区役所の精神障害の人達の集まりで詩の朗読ワークショップをします。読むのは長田弘さんの「ふろふきの食べ方」という詩です。
自分の手で、 自分の
一日をつかむ。
新鮮な一日をつかむんだ。
スが入っていない一日だ。
手に持ってゆったりと重い
いい大根のような一日がいい。
それから 確かな包丁で
一日をざっくりと厚く切るんだ。
日の皮はくるりと剥いて
面取りをして、そして一日の見えない部分に隠し刃をする。
火通りをよくしてやるんだ。
そうして深い鍋に放り込む。
底に夢を敷いておいて、
冷たい水をかぶるくらいさして、
弱火でコトコト煮込んでゆく。
自分の一日をやわらかに
静かに熱く煮込んでゆくんだ。
こころさむい時代だからなぁ。
自分の手で、自分の
一日をふろふきにして
熱く香ばしくして食べたいんだ。
熱い器でゆず味噌で
ふうふういって。
(長田弘詩集 『食卓一期一会』より)
詩は一人で黙って読んでもいいのですが、誰かに向かって声を出して読むと、詩が全く違ったものになります。詩がムクムクと動き始めます。そういったことをリアルに感じるワークショップです。
参加者は2グループに分かれ、BGMをかけながら相手のグループに向かって詩を読みます。誰かに向かって言葉を発すると、言葉に思いがこもります。受け止めた側にその思いが伝わります。詩が単なる言葉ではなく、生き生きと生きたものになります。
そういったことを感じて欲しいなと思っています。
(詩を朗読する)
あ、なんだかおもしろそう、って思われた方は機会見つけてぜひ一緒に詩の朗読会やりましょう。問い合わせはぷかぷかの高崎まで info@pukapuka.or.jp
※文中の写真はぷかぷかの「演劇ワークショップ」の際のものです