ぷかぷか日記

ぷかぷかが生みだしたものが光って見えます

 8月28日(火)午後6時10分からNHK首都圏ネットワークという番組でぷかぷかの取り組みが紹介される関係で、今日追加取材がありました。

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 NHKの記者に

 「どうしてこんなに情報発信するのですか」

と何度も聞かれました。

 「ぷかぷか」は養護学校教員時代、障がいのある子ども達に惚れ込み、彼らと一緒に生きていきたいと思って始めました。街の中に作ったのは、街の人たちに素敵な彼らに出会って欲しいと思ったからです。ただ待っているだけでは、出会う人は限られてしまうので、外販に出かけたり、パン教室をやったり、演劇ワークショップをやったりして、街の人たちと出会うきっかけをたくさん作ってきました。

 情報発信もその流れから出発しています。

 「見て見て、こんなすてきな人たちがここにいるよ」

というメッセージです。この情報発信のおかげで、ぷかぷかさんのファンはお店に来る人たちだけでなく、九州から北海道まで広がっています。

 ホームページのアクセス数は現在33万、ブログのアクセス数は32万です。これだけのアクセス数があったのも、ほとんど毎日のように更新したおかげです。

 

 情報発信によってできた関係は、「障がいのある人たちに何かやってあげる」とか「支援する」といった関係ではなく、「一緒に生きていくといいよね」って思える関係です。「ぷかぷかさん、好き!」「ぷかぷかさん 素敵!」って思える関係です。

 「障害者はなんとなくいや」「近寄りたくない」「怖い」などと考える人の多い社会にあって「ぷかぷかさん、好き!」とか「ぷかぷかさん 素敵!」って思える関係ができたことは画期的だったと思います。

 社会はこういうところから変わっていくのだろうと思います。障がいのある人たちを排除するのではなく、「一緒に生きていきていってもいいな」と思う人がここから生まれているのですから。ここから社会が豊かになっていくのだと思います。

 もちろん最初からそのことを考えて情報発信してきたわけではありません。ただ彼らに惚れ込み、

「見て見て、こんなすてきな人たちがここにいるよ」

「こんな人たちとは一緒に生きていった方がトクだよ」

という思いを日々いろんな形で発信してきただけです。

 結果、「ぷかぷかさん、好き!」とか「ぷかぷかさん 素敵!」というたくさんのファンができ、ここから社会が変わり始めているな、と気がついたのです。

 ですから、彼らの魅力というのは、こんなふうに社会を少しずつ変えていくチカラがあるのではないかと思います。

 

 小さい頃から障がいのある人とない人はずっと分けられています。障がいのある人たちと一緒に生きて行くにはどうしたらいいのか、と考える機会を奪われてきた、といってもいいと思います。あるいは一緒に生きていくことで生まれる豊かさ、といったものも経験する機会がなかったと思います。

 そういう中で、ぷかぷかの発信する情報にふれ、障がいのある人たちと出会う人が増えたことは、ものすごく意味のあることだと思います。

 「障がいのある人たちと一緒に生きていくって、こういうことだよ」

 「障がいのある人と一緒に生きていくと、こんなに楽しいよ」

 「障がいのある人と一緒に生きていくと、こんな豊かなものが生まれるよ」

を具体的に示しているのがぷかぷかのメッセージです。「共に生きる社会を目指そう」とか「共生社会を目指そう」といった抽象的なメッセージではなく、皮膚感覚で伝わるようなあたたかみのあるメッセージです。

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 こんな写真見たら、誰だって、

「なんか友達になってもいいかな」

って思います。障がいのある人たちを、そんなふうに肯定的に受け止める人をたくさん作ってきたのが、ぷかぷかの情報発信です。

 あれができない、これができない、といったマイナスイメージの多かった障がいのある人たちですが、そうじゃないよ、というイメージで置き換えたのがぷかぷかの情報発信です。

 彼らを排除するような文化に対して、一緒に生きていった方がいい、という新しい文化を発信したと思います。社会を豊かにする文化といってもいいと思います。 

 

 

 障害者雇用の現場で障がいのある人への虐待が多くなっている、と先日朝日新聞が報道していました。

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 本当に悲しくなるような記事です。障害者法定雇用率を義務づけ、無理矢理障がいのある人たちを雇用させた結果だろうと思います。

 厚生労働省のホームページには、どうして障がいのある人を雇用するのか、そうすることでどんないいことがあるのか、といった話は一切ありません。そういう話抜きで、いきなり、障害者法定雇用率だけを義務づけています。

 そういう無理矢理の結果を、全部現場の障害者が引き受けているのです。記事にそういう突っ込んだ考察がないのはなんとも残念です。厚労省担当者の事態を招いた責任を全く感じていない分析などはそれこそ無責任の極みであり、啓蒙活動によって虐待防止を図るなんて、事態の受け止め方が甘すぎます。

 

 いずれにしても、文化の貧しさのようなものを感じます。

 寒々しい風景の中、ぷかぷかが生みだしたものが光って見えます。

 

 

 

 

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