな風に思える体験をすれば、社会に希望が持てるようになります。  大学で若い学生さんたちを相手に「友達大作戦」の授業をやるのは、そんな思いがあるからです。今までにない新しい提案が出てくるかも知れないし、学生さんたちも変わります。  重度障害者の自立生活は、社会を豊かに変えていくのだと思います。  「友達大作戦」はこちら www.pukapuka.or.jp
  • かずやさんが大学で授業やります。
     知り合いの大学の先生が「ボランティアとNPO・NGO」という授業をやっていて、先日の入管法改悪の動きと市民による阻止行動など、社会運動についていろいろ話をしているようです。  その中で学生さんから、署名運動をいくらやっても社会はなかなか変わらない、といった社会に希望が持てないような感想がFacebookで紹介されていました。こりゃいかんなと思い、書き込みをしました。 「議論も大事ですが、まずは具体的に動いてみてはどうでしょうか。いろんなことが見えてくること間違いなしです。」 「抽象的な議論ではなく、具体的な問題に対し、どうしたらいいかをみんなで考え、それをとにかく実際にやってみる。たとえそれがうまくいかなくても、抽象的な議論よりははるかに収穫があるはず。」  この書き込みがきっかけで実際に大学で授業をやることになりました。かずやさんも参加し、友達大作戦をテーマにした授業をします。    かずやさんは昨年夏、施設を出て、アパートで自立生活を始めました。かずやさんはときどき大声を出します。二階に住んでいる方から、その大声に対して苦情が来ました。  介護者を派遣している事業所の方でとりあえず謝ったそうですが、かずやさんは 「大声を出さないで下さい」 といっても、 「はい、わかりました」 と聞いてくれる人ではありません。これからも大声を出します。  ならば大声と共存する方法を考えないと、この先、お互いが辛いことになります。そこでスタートしたのが「友達大作戦」。要は、ただ謝るだけでなく、 「友達になっちゃおう」 というわけです。  大声が聞こえて、 「うるさい!」 と怒鳴り込むのではなく、 「ったくしょーがねーなー」 とブツブツ言いながらも、なんとかそこで踏みとどまれる関係。  街で会えば 「よう、元気?」 って声をかけられるような関係。  「かずやんちカフェ」を開く時は、一緒においしいコーヒー飲みながら、いろんな話ができる関係。  餅つきをやる時は、かずやさんと一緒に餅つきを楽しんだりする関係。  そんな関係になるにはどうしたらいいかを考えるのが「友達大作戦」。    授業では実際にかずやさんの大声を聞いてもらい、どうしたらいいかを学生さんに考えてもらいます。そこで出てきたアイデアは、実際に現場で試してみます。うまくいくかどうかはやってみないとわかりません。  この「実際に現場で試す」というところが大事です。あーだこーだ言うだけで終わらないところが今回の授業。ほんの思いつきのアイデアであっても、それがおもしろいものであれば社会は反応します。 「自分の手で、社会が変えられるんだ」 って、そんなことに気づくかも知れません。  その気づきは、これから長い人生を生きていく上で大きな自信になります。社会に希望が持てます。若い人たちが社会に希望が持てるって、なんかすごいじゃないですか。    「友達大作戦」の対象は二階の人だけでなく、地域社会全体の人です。地域の人たちみんなといい関係を作ること、それが地域に暮らすことの意味だと思います。  街を歩くと、 「こんにちは」「元気?」 って、いろんな人から声をかけられる関係があることは、とても大事なことです。こういった関係がお互いを豊かにします。重度障害者の自立生活が地域社会を豊かにしていくのです。    問題は授業の時にかずやさんが大声を出してくれるかどうかわからない、ということです。先日もかずやさんの陶芸教室をテレビが取材に来たのですが、その日はかずやさん陶芸に全く乗ってこなくて、本当に困りました。そういうことが十分に予想されるのです。なので、アパートで大声出した時に映像で記録していただいて、一応それを持っていく予定でいます。  いずれにしても、そういうかずやさんのわからなさと、頭抱えながらつきあっていくところにこそ、かずやさんとのおつきあいの奥深さというか、面白さがあるような気がします。    6月14日(月)早稲田大学で授業をやります。どうなりますか。また報告します。    機嫌がいいと下の写真のような感じですが、授業の日、こんな顔をしてくれるかどうかは全くわかりません。そのわからなさの中での授業です。           友達大作戦はこちら www.pukapuka.or.jp
  • よってけ かずやんち
     友達大作戦の打ち合わせをやりました。参加したのは一矢さん、介護者3人、応援団2人の計5名。Eテレが取材していました。  かずやしんぶんの版下をオオツボさんに渡しました。近々地域配布分、7月31日のぷかぷか上映会配布分併せて300〜400部印刷します。  そのしんぶんを持ってなるべく早い時期にかずやさんと一緒に大声の迷惑をかけている二階の方に、あいさつ、謝罪に行きます。色々準備して行っても、会いたくないと拒否される可能性もあるので、油断は禁物。なんかドキドキします。でも、たとえうまくいかなくても、そこで撤退してしまうのではなく、なんとか大声と共存できるうまい方法をしつこく、楽しく模索します。  かずやクッキーは同じアパートの住人4人に配る予定で、注文しましたので、来週にはあいさつ、謝罪に行きます。花の植わった植木鉢、コーヒーカップも持っていきます。さて、どうなりますか。  かずやんちの看板を玄関のドアに飾ろうと思っています。        写真を見ると、二階の方はいつもかずやさんちのドアの前を通るようです。ならばそこに「かずやんち」と書いたほっこりあたたかな気持ちになるような絵が掛かっていれば、気持ちが和みます。たとえばこんな絵。「かずやんち」の文字はもちろんぷかぷかさん。暖簾もいいんじゃない、という意見もあります。              ホームページを作ります。まだ正式ではありませんが、「よってけ かずやんち」みたいなタイトルはどうかなと思っています。「かずやんち」に寄り道してみたら、思ってもみないものがいっぱい詰まっていて、なんだかトクした気分になったり、心がちょっと豊かになったり、そんなイメージです。  コンテンツは「かずやさんのプロフィール」「介護者の日記」「かずやさんの日々」「お知らせ」などですが、そのままのタイトルではおもしろくないので、ちょっと覗いてみようかなって思うようなタイトルをこれからみんなで考えます。何かいいアイデアがありましたらメールでお知らせ下さい。  「かずやんてどんな人」と書いたこんなアイコンをクリックすると、                          Q&Aの形式でかずやさんがどんな人かわかるようになっているとか… 「○○ぼちぼち日記」と書いたアイコンをクリックすると、        介護している人の日々の様々な気づきを書き込んだ日記が出てきます。かずやさんのそばにいるとくつろげる、というオオツボさんの「くつろぐコツのヒミツ」もシリーズで書いていただく予定です。若いカワタさんは、初めて介護に入った日は、おばあちゃんちに遊びに行った時のようなゆるっとした時間を過ごしたそうで、そのあたりの話も書いてもらう予定です。かずやさんの周りにゆるっとした空気が流れているのはどうしてなんでしょうね。そういうことにホームページ見た人が気がついて 「そっかー、今度遊びに行ってみようかな」 って思ってくれれば、ホームページは大成功。  「かずやんのまったりの日々」と書いたアイコンをクリックすると、              今日はこんなことしました、こんなもの食べました、ソファーでぼーっとして過ごしました、というかずやさんのまったりした日々の記録が出てきます。   ま、こんな感じの楽しいホームページができるといいなと思っています。  ホームページを担当する方も会議に出ていましたので、多分近いうちにでき上がると思います。  午後、かずやさんの陶芸教室やりました。全く乗ってこなくて困りました。かずやさんの目を見て下さい。「こいつ、うるせーな」みたいな目です。           お皿を作る時だけ、ちょっとやりました。                      でも、最後に笑顔      Eテレが取材していたのですが、陶芸をやっている絵はほとんどとれなかったようです。ま、こんなもんですね。  予定していたことが予定どおりに行かなかったり、かずやさんが何を考えてるのかさっぱりわからなかったりでしたが、だからこそかずやさんとのつきあいは奥が深くておもしろいのだと思います。いつも私たちが試されているというか… 「友達大作戦」はこちら www.pukapuka.or.jp
  • 『かずやしんぶん』できました!
     『かずやしんぶん』ができました。A5版、6ページです。『ぷかぷかしんぶん』と同じサイズ、ページです。まだ印刷ができていないのですが、とりあえずこんな感じでできましたという報告です。表紙のタイトル文字、かずやさんの絵はぷかぷかさんが描きました。    表紙                          2ページ                       3ページ                                      4ページ                                  5ページ                       6ページ                  「かずやしんぶん」 いかがでしたか?ぜひ感想、お寄せください。  こんなことやったらおもしろいんじゃない、という友達大作戦に対する提案も大歓迎です。たくさんの方がこの友達大作戦に参加することに意味があります。重度障がいの方が自立生活することの意味が、たくさんの人に共有されます。一緒に闘う、とかじゃなくて、一緒に楽しむ、という感じ。一緒に楽しんでいるうちに、社会が少しずつ変わっていけばもうけもんです。  ぷかぷかも彼らとの日々を楽しんでいるうちに、周りの社会が変わってきました。えらいトクした気分。  「かずやしんぶん」をはじめとする友達大作戦が目指すのは、しんぶんの 6ページに書いているように 「時々大声出すけど、こういう人も地域にいていいよね、いた方が楽しいよね」っていう人が少しずつ増えてくれる ことです。そのためにはかずやさんの自立生活を支える人たち、応援する人たちが、かずやさんと一緒にいて、なんかいいよねって思っていることが大事です。施設を出て一番最初から介護している人は、かずやさんのそばにいると「くつろぐ」そうです。その「くつろぐ」コツを、ぜひどこかでお披露目して欲しいです。      くつろぐとこんな顔になります。これはもう、くつろがなきゃソン!        重度障がいの人って大変じゃないの、って多くの人は思っています。そんな中でかずやさんのそばにいたらくつろぐんですよ、という話は社会の偏見を思いもよらない形でひっくり返します。差別と闘ったりしなくても、くつろぎながら、楽しみながら社会を変えていけるのです。みんなが心地よく生きていける社会に。  一番いいのは、かずやさんとの楽しいおつきあいの機会を実際に作ることです。「かずやカフェ」と名付けて、定期的に楽しいお茶会をやるのもいいなと思っています。おいしいコーヒーとおいしいお菓子があれば、話が弾みます。かずやさんのそばにいて、みんなでくつろぐ。カフェ付き自立生活です。そうそう、ここで使うコーヒーカップはかずやさんが作ったものです。こんなカップで飲むコーヒーの味は格別です。               こんなおつきあいを周りに広げていくこと、そうやって地域社会を少しずつ変えていくこと、それが友達大作戦の目指すものです。  かずやさんの自立生活は、ただ単にアパートで暮らすのではなく、かずやさんがそこで暮らすことで、地域社会がこんな風にして誰にとっても暮らしやすい街に変わっていくのです。かずやさんにとっても地域の人にとっても、これはものすごいトク!なことです。   
  • 友達大作戦は、夢みたいな話を実現するプロジェクト
    「かずやしんぶん」の話です。                                          「かずやしんぶん」は地域社会を耕すしんぶんです。かずやさんの自立生活が、施設を出てアパートで暮らす、といったことだけにとどまるのではなく、地域社会を耕す、といったことにまで広がるといいなと思っています。重度障がいのかずやさんが地域で暮らすことが、そのまま地域社会を変えることになる、というわけです。そのためには地域の人たちと様々な関わりを持つ、様々なメッセージを発信する、そういったことが大事です。「かずやしんぶん」はそんな活動の一つです。  ぷかぷかは、障がいのある人たちがお店で働いている、というだけでなく、地域社会を柔らかく耕してきました。ぷかぷかは創設以来地域社会とのいろんな関係を積極的に作ってきました。ぷかぷかさんたちとの楽しいおつきあいの中で、「ぷかぷかさんが好き!」というファンがたくさん現れ、地域社会が明らかに変わってきました。障がいのある人たちを排除してしまうことの多い社会全体の雰囲気を考えれば、彼らのことが好き!という人たちが現れたことは画期的です。  障がいのある人たちは、あれができないこれができない人たちではなく、「彼らは地域社会を耕し、地域社会を豊かにする存在」というふうにぷかぷかはいいます。それは彼らのおかげで地域社会が変わってきたという実感から出てきた言葉です。  彼らが地域にいるというのは、そのことで地域社会が変わることだと思います。そういったことがかずやさんの場合もできないだろうか、と思うのです。「重度障がいの人が地域で暮らすと地域社会が変わってくる」なんて素敵じゃないですか。  夢みたいな話です。友達大作戦は、その夢みたいな話を実現するプロジェクトです。「かずやしんぶん」は、その実現のための一つの重要なツールです。  出発点は、かずやさんの大声に対する苦情にどう向き合っていくのか、というところでしたが、プロジェクトを進めているうちに、これは重度障がいの人が地域で暮らすことの意味を深く問い直すことにつながることに気がつきました。      第1号では、かずやさんがどういう人か、どうしてここで暮らしているのか、といったことを書いています。いってみれば自己紹介号です。かずやさんの家の周りにあいさつ方々配布します。一回で終わるのではなく、ぷかぷかしんぶんのように定期的に発行し、かずやさんの自立生活がリアルタイムで伝わるようにします。あなたの近所にこんな人が暮らしていますよ、というメッセージです。今週はこんなおもしろいことがありました、こんな料理が気にいりました、こんなおもしろい人が訪ねてきました、今度お茶会やります、餅つきやります、といった楽しい話をたくさん載せていきます。  かずやさんの自立生活を伝えるホームページも立ち上げます。かずやしんぶんよりもはるかに詳しくかずやさんの自立生活を伝えます。写真をとって、こんなことがありました、あんなことがありました、と日々の出来事をどんどんアップしていきます。それを見るだけでかずやさんの自立生活がリアルに伝わります。              若い介護スタッフの人たちには日々の思い、気づきをホームページのブログに書いて欲しいなと思っています。かずやさんを介護することで、日々どんなことを感じているのか、どんな気づきがあったのかを書いて欲しいのです。大変なことも多いと思うのですが、それでも日々かずやさんと接していれば、大変さを超えて、楽しいこと、笑っちゃうこともたくさんあると思います。何よりも人が生きる上で教えられるものもたくさんあるのではないでしょうか。そんなことを飾ることなく、気軽に書いて欲しいと思うのです。すぐ忘れてしまうような気づきを書いて残しておくと、それは自分の財産になります。  社会の多くの人は、重度障がいの人たちのことを知りません。どんな生活をしているのかほとんど知りません。彼らの生活を介護するなんて大変だろうな、というイメージだと思います。そんな人たちに向けて、今日こんなことで笑っちゃいました、こんな楽しいことがありました、といったメッセージは、彼らを見る社会の目を確実に変えていきます。  メッセージを読むのがだんだん楽しくなって、ひょっとしたら「あ、私もやってみようかな」って思う人が出てくるかも知れません。かずやさんでおもしろい!っていうファンが現れるかも知れません。「かずやさんみたいな人、地域にはいた方がいいね」って思う人が少しずつ増えてくるかも知れません。地域社会を耕す、というのはそういうことです。  「障害者はいない方がいい」というメッセージを発信したやまゆり園事件は、こうやって地域の人たちと一緒に乗り越えていけます。  友達大作戦、これからおもしろくなります。  友達大作戦開始のキーポイントになるアイテムができ上がりました。                                                   近々大声で迷惑かけている方のところへ、「かずやしんぶん」とこのアイテムを持ってあいさつに行く予定です。もちろんかずやさんも一緒です。かずやさん、その時にまた大声出さないとも限らないので、まさにハラハラしながらの友達大作戦です。  友達大作戦の始まりはこちら www.pukapuka.or.jp  7月31日(土)桜木町駅前の横浜市健康福祉センターホールで「あなたととなりのかずやさん」をテーマに上映会とトークイベントをやります。社会にはいろんな人がいた方が楽しいねって思えるような映画と、そういったことを話し合うトークイベント。トークイベントでは友達大作戦の経過報告もします。友達大作戦、こんなこともやるとおもしろいよ、といったアイデアも募集します。かずやクッキーも販売します。 来なきゃソン!
  • あなたととなりのかずやさん
    先日の一矢さん、 「うるさくしないの」 と何度も大声を出しながら、コーヒーカップ作りました。   集中する目がすばらしくいいです。一矢さん、一生懸命です。      介護する人と一矢さんのすばらしい連係プレー    かずやクッキーができました。ぷかぷか焼き菓子工房が焼きました。文字と絵はぷかぷかさん。            似顔絵の下に 「いつも大声出してごめんなさい」 みたいな吹き出しを入れる予定です。文字は一矢さんが書きます。わんどに置いてあった書道の道具一式を持ち帰りました。  一矢さんの大声に対し、先日一矢さんの部屋に直接苦情が来たそうです。介護者派遣事務所の苦情の窓口に電話するだけでは何の解決にもならないので、直接文句を言いに来たようです。介護の人はひたすら謝るばかりだったようです。  一矢さんは「静かにして下さい」といっても聞いてくれる人ではないので、苦情を言いに来た人を前に、本当に困ってしまったと思います。  一矢さんはいつも「うるさくしないの」といわれるせいか、余計に「うるさくしないの」と大声で言ってしまうようです。先日の陶芸教室ではずっとその大声が出ていました。いつまた苦情が来るかわからないので連休明けに「友達大作戦」開始します。 www.pukapuka.or.jp  花の植わった植木鉢、コーヒーカップ、かずやクッキー、かずやしんぶんを持って、かずやさんと一緒に苦情の出ている家に行ってきます。まずは謝ること、向こうの言い分を謙虚に聞くこと、一矢さんのことを丁寧に説明すること、ご迷惑おかけして申し訳ないのですが、声の大きいご近所さんとしておつきあいしてもらえたらうれしい、といったことなどを話してくる予定です。  結果、どうなるかは今のところ全くわかりません。  これからも続く一矢さんの大声に 「ったくしょーがねーなー」 と聞き流してくれるようになるのか 「うるさい!」 とまた怒ってしまうか。  苦情にきちんと向き合うこと。ここからしか未来は始まりません。  ここからどういう物語が生まれるのか。未来に希望が感じられるようなものが生まれるなら、一矢さんの自立生活は社会的にものすごく意味のあるものになります。これこそが重度障がい者が地域に暮らすことの意味だと思います。  彼らの自立生活が社会を耕すことになるなんて、今まで考えたことがありませんでした。一矢さんの苦情にどう向き合っていくのか考えているうちに気がついたことです。うまくすれば彼らとはいっしょに生きていった方がいいね、って思う人が地域の中で少しずつ増えていくかも知れません。やまゆり園事件を超える社会がここから始まります。  7月31日(土)桜木町駅前の横浜市健康福祉センターホールで「2021年ぷかぷか上映会」をやります。午後「あなたととなりのかずやさん」というタイトルでトークイベントをやります。 【たとえば人よりも目立ちやすい側面があったとしても、人と自分は全く違うわけではないし、全く同じわけでもありません。すごく当たり前のことです。   なのに社会の中にいると簡単に「違う」とか「同じ」とかくくってしまいそうになることが多くあります。 それに待った!をかけて、「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話がしたくなる作品でした。】(午前中に上映する『いろとりどりの親子』という映画のレビュー)  一矢さんの自立生活を手がかりに、「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話ができたらいいな、と思っています。一矢さんの話は特別なものではありません。迷惑をかけたりかけられたりは、あなたの近所にもある話です。だからテーマは「あなたととなりのかずやさん」。  津久井やまゆり園事件から5年目になります。異質なものを排除する社会はどこまで変わったのでしょうか?  異質なものを排除する社会は、許容できる幅が狭まり、お互いが窮屈になります。違うものがたくさんある方が社会は豊かな広がりを持ちます。いろとりどりの人がいる方が、お互いの幅が広がって、人として豊かになります。なによりも社会が楽しくなります。  そんな社会はどうやったらできるのでしょう。それはたとえば一矢さんの大声とどうやったら共存できるかを考えることだと思います。それはそのまま、障がいのある人たちを暴力的に排除したやまゆり園事件を超える社会を作ることだと思います。  今まで書いた一矢さんの物語はこちら www.pukapuka.or.jp
  • 「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話がしたくなる集まりをします。
    友達大作戦進行中です。 www.pukapuka.or.jp  かずやさんのことを伝える「かずやしんぶん」は、第1号が大体でき上がりましたが、ページ数が多すぎて、読む人にとってちょっと負担かなと思いました。せめて「ぷかぷかしんぶん」なみに6ページくらいに収めてくれるように要請しました。小さなしんぶんですから、さらっと読めるぐらいがいいです。              もっと詳しいことを伝えるために、「かずやさんとその仲間たち」という名前のサイトを立ち上げた方がいい、という提案もしました。今日、こんなおもしろいことがあった、こんなおいしいものを食べた、といった日々の出来事、お茶会やりますとか、みんなで街の掃除します、といったイベントのお知らせも発信しましょう。一矢さんの自立生活のリアルが伝わるサイトです。  一矢さんの似顔絵をラベルに使った「かずやクッキー」を作ろうという話もあります。「いつも大声出してごめんなさい」のひと言も入れておきましょう。苦情をよこしている二階の人に、手作りのコーヒーカップと一緒に持っていけば、多分印象がずいぶん変わります。  というわけで、昨日はそのコーヒーカップを作りました。       まずは粘土を伸ばします。               コーヒーカップの側面に当たる部分を切り抜きます。              それをジュースの缶に巻き付け、コーヒーカップの形を作ります。               ジュースの缶とそれに巻き付けた新聞紙を取ります。              ソーサーを作るための粘土を伸ばします。           完成!       7月31日(土) 桜木町駅前の横浜市健康福祉総合センターホールで上映会とやまゆり園事件に関するトークセッションをおこないます。上映する映画は『いろとりどりの親子』と『Secret of Pukapuka』です。  『いろとりどりの親子』の映画の情報はこちら longride.jp  映画のレビューにこんなのがありました。 ●「違うこと」を受け入れることで、輝きに溢れる「幸せ」を前に、「普通」という言葉があきれるほどに意味を失いモノトーンであるリアルをこの映画が教えてくれる。 ●たとえば人よりも目立ちやすい側面があったとしても、人と自分は全く違うわけではないし、全く同じわけでもありません。すごく当たり前のことです。   なのに社会の中にいると簡単に「違う」とか「同じ」とかくくってしまいそうになることが多くあります。 それに待った!をかけて、「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話がしたくなる作品でした。  『Secret of Pukapuka』は、社会から排除されることの多い障がいのある人たちが、ぷかぷかにあっては、なんと「ぷかぷかさんが好き!というファンがたくさんいます。なぜなのか、そのヒミツに迫る映画です。 www.youtube.com  ぷかぷかができて1年くらいたった頃、「ぷかぷかしんぶん」を広い団地の中で配っていて、迷子になった方がいました。地域の方から電話がありました。 「ぷかぷかさんが迷子になってますよ。私が見ててあげるから迎えに来て下さい」  地域の人たちはこんな風に見ててくれてたんだ、ってうれしくなりました。「ともに生きる社会を作ろう」とか言ったわけではなく、ただ日々の活動をコツコツ続けていく中で、こんな風に見てくれる関係が自然にできていたのです。  一矢さんも、こんな風に見てくれる関係が、地域に自然に広がっていくといいな、と思っています。それが「友達大作戦」の思いです。  いろんな人がいること、それが地域社会の豊かさです。一矢さんの話を手がかりに、そんなことを考える集まりにしたいと思っています。  上映会、トークセッションの詳しいことが決まりましたら、またお知らせします。とりあえず7月31日〔土〕あけておいて下さい。冒頭、多分ツジさんが勝手に歌を歌います。お楽しみに。
  • 一矢さんを支えるつもりが、なんだか一矢さんに支えられてるみたいです。
    一矢さん、陶芸の日。前回に引き続き、今日も植木鉢を作りました。お父さん、お母さんが見ていたせいか、今日はとてもいい顔してやっていました。 この集中力  ダイナミックな植木鉢を介護の大坪さんと一緒に作りました。  この植木鉢を持って、苦情をよこした家にあいさつに行きます。いよいよ「友達大作戦」開始です。さてどうなりますか、乞うご期待、というところですが、実際、どういう展開になるか全くわかりません。  その時に手渡す「かずやしんぶん」製作中です。  これを見て、そうか、一矢さんてこういう人だったのか、って心和ませてくれたら、と思っていますが、そううまくいきますかどうか。「ケ!」とかいってゴミ箱に捨てられる可能性だってあります。むしろそっちの可能性の方が大きい気がします。その時こそが勝負だと思っています。  地域社会で自立生活をおくっていく中で、こういった困難には必ず直面します。だからこそ、一矢さんと一緒にみんなで地域社会を耕していきたいと思うのです。たくさんの人たちの応援が必要です。ですから「かずやしんぶん」の発行元は「かずやさんとその仲間たち」なんて名前にしようかなと考えています。「かずやしんぶん」の発行(月刊もしくは隔月刊の予定)には印刷代などのお金もかかります。地域に配布するので300〜500部くらい考えています。なので、会費もいただいて10年くらいはしっかり続けたいなと思っています。かずやさんと一緒に楽しいお茶会や食事会をやりましょう。テレビで放映された映像を借りて、自立生活を考える上映会もやりたいですね。かずやさんと一緒に月一回くらいの定期的な地域清掃も考えています。みんなでホウキ持って集まり、道路や公園を掃除するのです。とにかくかずやさんと一緒にやる、というところがミソです。地域の人たちはわいわい人が集まって何を始めるのかって見ています。定期的に掃除をやっていれば、道路も公園も綺麗になります。それを見て、そのうち「私も手伝いますよ」っていう人も多分出てきます。そうやって時間をかけて地域社会をかずやさんと一緒に耕していくのです。  仲間たちでいろいろおもしろい企画を立てましょう。これからどんな風に展開するのか、すごく楽しみです。一矢さんを支えるつもりが、なんだか一矢さんに支えられてるみたいです。 これから展開する友達大作戦はこちら pukapuka-pan.hatenablog.com
  • 笑顔と豊かな生活を取り戻して欲しい
     毎日新聞「やまゆり園事件は終わったか〜福祉を問う」のシリーズです。裁判が終わって1年たち、もう事件そのものが終わってしまったような雰囲気の中で、なおも事件を問い続ける貴重な記事です。 mainichi.jp  事件で重傷を負った尾野一矢さんが毎週陶芸をやりにぷかぷかに来ています。湯飲み、お皿、花瓶、植木鉢などを作っているのですが、ものを作るって楽しい!っていう感じがなかなか見えません。人生楽しんでないというか、なんかもったいないです。「やめとく〜」を連発し、何もやらない時もあります。            お父さんの話だと、やまゆり園に入る前にいた七沢では陶芸やったり、絵を描いたりしていたそうですが、やまゆり園に入ってから、そういうものを全くやらなくなってしまった、とおっしゃってました。日々、クリエイティブな活動がなければ、人の心も萎えてくるのだと思います。  毎日新聞の記事の中に、やはり子どもをやまゆり園に預けていた平野さんの話が載っていました。 ●●●  昼間、リビングにただ座っている入所者の姿を見て「くつろいでいるようにも見えるが、放置されているともいえる」と感じた。  「能動的に何かをする機会がないまま過ごすうちに無気力になり、体力も失われていく。しかし、これを園では『皆さん穏やかに過ごしている』と言うのです」と泰史さん。 ●●●  こういう環境にいると、人生を楽しむっていうのか、そういう感覚をだんだん忘れてしまう感じがします。やまゆり園は、事件のはるか前から、人が生きる上で一番大事な感覚をだめにしていたのではないかと思います。  一矢さんの陶芸教室は、一矢さんが忘れてしまったそういう感覚を、作品を作りながら少しでも取り戻して欲しいな、という思いもあります。  新聞記事の最後にこんな言葉がありました。 「…単調な入所施設の生活では、入所者の経験や元々あったパワーはそぎ落とされてしまいがちです。そうした施設は、生存は支えるが生活は支えない。生かさず殺さず、でも笑顔も豊かな生活もない。ただ、これは津久井やまゆり園だけでなく、すべての入所施設の問題です。本来問われるべきは、入所者の日々の生活の質なのです」  一矢さん、自立生活をすることで、奪われた笑顔と豊かな生活を取り戻して欲しいと思います。陶芸教室で作った焼き物は、ささやかですが自立生活に彩りを添えます。ここから豊かな生活が始まります。
  • 友達大作戦が動き始めます
    今日は一矢さんの陶芸教室。友達大作戦の出発点になる植木鉢を作りました。 www.pukapuka.or.jp  先週植木鉢を作る予定でしたが、一矢さん、全然のってこなくて 「やめとく〜」 の連発。何もできませんでした。友達大作戦でいろいろ注目を浴びているので、是非ともやって欲しかったのですが、どう誘っても 「やめとく〜」  結局何も作らずで終わってしましました。  というわけで、今日はなんとかやってもらおうとあの手この手で誘いましたが、今日も 「やめとく〜」 の連発。「これでお団子作って下さい」と粘土を渡しても 「やめとく〜」  お団子を渡して、「これを植木鉢にくっつけて下さい」 「やめとく〜」  以前麺棒で粘土を何度かのばしていたので、        麺棒を出して誘ってみたのですが 「やめとく〜」  う〜、困ったなと思いながら、粘土のお団子を差し出して、 「これ大坪さんに渡して」 というと、すっと手が伸びてお団子を受け取りました。  しめた!と思い、 「大坪さんの代わりに、ここに貼り付けて」 と植木鉢を指すと、ちゃんと貼り付けてくれました。      「オー!やったじゃん。もう一回」 と粘土を渡すと、自分でくるくるお団子を作っていました。      それをまた植木鉢に貼り付けます。       大坪さん、大喜びで、一矢さんの指の跡をしっかり残していました。       一矢さん、一度やると、どんどん調子が出てきて、こんな素敵な植木鉢が完成!       一週間ほど乾かして素焼きし、その後本焼きします。再来週の陶芸教室で一矢さんに手渡します。  いよいよ友達大作戦が動き始めます。「かずやしんぶん」も制作開始です。  苦情をよこした方とうまく友達になれて、時々言葉を交わしたり、おいしいものを届けたりするおつきあいが始まれば、一矢さんの周りの社会が、ほんの少し変わります。一矢さんが自立生活を始めたことで、社会がいい方向に変わり始めます。  友達大作戦がうまくいけば、大声が止まらなくて、いろいろ悩んでいる人たちを勇気づけます。  これからどんな風に展開していくのか、すごく楽しみです。来週はコーヒーカップを作ろうかなと思っています。これもうまくできれば、2階の方にプレゼントします。一緒にコーヒー飲めたりするといいですね。
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