ぷかぷか日記

創業準備

  • マッキンリー
      押し入れを整理していて、昔アラスカのマッキンリーに登ったときのパネル写真を見つけた。カヒルトナ氷河から撮ったマッキンリーの写真はものすごい迫力があって、自分のことながらよくこんなところに登ったものだと、信じがたい思い。25歳の時のほとばしるようなエネルギーを思った。技術的な問題はもちろんあるが、それ以上に、あそこに登りたい!という思いの生み出すすさまじいエネルギーをパネル写真を見ながら思った。  計画段階で、そんなの無理だよとかいう声が多かった。でも、やってみないことには何事もわからないわけで、やる前から無理だよなんて言ってたら何もできない。で、とにかく行けるところまで行ってみよう、とどんどん先へ行ってるうちに、とうとう頂上まで行ってしまったというわけだ。  もちろん実際はそれほどのんびりしたものではなく、頂上直下ですさまじい地吹雪で動けなくなったときは、さすがにひょっとしたらダメかもしれないと思ったりした。 
 「カフェベーカリーぷかぷか」の計画もおんなじだなと今思う。1年前、準備がスタートした頃は、計画もぼんやりしたもので、夢を語る、といったものだった。それがパン教室を続けたり、いろんな人に相談したり、ビジネスプランを立てるセミナーに参加したり、それを試すべく横浜市の空き店舗を活用する商店街活性化のためのビジネスプランに応募したり、パン屋に修行に行ったりしているうちに、場所が決まり、設備の見積書を取ったり、レイアウト図を検討したり、といった段階まで来てしまった。  決して計画通りといったわけではなく、どちらかといえば行き当たりばったりの感じが多いが、それでもここまで来た。これからもっともっと大変になるだろう。マッキンリーも標高5000メートルを超えた辺りから極端に厳しくなった。あの時のように、行けるところまで行こう、ではすまない責任が今回はある。それでもマッキンリーの写真は今改めて勇気と言うか元気をくれたように思う。
  • なつまつり
    自治会の夏祭りにカレーパン、肉まんをそれぞれ70個、計140個を販売。朝からドライカレーを汗だくで作った。中華鍋いっぱいにつくり、さすがに疲れた。同時進行で生地4キログラムを仕込む。お昼前になってバームクーヘンを焼くための炭を買うのを忘れていたことに気がつく。昼過ぎに大慌てで炭を買いに行く。 午後1時、マンションのパーティルームに行き、パンクラブのメンバーと生地を分割。ベンチタイムの間にパン粉を炒め、肉まんの具を作る。ベンチタイムの終わった生地にドライカレーを中に挟む。パン粉をつけ、オーブンで焼く。肉まんの生地を分割、ベンチタイムの後、具をはさんで蒸し器に。 午後4時のほぼでき上がり、バームクーヘンの材料と竹、炭を持って会場へ。バーベキューコンロに墨を並べ火をつけようとするが、なかなかつかなくて焦ってしまう。大人3人がかりでようやく火がつく。竹に生地をつけ、炭火で焼く。そうしているうちにカレーパン、肉まんが到着。すぐに長い列ができて、30分足らずで売り切れ。 若いお母さんが、このパンには卵や牛乳が入ってますか?と聞いてくる。アトピーの子どもを抱えているので、そのことをいつも心配しているという。うちのパンは牛乳も卵も使ってないので大丈夫ですよ、と説明。安心した様子だった。 バームクーヘンは結局2時間かかって焼き上げる。前回ちょっと固いという意見があったので今回はイーストを少し入れたら柔らかく焼き上がり、なかなかの味。あっという間に無くなった。
  • ビジネスプランが審査に通った
     横浜市経済観光局商業コミュニティビジネス課が募集していた空き店舗を使った商店街活性化のためのビジネスプランに応募していたのだが、審査に通ったという連絡が入った。6月末に提出し、7月半ばにヒアリング、8月初めに審査員5人を前にプレゼンテーションを行った。  始まる前に審査員に自分で焼いたパンを食べてもらおうと前日に焼いておいたのだが、その肝心なパンを忘れたことに駅で気がつき、家まで取りに帰っているうちにプレゼンテーションの始まりの時間に遅れ、電車で会場に向かっているときに担当者から携帯に「今、どこにいますか?」という連絡が入る始末で、散々な始まり。それでもはぁはぁ息を切らしながらパンを配ると、「あ、おいしいじゃん!」という声があちこちから上がり、パンに入れたオレンジピールやシンプルな材料の話をする。  ビジネスプランの話は、どうしてハンディのある人たちといっしょに仕事をするのかといった話につい力が入り、「あと3分です」の声に慌ててビジネスの話をしたが、なんとも中途半端。そのシロウトさがよかったのか、最初に配ったパンが効いたのか、とにかく専門家の審査に通ったのだから、何事もやってみなきゃわからないものだとつくづく思った。 
 空き店舗の改修費用と家賃補助として横浜市から300万円、神奈川県から350万円、合計650万円の大金。初期費用が約2100万円ほどかかるので、退職金が全部飛んでしまうのではないかと心配していたのだが、本当に大助かり。ただ家賃に関しては、予定しているUR都市機構の霧ケ丘グり−ンタウンの空き店舗はチャレンジスペースとして半年間家賃がただなので、せっかくの補助金がちょっともったいない。
 それでもこのお金で計画が具体的に大きく前に進みそうだ。
  • プレゼンテーション原稿
      明日横浜市経済観光局商業コミュニティビジネス課の空き店舗を活用するビジネスプランのプレゼンテーションがあるので、大慌てで原稿を書いた。直前に霧が丘グリーンタウンの空き店舗を使うことがほぼ決まったので、そこでどう関係を作っていくかでいろいろ考えた。ひょっとしたらなかなかおもしろくなりそう。以下、明日の原稿。  「 高崎といいます。街の中に障がいのある人たちの働く場を作ろうと思っています。具体的にはパンを作り、それを販売するお店です。彼らの中にはうまくおしゃべりができなかったり、字が読めなかったり、簡単な足し算もできない人もいます。でも、そんなことをはるかに超えた人としての魅力を持っています。 
 私は養護学校で30年彼らとつきあってきました。自分の中にある人間のイメージを大きくはみ出す人も多く、初めのころは戸惑うことばかりでした。でも、いろいろつきあってみると、私たちにはない,なんともいえない魅力をたくさん持っていて、この人たちとはずっと一緒に生きていきたいと思うようになりました。一緒に生きていった方が「得!」という感じです。彼らと一緒にいると毎日が楽しいからです。教えられるものがたくさんあるからです。 
 昔、私がまだ学生の頃、胎児性水俣病の子どもを抱きながら、「この子は宝子ばい」と言っていたお母さんがいて、その「宝子」の意味がどうしてもわかりませんでした。重い障がいをもった子が、どうして「宝子」なのか、ということです。でも、障がいのある子どもたちと30年付き合ってきた今、「宝子」という言葉に込めたお母さんの思いが痛いほどわかるようになりました。ぎすぎすした息苦しい今の世の中にあって、ただそこにいるだけで心安らぐような雰囲気を作ってくれる彼らの存在は、やはり「宝」といっていい存在だと思うのです。  そういう「宝」が、かつてあったおおらかさがなくなり、どんどん息苦しくなっていく今の社会には必要なんじゃないか、私はそんな風に思います。街の人たちに、そんな「宝」のような存在に出会ってほしい。彼らと一緒に街の中でパン屋を始める理由のいちばん根っこにはそんな思いがあります。 
 とはいうものの、彼らと一緒に働くことは、生産性の面からみると、極めて厳しいものがあります。彼ら抜きで働いた方が、ずっと効率はいいでしょう。でも、効率のみを追い続ける社会はお互いがとてもしんどくなります。世の中に一つくらいは、効率のよさを追わないところがあってもいいのではないか。彼らの働くペースを見て、なにかほっとするようなものを感じるなら、それは社会の中にあってとても大事な場所になると思います。効率を追う社会の中で疲れ切った人が「ああ、こういう働き方もあったか」と気がつくなら、それは一つの救いにもなるでしょう。 
 そこそこ食べられればいい。効率のいい稼ぎより、彼らと一緒に楽しく、お互いが「い一日だったね」って言えるような働き方をあえて選びたいと思うのです。もちろん最低限、パン屋を回していくだけの働き方は必要です。その働き方のレベルをどう設定するか、そこが大きな問題になると思います。  霧が丘グリーンタウンの空き店舗を利用する予定です。人通りがほとんどない商店街で、外販を主にするにしてもお店に人が来ないのはやはり問題なので、お客さんを呼び込む工夫をいろいろしたいと思います。
すぐ近くに保育園があるので、試食用のパンを持っていきます。アトピーの子どもにも安心して食べさせられる素材(牛乳、卵、脱脂粉乳などを使わない)を使った美味しいパンを職員、保護者に配ります。若い母親たちに受け入れられれば、その人たちのつながりを使ってパンの宣伝をします。
機会があれば、保育園の子どもたちを対象にパン教室をやり、子どもたちと一緒においしいパンを焼きたいと思います。子どもたちはパンをこねたり、生地で形を作ったりするのが好きなので、こういう機会を何度か持ちたい。もちろん親の参加も自由。オーブンの中でパンがふくふくと膨らむ様子を子どもたちは大はしゃぎで見ています。そういうわくわくするような場を子どもたちに提供したいと思います。 
 子どもと親を対象にした陶芸教室もやってみたい。自分で作ったコップにミルクを入れ、自分で作ったお皿にパンをのせて食べよう。きっといつもと違う味がするはず。親は自分で作ったコーヒーカップにおいしいコーヒーを入れ、自分で作ったお皿にはこれも自分で焼いたスコーンをのせ、自家製のジャムをはさんで食べよう。 
 以前担任していた子どもの親がグリーンタウンの自治会の役員をやっていたので、そのつながりを通してパンの宣伝をします。自治会のお祭りに参加し、みんなでバームクーヘンを焼いたり、肉まんを売ったりします。バームクーヘンは炭火の上に太い竹をかざし、その上に生地をお玉で少しづつのせ、竹をぐるぐる回しながら時間をかけて焼きます。そういった楽しいイベントを通して地域の人たちとつながりを作りたい。  お祭りといえば焼き鳥、焼きそばが定番だが、そんな中でバームクーヘンを焼いたり、肉まんの販売はかなり注目を浴びるだろう。とてもいい宣伝になると思う。
地域の人たちといい関係ができれば、障害のある人たちも入れて演劇ワークショップもやってみたい。演劇という、日常から少し自由になる空間の中でお互いのいい出会いがあればいいなと思う。地域の人たちが障害のある人たちと一緒に舞台に立つことができれば、すごいことではないかと思う。 
 カフェベーカリーぷかぷかは、ただ単にパンを売るだけでなく、地域の人たちと一緒に楽しいことをたくさんやって、いい関係を作りたいと思っています。その関係つくりの結果の中でパンが売れ、障がいのある人たちの存在が自然に受け入れられ、地域の「宝」のような存在になればと思っています。」 
 霧が丘での関係づくりの企画を考えているうちに、なんだか自分でもだんだん元気になってきたので、この調子で行けば、明日のプレゼンテーションはなんとなくうまくいきそうな気がする。おもしろい企画、元気な企画がいい、と説明会であったので、ひょっとしたら横浜市と神奈川県、合わせて650万円ゲットかも。
  • 場所が決まらない
      7月17日
今日、横浜市経済観光局コミュニティビジネス振興課に行って、空き店舗活用のビジネスプランのヒアリングを受けてきました。販売ルート、販売方法、仕入れ先などがまだまだ不明確、という指摘を受けました。30日に審査員5名を前にしたプレゼンテーションがあるので、それまでにそのあたりをもう少し具体的に詰めておきたいと思っています。プレゼンテーションには20団体がエントリーしていて、審査に通るのは2~3団体なので、よほどインパクトあるプレゼンテーションをしないとかなり厳しい状況です。何かいいアイデアがありましたら教えて下さい。審査員はコミュニティビジネス振興課が外部から呼ぶ専門家です。 
 今、最大の問題は場所が決まらないことです。ビジネスプランの収支計算で見えてきたことは、ぷかぷかの生産高で借りられるのは、月10万円から15万円の場所で(先日提出したビジネスプランは月25万円を前提にしていますが、これだと3年経ってもまだ赤字が解消できなくて、これはやはりまずいと思います)、坪1万円から1万5千円が相場の中山商店街では、ぷかぷかの趣旨に賛同し、これなら安く貸してもいい、という奇特な方が現れない限り、かなり難しいかなという気がします。必要なスペースはパン工房、店舗合わせて20~30坪です。格安で貸してくれるところ、あるいは奇特な方、ご存知でしたら、ぜひ紹介して下さい。 
 緑区霧が丘のグリーンタウンの空き店舗は月11万円くらいで、しかもチャレンジスペースとして半年家賃が無料なので、なんとも魅力的なのですが、土曜日の午後現地を見に行った時は、人通りが全くありませんでした。だから半年間家賃ただ、という条件を出さないとテナントが集まらないのでしょう。外販を主にするにしても、お店にお客さんが来ないというのもさびしいものがあります。どうしたものか思案しています。みなさんのご意見お聞かせ下さい。
  • NPO法人の申請をした
      神奈川県にNPO法人の申請をし、何度か書き直した末、ようやく受理された。2ヶ月間縦覧し、その後県の方できちんと審査し、3ヶ月後に認証される見通しだという。  認証はともかく、もう少し、組織の実態としてしっかりさせなければと思う。お手伝い感覚の人が多いのだが、もう少し積極的に参加してもらうためにはどうすればいいのか。お手伝い感覚では困るといったところで、そこを超えてやるかどうかは、それぞれが本来持っている性格のようなものなので、こちらがとやかく言う筋合いのものでもない。そこが難しいところだ。副理事をやっている塩田さんのようなかかわり方が欲しいのだが、難しいのかなぁ。 
 場所の選定をどうするか。都市機構の団地の空き店舗はチャレンジスペースとして半年間家賃がただなのだが、人通りが全くなく、外販を主にするにしても、お店に全くお客がこないのもさびしいものがある。1年くらいそこで修業して、中山に乗り込もうかと思ったが、オーブンメーカーの社長から、設備を据え付けるのならそこに根を張るつもりでやらなければだめだと言われた。それに中山を離れると「げん木」はついてこない。これが大きい。「げん木」が一緒にこなければ、ランチタイムのメニューがとても貧しくなるような気がする。 
 とにかく中山商店街の空き店舗の価格が高すぎる。ひょっとしたらあまり困ってないのかも、と思ったりする。
 中山と十日市場との中間にある園芸店の敷地を借りる案はうまくすればかなりおもしろいものになりそうだ。花を買いに来た人がちょっと一息ついてお茶を飲むスペースを提供する。ついでにおいしいごはんを食べたりパンを買ったりする。パンを買いに来た人が花も買う。お互い損はしないのではないかと思う。先日飛び込みで行って断られたが、丁寧に説明すれば可能性がないでもない。 
 横浜市経済観光局コミュニティビジネス課の主催する空き店舗を利用した商店街活性化のためのビジネスプランを提出した。中山商店街が難しそうなのでやめようかと思っていたのだが、手を上げるだけあげといたら、とアドバイスされ、書類を提出した。親切に待っていてくれたので、ひょっとしたら可能性があるのかも。 
 NPO法人の書類、空き店舗のビジネスプランを見たい方はメール下さい。
  • コンサルタントに相談しました
    昨日、TRIFEの手島さんに会っていろいろお話をお伺いしました。http://trife.cocolog-nifty.com/blog/cat5873239/index.htmlhttp://sellthechallenge.cocolog-nifty.com/blog/ コンサルタントをやっているだけに事業を立ち上げていく上での実践的なアドバイスをいただきました。 天然酵母を使うにせよ、ただ美味しいパン、というウリだけでは負けてしまう。ここにしかないもの、ここでしかできないものを創り出さないと、もっと美味しいパンを売るお店ができればすぐに負けてしまう。中山周辺にあるものとからませるような「物語」ができるといい。 たとえば有名なズーラシアのゾウやオカピのうんこを使って有機農業をやり、そこで取れた小麦を使ったパンを作れば、エネルギーの循環サイクルができ、これは地元で大きな話題になるし、その循環サイクルに協力しようという人はたくさんいるはず。 更には地元でできる素材でパンの材料になるものを探し、ぷかぷかでしかできないパンを作れば、ほかのパン屋ができても簡単には負けない。 横浜商科大学とコラボレーションをやって、どうやったら事業として成功するか一緒に考える。 中山周辺にある「浜梨」を使ったパン、お店に来たくなるような企画、お店に来ると楽しくなる企画、幸せな気分になる企画、等々、とにかくいろんなアイデアをもらいました。なんだかおもしろくなりそうです。 中山でしかできないもの、ぷかぷかでしかできないもの、オリジナルな企画を募集します。おもしろいアイデアをお寄せ下さい。
  • Pさんへ
     いつも貴重なご意見ありがとうございます。制度は利用するものであって、利用されるものではない。全くそうですね。ただ支援センターの人たちと「福祉の制度の中で何がどこまでできるか」について話をしていて感じたのは、彼らにとって大事なのはあくまで《作業所》という《場》であって、《パン屋》ではないということです。あたりまえといえばあたりまえなのですが、早い話、カフェベーカリーぷかぷかで売っているパンが売れ残っても、彼らにとってはどうでもいいことで、カフェベーカリーぷかぷかという場が存続すればいいわけです。だから私が売れ残りが多いと赤字になると、その販売についていろいろ悩んだりすると、そんなことよりもメンバーさんのケアの方が大事ではないか、というわけです。パン屋にとっては売れ残りが出るのは大変な問題だと思うのですが、どうもそのあたりで認識のズレがあるのです。 
 ぷかぷかは商品としてのパンを作り、ちゃんとした喫茶店をやろうと思っていますので、スタッフを支援センターが想定するよりも3人多く見積もっています。その3人分の人件費をパンの売り上げでまかなうとすると、パンを必死になって作る必要があり、そうなるとメンバーさんのケアはどうなるのかと心配するのです。 
 借入金(パン屋はオーブンなどの初期設備にお金がかかるため、ぷかぷかはかなりの借入金の上でスタートします)の返済に関しても、そのためにパン屋の営業に力を入れすぎると、メンバーさんのケアがおろそかになるのではないか、というのです。 
 私は作業所によくあるぬるま湯のような雰囲気(それほどがんばって仕事をしなくても《場》が維持できるという気楽さ)ではなく、緊張感ある雰囲気の中でメンバーさんと一緒にパン屋の仕事をきっちりやっていきたいと考えているのですが、どうもそのあたりがうまく伝わらないようです。緊張感があってこそ仕事は人を成長させ、人生を充実させ、人生に自信を持たせるのではないでしょうか。 
 ところが、彼らにとってはパン屋は付け足しのようなもので、全力投球で取り組むようなものではないのです。工賃をあげることには賛成だが、あくまでほどほどに、という感じのようです。ですから支援センターのホームページにある「自主製品の販路拡大事業」にも、わざわざ市長の写真と挨拶を載せながらも《本気》が感じられないのです。あれで販路が飛躍的に拡大できるとは到底思えません。 
 これに比べると横浜市のコミュニティビジネス支援事業http//www.cbsmiles.jp/
 の方が、はるかに前向きの視点で事業をやっている気がします。ここにはぷかぷかの設立案ができた時に「空き店舗を活用した商店街活性化事業」として相談に行ったのですが、かなり興味を持ってくれて、そのすぐあとにあった第1回のパン教室に様子を見に来てくれました。同じ企画案を見ていながら支援センターとは反応が全く違います。支援センターは毎回案内出してるのに、まだ一度もパン教室にも来ていません。アンテナの感度が違うのではないかと思います。 
 コミュニティビジネス支援事業の課長さんが送ってくれた資料の中で見つけたTRY OUR LIFEhttp://trife.cocolog-nifty.com/blog/cat5646054/index.html
に紹介されている製品は本当にビジネスの世界に通用するものだと思います。 
 支援センターにはこういう魅力ある商品を作り出す、とか見つけ出す、といったセンスは感じられません。ぷかぷかでやろうとしていることがなかなか伝わらないのはこのあたりのセンスの問題かなとも思います。  ハンディのある人を10人も集めて始めるのではなく、小さなパン屋でハンディのある人に3,4人来てもらってこじんまりと始めるのもいいかなと思っています。あくまでハンディのある人たちと《一緒に働く》というスタンスです。《支援》ではないのです。そしてできれば自立生活できるだけの給料(最賃)を払ってあげたいと思っています。かなりがんばる必要がありますが、福祉ベンチャーパートナーズのセミナーhttp://www.fvp.co.jp/semeve/20090314/index.phpでビジネスプランを作る中で、これは十分可能な計画であることが見えてきました。プランができ上がり次第お見せしますのでまたご意見聞かせて下さい。
  • 助成金なしで
      昨日障がい者支援センターに行き、助成金のことで話をしてきました。カフェベーカリーぷかぷかは障がい者自立支援法の中の「地域活動支援センター作業所型」に当てはまるので、障がいのある人が10人いて建物があれば年間1200万円の運営費の助成をするということだったのですが、話を詰めていくと、お金を出す以上、勝手なことをしてもらっては困る、いわゆる作業所としての機能を果たしてもらわないと困る、作業所は障がいのある人の居場所でもあり、仕事ができないひとのプログラムはどうするのか、メンバーさんの生活全般のケアはどうするのか、地域の障がい者のニーズを把握した上での事業なのか、ケースワーカー、養護学校進路担当、就労支援センターとの連携はとっているのか、等々、向こうは言いたい放題で、お金を出す立場というのはやはり「権力者」なんだとつくづく感じました。こんなお金をもらって不自由するより、お金なしで苦労しても自由にやった方がいい、と途中で帰ってきました。 
 ただ障がいのある人の立場に立てば、のんびり毎日を過ごす場所と、しっかり仕事をする場所の選択があってもいいのではないかと思いました。現にぬるま湯のような雰囲気の作業所に通いながらも、やっぱり自分を試したい、しっかり仕事をやってみたいという人が、うちのパン教室に来ています。そういう人がどこかで自分を実現したいと思った時、支援センターの作ってきた作業所ではやはり対応できないのではないかと思います。 
 企業に就職するのは難しいけれど、それでも自分なりにしっかり仕事をしたい、しっかりお金を稼ぎたい、そのお金で少しでも自立したい、と思っている人たちはたくさんいると思います。働くことはただお金を稼ぐといったことだけではなく、自分を実現することでもあり、人生を活性化させ、充実させます。ぷかぷかはそういうことができる場にしようと思っています。助成金なしの予算書を作ると、数値の上でもかなり厳しいことが見えてきます。でも、そこで勝負していくしかないなと思います。
 いろんな方からのアドバイス、お願いします。
 
  • 福祉起業家
     福祉ベンチャーパートナーズの福祉起業家経営塾は養護学校で働く私にとってはとても新鮮な内容だった。 
 福祉起業家とはとにかくやりたいからやるのであって、一つの自己実現であり、それは「福祉」とは全く発想が違う。やってあげるとかお世話するとか、まして指導するといったことではなく、とにかく一緒にやる、一緒に働くということ。そのことが好きで好きでしょうがないこと。ボランティア活動ではなく、経済活動であること。そこで働く障がいのある人たちはもちろん、自分自身も幸せになるということ。どれもこれも納得できることだった。 
 「カフェベーカリーぷかぷか」は私自身の漠然とした思いでスタートし、イメージを作ってきたが、福祉起業家とは何か、の話を聞いて、まさに「カフェベーカリーぷかぷか」がやろうとしていることはこれだ!とあらためて気がついた。 
 養護学校で知的障がいのある人たちと毎日お付き合いしていて、彼らのことが本当に好きになってしまった。彼らとずぅっと一緒に生きていきたいと思っている。なんとなく一緒、ではなく、しっかりと一緒に生きていきたいと思う。その一つの手段が「カフェベーカリーぷかぷか」だ。経済的に成り立たせるにはかなりの苦労が予想される。でもその苦労も楽しみながらみんなでやっていきたいと思う。福祉の枠に寄りかかることなく、自分たちの力でしっかり立ちたいと思う。
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