『僕とオトウト』に登場する壮真くんはいわゆる重度障害者。映画にチラッと出てくる養護学校を卒業したあとはどうしてるのだろうと思います。それは彼を受け入れた事業所だけの問題ではなく、私たちの作った社会が壮真くんをどんな風に受け入れたのだろう、という視点こそが大事な気がしています。つまり重度障がいの人たちを社会が、言い換えれば私たちがどんな風に受け入れているのか、ということ。どこまでも「私たち」にこだわります。そうすることで、「私たち」の責任がはっきりするからです。
色々できないことはあります。コミュニケーションもうまくとれません。だからといって「役に立たない人間」だとは思いません。映画の中ではお兄さんをしっかり支えています。
何よりも『僕とオトウト』というすばらしい映画ができたのは壮真くんのおかげです。「役に立たない人間」どころか、私たちにはできないかけがえのない仕事をやっているのです。
壮真くんが社会にいること、そのことがすばらしいことなんだと、私たちが素直に思えるかどうか。映画を見て、そんなことをみんなで話し合えたら、と思うのです。
こういう壮真くん、私は大好きです。
8月31日午後1時半から上映会やります。緑公会堂です。横浜線中山駅から徒歩5分