ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • 「新しい価値」を創り続けてきた10年
    ぷかぷかは、なんと来年で10年!  頼りないことこの上ないぷかぷか、右に左によろけつつも、気がつけば来年でなんと10年になります。いつこけるのか、ハラハラしながらの10年でしたが、何とか持ちこたえました。  就労支援の事業を、ただ10年続けてきただけではありません。「ぷかぷかさん(=障がいのある人たち)と一緒に生きることの意味」=「新しい価値」を創り続けてきた10年だったこと、これが大きいと思います。そこにこそぷかぷかが街にできた意味があります。  その新しい価値は『pukapukaな時間 Ⅰ』『pukapukaな時間 Ⅱ』『ぷかぷかな物語』という三冊の本を生み出しました。『pukapukaな時間 Ⅰ、Ⅱ』はぷかぷかが創り出した価値をビジュアルに表現したものです。  6年目になる演劇ワークショップも毎年のようにぷかぷかさんと地域の人たちで作った新しい芝居を「表現の市場」で発表し続けてきました。ぷかぷかさんたちといっしょに創り出した新しい価値の発表、といっていいと思います。  3年前の相模原障害者殺傷事件。容疑者は「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」といい、殺したことはともかく、その主張を否定しきれない多くの人たちがいました。  そんな中にあって、ぷかぷかは「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」「その方がトク!」とひたすら言い続けました。言うだけでなく、リアルにその「トク」を実感できるものを作り続けてきました。  ぷかぷかのお店が街にあること、そこでぷかぷかさんが働いていること、人を癒やすほっこりあたたかな空気感、そのリアルにたくさんの人たちがファンになりました。  「表現の市場」でぷかぷかさんたちが舞台に立つこと、大学でぷかぷかさんたちといろんなワークショップをやること、区役所でぷかぷかさんたちと一緒に人権研修会をやること、それらすべてが彼らといっしょに生きる「トク」をリアルに感じられるものになっています。  そのリアルこそが、あの忌まわしい事件を超える社会を実際に作っていくのだと思います。  いや、ぷかぷかのまわりには実際にそういう社会ができあがっているのです。
  • 「ベーカリーぷかぷか」設立までのまとめ(2008-2010)
    2008年 6月半ば 「カフェベーカリーぷかぷか」設立計画案発表  7月半ば 第1回打ち合わせ。7名参加。仕事の厳しさが話題になる。計画で行くと1日8万円程度の売り上げが必要。具体的な試算をやる必要がある。 7月末 八王子にある“ゆいまーる生活館”で1日研修。のんびりした仕事ぶりに、助成金をもらいながらやるのも悪くないなと思う。場所が悪いので仕方がないが、もう少しお客さんが入ればもっと活気が出るだろうと思う。 8月半ば 第1回ぷかぷかパン教室。12名参加。ソフトフランスパン、グリッシーニ、メランジェ、アンチョビとズッキーニのピザ、動物パン、カボチャのポタージュスープ。たくさんのメニューだったが、なんとかこなす。ぷかぷかをめぐってのお母さんたちの議論が白熱した。こういう議論が毎回出てくるといいと思った。 8月半ば過ぎ 念願のホームページを立ち上げる。ソフトの使い方が全くわからないというか、ヘルプに出てくる言葉の意味がわからなくて本当に苦労した。誰にでもわかるような説明がどうしてできないのだろうと思った。 8月末 障害者自立支援センターに助成金について相談に行く。ハンディのある人が10人集まって、場所の確保ができれば、“地域活動支援センター障害者地域作業所型”にあたるそうで年間1200円くらいの助成金が出るという。人件費は二人分なので、あと3人分はパンの売り上げから出すことになる。 8月末 オーブンメーカー“キューハン”主催のパン教室に参加。新宿の東京ガスショールームにある業務用キッチン設備の中での講習会。でき上がった生地を成形するだけなので自分でパンを作った実感がなかったが、“あこ酵母”を使った食パンはおいしかった。オーブンの見積もりを聞いたが、オーブン、ドーコン、冷蔵庫で700万円くらいかかるだろうという話。調理台などを入れるとパン工房で1000万円、喫茶店の改装で500万円、合計1500万円が初期設備として必要。 9月初め ホームページ作成ソフトを少し高いものに買え、全面リニューアル。ホームページの仕組みがだんだんわかってきた。 9月初め 横浜市経済観光局コミュニティビジネス振興課に空き店舗を利用した商店街活性化事業について相談に行く。カフェベーカリーぷかぷかの企画にとても興味を持ってくれたようで、いろいろ協力したいという話をいただいた。 9月14日 第2回ぷかぷかパン教室。20名参加。食パン、カンパーニュ、プチパン、ズッキーニとアンチョビのピザ、ドライカレー。今日もたくさんのメニューだったが、夏休みのパン教室で鍛えたので、それほど苦にならず。あこ酵母を使った食パンが大好評。緑区の市会議員も試食に来て、このまま商売に使えるんじゃないか、といっていた。空き店舗を探すための不動産屋を当たってみるという話だった。横浜市のコミュニティビジネス振興課の方も参加し、ハンディのある人たちとパン作りを楽しんだようだった。こちらは中山商店街の理事長さんに紹介しますとのこと。少し話が具体的に進むかも。 10月9日 市会議員の紹介で不動産屋に空き店舗の相談に行く。中山で一番古くからある不動産屋で、社長は近くの入所更生施設偕恵学園の理事もやったことがあるので「ぷかぷか」の理念などもよく伝わったようだった。2年後に中山駅南口が再開発されるのでその時に建てる新しいビルの入ったらどうかとアドバイスされた。 手続きなどは全部不動産屋の方でするという。力強い味方が現れた気がした。店舗20坪、厨房20坪でだいたい40万円から50万円くらい。障害者支援センターから助成金をもらえば、まぁなんとかなる額だ。 10月26日 第3回ぷかぷかパン教室。20名参加。みどり養護、麻生養護からも2組4名が参加。食パン、あんパン、プチパン、肉まんを作った。不動産屋と陶芸作品を置いている花屋さんに焼き立てのパンを届ける。 11月17日 中山商店街の理事長さんのところへ挨拶に行く。とても親切な方で、カフェベーカリーぷかぷかの趣旨もよくわかっていただき、空き店舗のことも適当な物件があればすぐ連絡してくれるという話だった。近くの入所更生施設の理事もやってるそうで、とても理解のある方だった。お子さんも福祉の道をめざしているとかでいろいろ接点ができそうだ。いずれにしても中山商店街にお店を構えるための具体的な1歩を踏み出した感じだ。 11月23日 第4回ぷかぷかパン教室。25名参加。メニューはフランスパン、クロワッサン、お焼き風あんパン、肉まん、カボチャのポタージュ。クロワッサンのごつごつした歯触りが良かったという話が光っていた。みんなの手作りの味だ。 12月7日 陶芸教室 8名参加。白いお皿、コーヒーカップ、花瓶を作った。 12月21日 第5回ぷかぷかパン教室 メニューはアップルパイ、いちごのショートケーキ、プチパン、ライフルーツ。パンは成形して焼くだけてみんなかなり手慣れた様子。アップルパイに生地をフードプロセッサーで作り、冷蔵庫へ。リンゴのフィリングをみんなで作る。リンゴの皮をむき、16等分に切り、砂糖で煮る。スポンジケーキの卵をハンドミキサーで泡立てる。この作業はみんな楽しそう。粉を入れ、そうっと混ぜてオーブンへ。30分焼く。アップルパイの生地を延ばし、型にはめ、ふリングを載せ、更に生地をかぶせてオーブンへ。スポンジケーキが焼き上がり、生クリームをハンドミキサーで泡立てる。いちごを薄くスライス。飾り付け。丁寧に並べる人、適当に並べる人。三つのクリスマスケーキの出来上がり。アップルパイ、パンも焼き上がる。お皿にアップルパイ。いちごのショートケーキ、プチパン、ライフルーツが並ぶとすごい豪華。お腹いっぱい食べたのでした。 12月31日 NPO法人立ち上げのための申請書を書き始める。何から書き始めていいのかよくわからなかったのだが、八王子のゆいまーる生活館の土居さんのアドバイスで定款にある法人の目的をまず思いを込めて書いた。法人の目的がかけるとあとはそれをもとに事業内容、計画など割と楽に書けた。 2009年 1月11日 第6回ぷかぷかパン教室。メニューは3月の市民活動支援センター主催の祭りに出す田舎パンとドライカレー、お焼き風あんパン、カレーパン。ナンブコムギを使った田舎パンは大好評だった。ドライカレーとよく合う。カレーパンは昨日会った櫛澤電気の澤畠さんの提案で作ってみたのだが、成形がうまくいかなくてちょっと心配したが、油で揚げると見違えるようにきれいなカレーパンができ上がり、味も良く、これは絶対に売れるとみんな確信した。当日はフライヤーを持ち込んでお客さんの目の前で揚げながら販売する予定。 2月20日 NPO法人ぷかぷかの申請書完成! 2月24日 神奈川県庁のNPO推進課に申請書を持って行って、こんな感じでいいかどうか相談。 3月2日 NPO法人ぷかぷかの件で障がい者支援センターに相談に行く。自立支援法の中の地域活動支援センター作業所型ということで、支援センターが作ったモデル通りに書いて申請すればなんの問題もないといわれた。この福祉の制度を使えば、法人税もかからないそうだ。  制度上、お店の売り上げはすべてメンバーさんの工賃(給料)としてメンバーさんに払うことになっているのだが、そうなるとスタッフ(助成金の想定では2人だが、ぷかぷかは商品としてのパンを作り、喫茶店にもしっかりお客さんを入れるためにスタッフ5人を予定している。)の給料が払えないので、売り上げからスタッフの人件費に回しても多分OKでしょうと言われた。  700万円の借入金からスタートだが、返済プランは大丈夫かと聞かれ、多分大丈夫としかいえず、説得力あるプランが必要だと思った。 3月14日、15日、29日、4月11日  福祉ベンチャーパートナーズの「福祉起業家経営塾」に参加。お店を立ち上げるためのビジネスプランを作った。ビジネスの世界は全くふれたことがなかったので、とても新鮮なセミナーだった。計画の甘さもよくわかった。  このセミナーの影響もあって、福祉の制度によりかかるのはやめることにした。障がい者支援センターにもその旨連絡した。 4月8日 神奈川県庁NPO推進課に申請書を持っていくが、手直し。 4月17日 神奈川県庁NPO推進課。また手直し。 4 月18日 NPO法人ぷかぷかの設立総会。11名の参加で定款、事業ケ書く、予算書などを確認した。「カフェべーカリーぷかぷか」のウリをどこに持ってくるかでいろんな意見が出た。ここにしかないものをどうやって作り出すか、時間をかけてみんなで考えていきたいと思った。   夜、櫛澤電気の『小麦塾』に参加。食パンを山ほど焼いた。 5月10日 第9回ぷかぷかパン教室。カレーパン、ベーグル、肉まん。ベーグルのできがいまいちで、がっかりでした。 5月16日 『小麦塾』参加。黒和讃、デニッシュをたくさん焼いた。デニッシュはやはり華やかさがあっていいなと思う。 5月24日 ID-WORKS小林さんよりお店のイメージの提案。夢のある素晴らしい提案。これが実現できたら素晴らしいと思う。 5月29日 横浜市コミュニティビジネス課の商店街活性化のための空き店舗活用ビジネスプラン募集の説明会。6月末までのビジネスプランを仕上げるというかなり大変な試練。 6月27日 都市機構の団地の空き店舗が6ヶ月無料というので物件を見てきた。広さ的にはまずマスだったが、人通りが全くなく、ゴーストタウン。チャレンジスペースとして6ヶ月ただというのもうなずける話だ。外販を主にするといってもお店に全くひとがこないのはさびしい気がした。 5月30日 小麦塾。フランスパンをたくさん焼いた。イーストで焼くフランスパンも美味しいと思った。 6月14日 第10回ぷかぷかパン教室 6月17日 神奈川県庁NPO推進課。申請 6月20日 小麦塾 美味しそうな菓子パンをいろいろ焼いた。 6月23日 神奈川県庁NPO推進課。申請 7月1日 NPO法人の申請を神奈川県に対して行なった。というか、ようやく申請書が受理された。実に長かったというか、やっぱり大変だった。2ヶ月縦覧のあと本格的な審査があり、10月はじめ頃認証される予定。 空き店舗を使った商店街活性化のためのビジネスプランを横浜市のコミュニティビジネス課に提出した。うまくすれば300万円ゲット。 7月22日 ビジネスプランの1次審査に通り、ヒアリング。1時間くらいぷかぷかの構想について聞かれる。 7月30日 横浜市コミュニティビジネス課でビジネスプランのプレゼンテーション。審査員に食べてもらおうと前日焼いておいたパンを忘れたことに駅で気がつき、取りに行っている間に時間がどんどん経って、電車で会場に向かっている途中でコミュニティビジネス課の担当者から『今どこにいますか』と電話。結局10分くらい遅刻して、ようやくプレゼンテーション。まずパンを食べてもらい、おもむろにパンの話からはじめたが、ついつい障がいのある人たちへの思いを語りすぎ、予定の半分も行かないうちに時間がきてしまった。これは落選だなと確信。 8 月2日 ぷかぷかパン教室 フランスパン、ベーコンエピが好評。地区センター事務室に試食のパンを持っていったら『ずいぶんうまくなりましたねぇ』と褒められた。 8月10日 コミュニティビジネス課に出したビジネスプランがなんと審査に通ったというメールが入った。横浜市と神奈川県合わせて650万円の改修費、家賃補助をゲット!やったぁ! 8月18日 UR都市機構に霧ケ丘の空き店舗を申し込む。書類を審査し、2週間後に返事。 8月23日 霧ケ丘のお店を見に行き、ついでに商店会会長さんにあいさつ。 8月27日 霧ケ丘商店街のみなさんにあいさつ。隣のケーキ屋さんがいろいろ心配してくれて、オーブンのこととか、全体のレイアウト、 改修工事で気をつけることな祖、丁寧に1時間以上も説明してくれました。 8月28日 保健所、消防署、雇用開発協会に行ってきました。保健所では、とにかくカウンター〔イスが4〜5個〕だけでも飲食店になり、手洗い、トイレが必要だそうで、トイレは従業員の使う裏口にあるものを兼用するには調理場をきっちりわける間仕切り〔天井まで届くもの〕が必要だそうです。避難ルートが閉ざされる感じになるので消防署で確認。ドアの向きを外向きにし、表示板をつければOKでした。雇用開発協会に設備費の助成をお願いしてきましたが、とにかく役人の対応で、さっぱり話が進みませんでした。検討して後日返事をする、で終わり。ちょっと不安。 9月13日 第13回ぷかぷかパン教室。19名の参加で久しぶりににぎやか。フランスパン、ベーコンエピ、きんぴらエピ、和梨のデニッシュ、カレーパン、肉まんを作った。パン作り始めての人も何人かいたが、それでもわいわいと4種類のパンを焼き上げた。カレーパンの味についてはいろいろな意見が出て、とてもいい勉強になった。そろそろぷかぷかの味を決めたいので、いろいろ意見が出ることはいいことだと思う。IDワークスの小林さんがお見せのイメージを絵に描いて持ってきてくれた。メルヘンのようなお店で、商店街活性化のきっかけになりそうな雰囲気。パン教室の後、何人かで焼き立てのパンを持って霧ケ丘商店街間であいさつに行った。 9月16日 神奈川県よりNPO法人の認証がおり、認証書を受け取りにいった。 9月1 9日 改修工事を行うナスク、装飾を行う小林さんと現地で打ち合わせ。ナスクさんの方で図面を描いてくれていて、店舗スペースは奥行き3.5メートル取れそうだ。二人掛けのテーブル4個はいるスペースだが、カウンター席4つにすることにした。隣のケーキ屋の奥さんがお店の絵を見て、夢のあるわくわくするようなお店になりそうね、といってくれた。 9月21日 日本政策金融公庫に融資の相談に行く。横浜市コミュニティビジネス課の審査に通ったビジネスプランは応援してくれるようなので、資金繰りがもう少し煮詰まってから来るようにいわれた。 9月28日 神奈川県雇用開発協会に助成金の申請に行くが、雇用予定者がまだ決まってないので、まだ申請できず。横浜法務局に行くが、書類がそろってなくて、出直し。 9月30日 横浜法務局に法人の登記手続きに行く。そのあと神奈川県障害福祉課に就労継続A型の指定申請について相談に行く。事業所としての基準が満たしているので、3月に申請するようにいわれた。横浜市コミュニティビジネス課に行き、資金面の相談。 10月9日 横浜地 方法務務局に行き、登記手続き完了の書面をもらう。それを持って銀行に行き、NP法人ぷかぷかの口座を開く。郵便局では振込口座を開いた。  夕方、長野県の小諸まで出かけ、おむすび長屋の田中さんに今後の運営について相談した。30年ほど前、おむすび長屋を立ち上げたとき、債券を発行して500万円も集めたというから驚く。そのお金の集め方、借金の仕方について、田中さんの経験談を聞き、とてもいい勉強になった。 10月12日 第14回ぷかぷかパン教室。わずか6名の参加でちょっと寂しい雰囲気だが、落ち着いてパンを作ることが出来た。港北授産から1名、就職希望者が参加。カレーパンは前回よりもおいしかった。肉まんも。オレンジピールとクリームチーズのエピと黒ゴマ、ラムレーズンのフランスパンも好評。 10月22日 ぷかぷか協力債10万円が振り込まれた。ありがとう! 10月24日 横浜アートフォーラムで仮面のワークショップ。一緒に進行役をやった庄崎さんが、なんと5000円のカンパをくれた。感謝、感謝! 10月25日 話し合い 6名参加。改修工事の進捗状況、資金繰り、利用者さん集め、スタッフ、パンのメニューなどについて話し合った。 11月2日 緑税務署に法人設立の届け出。 11月7日 横浜市コミュニティビジネス課に紹介された西山税理士事務所に会計処理について相談に行く。現場での日々の会計処理は会計担当がやり、時々チェックを入れてもらうことにもらうことにした。プロの目が入るととても心強い。 11月12日 横浜市健康福祉局障害福祉課事業支援係に行く。事業所としての届け出と、グループホームに関する補助金要項をもらう。 11月13日 中山みどりの家の施設長に会い、グループホーム立ち上げの手順などについてお話を聞く。近々三つ目のグループホームを立ち上げるとか。 11月15日 お店の図面ができ上がり、ID-WORKSの小林さんと打ち合わせしました。  店舗のカウンター部分が、スタッフ、メンバーさんの二人が働くにはちょっと狭いのと、コーヒーメーカーなどを置くスペースがないので、壁の位置を少しずらして対応することにしました。保健所の方でカウンターに洗い場を付けるようにいわれているので、ぎりぎりのスペースの中でいろんな条件を満たして行くのはなかなか大変ですが、壁を店舗側に10cmくらいずらすことで、何とか対応できそうです。カウンターのそばにあったコールとテーブルはなくし、製氷器は厨房に移すことにしました。  裏の出入り口の靴置き場の位置が、厨房の中には入り込んでいるので、トイレのレイアウトも含めてその周辺を全面改良することにしました。ここは作業台の回りの作業空間との金合わせもあり、出入り口からわずか60cmの空間での勝負、現場で実際に体を動かし、打開策を考えました。結局既成のトイレ空間を全面的に改良して対応することにしました。   店舗と厨房の床の高さに差があるので(床下の配管の問題)、段差ができないように要請しました。メンバーさんがパンを載せたばんじゅうなどを持ったまま、厨房から店舗へ移動するとき、下が見えないため、段差があると危険なので、段差を無くしてもらうことにしました。店舗の床が上がる分、入り口の橋が少し長くなります。  店舗部分だけでなく、厨房にも音楽が流れるようにスピーカーを付けてもらうことにしました。いい雰囲気の中で仕事をしたいためです。 11月18日 横浜市コミュニティビジネス課主催の「創業者交流会」に出席。昨年度の空き店舗活性化事業に通った「野毛山カレー」であったのだが、カレーのおいしさにびっくり。ここにしかないカレーというのはこういうものかと感心した。 11月21日 お店の近くのバオバブ保育園に挨拶に行きました。園庭に手作りの木のテーブルがおいてあったり、テラスの手すりを鉄パイプから木の手すりに変えたり(以前は横浜市が運営。今は法人が運営)、砂場の回りのコンクリートの縁を古タイヤに変えたり、保育園の子どもへの姿勢が見えました。障がいのある子どもの保育を引き受けていたり、食べ物にもこだわっていたり、意気投合して、これからが楽しみです。壁塗りするときは保育園の子どもたちもどうぞ、とお誘いしました。 11月23日 第15回ぷかぷかパン教室 。18名の参加で久しぶりににぎやか。メンバー候補の方も6名参加。とてもいいパン教室でした。 11月27日 西山税理士事務所に会計処理の業務委託の相談に行ってきました。今年度中は相談時間によって請求、来年度からは月3〜4万円でやってもらうことになりました。 12月5日 神奈川産業振興センター主催の「はじめての人の店舗戦略」というセミナーに参加。くわしくはブログを見てください。 12月6日 ぷかぷか陶芸教室。4名参加。白い粘土でお皿、コーヒーカップを作った。お皿の切り口の表情がなかなか難しい。 12月7日 緑税務署に収益事業届を提出。青色申告の届け出に一部不十分なところがあって、追加するようにいわれたのだが、専門用語でいうのでなんのことかわからず、紙に書いてもらい、その通りに写してOKとなった。  神奈川雇用開発協会に重度判定について相談に行く。企業における障がいのある人たちの労働時間と「ぷかぷか」のような福祉サービスを行なう事業所での労働時間はカウントのし方が違うのではないかと聞いたのだが、重度判定を受けた短時間労働者の定義づけは企業も就労継続支援A型も同じであって、助成金はその人たちを対象にしているという。 12月13日 初のスタッフ会議。横田、井上、吉田、渡辺、藤田、高崎の6名。渡辺、藤田は最近加わったばかりなので自己紹介から。 今スケジュール、勤務時間、今問題になっていること、パンのメニュー等について話し合った。 12月14日 IDworksでお店の最終図面を受け取る。今週末には見積もりが上がってくる予定。年初めに着工予定。 12月15日 横浜市コミュニティビジネス課主催の空き店舗活性化のためのセミナーに参加。大口商店街の薬局を継承した方の話で、起業する上でのさまざまな問題を聞き、とてもいい勉強になった。 12月18日 西山税理士事務所にこれまでの会計報告とこれからの話をしに行く。税金関係の難しい仕事はすべてお任せしたのでが、それでもこれからやらねばならないことをいろいろ聞くと、事業を起こすことの大変さを今さらながら思った。 12月20日 記録ビデオのインタビュー。昔からの仲間の志村さんとの対談の形で行なったのだが、いろんな話ができて楽しかった。 12月22日 店舗改修工事の見積書ができ上がり、横浜市コミュニティビジネス課と神奈川県商業流通課に持っていく。日本政策金融公庫に融資の相談。初期投資と融資額が多いと指摘される。不動産を担保にすれば融資してもいいというが、家を担保にすることは、何かあったときに家族が家に住めなくなるという意味であり、これは退職金をかけて事業を始めるのとはかなり意味合いが異なる。 12月23日 第16回ぷかぷかパン教室。なんと24名の参加。あんパン、焼きピロシキ、肉まん、カレーパン、クリスマスケーキ。クリスマスケーキの飾りがとてもうまくできた。朝日新聞の記者が取材。取材の前に一緒にパンを作った。 12月25日 中央ろうきんに社会貢献基金の申込書をもらいに行く。ついでにNPOへの融資について聞くが、実績のないところはだめだった。神奈川県産業振興センターに初期投資の貸付などについて相談に行く。ビジネスプランがまだまだあいまいであることを指摘された。県民サポートセンター、神奈川県社会福祉協議会に助成金の相談に行く。いろいろ紹介してもらった。 12月28日 大和証券福祉財団から30万円、神奈川ネットから市民チャレンジ基金として40万円の助成金がもらえることになった。   あこ庵で研修。朝2時半に起き、3時過ぎに車で出発。4時に到着し、生地の発酵具合を確かめながら分割。 12月31日 ヤマト福祉財団の助成金を100万円申請。工賃アップをはかる事業計画には積極的に助成しているのでかなり希望が持てそう。パイローラー、電動石臼、外販用車両を申請した。 2010年 1月4日 横浜地方法務局青葉出張所に登記簿謄本を取りに行く。日本政策金融公庫に融資を依頼するときと、就労継続支援A型の申請のため。その後新横浜のハローワークに行く。重度判定のことでぷかぷか希望の方が行って、求人票がでてないことを言われたからだ。でもいろいろ聞くと結局求人票は関係なかったのだが、それでも一人くらいは引き受けてもいいかなと思い、求人の係のところに行くと、せめてパン屋に電話が設置されてから来てください、といわれてしまった。 1月7日 喫茶コーナーで野菜スープを出してもいいことがわかったので、ろくろを回してスープ皿を作った。やや深めのお皿というより鉢という感じだが、実際に焼いてスープを飲んでみないとなんともわからない。久しぶりに夢中になってろくろを回した。 1月9日 あこ庵にパンの研修に行ってきました。カレーパン屋ピロシキなど、揚物がやはりよく売れるようなので(焼きカレーパンよりもあげたカレーパンの方が3倍以上売れている)うちもフライヤーを買うことにしました。 1月17日 陶芸教室。アートカレンに通っている安井くんが絵付けにきてくれた。始めはどんな絵を描いていいかわからず、なかなか筆が進まなかったのでが、お皿を1枚、2枚と描いているうちに、どんどん筆が進み始め、お皿、コーヒーカップなど50枚以上の絵を描いてくれた。1枚1枚全部違う絵だ。お店だけでは使い切れないので、展示販売もしようと思う。焼き上がりが楽しみ。 1月20日 昨日朝日新聞にぷかぷかのことが載ったので、それを持って日本政策金融公庫に融資の相談に行く。新聞記事は信頼を得る上で大きかったようだ。債券購入額は自己資金にならないことを指摘された。したがって全体の予算の中の自己資金の割合が小さいことも指摘され、出直すことに。コミュニティビジネス課の審査に通った坪倉さんから電話があり、紹介してもらった「市民セクターよこはま」に相談に行く。更にそこで横浜市中小企業支援センターを紹介され、そこに相談に行く。いずれも融資をしてくれるわけではなく、ちょっとがっかりしたが、金融公庫で融資の申込書をくれたことは信頼されているわけで、普通はなかなかくれないといわれた。 1月26日 日本政策金融公庫に融資の申し込みをする。融資額は700万円。昨年暮れに行ったときは2000万円も希望を出し、断られたので、設備費の支払いを4月末まで待ってもらったり、運転資金を1ヶ月分だけにしたりでいろいろ工夫し、700万円の融資で収まるようにした。自己資金は650万円。   横浜市コミュニティビジネス課がえらく心配していたので、説明に行った。融資は多分大丈夫だろうって。 1月30日 朝4時から「あこ庵」で研修。国産小麦で作ったパンがいくつかあるが、どれも販売量が少ない。ぷかぷかで作るパンも国産小麦にこだわっていると、かなり厳しいものが有るなとあらためて思う。 2月4日 日本政策金融公庫に700万円の融資をお願いしてきました。家にある預金通帳など、お金になるものすべて持っていきました。それを審査した上での融資になるそうです。 2月9日 14日のパン教室でオーブンメーカーのデモンストレーション用のガスオーブンを使ってパンを焼いてみようと地区センターに駐車場使用を申し込んだところ、地区センターの駐車場を使用するのは難しいので、近くの中山みどり園と言う施設に緑区社会福祉協議会から依頼をしてくれ、OKの返事をいただいた。あたらめて地域の人たちの協力でパン教室ができていることを実感した。 2月14日 パン教室でデモンストレーション用のガスオーブンでパンを焼きました。フランスパンがびっくりするくらいうまく焼け、ちょっと感動しました。同じ生地でこんなにも焼き上がりが違うのかと、業務用オーブンの力をまざまざと見た思いがしました。 2月18日 金融公庫より、700万円融資の決定の連絡がありました。 3月11日 神奈川県保健福祉部障害福祉課に就労継続支援A型事業所としての指定申請を行ないました。 3月13日 利用者説明会を行ないました。 3月19日  UR都市機構に同じ商店街で近々撤退するレストランの賃借の申し込みをしました。居抜きで借りられそうです。 3月24日 霧ケ丘商店街の会議に出席。「はるまつり」のお知らせのチラシと一緒に「ぷかぷか」の開店のお知らせを一緒にまいてくれるという話を伺い、商店街あげて応援してくれそうです。 3月 25日 神奈川県保健福祉部障害福祉課より指定に関する審査が通った旨、連絡がありました。 3月30日 神奈川県保健福祉部障害福祉課より指定に関する正式な書類が届きました。 4月2日 メンバーさん、初出勤。オリエンテーションとパンを持ってのご近所あいさつ回り。近所のおばあさんとすぐに仲良しになってしまったりして、人に対して開けっ広げの彼らの姿勢がすごくよかった。こういう関係作りは彼らがいてこそだと思う。 4月10日 近くの霧ケ丘高校でパンの販売。数が少なかったせいか、あっという間に売り切れました。
  • 共生社会実現フォーラムについて
     今年の「共生社会実現フォーラム」、神奈川県のホームページにはこんなことが書いてあります。 テーマ:誰もが行動する社会へ コンセプト:カッコいい大人たちが魅せる       カッコいい学生たちが魅せる       誰もが行動する共生社会 プログラム一覧: ●フォーラムプログラム   テーマやコンセプトに則して、共生社会の実現や障がい理解に係るプレゼンテーションやワークショップを行います。 ●学生による活動報告ブース    県内の学生による共生社会の実現に向けた活動を発表します。 ●障がい福祉サービス事業所による物販ブース ●福祉機器等の展示ブース ●パフォーマンス   アーティストによるパフォーマンスや作品の展示を行います。 ●障がい理解に係る表彰式  「心の輪を広げる体験作文」「障がい者週間のポスター」表彰、障がい福祉サービス事業所等への発注に貢献した企業表彰を行います。 ●●●  こんなことやって、「誰もが行動する社会」に本当になるのでしょうか?  この「コンセプト」に書かれた意味は、何なんですかね。意味がわかりません。  これで何か新しいものが生まれるとは思えません。  本気で共生社会を作ろうとしているんだろうかと思いました。  数日前にも書きましたが、納税者として神奈川県に質問を書きます。  (1)今年の共生社会実現フォーラムは共生社会に向けて何を実現しますか?実現するものを具体的に書いてください。 (2)昨年の共生社会実現フォーラムについて   ①費用対効果の観点から、どのように評価しましたか?   ②宣伝費、会場費、人件費など、何にどのくらいお金がかかりましたか?   ③かかった費用に見合うものは実現できましたか?   ④共生社会に向けて具体的に何が実現できましたか?   ⑤社会が少しでも変わるものを創り出しましたか? (3)税金の使い道についての提案です。    横浜市がやっているヨコハマアートサイトではアートを使って社会を豊かにしようとしている団体から毎年、事業企画を募集し、審査の上、助成金を出しています。   共生社会を作っていく上でも、そういうことをやった方が、お金の使い道としては曖昧なものに使うよりは、具体的な事業に使われ、意味のある使い方になると思います。  助成金の申請書の中身はこんな具合です。(事業計画は単年度) 共生社会という観点から、今の社会のどんなところが問題だと思うか。 その問題を解決するために、どのような事業を展開するのか。 その事業は社会にどのような波及効果があるか、どんなことが期待できるか、社会をどのように変えていくのか。 事業を行うための予算はいくらぐらいか。  この申請書を公平性が担保できる第三機関に審査を依頼し、予算によって上位10〜30チームを決めます。(ヨコハマアートサイトは約30チーム)  審査の観点は、  ・申請した事業が共生社会実現に向けて社会を変えるきっかけを作り出すことが   できるか  ・問題意識は明確か  ・事業の実現性、継続性  ・地域社会との連携  ・収支バランス  審査に通った事業計画はネット上にオープンにし、いつでも、誰でも事業の遂行を見学できるようにします。1年間の活動の報告会は誰でも参加できるようにオープンにし、活動成果はネット上でいつでも見られるようにします。  活動の報告は、共生社会を目指して、私たちは何をしたのか、そのことでどんなことが実現できたか、という実践報告であり、本気で共生社会を作りたいと考えているグループにとってはすぐにでも役に立つものになると思います。   私たちの払った税金はこんなふうに共生社会に向けて実際に社会を変えるような事業の企画に使ってほしいと思っています。共生社会実現フォーラムという何を生み出すのかはっきりしないものにお金を使うより、共生社会に向けて確実に何か新しいものを生み出し、社会を本気で変えていくような企画にこそお金を使うべきだと思います。  税金の使い道についての提案、どのように考えますか?
  • シェアリーカフェのセミナー2020年2月2日(日)になりました。
    台風で延期になったシェアリーカフェでのセミナー来年2月2日(日)午後2時からになりました。よろしくお願いします。   昨日早稲田大学でぷかぷかの映画の上映会をやったのですが、ぷかぷかさんたちの自由さがうらやましいという学生さんが何人かいました。社会の規範に縛られ、ぷかぷかさんのように自由に生きられないようです。  「社会に合わせなくてもやっていけるよ」は、障がいのある人に限らず、すべての人にとって大事な問題なんだと思います。社会に合わせることなく、自分らしく生きる生き方はどうやったら実現できるのだろう、といったことをこの機会に一緒に考えてみませんか?
  • ルールに縛られている私たちの人生よりも楽しそうな人生
    早稲田大学の「共生社会と言葉」という講座で、『Secret of Pukapuka』の上映と、私の話をしてきました。  映画はぷかぷかの楽しい雰囲気を存分に伝えたようでした。こんなに笑顔で働ける環境がうらやましい、という感想もありました。私は彼らとおつきあいすることでいろんな「規範」がとれ、生きることがすごく楽になった、という話をしたのですが、これは若い学生さんたちの気持ちをずいぶん揺り動かしたようでした。障がいのある人とおつきあいして、生きることが楽になった、なんていう人はあまりいませんから。  何よりも学生さんの中にある障がいのある人たちのネガティブなイメージが、映画を見たり私の話を聞いたりすることでポジティブなイメージに変わったことは、すごくよかったと思います。障がいのある人たちのグループホーム反対を叫ぶ人たちを相手にこの映画を上映したときは始まって5分もたたないうちに、こんないいところばかり撮った映画は見たくないと言われ、泣く泣く上映を中止したことがあります。そんな頭がガチガチになった大人たちに比べると、なんて頭の柔らかい人たちなんだと思いました。こういう人たちにこそ希望があると思いました。  それと「共生社会」がどんなものか、何を生み出すか、が映画から少し具体的に見えたのではないかと思います。「共生社会」は、アーダコーダ議論を重ねてできるものではありません。彼らといっしょに生きていく関係をとにかく作る、そこにこそ「共生社会」は生まれてきます。映画はそれを見せてくれたように思います。  以下、学生さんたちの感想です。来週はぷかぷかさんたちを連れて行って「すごろくワークショップ」をやる予定です。そのあとぷかぷかさんとの出会いの体験を詩のワークショップをやることで振り返ってみようと思っています。時間が1時間弱しかないので、かなり厳しいワークショップになりそうですが、ただ感想を言うのではなく、詩のワークショップという形で、体験をお互い共有し、もう少し掘り下げられたら、と思っています。
  • 本気で共生社会を作ろうとしている人たちに役に立つ情報こそ県は発信すべき
    神奈川県が今年も『共生社会実現フォーラム』をやるそうです。 www.pref.kanagawa.jp  こんなことやって、何が実現するのか、と思います。  去年の共生社会実現フォーラムには、パネルディスカッションのパネラーとして参加、ぷかぷかさんたちのパフォーマンス(歌)もやりました。パネラーの発言時間は6分と制限され、何か話が深まる、といったことははじめから考えていないような集まりでした。 www.pukapuka.or.jp  費用対効果の観点から去年はどういう評価をし、今年は何を作り出そうとしているのか、を県のホームページから質問してみようと思います。質問するだけでは、多分何も出てこないので、新しい提案もしてみようと思います。こういう「共生社会を作るためにやってますよ」というアリバイ作りのようなイベントに多額のお金を使うのではなく、ヨコハマアートサイト(アートを通して社会を豊かにしようと活動しているグループに助成金を出している)のように、共生社会に向けて様々な活動をしているグループに助成金を出すようにしたらどうか、という提案です。  申請書にはこんなことを書きます。  1、共生社会という観点から、今の社会のどんなことが問題なのか。現状の分析。  2.その問題を解決するために、何をするのか。問題に対しての新しい提案。  3,その提案は社会にどのような波及効果があるか、どんなことが期待できるか。  4,そのための予算  といったことを書き、公平性が担保できる第三機関に審査を依頼し、上位30チームを決める。1年間の活動の報告会はオープンにし、活動成果はネット上でいつでも見られるようにします。  という風にすれば、共生社会を作りたいと考えているグループにとってはとても役に立つ情報に触れることができます。県が考えている「共生社会実現フォーラム」の企画には、本気で共生社会を作ろうとしている人たちに役に立つ情報がほとんどありません。税金の無駄使いです。だったらヨコハマアートサイトのようなことをやってもいいのではないかという提案です。 
  • 創英大学文化祭で、大きなクジラの絵を描く
    2019年10月20日(日)近くの創英大学の文化祭にぷかぷかさんと一緒に行ってきました。小さなお店ではマシュマロを焼いてクラッカーで挟む「マシュマロスモア」の販売と、ぷかぷかの焼き菓子の販売をしてきました。創英の学生さんも一緒に販売しました。  午後に大きなクジラの絵をみんなで描きました。ぷかぷかさん、学生さん、子どもたちが、寄ってたかって描きました。大きなクジラの絵の製作は以前ぷかぷかでもやったのですが、外でやるのは初めてです。色鉛筆、サインペン、絵の具等、好きなもので好きなように描きます。木の枝の先に布を巻き付けたとても描きにくい筆もあります。  ここからスタート。小さな枠を好きな絵で埋めていくと、自然にクジラの絵ができあがります。真ん中に座り込んで描けるように、全体を2枚に分けています。  2枚をつなぎ合わせて完成。   本館の正面の壁に張り出したかったのですが、屋上は業者しか登れないそうで、やむなく隣のバルコニーに。  なんとなくマンボウのようなクジラ  ほんの1時間半ほどの時間でしたが、こんなにステキなクジラの絵が、みんなのチカラでできあがりました。  障がいのある人たちとの「ふれあい」とか「交流」よりも、もっと中身のある「おつきあい」、新しいものを創り出すクリエイティブな関係ができたと思います。  「ともに生きる社会を作ろう」とか「共生社会を作ろう」とか言う人は多いのですが、何を作り出すのか、なかなか見えてきません。  大きなクジラの絵をみんなで作ろう!っていえば、短い時間で、こんなすてきな作品ができあがります。「ともに生きる社会」「共生社会」が何を作り出すかが、具体的に見えてきます。  みなさん、お疲れ様でした。楽しかったですね。機会があればまたやりましょう。  創英大学の学生さんとは11月に入ってから。ぷかぷかさんと一緒に演劇ワークショップをやります。
  • 第7回かながわ福祉サービス大賞 先進事例に応募
     第7回かながわ福祉サービス大賞 先進事例募集中! とあって、知り合いから勧められたので、応募することにしました。「地域」がテーマです。A4で2枚しか書けないので、ざっとしか書けなかったのですが、それでも「先進事例」といっていいほどのものは、多少は書けたかなという気がします。 地域と様々な形でつながる                        横浜市緑区霧が丘4丁目17-3                                  NPO法人ぷかぷか                                  理事長   高崎 明  1.はじめに     NPO法人ぷかぷかは、様々な形で地域とつながっています。知的障がいの人たちの働くお店(パン屋、お惣菜屋、食堂、アートスタジオ)は、街の中で「ぷかぷかさんが好き!」(「ぷかぷかさん」とはぷかぷかで働く障がいのある人たちのこと)というたくさんのファンを作り出しました。ぷかぷかさんと地域の人たちが一緒になって芝居作りやパン教室をやっています。大学に出かけ、授業の中でぷかぷかさんと学生さんが様々な形でおつきあいする場面を作っています。区役所で人権研修会をぷかぷかさんといっしょにやっています。企業を対象にした研修会をやったり、企業にアートを提供しています。   2,取り組みの紹介  2−1 地域を耕し、豊かにする   ぷかぷかさんたちは、自分を押し殺して社会に合わせるのではなく、そのままの自分で働いています。そのままの彼らの魅力(ほっこりあたたかな雰囲気)に気がついたたくさんの人たちが、彼らのファンになりました。障がいのある人たちと地域のたくさんの人たちがいい出会いをする、という形でぷかぷかは地域を耕し、豊かにしてきました。ぷかぷかにあっては、障がいのある人たちは、支援の対象ではなく、地域を耕し、豊かにする、というすばらしい働きをしています。  2−2 演劇ワークショップ-社会を豊かにし、一緒に生きる理由を芝居で表現     ぷかぷかさんたちと地域の人たちでいっしょに芝居作りをしています。月一回集  まり、6ヶ月かけて芝居を作ります。できあがった芝居は大きなホール(300人収容)の舞台で発表します。演劇ワークショップの場の楽しさを中心になって支えているのはぷかぷかさんたちです。ですからいっしょにやっていると、ぷかぷかさん(障がいのある人)に向かって「あなたにいてほしい」「あなたが必要」と自然に思えてきます。そういう関係で芝居を作っていくと、できあがった芝居も、彼らといっしょに生きていった方がいい理由を無理なく表現できます。ぷかぷかさんたちはいろんなところで私たちとは発想が違うので、できあがってくる芝居の幅が健常者だけで作るときよりもはるかに幅の広いものができます。ですから、彼らといっしょにつくる芝居は、幅の広い分、社会を豊かにします。 2−3 大学を耕し、豊かにする  大学の講義の中でぷかぷかさんと一緒に「すごろくワークショップ」「演劇ワークショップ」を行ったり、ぷかぷかさんとの出会いを「詩のワークショップ」の形で表現したりします。単なる交流ではなく、一緒に新しいものを創り出す関係を作っています。詩を元にした長さ7〜8㍍の絵巻物をいっしょにつくった大学もあります(東洋英和女学院大学、桜美林大学、創英大学、早稲田大学)。立教大学では「哲学対話」をやりました。 2−4 区役所で人権研修会   区役所の人権研修会で、ぷかぷかさんが講師として出かけてお話ししたり、「すごろくワークショップ」をやったりして、本物の、中身のある人権研修会をやっています(青葉区役所、緑区役所、保土ケ谷区役所、瀬谷区役所)。人権問題の当事者の話を聞き、彼らと直接おつきあいすることこそ本物の人権研修です。 2−5企業と連携  「ぷかぷかしんぶん」に載せた「生産性のない人が社会に必要な理由」の記事が、印刷業界の全国紙に取り上げられ(印刷業界も障害者雇用には発想の転換が必要と考えている)、それがきっかけで全国から印刷会社の社長さん十数名がぷかぷかで研修を行いました。業界紙にぷかぷかさんの絵を取り入れたところもあります。いろいろおつきあいのある太陽住建はニューヨークで行われたSDGs(持続可能な開発目標)の集まりで発表したレポートの表紙にぷかぷかさんの描いた絵を使い、ぷかぷかのメッセージを世界中に伝えてくれました。  3,考察  ぷかぷかは「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」を法人の理念にしています。「障がいのある人たちと一緒に生きていく」というフラットな関係が、今までにない新しい価値を生み出しました。彼らは、あれができないこれができない、ではなく、「社会を耕し、社会を豊かにする存在である」という新しい価値です。それが地域との様々な豊かなつながりを作ってくれたと思っています。 4,おわりに  「支援」という上から目線で障がいのある人たちを見るのではなく、「一緒に生きていく」というフラットな関係を作ると、まわりの社会がどんどん豊かになっていく、という実例を示すことができたと思っています。
  • これは全ての事業所に向けられたものだと思います。
    先日津久井やまゆり園の事件に関して神奈川県に対し質問状を送りました。 pukapuka-pan.xsrv.jp  それに対し、古くからの友人がコメントをくれました。 《 高崎さんの問いは、根源的で、共同会に留まらず、今の入所はもちろん、ボクたち通所の施設にとっても、答えに窮するものだと思います。 でも、そこから逃げていては、改善はないので、この問いは重要ですし、これは全ての事業所に向けられたものだと思います。》  どうして重要だと思いますか?どうしてすべての事業所に向けられたものだと思いますか?と聞きました。 《 現在の障害者施設は、基本できない人たちの面倒をみるところだと考えられていると思います 。共に生きる、共に支えあう人たち、とは考えられていないのだと思います 。  そして、以前高崎さんが書かれていたように、今の障害者施設では、仕事として障害のある人たちと出会っているけれど、人としては出会っていないのではないかと思います 。そして、それはやまゆり園に限らず、障害者施設全般に言えることではないかと思います 。  もちろん、仕事として向き合うことが悪いわけではありません。 問題はその仕事の中身です。 障害のある人たちをどう認識し、どういう施設や、どういう社会を目指すか、その具体化として日々障害のある人たちとどう向き合っていくのか、ということが重要であり、そういう意味で、高崎さんの問いは、すべての障害者施設にとって、根本的な問いだと思います。》  事件直後、「どうして支援施設でこんな事件が起こるんですか?」と聞いた人がいました。その時はうまく説明できませんでしたが、今は、「支援」という関係こそが大きな問題だと思っています。  障害者施設のほとんどは障害者を「支援」しています。「支援」は、相手に何かやってあげるという上から目線の関係です。相手をはじめから見下している関係です。  障がいのある人たちは、確かにできないことがたくさんあります。でも、よくつきあってみると、私たちにはない、すばらしいものをたくさん持っていることが見えてきます。私たちよりもできるものもたくさんあります。  「支援」という関係は、そういったものを見えなくします。相手に対する謙虚さがなくなるからです。  いつも見下していると、相手と人としてつきあうことができなくなります。相手を「拘束」しても、何も感じなくなります。やまゆり園の現場にはそういったものがあったのではないかと思います。  支援の現場で、どうしてあのような事件が起こったのかを調べるためには、現場の検証は絶対に必要です。障がいのある人たちと施設の職員はどういう関係にあったのか、という検証です。これは支援をしている障害者施設すべてに関わる問題だろうと思います。  「これは全ての事業所に向けられたものだと思います。」という友人の指摘の通りです。  津久井やまゆり園の事件について100本を超えるブログを書いてきました。あちこちのサイトに投稿してきたのですが、障害者を支援するサイト2カ所から排除されました。支援という関係についていろいろ書いたので、多分痛いところにちくちく刺さったのだと思います。ひとつは確か「障害者を排除しない」といった名前のついたサイトでした。もう笑っちゃいますね。  これはぷかぷかさんにしか描けない絵、私たちには描けない絵です。こういうものを掘り起こし、社会に出していくことこそ、私たちの仕事だと思います。相手を見下してしまったら、こういう絵のすばらしさは見えなくなります。
  • こんなにも楽しく関われるなんて、思ってもみませんでした。
     ぷかぷかの近くの創英大学でぷかぷかさんと学生さんですごろくワークショップをやりました。ほとんどの学生さんは障がいのある人とのおつきあいが初めてだったので、とても新鮮な出会いがあったようでした。  おつきあいしてみたら、私たちと感じ方も考え方も同じ、ということがわかり、障がいのある人たちのイメージが180度変わりました、という人がたくさんいました。  ほんのちょっとおつきあいしただけで、人はこんなふうに変わります。要はそういうおつきあいの場を作るかどうかだけです。   相模原障害者殺傷事件を超える社会を作る、というのは、こういうおつきあいの場をあちこちで作ることだと思います。全国の福祉事業所が、こういうことを地域でやっていけば、社会は確実に変わります。  でも、多分ほとんどの事業所はやらないだろうな、と思います。なぜなのか。そこにこそ、事件を取り巻く福祉事業所の問題があるように思います。  創英大学では、イメージが180度変わるだけでなく、一緒に新しいものを創り出すところまで関係を深めて行きたいと考えています。このあと、アートのワークショップ、演劇ワークショップ、ぷかぷかさんとの出会いを詩にまとめるワークショップが続きます。一日ぷかぷかで働く「体験実習」もやります。学生さんたちがどんな風に変わっていくのか、すごく楽しみにしています。  すごろくの中に「誕生日にプレゼントしてほしいもの」というのがあって、その時にサイトーさんが 「ものじゃなくて、お父さんとお母さんの愛情だけあればいい」 といい、それを聞いた学生さんが 「世の中にこんな優しい気持ちを持っている人がいるんだ」 ってびっくりしました、と発言していました。  障がいのある人たちへは上から目線で見る人がほとんどの中で、こんなふうにぷかぷかさんの発言に素直に驚く、というところがすごくいいなと思いました。こういう出会いこそ大事にしたいと思うのです。  すごろくワークショップは、よくある「ふれあい」ではなく、出会うことで、お互いの世界が広がるような関係を作っていくのです。 いっしょにすごろくを見ながら駒を進めていきます。 ぷかぷかさんと腕相撲 「キャー、この人、すごい!」 みんなで手を繋いでぐるぐる回る。「こんなこと、久しぶり!」
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