ぷかぷか日記

障がいのある人と生きるということ

  • 「歌のワークショップ」やります。(その2)
    2月26日(日)の「歌のワークショップ」で歌う歌の歌詞カードができ上がりました。二曲歌います。  継母の命令で冬の森にマツユキソウを探しに来た娘が、たき火を囲んで12の月(つき)の神様たちが歌っているところへやってきます。 この歌を歌うオペラの場面です。後半はマツユキソウが咲いた場面が編集で入れられています。娘の歌がすばらしくいいです。♪…一瞬の今を、千秒にも生きて、このうれしさを胸に… www.youtube.com    もう一曲は、娘の見つけたマツユキソウが欲しいと、わがままな女王が博士と家来を連れて冬の森へ出かける場面で歌われる歌です。 歌のワークショップをやってくれる歌役者さんが歌ってくれました。 www.youtube.com  歌のワークショップをやってくれるのはオペラシアターこんにゃく座の若い元気な歌役者、沖まどかさんと泉篤史さんです。下記サイトの左側に並んでいる名前をクリックすると写真とプロフィールが出てきます。 konnyakuza.tabigeinin.com  オペラの歌役者さんといっしょに歌うなんて、めったにない機会です。  さぁ、いっしょに歌いましょう!元気になること間違いなしです。 info@pukapuka.or.jp
  • 店員が手伝います
    今朝の東京新聞伊是名さんのコラムが光っていました。  《バリアフリーを×と記載するなら「店員が手伝います」など、別の手段を提示してくれると車椅子での利用をためらわずにすみます》という提案はすばらしいと思いました。  店員が障がいのある人達がお店に入る時にお手伝いすれば、バリアフリーがどうして×なのか、どうすればいいのかがわかります。その気づきはお店が変わり、バリアフリーになるきっかけになります。  そんな風にして変わっていくお店が少しずつ増えていくと、みんながもっと暮らしやすい社会になります。  「店員が手伝います」のささやかな提示は、みんなが暮らしやすい社会の入り口なのかも知れません。  伊是名さん、すばらしい気づきをありがとう!
  • 「歌のワークショップ」やります。
     オペラシアターこんにゃく座の歌役者さんを呼んで楽しい「歌のワークショップ」をやります。  3月18日(土)、19日(日) 神奈川芸術劇場ホールでオペラ『森は生きている』が上演されます。そのオペラに登場する歌役者さんの沖まどかさんと泉篤志さんが来て、『森は生きている』で歌われる歌を2曲、みんなと一緒に歌います。楽しいです。ぜひお越し下さい。  申し込みは info@pukapuka.or.jp    当日『森は生きている』のチケットも販売します。 www.youtube.com 前回やった歌のワークショップの一場面(2022年5月) www.youtube.com
  • 取っ手のゆがんだこのコーヒーカップが好き
    取っ手のゆがんだこのコーヒーカップが好きです。  決して持ちやすいわけではないのですが、既製品の、何の面白みもないコーヒーカップがあふれる中、こんなふうに取っ手のゆがんだコーヒーカップに出会うと、なんだかちょっとうれしくなります。ほっとします。  このゆがみの向こうにあたたかな人を感じるのです。その人の存在をこのゆがみは確かに伝えてくれます。ゆがみはその人の主張です。ここにおれはいるぞ、っていう。  別に意識してゆがめたのではないと思います。自然にこんな風にゆがんでしまった。それでいて、このゆがみにはなんとも味わい深いものがあって、つい見とれてしまいます。これこそがぷかぷかさんの魅力。  ぷかぷかさん達はこうやって社会をやわらかく耕しています。だから彼等は社会にとって、とても大事な人達。 昨日の「ぷかぷかさんのお昼ごはん」のメニュー。このゆがんだ字を見るとホッとするのです。
  • 字を面白がるところから
     先日「おひさまの台所」の店頭で、こんな字を見つけ、うれしくなってつい買ってしまいました。  「これ字が違うじゃん」 ていうよりも、 「あっ、おもしろい!買った!」 という方が、人生、楽しくなる気がするのです。正しいことは時に人生をつまらなくします。  こういう字は私たちにはなかなか書けません。ぷかぷかさんがいてこそ出会える字です。  こういう字を面白がるところから、「ともに生きる社会」とか「共生社会」が始まるのだと思います。「ともに生きる社会」をどうやって作るか、といった小難しい話をいくらしても、新しい社会は始まりません。  でも、  「あ、この字、おもしろい!」 って思えば、ここから彼等とのあたたかな出会いや新しい前向きの関係が始まります。ここから新しい社会を私たちの手で作っていくのです。  こういう字はぷかぷかのあちこちにあります。ぜひ面白がりに来て下さい。                                      
  • みんなで子育てを楽しむ
     北海道江差町のグループホームで、結婚や同居を望む知的障がい者のカップルに施設側が不妊手術や処置を条件付けていたことが昨年末明らかになりました。  批判的意見が多かったのですが、施設を擁護する意見もありました。「自活・自立できず入所し、施設に養育まで押しつける?」「《生む権利》と《育てる義務》はイコール」「両親に障がいがあって生活していけるか」  もし自分が当事者だったら辛くなるような意見です。障がいがあっても子どもを産みたいとか、育てたい、という気持ちはあるのではないでしょうか。子ども好きなぷかぷかさん達は、口にはしないまでも、やっぱりそういう気持ちはあるのではないかと思います。  そういう気持ちを社会のみんなで支えられないかと思うのです。  子育ては大変ですが、それを超える楽しさ、喜びがあります。それをみんなで共有してはどうかと思うのです。いろんな苦労は地域を鍛え、豊かにします。障がいのある人の子育ての共有は地域が大きく変わるチャンスです。  そんな風に発想を変えてこの問題を前向きに考えてはどうでしょうか?
  • 毎週木曜日の授業が楽しみでした。
     昨年の12月15日、4回にわたる授業の振り返りをしました。ただ感想を言うのではなく、「詩のワークショップ」をやりました。「詩のワークショップ」は、授業の中で印象に残ったことを短い詩にまとめます。その詩をグループの中で共有し、そのあと詩の言葉をバラバラにし、グループの詩として編集し直します。言葉を並べ替える過程で、お互いの思いを共有します。でき上がったグループの詩をほかのグループの人に向かって朗読します。朗読は言葉に丁寧にふれることです。  障がいのある人達とどんな風につきあえばいいのかよくわからなくて不安だった学生さん達でしたが、ぷかぷかさんと一緒にすごろくワークショップ、演劇ワークショップ、絵を描くワークショップ、作品を鑑賞するワークショップなどをやる中で、ぷかぷかさんと出会い、たくさんの新しい気づきがあったようでした。  《障がい者という言葉でくくって偏見を持っているのがどれだけ間違っているかに気がつきました。》とか《障害をもった方々は「一人じゃ何もできない」、「普通の人より劣っている」とどこがで思っている自分がいたが、今回の授業を通してそれが間違いであることに気付いた。》《ぷかぷかさん達は私より自由な世界でのびのびと生きているのだと気が付きました。》《私たち以上にすごいことをやる人がたくさんいました。》といった感想がありましたが、ぷかぷかさん達とおつきあいして初めて気がついた貴重な気づきです。  パンを作っている様子を撮った映画を見て、「涙が出ました」と感想を書いた方がいましたが、ぷかぷかさんとの出会いは、学生さん達を深いところで揺さぶったようでした。  講義の授業では多分こういった言葉は出てきません。ぷかぷかさん達と人として出会うことの大事さをあらためて思いました。出会うことは人を豊かにします。ぷかぷかさん達は講義以上のものを学生さん達に伝えたようでした。  将来子どもたちを相手に仕事をする学生さん達です。子どもたちの中には障がいのある子どもたちもいます。彼等に何かやってあげるのではなく、一緒に何かをやるような関係で仕事して欲しいですね。そうすれば、今回の授業のように相手と楽しく出会えます。障がいのある子どもたちと楽しく出会えると、人生が楽しくなります。私自身、養護学校で障がいのある子どもたちと出会い、人生が変わりましたね。おしゃべりも、着替えも、トイレの始末もできない重度障がいの子どもたちでしたが、人間にとって何が大事か、といういちばんのキモを教わった気がしています。子どもたちと、ぜひそんな出会いをして下さい。 学生さん達の感想 ・最初はどう関わっていいのかわからなかったですが、すぐに打ち解けられてたくさんのお話ができるようになりました。すごろくワークショップの時に大丈夫だよ。と言ってくれた方がいました。とっても嬉しかったです。とても心温かい人達だなと感動しました。ヨッシーさんが作っていた作品全てがとても素敵でした。細かなところまで再現されていてその努力を私は見習いたいなと思いました。ぷかぷかさんを通して元気を沢山貰えたと思います。毎週木曜の授業が楽しみでした。 ・最初は不安、恐怖心、どう接していいか分からないし、よく分からなくてちんぷんかんぷんだった。だけども、演劇ワークショップ、絵のワークショップ、造形ワークショップをなど全体を通して、みなさん一人ひとりの個性がとても強くて、個性豊かだった。いつでも、元気いっぱいで、明るくて、笑顔いっぱいで、感情豊かで、集中力凄くて、私たちとなにも変わらない人、むしろ私たちよりも優れている才能があることがわかったし、凄いと思った。 ・障がいを持つ方への見方が変わった。今までならうるさい、何を考えているか分からないなど相手を否定する考えを持っていた。しかし、実際に「言葉」を交わし関わるうちに考えを改めた。とても楽しそうに生きている、「障がい」のことを気にしてなんかいない。本人たちが楽しく生きているのに自分の都合で相手を否定し、知ることを恐れてしまっていた。悪いのは相手を知ろうとしない自分自身なのだと痛感した。 ・私はぷかぷかさんたちとふれあい、会う前と会ったあとでの印象が大きく変わりました。ぷかぷかさんと会う前までは「障がい者」というグループでひと括りに分けていましたが、障がい者の人たちもそれぞれ違う特徴があり、個性豊かだということが分かりました。 ・最初は不安だった。接したことがあまりなく、雰囲気も分からなかった。小学校の頃に少し怖い思いをしたから、授業まですごくドキドキした。しかし、いざ授業が始まって関わってみると、いろんなお話をしてくれたり、握手をしてくれたりしてくれたりすごくフレンドリーだった。いっしょに劇をした時も積極的にこうしようなど提案をしてくれた。 ・ぷかぷかさんの発言はネガティブなことがなくて、ポジティブな言葉しかなかった。そんなところが素敵だと思った。表現豊かでいっしょにいると周りが笑顔になる。 ・最初に関わった時は、子どもではなく大人の方だったので余計に怖いなあとか大丈夫かなあと不安だらけでした。回数を重ねていくうちに、ぷかぷかさん方の一生懸命に取組む姿勢や個性豊かな素敵な部分もみえて、すごいなあと思うようになってきました。今までこういった関わりは一切と言っていい程ないので、とてもよい経験をさせていただきました。5回の交流は長い様で短く感じ、あっという間でした。 ・授業を受ける前は、障がいのある人達に対し、自分の中で少し一線を引いていたが、授業の中で一緒に活動するうちに、その一線がなくなった気もした。 ・ぷかぷかさん達と交流して、彼らは私たちとは違った見方や考え方をしていたり、ひとつの事を真剣に取り組んでいたり、想像力も豊かで見習うところが多いなと思いました。 ・色々な関わりの中でぷかぶかさんの事をたくさん知ることができました。それは多彩な表現力や想像力、そして素敵な笑顔です。名前を呼んでくれたり色々な話をしてくれたことがすごく嬉しかったです。 ・ぷかぷかさんと活動したことにより、みなさん個性的で、明るく、前向きで、一生懸命な素敵な人だとわかりました。 ・ぷかぷかさんと出会うまでは、障害者はこういう人と決めつけていたような気がします。 ・本当に楽しい時間だったし、いろんなところで私が助けていただきました。 ・自分の気持ちが伝わらないのではないかと不安でしたが、表現を一緒に考えたり、一緒に絵を制作していく中でひもが解けたように心を開いて笑顔でお話をしてくださりました。 ・ぷかぷかさん達は私より自由な世界でのびのびと生きているのだと気が付きました。このことがいちばん大きな気づきでした。 ・元々障害を持っている人に対して「可哀想だ」という感情が少なからずあったと思います。可哀想と感じているから何をしても許す、優遇する、そういう風に感じていました。しかし、一緒にいろんな活動をし、楽しそうにしているぷかぷかの皆さんを見て「可哀想」という感情は違うのだということがわかりました。 ・これまで僕は、少しでも障害者を助けようと思っていたけれど、手伝いなんて必要ないなと思うくらい、何でも一人でしていたことに驚かせられました。 ・ぷかぷかさんの映画や作品を見たとき、感動がすごかったです。とてもいい5回の授業でした。 ・関わっていく中で障害の方だから出来ないみたいな偏見が少しずつ変わっていきました。私たち以上にすごいことをやる人がたくさんいました。 ・ぷかぷかさんの作品をみて、すごいと素直におどろきました。 ・ぷかぷかさんとの交流で一番心に残ったのは、平本さんの作品鑑賞の回でした。初めは、複数の人が作ったものだと思って見ていたので、ひとりで作ったと聞いてとっても驚きました。頭の中のものを表現することは難しいし、誰でも出来るわけではないのでとても感動しました。 ・最初は一緒に活動することは無理だと思っていました。でも、絵を描く活動では、僕たちにない表現を持っていたり、体を使う活動は表現が豊かだったり、僕たちよりもすごい面をたくさん発見することができました。 ・私は分け隔てなく関わる素晴らしさを学べた気がしました。 ・障がい者との関わり方を学ぶだけでなく、障がい者に対しての思いもいい方向に変わることが出来たと思います。 ・演劇ワークショップやアートワークショップを通して、ぷかぷかさんの方たちの表現力や想像力に驚きました。 ・一緒に何かを作り上げる時に私たちの方が支えられてるのではないかと思う部分もありました。 ・「障がい者は誰かの支えがないと社会に出ることは難しい。健常者はひとりでも社会で生きていける。」今までは無意識にそう思っていましたが、そうではないことに気がつきました。今は、障がい者だから、健常者だから、と分けることにも違和感を感じます ・最初は障害のある方に対して、「怖い」とか「話が通じなさそう」と思っていましたが、関わっていく中でそれは私の勝手な偏見だということがわかりました。ぷかぷかさんとの交流で、今までの自分の偏った考えが誰かを傷つけているかもしれないと思うようになり、勝手な決めつけや偏った考えはやめようと思えるようになりました。 ・ぷかぷかさんとの交流を通して、「障がい者」という言葉がどれだけ似合わないか、近くで感じることが出来る素敵な機会でした。 ・みんなと何も変わらないのに「障がい者」という言葉でくくって偏見を持っているのがどれだけ間違っていることか認識できる機会でした。 ・障害がある方に対して怖いというイメージしか抱いていませんでした。街中で見かけると無意識のうちに距離をとったりしていました。しかし、今回当事者の方と直接交流したり意見を交わしたりした中で、必要のない先入観を私たちが抱いていたのだと思いました。 ・彼等のことを知ろうとしなかった、考えた事がなかったというのがどれ程もったいない事であるかを知れた貴重な体験でした。 ・最初はあまりいい気がしてなかったです。何話していいかわからないし、話したとしても内容を理解してくれるか分からないと思っていました。今回の経験を通して自分が持っていたそんな思い込みがガラリと変わりました。 ・障害をもった方々は「一人じゃ何もできない」、「普通の人より劣っている」とどこがで思っている自分がいたが、今回の授業を通してそれが間違いであることに気付いた。 ・障害を持つ人達を見かける事は昔からあったし、学校にも居たが、今回のような深く何時間も関わる機会は初めてだった。実際話してみると、ちょっと変な人達ではあったけど面白い人達だった。誰かの大ファンだったり、創作にとても意欲があったりと本気で真っ直ぐだった。 www.youtube.com ぷかぷかさん達へ ・何度も大学に来てくださってありがとうございました。ゲームやワークショップはとても楽しかったです。また一緒に遊びたいです。機会があれば劇を観に行きたいと思います。 ・毎回楽しく、学ぶことがたくさんありました。 ・何よりもうれしかったのは私の名前を呼んでくれたり、自分の話をたくさんしてくれたことです。 ・ぷかぷかの皆さん、貴重な経験のできる時間を私たちにくださりありがとうございました。素敵な思い出が出来ました。 ・授業は毎回、とても楽しい時間でした。いちばん印象に残ったのは、テーマに沿ってみんなで絵を描くワークショップでした。ひとりひとりの個性が見られてとても楽しかったです。ぷかぷかさん達も楽しかったと思ってくれてたらうれしいです。 ・パンもお弁当も食べたことがありますが、本当に美味しかったです。また、映画を見た際に裏側をみれて、一生懸命作っていただけている様子をみて涙がでました。これからもたくさん食べていきます。 ・私も、自分のやりたいことを一生懸命頑張ってみようと思えました。数回でしたが、交流ありがとうございました。 ・素敵な時間をどうもありがとうございました。 ・たくさんのことを学ぶことができました。 ・貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。この経験を今後に生かしたいと思います。 www.youtube.com 今までの授業 www.pukapuka.or.jp
  • 「障害者雇用」は社会を豊かにするチャンス
     法律で義務付けられた障害者雇用を巡り、企業に貸農園などの働く場を提供し、就労を希望する障害者も紹介して雇用を事実上代行するビジネスが急増している、という話が新聞に載っていました。十数事業者が各地の計85カ所で事業を展開。利用企業は全国で約800社、働く障害者は約5千人に上るといいます。  要するに障がいのある人を雇うのは何かと面倒、お金払って障がい者雇用率が達成できるなら、そっちの方が楽、と考える企業が多いのだと思います。雇用率をお金を出して買ってる、ということです。  農園で働く障がいのある人はきちんと給料をもらい(給料の原資は雇用率を買っている企業が払っています)、企業の側は帳簿上雇用率を達しているのだから何も問題はないように見えるのですが、どうもすっきりしません。  彼等が作った野菜などは販売しません。お金を出した企業が引き取って、従業員に配るそうです。従業員にとっては、ただでおいしい野菜が手に入り、とても喜んでいるそうですが、野菜を作った障がいのある人達の喜びにはつながりません。  自分たちの作った野菜が売れること、その野菜を食べた人達が喜んでくれること。そのことが野菜作りを仕事とする彼等の喜びになります。そういう仕事の基本的な喜びが、代行ビジネスで働く障がいのある人達からは奪われています。  そもそもどうしてこんなビジネスが流行っているのか。やはり厚生労働省がどうして障害者雇用をするのか、という基本的なところを丁寧に説明していないからだと思います。  厚生労働省のホームページでは障害者雇用について以下のように説明しています。 《障害者等が希望や能力、適性を十分に活かし、障害の特性等に応じて活躍することが普通の社会、障害者と共に働くことが当たり前の社会を目指し、障害者雇用対策を進めています。 障害者の雇用対策としては、障害者雇用促進法において、企業に対して、雇用する労働者の2.3%に相当する障害者を雇用することを義務付けています(障害者雇用率制度)。 これを満たさない企業からは納付金を徴収しており、この納付金をもとに雇用義務数より多く障害者を雇用する企業に対して調整金を支払ったり、障害者を雇用するために必要な施設設備費等に助成したりしています(障害者雇用納付金制度)。》  障がいのある人達のことを全く知らない企業が、この程度の言葉で障害者雇用に向けて動き出すとは思えません。  企業の側が「うちも障害者雇用をやってみようかな」と思えるような、もっともっと丁寧な言葉が必要です。そもそも厚生労働省自身は障害者雇用をやっているのでしょうか?それをやっていないから他人事のような言葉が並び、今回の代行ビジネスがはびこるような事態を生み出しているのではないでしょうか。  障がいのある人達を雇用すれば、いろんな面倒なことが起きます。仕事の指示がうまく伝わらないとか、時間までに仕事が終わらないとか…。でもその面倒なことを巡って、ではどうすればいいのかを現場の人達が必死になって考えること、悩み抜くこと、そういったことが現場を鍛え、豊かにしていきます。  時には発想を変えることも必要です。発想を変えることで思っても見ない世界が広がることもあります。新しい価値がそこから生まれます。  以前こんなキリンの絵を描いたぷかぷかさんがいました。         「え?これがキリン?」 と思う人が多いと思うのですが、 「こんなキリンもいたっていいか」 って思えると、なんか少し楽になります。自分の中のキリンのイメージが自由になるからです。自分の中のキリンが自由になると、私たち自身、生きることが少し楽になります。  このキリン、足が2本背中に生えているようですが、キリンの自信あふれるような顔は 「それがどうなの?」 という感じです。こうやって堂々と生きていきたいと、私はキリンを見ながら思いましたね。  彼等といっしょに生きていると、こういった思ってもみない気づきがたくさんあります。私たちの発想とは全く違うものに出会います。そういったことこそが社会を豊かにしていくように思うのです。  「障害者雇用」というのは、そういったことに気づくチャンスだと思うのです。
  • 「天王町サティ行くの」「天王町サティ行くの」「天王町サティ行くの」
    昨夜熱が出て、念のために抗原検査をしたところなんと陽性!布団に入ってからも寒気がしてちょっと大変でしたが、今朝は平熱に戻りました。でも1週間自宅待機なので、久しぶりに散らかった机の上を整理。昔書いていた『子どもとゆく』を発見。面白い話が載っていたので紹介します。            子どもたちと宿泊学習にいった時の話です。 6月7日(木) 宿泊学習でしたが、ケイちゃんはそこで泊まることがどうにも納得できないようでした。夜のレクリエーションが終わって部屋に帰る途中から異様に興奮し始め、何やらわめきながら飛び跳ね、そばへ駆け寄ってきては「天王町サティ行くの」「天王町サティ行くの」を繰り返しています(天王町サティはケイちゃんのお気に入りのスーパー)。  部屋に入ってからも布団の上をあっちに行ったりこっちに行ったりしながら「天王町サティ行くの」「天王町サティ行くの」と汗だくになって繰り返しています。  「天王町サティに行くのは日曜日。今日はここで寝るの。ケイちゃんわかった」というとケイちゃん「今日はここで寝るの」とわかったようにいいます。「そう、今日はここで寝るの」といったとたん、またケイちゃん「天王町サティ行くの」「サティは日曜日!」「サティは日曜日」「そう、だから今日はおとなしくここで寝るの」「天王町サティ行くの」「だからサティは日曜日!」「サティは日曜日!」「わかってたら、もう黙って静かに寝てよ」「天王町サティ行くの」「ケイちゃん!」ともう泣きたくなります。  1時間くらい「天王町サティ行くの」「天王町サティ行くの」「天王町サティ行くの」ともう最後の方が涙を浮かべながら繰り返していました。ケイちゃん自身、やめたくてもやめられないようで、何だかかわいそうになりました。それでも、10時を過ぎた頃、さすがにつかれたのか、電気を消して暗くするとすっと寝入ってくれました。 6月8日(金) 朝6時きっかりに目を覚ましたケイちゃん、いきなり「天王町サティ行くの」「天王町サティ行くの」と大声で繰り返しています。「頼むからもうちょっと寝かせてよ」というと、もっとそばへ寄ってきて、「天王町サティ行くの」「天王町サティ行くの」と迫り、朝からどっと疲れました。  いや〜養護学校というのは、こういうことがいっぱいあって、ほんとうに鍛えられましたね。毎回どっと疲れながらも、彼らのこと、やっぱり好きで、彼らといっしょに生きていきたくて、ぷかぷかを始めたのでした。
  • ぷかぷかさん達と希望の持てる物語を作り続ける
    あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。  年末になって反撃能力云々のきな臭い話が飛び出してきて、少し気が滅入っています。  12月6日の東京新聞 れいわ新選組舩後靖彦参院議員(重度障がいの議員)のインタビュー記事 「戦争は社会で最も弱い人々にしわ寄せが向かう。第2次大戦下のナチスドイツは「生きるに値しない」と障害者、同性愛者らを組織的に虐殺した。  日本でも障害者は「国家の米食い虫」扱いされた。肢体不自由の子らが通う東京都内の学校が児童を疎開させようとしたが、「障害児は将来、国の役に立たない」と言われ、受け入れ先が見つからなかった。ようやく疎開できたが、疎開先で何かあったら子どもたちに飲ませるようにと、軍将校が校長に青酸カリを渡したという話が残っている。」     きな臭い話は、こういった恐ろしい話につながります。そんな中で、尚も希望を持ち続けるにはどうすればいいのか。やっぱりぷかぷかさん達と希望の持てる物語を作り続けることだと思います。    こんな素敵な刺繍を作ってくれた方がいました。落ち込んだ心を一気に引っ張り上げてくれます。 クリスマス前にはパン屋の大きな窓にこんな絵を描いてくれた方がいました。心がキュンとなります。  表現の市場に向けて、ぷかぷかさんとスタッフでこんな素敵なチラシを作りました。いっしょに生きるとこんな素敵なものができるのです。一緒に生きる希望を生み出します。 創英大学での「障がい児保育」という必須科目でヨッシーの段ボール作品を登場させたところ、学生さん達を圧倒。作品に学生さん達を揺り動かすチカラがあったのです。 「あれを一人で作ったのかと思うと、すごすぎて言葉がでないです」 という感想が出てきました。 すごろくワークショップ、演劇ワークショップ、一緒に絵を描くワークショップなど4回の授業を通してこんな言葉も出てきました。希望の持てる言葉です。  ぷかぷかさん達と一緒に演劇ワークショップをやった方はこんな感想をよこしてくれました。 「演劇ワークショップはめちゃくちゃ楽しかった」「ワークショップをやっている間、なんだか何度も泣きそうになった」「彼らといると少しだけ自由になれた」「胸にポッっと灯った暖かい何かがあった」  ぷかぷかさん達といっしょに生きるとどんなことが起こるかを語っています。そういったことが希望を作り出すのだと思います。  そうやってできた舞台がこれです。いっしょに生きることの希望が見える舞台です。「共生社会」だの「ともに生きる社会」だのごちゃごちゃ言うよりも、こういう舞台をぷかぷかさん達と一緒に作り出すことこそ大事な気がします。この映像はお客さんからいただいたものです。 www.youtube.com  ぷかぷかはこの舞台ができるまでの過程を一本の映画にしようと現在記録した映像を編集中です。できあがり次第お知らせします。どこか会場をとって上映会をやりたいと思っています。楽しみにしていて下さい。
  • 最近の日記
    カテゴリ
    タグ
    月別アーカイブ