ぷかぷか日記

瀬谷区役所

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 「ぷかぷか」は毎日のように外販に出かけていきます。外販は言うまでもなく、パンを売ることですが、毎週木曜日に出かける瀬谷区役所では、単なるパンの売り買いを超えた、予想もしなかったおもしろい広がりがありました。

 お昼休みに販売するのですが、最初は5,000円前後だった売り上げが、3年たった今、40,000円を超えるほどに売り上げが伸びました。売り上げが8倍になったことは、それ自体驚異的なことですが、その中身をしっかり見ていくと、障がいのある人たちとのおつきあいをめぐっての新しい可能性を感じさせるものだったことがわかります。
 
 外販を始めるにあたって瀬谷区役所との最初の打ち合わせでは、ただ単にパンを販売する、ということでした。ところが始めて何ヶ月かたつと、ただ単にパンを売ったり買ったり、の関係にとどまらず、利用者さんと会うのをとても楽しみにするような、そんな関係になってきたのです。

 利用者さんたちのにぎやかな声を聞くと「あ、来た来た!」と、なんだかちょっとわくわくするという人、彼らに会うと元気になるという人、あたたかい気持ちになれるという人、彼らとお話ししているとすごく楽しいという人、そんな人たちが、外販を重ねる中で、少しずつ増えていったのです。

 障がいのある人たちとのこういう関係が、パンの販売を通してごく自然にできたことは、障がいのある人たちのパン販売の意味を大きく広げてくれたように思います。
 ここでの関係は、障がいのある人たちを「支援する」といった、上から目線の関係ではなく、「彼らといっしょに生きていきたいね」「いっしょに生きていった方がいいね」という対等な関係です。障がいのある人たちと、本当にいい出会いをしたんだなと思います。

 区役所の職員の方たちが、今まで障がいのある人たちとどのようなおつきあいをされていたのかわかりませんが、少なくとも外販の現場でのおつきあいはとても新鮮で、こういった関係がどんどん広がっていけば、ひょっとしたら区役所も、障がいのある人たちへの対応においては、少し変わるのではないかと思ったりします。障がいのある人たちへの対応が変わると、お年寄りの方たちを始め、あらゆる人たちへの対応が変わってきます。ベース部分の底上げと言っていいかもしれません。

 こういうことが、たとえば「障がいのある人たちとどう接していけばいいのか」といったことをテーマにした「研修会」ではなく、ただおいしいパンを買いに来ただけで、それを繰り返しているうちに、職員のみなさんが自然にこんな風に思うようになった、というのがおもしろいと思います。おいしいパンを買った、いわば「オマケ」みたいなものだと思います。ただこの「オマケ」は、それの生かしようによっては、「オマケ」が何倍にも価値あるものになる可能性を秘めています。

 売り上げが8倍に伸びたことはぷかぷかにとっては大きなことですが、区役所側にとっても、お金では換算できない大きな収穫が、この外販によって得られたのではないかと思います。それを区役所がどう生かしていくのか、区役所の「センス」と、「やる気」にかかっています。区役所がどんなふうに変わるのか、楽しみにしています。

     

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