ぷかぷか日記

障害者雇用

  • 素敵になりつつある未来が、ほんの少しですが見えてきた気がします
     先日、おつきあいのある印刷会社の社長さんから  都道府県の工業組合の連合会組織である全日本印刷工業組合連合会が発行しているCSR情報誌「shin」というのがあるのですが、次号の特集で障害者雇用について取り上げます。 その記事の中で、ぷかぷかさんと、ぷかぷかしんぶん8月号の終面のコラムについて取り上げ、転載させていただきたいのですが、お許しいただけますか。  という問合せが入りました。最終面のコラムというのはこれです。 もちろんOKしました。その情報誌にはこんなことが書かれていました。 ●●● 特集 戦略的障害者雇用 横浜市緑区で、カフェベーカリー、総菜店、アートスタジオなどの障害者施設を運営するNP O法人ぷかぷかが発行している『ぷかぷかしんぶん』8月号に載ったコラム。タイトルは「生 産性のない人が社会に必要な理由」。ぷかぷかに通い、毎日郵便局に売上金の入金に行く仕事を している「セノーさん」が地域で果たしている役割について書かれている。産業革命以来、ひ たすら生産効率の向上を求めてきた近代社会。そのような価値観のもとで経済社会から排除さ れてきた障害者。しかし今、その障害者への差別を禁止し、雇用を促す方向に社会は進んでいる。 経済発展と障害者との共生。一見矛盾する命題への挑戦が始まっている  ……… 障害者 雇用はもはや福祉の文脈で語るのではなく、 企業の「戦力」として活用できるか、その人 材活用のノウハウを持つことができるかどう かという人材戦略の文脈で語るべきであろう。 「生産性」だけの議論に陥ることなく、視野を 広げ、多様な人材がそれぞれの個性を活かし て活躍できる場を創造していくことは、日本 が世界をリードする真の先進国として発展し ていくことにもつながっていくだろう。 ぷかぷかしんぶんのコラム「生産性のない 人が社会に必要な理由」は、経済社会におけ る障害者との共生への具体的道筋を教えてくれているようだ ●●●  昔養護学校で働いていた頃、一般企業の就職できる人はほんの一握りの、いわゆる優秀な、ふつうの人と同じくらい働ける、つまり生産性のある人たちでした。そういう人たちばかり雇って「障害者雇用」やってます、といわれてもなぁ、と思っていました。  学校にもよりますが、私のいた学校では、一般企業に就職できるのはせいぜい1割くらい、残り9割の人は福祉的就労、といわれる事業所に行きました。  その9割の人たちが一般企業で働くには、企業側の発想が変わらないと難しいと思っていました。つまり障がいのある人たちを雇用する理由を、ふつうの人と同じように働けるかどうか、つまり生産性があるかどうかの評価軸ではなく、その人がいることで生まれる職場の豊かさをきちんと見ていくような、そんなふうに発想を変えないと、障がいのある人たちの働く場はいつまでたっても福祉の世界だけにとどまるだろうと思っていました。  企業側にとってはもったいない話だと思います。豊かになるチャンスを逃しているわけですから。  それを考えると、今回の情報誌に載っている考え方にはとても共感を覚えます。  【「生産性」だけの議論に陥ることなく、視野を 広げ、多様な人材がそれぞれの個性を活かし て活躍できる場を創造していく 】  という言葉が、企業の側から出てきたことはすばらしいことだと思います。社会が確実に変わってきているのだと思います。  そういった発想の中で 【ぷかぷかしんぶんのコラム「生産性のない 人が社会に必要な理由」は、経済社会におけ る障害者との共生への具体的道筋を教えてくれているようだ】 と、ぷかぷかがやっていることが評価され、うれしい限りです。  「未来はもっと素敵だと思い」あるいは「自分の手で、未来をもっと素敵にできると思い」ひたすら突き進んできたのが「ぷかぷか」ですが、今ようやくその素敵になりつつある未来が、ほんの少しですが見えてきた気がします。 この人たちが、こんな笑顔で働ける社会こそ、素敵です。
  • おしゃれで粋な障害者雇用
     12月7日、青葉公会堂で「障がいのある人々と共に働く社会」と題した講演会がありました。「チームえんちか、ぷかぷかの事例から」とあって、ぷかぷかのプロモーションビデオカナダ版の上映と話をしてきました。(チラシの写真、講師高崎明とあるのにまちがえてセノーさんの写真を載せてしまい、印刷がすんでから気がつくというドジでした)  「チームえんちか」の松田さんの話は障がいのある人たちを雇用する側の話として素晴らしいものがありました。  民間企業には障害者の法定雇用率2.0%が義務づけられていて、達成しないと罰金が課せられます。月一人5万円で年間60万円です。60万円の利益を上げるのは、中小企業にとっては大変な負担です。まさに暴力的に障害者雇用を押しつけている感じです。こんなことで現場がうまくいくのかなぁと思います。障がいのある人と一緒に働くといいよね、っていう雰囲気とはほど遠い感じです。それでも、そのきつさの中で素晴らしい関係を作っている人がいた、というのが今日の松田さんの話でした。  「チームえんちか」は百貨店の売り場で誰かがやらなければならない小さいけれども大事な仕事を引き受けてやっています。たとえば入り口の案内所でお客さんに渡す袋を小さくたたむ仕事。これは「チームえんちか」がやらないと、案内所のお姉さんが案内をしながら下を向いてやることになるそうです。  小さな箱を折ったり、シールを貼ったり、緩衝材を商品の大きさに合わせて切ったり、福袋の袋詰めをやったり、目立たないけれど、売り場で欠かせない大事な仕事を引き受けてやっています。縁の下の力持ち、だそうです。略して「えんちか」。  売り場の仕事を引き受けることで、そこの人たちとのおつきあいも自然にできてきます。信頼され、頼られる存在になります。障がいのある人たちが、仕事を通して現場の人たちに信頼され、頼られる存在になるって、すごいことだと思います。  笑顔のステキな女性は、子ども達にプレゼントを渡すような仕事もするそうです。お客さんとのステキな出会いがたくさんあるようです。  松田さんは「チームえんちか」をすごく楽しんでやっている感じでした。現場が百貨店なので「おしゃれで粋な障害者雇用」を目指したいとおっしゃっていました。無理矢理法定雇用率を押しつけられる状況の中で、こんな言葉で切り返す松田さんのセンスには目からうろこでした。みんながハッピーになるような障害者雇用、ともおっしゃっていました。  松田さんは雇用した障がいのある人たちと人として出会っているんだなと思いました。社員として雇用する前に養護学校から実習に来ます。その実習生の一人に七夕の短冊にねがいを書いてもらったことがあるそうです。その時に書いた言葉が写真に撮ってあって、スライドで見せてくれました。 「一家の柱になりたい」  この言葉に衝撃を受けたそうです。その方は母子家庭で、男はその方一人だけ。学生の身でありながら、その状況を受け止めての言葉だったようです。  半端な気持ちでこの仕事はできない、とその時思ったそうです。その方が背負い込む生活の重みみたいなものを松田さんは感じてしまったのだろうと思います。障がいのある人を雇用することの意味の広がりを思いました。  障がいのある人たちと、こういう人としての出会いが「チームえんちか」の出発点になっているようでした。  法定雇用率が押しつけられる現場は、人が疎外されている気がしていたのですが、今日の話は、そんな中にあって尚も人と人との出会いがあり、それが希望を作り出している気がしました。    「チームえんちか」のあと「ぷかぷか」の話をしたのですが、持ち時間1時間のうち約半分を映画の上映に当ててしまったので、話す時間は約30分。だらだら話をしていてはすぐに終わってしまうので、映画のタイトル「The Secret of Puka-Puka」に絞り込みました。なんとなく嫌われている障がいのある人たちが、どうしてぷかぷかでは「ファン」を作りだしたのか、といった話です。  ひとことでいえば、それは彼らの魅力が作りだしたものであり、彼らの魅力が発揮しやすい環境を作った、ということだと思います。    「チームえんちか」と「ぷかぷか」では、やっている中身が全くちがいます。雰囲気もちがいます。共通点は障がいのある人たちと人としての出会いが出発点にある、ということです。その両者を結びつけた青葉区社会福祉協議会の見識の高さに感謝。      
  • てっちゃんがいない八百屋なんてあり得ない
    昨夜二ツ橋大学講座「障がい者が働くということ〜」に参加してきました。 www.facebook.com    いろんな話が出ておもしろい集まりでしたが、「障がい者雇用率」の話題については、もう少し話題を掘り下げてもよかった気がします。   障害者雇用率制度とは(厚生労働省) 身体障害者及び知的障害者について、一般労働者と同じ水準 において常用労働者となり得る機会を与えることとし、常用労 働者の数に対する割合(障害者雇用率)を設定し、事業主等に 障害者雇用率達成義務を課すことにより、それを保障するもの である。    一般企業においては2%、国、地方公共団体においては2.3%の障がい者雇用率が求められています。    この制度の致命的欠陥は、なぜ障害者を雇用するのか、という根本的な理由の説明がないことです。説明がないので、ただ雇用率を達成するために大きな企業は「特例子会社」といういびつな形で障害者を雇用し、ペナルティを免れています。  「特例子会社」は親会社とは別の会社なので、本当は障害者を雇用していることにはなりません。でも制度的に、「特例子会社」での障害者雇用数を親会社のものとしてカウントしていい、となっているので、こんないびつな形が通ってしまうのです。  これは親会社にとっても、せっかくの障害者雇用の機会を逃して、すごく損をしているのではないかと私は思います。もったいないです、これは。  障害者を雇用するとどうなるか。企業の現場がそのことで豊かになります。いろいろできないこともあるので、いろんなトラブルもあります。でも、そのトラブルを現場が抱え込むことで、現場はトラブルが起こる前よりも豊かになります。  なによりも様々なトラブルを超える、予想だにしなかった豊かさを障がいのある人たちは現場にもたらします。    昨日の集まりを主催した杉浦さんは昔八百屋で働いていました。その八百屋に養護学校の生徒を送り込んだことがあります。 「いろいろできんことが多いけど、絶対にいいことがあるから」 と、ほとんど無理矢理卒業生を送り込みました。「絶対にいいことがあるから」といわれても杉浦さんは「いいことがある」の意味が、最初はよくわからなかったようです。  でもてっちゃん(養護学校の卒業生)を雇用して、しばらくたってから、「いいことがある」の意味が納得できたといいます。  てっちゃんがいると毎日がすごく楽しいのです。笑いが絶えません。心が安らぎます。お客さんにもファンができます。だんだんてっちゃんがいない八百屋なんてあり得ない、というふうにまでなったようです。    これが障害者を雇用する理由です。現場を豊かにするのです。もちろん杉浦さん達はいろいろ苦労をしたと思います。計量をまちがえたり、仕事がゆっくりだったり、全くのマイペースだったり、そのためにスタッフ達はイライラしたり…。でも、そういったトラブルこそが、現場に障害者がいることの意味であり、それが現場の人たちに新しい気づきをもたらし、豊かにするのです。  「てっちゃんがいない八百屋なんてあり得ない」という感覚は、それまでの様々な苦労があってようやく手にした感覚だと思います。てっちゃんを雇用してすぐにそんな感覚になることはあり得ないのです。  ぷかぷかで以前、メンバーさんがいなくてもお店を開けていた時期がありました。しんと静まりかえったお店は、なんか嘘みたいでした。お客さんも 「なんだか淋しいわね」「彼らがいないと、ほかのお店に来たみたい」 とおっしゃっていました。  ぷかぷかさんがいない「ぷかぷか」はあり得ない、のです。    障害者雇用率を義務づける前に、なぜ障害者を雇用するのか、その理由を丁寧に説明すべきだと思います。国、地方公共団体においては2.3%の障がい者雇用率が求められています。ならば実際に障害者を雇用してどうなのか、をしっかり語るべきだと思います。      
  • 障がいのある人を雇用することは、お互いが豊かになるということ。
     瀬谷区役所の人権研修会で、少しお話しする機会をいただきました。障害者雇用がテーマになっていたので、それにつながるお話です。  最初に障がいのある人たちとは一緒に生きていった方が「得」だよ、というお話をしました。これはいつも言ってることですが、おつきあいすれば人間としての幅が広がること、それは自分を豊かにすること、心が癒やされること、日々が楽しいこと、だから彼らとはつきあった方が得!と。  ぷかぷかの週一回のパン販売は区役所を豊かにしている、という話もしました。区役所の売り上げは,始めて5年目の今、日によりますが、始めた当初の10倍くらい売れることもあります。売り上げはパンのおいしさ+アルファが生み出していて、ぷかぷかの場合、この+アルファの部分が売り上げを伸ばすいちばんの要素です。+アルファはメンバーさんが販売することで生まれる「なんだか楽しい」「癒やされる」「心が温まる」などの雰囲気です。ふつう仕事中はみんなまじめな顔して仕事しているので、こんな雰囲気を味わえることは幸せな気持ちを味わえる時間だと思います。だとすれば、ぷかぷかは週一回、昼休みのわずか1時間ですが、区役所を豊かにしているんじゃないか、というわけです。一日の中でぽっと心があたたかくなるような時間て大事ですよね。それがあるから、また生きていこうって思えるというか…  何よりもぷかぷかのメンバーさんとつきあえるわけですから、それだけで人は豊かになります。外販のお店にやってくると、「やあ!」ってメンバーさん達とハイタッチするお客さんが何人もいます。こんな関係でいられるって、すごくいいなって思うのです。障がいのある人たちと会うのを楽しみにしている人たちがいる、ということ。社会をざっと見渡しても、そんなふうに思う人はなかなかいません。そういう関係をぷかぷかのメンバーさん達は、こちらが何も言わないのに自分たちで作ってきました。考えてみればすごいことだと思います。外販はですから、ただ単にパンを売り買いする場ではなく、お互いが豊かになれるような「場」でもあるのです。  ぷかぷかのパン屋にはこんなに人が並びます。社会から疎外されている人たちのお店にこんなに人が並ぶのは、社会の希望だと思っています。(瀬谷区役所の外販)  仕事は人生を支えるもの、という話をしました。エミちゃんはぷかぷかで働き始めて2年目、「最近どうですか?」とケースワーカーさんに聞かれ、「以前は毎日うつむいていましたが(ぷかぷかに来る前は作業所で働いていました)、今はまっすぐ前を向いて生きています」とすばらしい言葉を語りました。この言葉をきっかけに、ぷかぷかの仕事はメンバーさんの人生を支えるもの、豊かにするものと考えるようになりました。そういう仕事を提供しているので、みんな仕事がほんとうに楽しいようです。ぷかぷかに見学に来られた方はたいがい「ここは明るいですねぇ」「笑顔が多いですねぇ」と言われます。空気感が違う、とも。  昔担任した生徒で一般就労した方がぷらっとお店にやってきたことがあります。給料がいいので、貯金を300万円も貯めているそうです。イタリア旅行にも行きました。でも貯めたお金をどんなふうに使うのかのビジョンはありません。休みの日は打ちっ放しのゴルフ場に行くそうです。「楽しい?」「いや、別に。」という返事。一般就労したのはいいのですが、いい人生送っているのかなぁ、と思いました。  ここまで来てようやく障害者雇用に必要な視点の話になります。  障がいのある人たちと一緒に生きていくことは自分を豊かにすることです。障がいのある人たちを雇用することは、職場を豊かにすることです。職場が豊かになれば、社会が豊かになります。  障害者雇用は雇用の面で「障がいのある人たちと一緒に生きていく」ということを実現するものだと思います。だとすればなおのこと、彼らを雇用すると、私たち自身が豊かになるという視点を持って欲しい、とお話ししました。  障害者雇用達成率だけが、語られる現状では、彼らを雇用することで得られる豊かさを見逃している気がします。なんとももったいない話です。彼らと人として出会って欲しいと思います。それがあってはじめて彼らとおつきあいして得られる豊かさというものを実感できます。  仕事は彼らの人生を豊かにします。彼らを雇用することは、お互いが豊かになる、ということです。そういうことが抜け落ちた障害者雇用に関する議論はなんだか淋しい気がします。    
  • 仕事が楽しいと…
       養護学校の進路担当者が見学に来ました。  養護学校で働いていた頃、校内実習というのがあって、大概はペットボトルのふたを数えたり、教材のセットを作ったり、の単純作業をやっていました。単純作業なので、大概の人は2,3日やると飽きてしまいます。飽きてもこれは仕事なんだからちゃんとやりなさい、などといっていましたが、今から思うとずいぶん無茶なことをいっていたなと思います。  おもしろくもない仕事を、仕事だからちゃんとやりなさい、というのは考えてみれば、かなり無理があります。恥ずかしい話、当時は私自身が仕事というのはおもしろくなくてもやるものだと思っていました。それが仕事というものだと。  それは違う!と教えてくれたのは「ぷかぷか」の利用者さんでした。「ぷかぷか」を始めて2年くらいたった頃、ミイさんの介護認定調査がありました。ケースワーカーさんが、いろいろ質問し、どの程度の介護が必要か調べます。4年前は何やるにも介護が必要だったそうですが、今回の調査では自分でできることがケースワーカーさんもびっくりするくらい増えていました。ミイさんの言葉を借りると  「以前はいつもうつむいて生きていましたが、今はまっすぐ前を向いて生きています」  ミイさんはクッキー作りを任されています。仕事を任されることは、仕事に対する責任があるということで、その責任故に、仕事を無事終えたときはすばらしい達成感があります。達成感は更にやる気を起こします。どんどん自分で仕事をこなすようになります。自分でできることが自然に増え、介護の度合いが自然に減ったということでしょう。  「ぷかぷか」に来る前は作業所にいたので、仕事に緊張感とか責任といったものもなく、のんびりはしていても、彼女にとっては日々の充実感もなく、うつむいて生きるような毎日だったようです。  「今はまっすぐ前を向いて生きています」の言葉には、本当にびっくりしてしまいました。目が覚めた、といってもいいくらいでした。仕事が楽しくて、毎日が充実すると、こんな素敵な言葉が出てくるのか、と感動してしまいました。  「ぷかぷか」では毎日帰りの会で「いい一日でしたか?」と聞きます。仕事に達成感があれば、いい一日になりますが、仕事がつまらないと、つまらない一日になってしまいます。かけがえのない今日という一日を「いい一日だったね」ってお互い言い合って過ごしたいと思うのです。    そんな話を見学に来た進路担当者に話しました。私自身のかつての貧しい仕事観も話しました。つまらない仕事でも、仕事は我慢してやるものだ、という仕事観で仕事を体験し、仕事ってこういうものだ、と思い込んでしまうとしたら、養護学校を卒業して社会に出て行くとき、仕事に対して何の期待も持てなくて、寂しい社会人になってしまいます。ですから養護学校でやる実習は、生徒が本当に楽しいと思える仕事をやってほしい、仕事って楽しいんだっていう発見をして欲しい、そして卒業して社会に出て行くとき、さぁこれから仕事だ!ってわくわくするような気持ちで飛び込んでいって欲しい、といったことを話しました。  
  • 養護学校で営業?
    にほんブログ村 アート部門募集のすばらしいポスター、チラシができあがり、それを持って養護学校へ営業?に行った。 余暇活動ではなく、仕事としてアートをやりたい。仕事でやる、ということは、たとえば作品を「いいね」って言ってもらえて、お金を出して買ってもらえることだ。こういうリアクションは作品作りのモチベーションを上げる。余暇活動でやる場合は、作りっぱなしで終わってしまうので、リアクションはない。 パン屋の仕事で一番人気があるのは外販だ。お客さんの反応が目の前で見られるからだ。自分の作ったパン、クッキー、ラスクが目の前で売れていく。自分の作ったものが売れると誰だって嬉しい。それが仕事のモチベーションを上げる。 アートも同じだ。売れる作品を作る。作品を売れる商品にまで持って行くにはどうしたらいいのか。アートスタッフの力量が問われる。 来週予定されている「企業とNPOのパートナーシップミーティング」向けに作ったパワーポイントのプレゼンテーションをそのまま養護学校の進路担当者に見せた。 ぷかぷかの「本気度」が伝わったと思う。 ★「ぷかぷか」のホームページは http://pukapuka-pan.xsrv.jp/      
  • まっすぐに前を向いて
    にほんブログ村      みーちゃんの介護認定の調査がありました。どの程度の介護が必要か、というケースワーカーさんの聞き取り調査なのですが、「ぷかぷかはどうですか?」の質問に「以前はいつもうつむいていましたが、今はまっすぐ前を向いています」と答え、おー、すごいこというなぁ、とちょっと感動してしまいました。  みーちゃんはぷかぷかに来る前は作業所で仕事をしていました。仕事といっても、楽しいことをして一日過ごす、という感じで、仕事の緊張感もなければ、おもしろみもありません。ですから気持ちは暗く、気分も不安定だったといいます。  介護の度合いもかなり高かったようで、何するにしても、いつも誰かがそばについているような状態だったそうです。今はしっかり自分で動いて仕事をしています。自分で判断し、動く、という、このごく当たり前のことが、以前はできなかったようです。  今は、いつもそれが求められます。だから自分が磨かれます。成長します。  ケースワーカーさんは、今回、みーちゃんから聞き取りし終わったあと、スコアを見ながら「みーちゃん、すごいね、こんなによくなったんだね。仕事が楽しいと、人はこんなにも変わるんだね。どんどん自立していくんだね」と、みーちゃんの変わりようにびっくりしていました。以前のスコアは自立度の低い右側にほとんど○がついていましたが、今回は自立度の高い左側にほとんど○がついていました。  みーちゃんは、クッキーの製造主任として、日々緊張感の中で仕事をしています。その緊張感が、日々の充実感を生み、「まっすぐ前を向いています」という言葉を語らせたのだと思います。そして、まっすぐ前を向いて生き始めると、介護の度合いまで変わって来ました。自立の度合いがぐ~んとあがったというわけです。  仕事をする、というのは、前を向いて生きることであり、自立していくことなんだ、とあらためて思った。      ★ぷかぷかのホームページはhttp://pukapuka-pan.xsrv.jp/index.php
  • 単純作業では人は成長しない
    福祉の世界を長年歩いてきた人が「毎日同じことの繰り返しの単純作業では人は成長しないんだよね」といっていました。全く同感です。自分がそういう仕事をすることを、ちょっとでも想像すれば、すぐに納得できます。 にもかかわらず、知的障がいの人は単純作業が向いている、と昔からよく言われます。でも、ほんとうにそうか?と思います。単純作業の繰り返しは、あまり頭を使わない、だから知的障がいの人にはこういう仕事があっている、といわれるのだろうと思います。でも自分でそういう仕事をやってみると、同じことの繰り返しはすぐに飽きてしまうし、それを続けることはとても辛い毎日になります。そういう気持ちは知的障がいの人たちも同じだろうと思います。ただ彼らが黙っているだけではないかと思うのです。ボールペンの組み立て、割り箸の袋入れ等は福祉事業所でよくやっている仕事ですが、少し想像力を働かせれば、毎日そういった仕事を続けるつまらなさはすぐにわかります。毎日毎日何の変化もありません。変化がなければ面白くも何ともないし、自分の成長もありません。 彼らだっておもしろい仕事を提供すれば、毎日が楽しくなるし、充実した時間を毎日過ごすことができます。ぷかぷかで働く知的障がいの人たちに活気があるのは,そういう毎日を送っているせいだと思います。 ぷかぷかの外販部長をやっているツジさんは、入った当初は大声出して外へ飛び出したり、よその家に飛び込んだり、ほんとうに大変でした。でも今はすばらしい「外販部長」をやっています。 ツジさんは「ぷかぷか」に来る前、授産施設にいたのですが、そこの職員は誰も今のツジさんの力を知らなかったといいます。その授産施設は、いわゆる「軽作業」と呼ばれる、単純作業の繰り返しをやっていました。ですから彼の力を発揮する機会がなかったのだと思います。彼が「ぷかぷか」に来なければ、今のすばらしい「力」を発揮する機会はなかったわけで、力を発揮できなければ,人は成長しません。 ツジさんの成長は、知的障がいのある人だって、おもしろい仕事をやれば、ほんとうにすばらしい成長が期待できることを私たちに教えてくれています。 
  • しっかり仕事をやってますね
     「ぷかぷか」を見学にきた方が「あちこち見学にいきましたが、ここほど仕事をしているところはありませんでした。ここは本当にしっかり仕事をやってるんですね」と言っていた。「見学に行った事業所はたいてい組み立てなどの軽作業をやっていて、何をやっているのかよくわからないところが多いですね。ぷかぷかは何をやっているかひと目でわかるし、利用者さんも自分のやってることがわかるので生き生きとして仕事をやっていますね」 よく見てる人だなと思った。子どもにしっかり仕事をさせたい、という思いが、見る目を鍛えたんだと思う。「ぷかぷか」のやろうとしていることを一目で見抜いたのはすごいと思った。 最初から特に意識してやってきたわけではなく、彼らと一緒に仕事がしたい、と思いながらやっていたら自然にこうなった、と言った方がいい。彼らがどこまで仕事ができるか不安がない訳ではなかったが、その不安を吹き飛ばすくらい、今、みんなよく仕事をやっている。もちろん最初はいろいろ大変だった。それでも半年経ち、1年経つと、彼らは確実に仕事を覚え、彼ら抜きで「ぷかぷか」は成り立たないくらいになっている。彼らと一緒に仕事をする、一緒に生きていく、ということの意味が「ぷかぷか」では目に見える形になっている。  パン屋はスタッフも必死になって働かないと、経営が成り立たない。この必死さが、メンバーさんにもしっかり伝わっているのだと思う。当たり前の話だが、仕事は真剣勝負。だから仕事はおもしろい。  
  • 先々安心の話
     進路懇談会があった。今、高等部2年生は卒業後の進路先をある程度決めて実習先を決める。その話の中で「ここに入れれば、いろいろ面倒を見てくれるから、先々安心」といった言葉が頻繁に出た。仕事をするだけでなく、生活面の面倒も見てくれるという意味だ。 
 「カフェベーカリーぷかぷか」は今、パン屋を維持するには、一日にパンがどれくらい売れればいいのか、コーヒーは何杯、ランチは何食売れればいいのか、そのためにはどれくらいがんばって働かねばならないのか、お客さんをどうやって増やせばいいのか、といったことばかり考えていて、ハンディのある人たちの生活面のフォローまではほとんど考えていなかった。食事とトイレが一人でできれば、あとはまぁなんとかなるだろう、というきわめて楽観的な予測しかない。  もちろんいろいろな問題は出てくるだろう。その時はみんなでどうすればいいか考えるしかない。みんなで考えたり、悩んだりすることで、少しずつ「ぷかぷか」はできていくんだろうと思う。だから「ここに入れれば、先々安心」とはほど遠い。安心どころか、しょっちゅう問題が起こって、その度にみんなで悩んだり、話しあったりで、大変なことばかり。  でも、大変な分、「ぷかぷか」を自分たちで作っていく、という素晴らしい楽しみがある。新しい「場」を作っていく、わくわくドキドキするような楽しみだ。うまくいくかどうかだってほんとうはわからない。わからないからこそ、トライする価値があるし、おもしろい。そこに賭けてみようという気持ちも出てくる。そのおもしろさがわかる人が今少しずつ集まってきている。そんな仲間が少しずつ増えてくれれば、と思う。  
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