ぷかぷか日記

いい思いをしたことを集める方が

 昨日、ぷかぷかが作ってきた物語のことを書きました。それを読んだ知人が

「今日はある都市の障害者差別禁止条例を創るシンポジウムに参加してきましたが,集まったのは25人。まぁ、あらためてそうだろうなと思いました。ぷかぷかの物語はとてもいいですね。変わっていくとすれば、多分そっちの方からなんだろうと感じています。」

 障害者差別禁止条例というのは、社会においては多分必要な条例なんだろうなと思います。ただそれがあったからといって、社会が変わるわけではないし、まして現実と向き合う現場ではなんの力にもならない気がします。

 「声がうるさい!」

という苦情の電話を受けたとき

「それは障害者差別です」だの、「条例に違反しています」などと言っても、全く意味がありません。

 ぷかぷかはこの6月にお惣菜屋を開きました。年末にはアートのお店を開きます。そういった事業拡大に対し、

「障害者施設がアメーバーのように広がっていくのは不気味だ」

といった方がいましたが、そういう感覚を持った方に障害者差別禁止条例などといったものがどれだけ効果があるのかと考えると全く悲観的です。

 それでもそういった方のいる地域社会の現実と日々向き合っていくしかありません。いやなことや辛いことはいっぱいあります。でもその現実を超えるものを創り出すのは、新しい明日に向かって元気を出せる「物語」だということが、ぷかぷかをやってきてだんだん見えてきました。それは昨日この日記に書いたとおりです。

 

 もう一つ。その障害者差別禁止条例を作るためにがんばっているグループのホームページを見るとアンケートを募集していて、

〈あなたや家族が障害のために「いやな思いをした」「理不尽な対応を受けた」「不利益を被った」「悔し思いをした」などあなたが差別だと感じた経験を教えてください。〉

 とありました。

障害を理由とした不当な取り扱いや不利益の実態を明らかにし、その背景や解決方法について検討し、市民の皆様に対してその状況をお知らせ…〉

 するそうです。とても大事なことだとは思います。

 でも、障がいのある人たちだって、いつもいつもいやな思いをしているわけではないと思います。誰かに親切にしてもらったとか、全く知らない人に助けてもらったとか、逆に誰かを助けてお礼を言ってもらったとか、心あたたまるような出会いがあったとか、いい思いをしたことはいっぱいあると思います。

 いやな思いしたことを集めるより、いい思いをしたことを集めた方が、お互い気持ちいいし、何よりも、世の中捨てたもんじゃないと、明日に希望が持てます。明日に希望が持てる物語を作ること、それが大事なような気がします。

 

 

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