ぷかぷか日記

役に立つ、立たない、といった発想から自由になる

 2月27日(月)のクローズアップ現代で相模原障害者殺傷事件が取り上げられました。

www.nhk.or.jp

  相模原障害者殺傷事件で犠牲になった方々全員が匿名になるという状況の中で、その人たちのエピソードを集めたサイトをひと月ほど前にNHKが立ち上げました。そのサイトへのアクセスが16万もあったそうで、びっくりしました。事件が徐々に忘れられつつある中で、その数は大きな希望のように思えました。そのサイトを立ち上げた記者に拍手!です。被害者全員が匿名という異常な状況にあって、こういうサイトを作ろう、というアイデアがすばらしいと思いました。異常さに対する、静かな異議申し立て…

 生きた証がわずか一行しかない方もいて、障がいのある人たちの置かれた社会的状況の厳しさ、異常さに悲しくもなりました。一人の人間の生きた証がわずか一行なんてあり得ない話です。自分の人生がわずか一行で語られたら、悲しいじゃないですか。エピソードを埋めていくのは私たちなんだろうと思いました。

 役に立たない人間は生きている価値がない、と語る容疑者の発想に対し、ゲスト出演した森達也さんは「人間は役になんか立たなくていいんですよ。」とさらっと言い、「役に立つとか立たないとかいってると、結局は容疑者の発想に巻き込まれるのですよ」と言っていました。そこから自由になることが大事だと。全くそうだと思いました。

 役に立つとか立たないではなく、ただそこにいるだけでいい、と私たちがどこまで言い切れるか、という問題です。赤ちゃんのそばにいると、あたたかな気持ちになれます。ただそこにいるだけでいい、と誰しも思います。

 養護学校の教員をやっているときに障がいのある人たちに惚れ込んでしまいました。彼らのそばにいるだけで、なんだかあたたかな気持ちになれたのです。彼らのそばにずっといたいと思いました。ただそこにいるだけでいい、と彼らのそばで思いました。そんな気持ちがぷかぷかを立ち上げたのですが、役に立つ、立たない、といった発想から自由になれたのは、やっぱり彼らのおかげだと思います。そうじゃない人間の見方を彼らから教わりました。

 役に立つ、立たない、といった見方で、息苦しい思いをするのは私たち自身です。そういう発想から自由にしてくれる、救い出してくれるのは、結局障がいのある人たちじゃないかと思ったりしています。ほんとかなぁ、と思うひとはぜひぷかぷかに来てみてください。そして彼らとつきあってみてください。そんな発想を超えた人間のよさを彼らは教えてくれます。

 

 

 

 

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