ぷかぷか日記

アンジェルマン症候群の子どもと出会ったことで人生が劇的に変わった

 「アンジェルマン症候群」で検索すると重度障がいの話が出てきます。気の滅入るような話ばかりで、前向きの話は全く出てきません。

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 でも私はアンジェルマン症候群の子どもと出会ったおかげで人生が劇的に変わり、毎日がとてもハッピーになりました。ぷかぷかを立ち上げたのも、彼との出会いから始まったハッピーな物語があったからです。

 私が養護学校の教員になって最初に受け持った子どもたちの中にサト君というアンジェルマン症候群の子どもがいました。全くおしゃべりのできないサト君は、それでもこちらのいうことやることはしっかり理解していて、何やっても「ゲハハ」「ガハハ」と大笑いで反応してくれ、当時教員としては新米の私をしっかり支えてくれました。教員になったばかりで、下手くそな私の授業も「ゲハハ」「ガハハ」と笑い転げ、いや〜おもしろいおもしろい、と支えてくれたのでした。大きなうんこが出たと私を大声で呼び、サト君の代わりにレバーを押して(サト君はそういうことができませんでした)うんこを流すと、ただそれだけで「ゲハハ」「ガハハ」と豪快に笑っていました。箱根に修学旅行に行ったときは、その大きなうんこが船のトイレに詰まって水が流れなくなり、悪戦苦闘しているうちに船のクルーズは終わってしまいました。でも、サト君は悪びれた様子もなく、悪戦苦闘している私のそばで、ずっと「ゲハハ」「ガハハ」と笑い転げていました。結局私も一緒に笑い転げて、一度も景色を見ないまま箱根の船の旅は終わったのでした。サト君は、発達障害的にいえば重度の障害児であり、何やるにしても手がかかる人でした。それでも抱きしめたいくらい魅力ある人でした。養護学校で働き始めて、最初に担任し、その魅力で私の心をいっぺんにわしづかみにした子どもでした。

 「人間ていいな」って月並みな言葉ですが、サト君はその言葉をしみじみと実感させてくれたのです。人が人といっしょに生きていくとき「人間ていいな」って思えることはとても大切なことです。

 彼と出会ってから毎日が100倍くらい楽しくなりました。世界にはこんな素敵な子どもたちがいたんだと大発見した気分。人生が変わりましたね、彼らとの出会いで。

 そしてその出会いが、30年後、ぷかぷかを作らせることになったのです。重度障がいの子どもであっても、その子との出会い方一つで、そこから素晴らしい物語が始まるのです。

 まわりを幸せな気持ちにさせる彼らは社会の宝だと思います。ただその宝と出会えない人たちがまだまだたくさんいます。しゅん君との出会いも、しゅん君が不審者と間違えられて警察まで行った、というお母さんのFacebookでした。

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 世界がこの人たちと出会うやわらかな心を持っていれば、世界はもっとハッピーに、そして平和になります。

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