ぷかぷか日記

上映会

  • ぷかぷか上映会やります。
    今年も映画を見て、やまゆり園事件を考える集まりをやります。  やまゆり園事件について考える集まりですが、ムツカシイ、しんどい話ではなく、「やっぱりいろんな人がいた方がいいね」って、みんなで前を向けるような話になればいいな、と思っています。  『いろとりどりの親子』は、いろとりどりだからこそ、そこには葛藤があり、葛藤故に、豊かなものが生まれることを映像を通して見せてくれます。葛藤の先にある、思いもよらない親子の出会いは、とてもハッピー。見ているこっちまでハッピーになりました。社会にいろんな人がいるっていいなって思いました。  事件の犯人の言う「障害者はいない方がいい」ではなく、障がいのある人たちとは「いっしょにいると心ぷかぷか」になるような関係を作っていった方がいい、と思うのです。『Secret of Pukapuka』は、それがどういった関係であるのかを語った映画です。見ている方まで「心ぷかぷか」になります。そういう関係を広げていくこと、それがやまゆり園事件を超える社会を作ることだと思います。  今回のトークイベントではゲストに尾野一矢さんに登場していただきます。かずやさんはやまゆり園事件で重傷を負った方ですが、昨年8月から施設を出て街の中で自立生活をしています。                      かずやさんは時々大声を出すので、アパートの2階の方から苦情が来ています。ただ謝るだけでは、大声の問題は解決しません。なぜなら、 「大声出すのはやめましょう」 なんていっても、かずやさんには通じないからです。悪気はないのですが、これからも大声は時々出てしまいます。結局はその大声とどう共存していくのか、共存するにはどうすればいいのか、ということです。  先日大声が外に聞こえにくいようにかずやさんの部屋の天井に防音のパネルを貼りました。窓に防音のカーテンもつけました。これで多少は改善できますが、完璧ではありません。  あとは多少声が聞こえても、 「ったくしょーがねーなー」 とブツブツ言いながらも、そこで踏みとどまれるような関係ができるかどうかです。  苦情をきっかけに2階の方と前向きのいい関係ができるといいな、と思っています。休みの日に、おいしいケーキの差し入れがあったから、とかなんとか声をかけて、一緒にお茶飲んだり、お正月には一緒に餅つきをしたり…そんな関係です。  2階の方だけでなく、地域の人たちみんなと顔なじみになって、一緒に何かおもしろいことができるような関係もつくりたいと思っています。題して「友達大作戦」。  友達大作戦はこちら www.pukapuka.or.jp  重度障がいの方の自立生活というのは、ただアパートを借りて生活する、というのではなく、地域の人たちとのさまざまな関わりの中で生活する、ということだと思います。今回、大声に対する苦情をきっかけに、地域との新しい関係が生まれます。  重度障がいの方の自立生活が、地域社会を豊かにしていく。かずやさんの周りに、なんだか素敵な物語が生まれそうです。  地域には大声を出すとか、色々おつきあいのむつかしい方はいらっしゃいます。そんな人たちともお互い地域で気持ちよく生きて行ければ、地域社会はとても豊かなものになります。かずやさんの大声問題は、どこにでもある問題なのです。  トークイベントのテーマは《あなたととなりのかずやさん》です。  そうそう、トークイベントが始まる時、ツジさんが舞台で「きみのためにSuperman」を歌うそうです。今からもうノリノリです。これはもう絶対に聞かなきゃソン!です。  「何でやまゆり園事件を考える集まりで、きみのためにSupermanなの?」なんて考える人も多いと思います。でも、これがぷかぷかなのです。これがぷかぷか流の事件の超え方です。  ツジさんの歌を聴いて、一人でもたくさんの人が心ぷかぷかになること。それが事件後の今、とても大事だと思っています。社会はそうやって少しずつ変わって行くからです。
  • 障害を持つ人たちがこんなに自由で楽しそうに一つのことみんなで作り上げていることがすごい
     創英大学の学生さん達が、11月14日の上映会の感想を書いてくれました。みなさんの新しい気づきが素晴らしいです。こういった気づきは人生を豊かなものにします。  創英の学生さんは10月から統合保育の授業の中で、「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がトク!」をテーマに、「Secret of Pukapuka」とEテレの共生社会を考える教育番組を上映、ぷかぷかさんと一緒ににすごろーくワークショップ、簡単な演劇ワークショップをやり、今回の上映会の参加がありました。このあとそれぞれ2日ずつぷかぷかで体験実習をします。丸一日ぷかぷかさんと一緒に仕事をやります。そういった活動を通してのいろんな新しい気づきが学生さん達の人生を豊かにしていきます。  ぷかぷかさん達とのおつきあい、障がいのある人たちとの出会いが若い学生さん達の人生を豊かにするのです。ここからお互い生きることがもっと楽に、もっと楽しくなる新しい社会が始まります。 ◆印象に残ったシーン(映画) ・劇のシーンでの元々は違う設定だったけれども1人の方が「みんな1番で良いと思う」という発想から争い合うのではなく、みんな1番、みんなで優しい心を持とうといい争うということが無くなり優しさが溢れているシーンが印象に残りました。 ・主役の方が途中から練習に参加をしないでいた所。めんどくさいからなどではなく、もっと作品を良くしたい、大きな声で伝えたいなどの思いがあって悩んでいた所を見て、本当に何事にも全力なのだと思った。 ・ぷかぷかさんの一人がセリフを変えて言うことで台本とは違う展開が生まれオリジナルの劇が出来上がるところが印象に残りました。普通だったら台本道理に進めていくところを発想力が豊かなぷかぷかさんだからこそ変えて素敵な劇にできるのだと感じました。 ・ぷかぷかさんが劇をしているシーンです。みんながとても楽しそうに劇を行っていて、年齢関係なく幅広い世代の人が一つのことを一緒にやっている姿が印象的でした。最初は戸惑ってしまっても、何日かするとすぐに覚えてしまっていたので集中力がとてもあるなと思いました。劇では一人ひとりの個性が出ていて、それが他の人の笑顔に繋がっていて微笑ましかったです。見ているこっちまで笑顔になれました。最後には全員で踊りながら終わっていて本当に楽しそうだなと感じました。 ◆印象に残ったシーン(トークセッション) ・「障害者で良かったと思う」という言葉が1番印象に残りました。障害のある人は何か不便なことだったり、生きづらいと感じることが多いのかと前は思っていたけど、自分の好きなことをたくさんやって、自分の生き甲斐を見つけて生きているんだと感じました。普通に生きてたらできないことをできる楽しみさが、障害者で良かった思うことなのではないかと思いました。 ・大学の講義の時に見た映画でもあった、「ぷかぷかの人と関わることは得だ」という言葉が印象に残った。一人ひとりぷかぷかさんには個性を持った人たちがいて、一緒にいることで様々な新しいことが体験出来る。 ・一人ひとりに得意不得意があり一人ひとりにあった方法を使うことで社会の一員になることが大事 と感じました。 ◆この上映会でぷかぷかの方々が伝えたかったことはどんなことだと考えますか? ・楽しく自由に生きることを伝えたかったことだと思いました。ぷかぷかの方々は上映会で流れてた映像も見て思いましたが、実際にお会いして話をしたりしている中でも楽しそうにニコニコな笑顔が沢山溢れていました。自分自身が自由に生き、そして楽しく笑顔沢山で生きることで周りの人も明るくなるという事に気づきました。 ・障がい者を障がい者として見るのではなく一人ひとりの人、個人として見ることが認め合える社会を作ることができる。障害を持っていたとしても、生活を普通の人と何ら変わりなく楽しく送る事ができ、自分を偽らない事が自分の能力を遺憾なく発揮する事が出来る。障害のある人はたくさんの力を持っていて、その力は人を笑顔にできるし人との距離を縮めることができる。だから、障害のある人はこの世の中に必要な存在であることだと考えました。 ・障害がある人にとっての1番は何か、平等とはなにかではないかと考える。演劇の内容としてどのどんぐりが1番かを争うというものであったが、ぷかぷかさんバージョンでは彼らなりの1番そして平等のあり方を表現するものとなっていた。そこで、それをどう表現するのか試行錯誤されていた。 ・ぷかぷかさんたちがこんなに発想力が豊かで自由で一緒にいると自然と笑えたり心が軽くなるような気持ちにさせてくれるということを普段関わる機会のない人たちに伝えたり、この上映会を通して少しでもぷかぷかさんの活動や障害を持った人たちがこんなに楽しく活動しているということを知ってもらえればということを伝えたかったのかなと思います。 ・障害を持っているからといって偏見を持つのではなく、一緒に関わっていったほうが得であるということだと思います。障害を持っている方でも毎日楽しく生活しているということを知り、一緒にいることで普段とは違う発見があったりすると思ったからです。実際にぷかぷかさんと一緒に授業を受けたりしてみて、自然と笑顔になれたし、一人ひとりが個性を隠さずさらけ出していて、すごい自由に生きているなと思いました。 ・人と違うことは悪いことではなく、個性でありその個性を活かすということが自由に生きることへ繋がっているのを伝えなかったのかなと考えた。 ・障害の有無にこだわらずにふれあって、生きていくことの方が楽しい。人にはそれぞれの役割があり、その人にはそのひとにしかできないことがあったり、みな自由な表現をする権利があり、そういう場所が世の中にもっと沢山できればいい。 ◆感想など自由に記載してください ・1人ひとり個性が溢れ、笑顔が溢れているぷかぷかさんを見て私ももっと笑顔で自由に生きよう!と思えるようになりました。また、体験活動に向けてぷかぷかさんの方々と沢山お話が出来たら良いなと感じました。少し緊張していますが、明るく楽しい2日間になると良いなと思います。 ・一人ひとりを見ることができるように意識し、今後の実習に繋げる。型にはまらない彼らだからこそ生み出せるものがあり、障害を持っているから辛い苦しいのではなく、障害を持っていても楽しい事は沢山あり、何気ない1日1日を色鮮やかな日に変えていける力を持っているのだと感じた。 ・映像だけでなく、実際に見にきていた障害のある人の話を聞くことで、より障害への理解が深まりました。自分の好きなことを見つけて、それを楽しんで生きているのは羨ましいことだと思いました。もっと色々な人と関わってみたいと思ったので、ぷかぷかの体験学習では積極的に関わっていきたいと思いました。 ・実際にお会いして楽しい雰囲気を感じていたが、映像を見てもそれが伝わってくるぷかぷかさんのエネルギーには驚きを隠せませんでした。そして、障害がある人とそうでない人とのやり取りについてややまゆり園事件についての考え(障害のある人の意見)などが聞けてとても貴重な体験でした。 ・劇が出来上がるまでの映像やそのあとの講演会を聞いてぷかぷかさんを含め障害を持つ人たちがこんなに自由で楽しそうに一つのことみんなで作り上げていることがすごいと感じました。私は勝手に障害者の人たちはできないことが多いのではないかと考えていましたが私たちより発想力が豊かで型にはめられない素敵な表現ができていました。障害者の人たちと関わる機会はあまりないですが私が感じたようにもっといろんな人に障害者の人たちの魅力が伝わればいいなと思いました。 ・今回の上映会を見て障碍者の方と関わることは得なことだと思いました。ただ、一人ひとり違うのでそれぞれに合った対応の仕方をしていくことが大切だと思いました。実際に実習に行ったら、分からないことだらけだと思いますが、頑張ろうと思います。 ・とても自由な行動や生活を一部でもみることができ、こんなに自由に生きて良いんだなと思った。もう少し肩の力を抜いてぷかぷかの方たちのように一日一日を大切に過ごせるような生き方をしたいと思った。 ・授業内での活動でも自分の予想をはるかに越える想像力の豊かさや表現力に驚いた。障害があるからなにもできない訳ではなく、障害があるからこその一人ひとりの世界観が、私たちにとっては衝撃的なことであるだけなんだと思った。 ・こういう上映会に参加してみないと分からないことが沢山あり、普通に暮らしているだけでは気がつかないことがあるのだと気づきました。           
  • 私は、素直で、純粋で、あたたかくて、やさしさにあふれるぷかぷかさんが大好きです。
    上映会に参加した学生さんの素晴らしい感想です。 ●●●  まず、会場のラポールに入った瞬間に、テラちゃんが私のことを見つけてくださり、駆け寄ってきてくれました。「アカリさんアカリさん」とたくさん名前を呼んでくれて、何よりも一度しか会ったことがないのに、私の顔を覚えてくれていて、たくさん笑いかけてくれたことが本当にうれしかったです。私自身、新しく出会った人と、こんなにも早く、温かくて、居心地のよい関係性を築けたことが今までになかったので、「こんな出会いってあるのだな」と、とても驚いています。  上映会では、初めてぷかぷかさんの演劇ワークショップを見て、彼らの生き生きとした表情やしぐさに胸を打たれました。あんなにのびのびと、楽しそうにしている障がいを持つ人は、今まで見たことがありませんでした。彼らが、心から楽しそうに演技をしているからこそ、伝わってくるものがあったのだと感じます。彼らにしかできないオリジナルのストーリーを創り出し、彼ら一人ひとりの魅力が詰まった作品ができるって本当に素敵なことだなと感じました。  また、演劇はぷかぷかさんの魅力を全面的に引き出す芸術なのだと感じました。言葉では伝えられないようなことを身体や表情を使って表現されていて、とても引き込まれましたし、楽しかったです。彼ら自身が楽しんでいるからこそ、見ている人にも楽しい気持ちにさせたり、笑いを生ませたりすることができるのだと思います。彼らの心の中を少し覗くことができたような気がして、とてもワクワクしました。「これはぜひ生で見てみたい!」と感じました。機会があったら、私もぷかぷかさんと一緒に演劇に参加させていただきたいです!  後半のトークイベントでは、やまゆり園事件をどうやって越えていくのか、その手掛かりを見つけていくための時間となりました。  この事件が起きた当時、私は「なんて悲惨な事件なんだろう」とただただ悲しい気持ちになることしかできませんでした。障がいをもつ19人もの命を奪っただけでなく、重傷を負った方がいたり、その家族や大切な人を傷つけたり、凄惨な事件であることの認識はできたものの、その事件を越えるために自分に何ができるのか、考えたことはありませんでした。自分から遠い出来事なのだと考えてしまっていたのです。  しかし、今日のトークイベントに参加して、全くもってそうではなかったのだと、今までの自分が情けなく感じました。事件は、容疑者だけの問題ではなく、そのような考えを生んでしまった社会全体でとらえていかなくてはならないのだと強く感じました。  「障害を持っている人は生産性がない」「障がい者は不幸しか生まない」などと障がいがある、というだけでマイナスなイメージを持ってしまう人の多い社会は、なんて残念な社会なのだろう、と思います。今でこそ、私はぷかぷかさんとよい出会いをして、障がいをもつ人にしかない「人としての魅力」を感じ取ることができましたが、そういった人との出会いが少ないことが、障がい=大変(マイナスなことばかり)とイメージしてしまう人を生み出すことにつながるのだと感じます。  私は、小学校や中学校の時に、公立の学校に通っていましたが、特別な支援が必要な子といわゆる健常者と呼ばれる子どもは、完全に分けられていました。そのため、特別支援学級のお友達と関わる機会は、遠足や運動会などの行事の時だけでした。当時、私は「どうしてこの子たちとはたまにしか関われないのだろう?」と不思議に感じていました。行事の時は、何かをみんなで作るために、障がいをもった子がクラスのみんなについてこれるように応援したり、手助けしたりというような感じで過ごしていました。だから、彼らが楽しそうにしている姿はあまり見たことがありませんでしたし、ずっと寡黙で大人しくしている印象でした。私は子供ながらに、彼らも楽しめるような雰囲気にするには、どうしたらよいのだろう、とずっと考えていたことを覚えています。当時は、解決策を見つけるすべもなく、何もすることができませんでした。  しかし、今日のお話を聞いていて、考えたことがあります。それは、私たちが私たちの考える基準を無意識に作り出し、彼らにその基準に合わせるように要求していることに問題があると感じたのです。彼らにしかない魅力や豊かな心に目を向けて、彼らを知るという経験をすることができていたら、皆が居心地のよいあたたかな空気になっていたのではないかと思います。小さなころから彼らとのよい出会いを経験し、障がいをもっているということは、その人に生まれながらに与えられた贈り物なのだと考えることができたら、この社会に生きる多くの人が持つ、障がい=マイナスのイメージが覆され、彼らと一緒に新しい価値を作り出せる豊かな社会につながるのだと考えました。心が柔軟で、いろいろなことを吸収することのできる若いうちに、彼らとのよい出会いを経験することが、大人になった時に生産性ばかりに注目せず、彼らにしかない魅力を大切にできる人が増えるのではないかなと思います。  私は、素直で、純粋で、あたたかくて、やさしさにあふれるぷかぷかさんが大好きです。  ぷかぷかさんとの出会いは、私の人生の財産となりました。私にとって、ぷかぷかさんは、元気がなくなった時や辛いことがあった時に、会いたくなる、そんな人たちです。  これからもずっと彼らと一緒に生きて、一緒に新しいものを作り出していきたい、そんな風に感じています。  今日も帰ってきてから、ぷかぷかさんの美味しいマフィンを食べながら、母とぷかぷかさんとのことをたくさん話しました。高崎さんがおっしゃっていた、誰かと自分の思いを共有し、新しい発見をすることの大切さがよくわかりました。  これから、Facebookにも今日の経験をつづりたいなと思っています。 ●●●  ぷかぷかのメッセージが、若い学生さんにきっちり届いたんだと、本当にうれしくなりました。  「これからもずっと彼らと一緒に生きて、一緒に新しいものを作り出していきたい」 なんて、ちょっと涙が出そうになりました。  こんな風に思う若い人たちを作り出すこと、それがやまゆり園事件を超える社会を作ることだと思います。  感想を書いた学生さんは、上映会の前に一度だけぷかぷかに遊びに来ました。その時にぷかぷかさんたちが大歓迎し、似顔絵まで描きました。                                                                  こんな絵が、若い学生さんの心にしみたのだろうと思います。  「14人ものぷかぷかさんが私の写真を見て、心を込めて描いてくださったことがとても嬉しかったです。 どれもこれも、私の宝物です。」  こういう絵こそが、事件を超える社会を作っていくのだと学生さんの感想を読みながら思いました。ぷかぷかさんたちが希望を生み出しているのです。
  • 自分の手の届くところで、事件を超える社会を作るにはどうしたらいいんだろう
     明日11月14日(土)、午後1時から横浜ラポールで映画を手がかりにやまゆり園事件を考える集まりをやります。  映画は第6期演劇ワークショップの記録です。障がいのある人たちといっしょに生きると、こんなにも豊かなものが生まれる、ということが一目でわかります。やっぱりいっしょに生きていった方がトクだよね、って素直に思えます。事件を超える、というのは、そう思う人を自分のまわりに増やしていくことです。  明日は事件を巡る大きな話、例えば優生思想云々とか、施設のあり方を考える、といった、私たちには手の届かない大きな話ではなく、自分の手の届くところで、事件を超える社会を作るにはどうしたらいいんだろう、といったことをみんなで考えます。  創英大学の学生さんとぷかぷかさんですごろくワークショップをやった時、こんな感想が出てきました。 「たくさんの笑顔を見ることができて、とても心があたたかくなった。」  ぷかぷかさんたちの笑顔を見て、ただそれだけでとても心があたたかくなった、というのです。  社会には「障がい者はなんとなくいや」「怖い」「そばに寄りたくない」と思っている人がたくさんいます。でもここでは、彼らの笑顔を見て心があたたかくなった、というのです。この違いは何なのでしょう。  簡単な演劇ワークショップをやった時は、絵を見ながら一緒にこんな顔やりました。          こんな楽しい顔を一緒に作るような関係をもっともっと広げていきたいと思うのです。  事件で重傷を負った尾野一矢さんが時々ぷかぷかに来て陶芸をやったりしています。                 こんな活動をして、心も晴れ晴れとしたのか、こんな優しい顔しました。  やまゆり園を出て、自立生活を始めた一矢さんに、心安らぐ時間を提供すること、そういったことも事件を超えていく大事な活動です。  マイカップが焼き上がったら、一矢さんの生活に彩りが生まれます。朝、マイカップで飲むコーヒーはどんな味なんだろう、と想像するだけで楽しくなります。  明日は一矢さん似顔絵Tシャツ着て参加します。  明日の上映会、会場の定員の三分の一くらいに人数制限していることもあり、参加される方は事前に連絡をお願いします。info@pukapuka.or.jp
  • 「できないこと」に人間の本質がある。
    11月1日朝日新聞の社説余滴「助けなしでは生きていけぬ」はなかなかおもしろい話でした。 《…もし人工知能(AI)等の進化によってやることがなくなったら、人間はどうやって尊厳を保つのか。京都大学の出口さんはそんな問いを立てて、こう考えている。  人間を「できること」(機能)の束ととらえると、自動化の進展につれて人間のかけがえのなさは失われてしまう。むしろ人間の本質は「できないこと」にあり、ひとりでは何もできないのが人間なんだととらえ直してはどうだろう、と。…》  なるほど、と思いました。 《「できないこと」に人間の本質がある。》  深い言葉ですね。  「できること」を追いかけていくと、どこかでAIに追いつかれ、人間であることの意味が見えなくなります。だから「できないこと」にこそ、人間の本質がある、と。    障がいのある人のまわりには人が集まってきます。その真ん中に「できないこと」があります。困っている人がいれば、人は助けたくなります。それが人のいいところです。人のいいところが出る。だから、誰かを助けることで、人は人になれるのだと思います。誰かを助けることで、自分も、実は助けられる。双方向の関係です。「できないこと」のまわりに集まった人たちがこんなふうにして豊かになります。だから障がいのある人たちは社会に必要なんだと思います。大事なことはそこで生まれる関係が、助け、助けられる、という双方向であること。  昔、養護学校の教員になって最初に受け持ったのは重度障害の子どもたちでした。一人で食事ができない、着替えができない、うんこの始末もできない、と「できないこと」だらけでした。助けることばかりでしたが、でも、彼らと毎日つきあっていると、人間のあたたかさを感じ、ずっとそばにいたいと思うようになりました。それまでふつうの会社勤めだった私にとっては新鮮な発見でした。人間を思い出した、という感じです。月並みですが「人間ていいな」ってしみじみ思いました。  彼らを助けることで、私自身が助けられたのです。人間を取り戻した、というか、そんな感じです。  ぷかぷかはいろんなことが「できない」と言われている人たち=ぷかぷかさんたちに助けられています。彼らの助けなしにはぷかぷかはやっていけないのです。私たちに「できない」ことを彼らはやってくれるから。  こんな素敵な絵は、私たちには描けません。   こんな絵を描ける人たちと描けない人たちが集まって「ぷかぷか」をやっているのです。お互い「できないこと」を助けあっているのが、ぷかぷかです。みんなを幸せにするような物語をたくさん生み出したのも、ここにその理由があるような気がします。  「できないこと」に人間の本質がある。深い言葉だとしみじみ思います。  「できないこと」にどう向き合うのか。それによって、やまゆり園では悲惨な事件を生み、ぷかぷかではみんながハッピーになるようなものをたくさん生み出しました。向き合い方一つで、こんなにもちがうものが生まれます。上の写真、別れでこんな涙を流せるのはハッピーそのものです。  11月14日(土)の上映会では、こんな話もしていきたいと思っています。
  • ぷかぷかさんの発想は、自分には思いつかないことばかりで刺激的でした。
     先日、創英の学生さんたちとぷかぷかさんで簡単な演劇ワークショップをやりました。表現活動を通しての出会いです。笑い顔を少しずつ膨らませて次の人に送ったり、デライラというすっごい美人になってみたり、ムンクの叫びをやってみたり、ある朝、平野先生が大学の門のところでムンクの叫びをやっていました、どうしたんでしょう、というお話をグループで四コマ漫画のような感じでまとめたり、といったことをやりました。表現というのはそれぞれが出てすごく楽しい時間でした。  「ムンクの叫び」         この顔をやりました。  普段、こんな顔はできません。でも、演劇ワークショップの場では、こんな顔もできてしまうのです。それが、「自由になる」ということです。そして「自由になる」中で、いつもとちがう出会いがあります。それが今回の演劇ワークショップで目指したものでした。その結果、こんな素敵な感想が出てきました。 ・ぷかぷかさんの発想は、想像の斜め上をゆくくらい豊かで、私では考えつかない内容を思いつくので、こんな考えもあるんだと驚きました。すごく楽しかったです。 ・一人で作るのではなく、4,5人で物語を作るというのは難しかったですが、様々な考えや発想があって驚くばかりでした。 ・どんなことにもキラキラ笑顔。 ・すべての人を笑顔にできる力を持っていて、とってもあったかい空間に癒やされました。  泣きの顔を送る ・ぷかぷかさんの発想力はすごいなと思いました。自分には思いつかないことばかりで刺激的でした。ぷかぷかさんの思いついたことに意見を加えたりして、一緒に劇を作りました。自分の意見や気持ちをしっかり持っていて、なかなか曲げなかったため、どのように意見をまとめたらよいか、難しかったです。 ・ぷかぷかさんと関わると、自然と笑顔になれて、すごいなと思いました。終始明るい雰囲気で授業をすることができて、これがぷかぷかさんの力なのだと思いました。 ・一つの活動をいっしょにやることで、みんな笑顔になれる。表現力豊かなぷかぷかさん。 デライラというすっごい美人をやってみる ・とても楽しい時間を過ごせました。表現力がすごくて驚きました。じゃんけんゲームの「サムソンとデライラ」の時は「これをこう!」と言ってみんなに教えてくれたり、グループで3連勝することができてうれしかったです。 ・物語作りでは、文にあわせた顔のマークを描いてくれたり、漢字を見ながら用紙に書いてくれたり、ポーズを一緒に考えてくれたり、楽しい時間でした。 ・ぷかぷかのみなさんと楽しい物語作り。ニコニコマーク、悲しいマークを描いてくれて、ニコニコ、泣き泣きの表現がたくさんのムンクストーリーの完成。とっても楽しい表現の時間が過ごせました。 モナリザをやってみる ・一緒に体を動かして、前回(すごろくワークショップ)よりも距離が縮まったように感じた。発想力がとても豊かで、学ぶことがたくさんあると思った。この社会には、障がいのある人は重要で、人の考えを変える力があると思った。こんな考えや、こんな表現があるんだと学ぶことができて、本当によい経験ができたと思う。 ・表現力、発想力が豊かなぷかぷかさん  いっしょにいるだけで心がぽかぽか  笑顔がいっぱいあふれる空間 ・距離感の縮め方が上手で、会うのは2回目なのに、こんなに素直に感情を表現してくれたり、ハグしてくれたり、とてもうれしかったです。 ・距離感の縮め方がナチュラルで、超上級者。  ぷかぷかさんは物語の絵をどんどん描いていき、発想の豊かさにちょっとびっくり。学生さんたちはちょっと手が出ない。  ここをこうすればいいんだよ、とアドバイス。学生さんはタジタジ。  芝居もぷかぷかさんが仕切る。すっごく楽しい!  わずか30分くらいで、こんなにいい出会いがありました。ぷかぷかさんたちの持っているチカラに学生さんたち、ちょっと驚いたようでした。フラットに向き合う、というのはこういうことです。  「何かやってあげる」とか、「できないことをできるようにしてあげる」とかではなく、「一緒に何かをする」「一緒に何かを作り出す」という関係の中で、いろんな新しい気づきが生まれます。学生さんたちの感想を見ればそれがよくわかります。  こういった気づきは、彼らとの関係の中で豊かなものを生み出します。   感想に「ぷかぷかさんの発想力はすごいなと思いました。自分には思いつかないことばかりで刺激的でした」というのがありましたが、だからこそ、彼らと一緒に何かをすると、そこから生まれるものは、私達の想像を超える面白いものです。それは今までにない新しい価値といっていいと思います。新しい価値は社会を豊かにします。  この「社会が豊かになる」ということ、それが彼らと一緒に生きる意味です。  11月14日(土)の上映会には学生さんたちも参加します。授業の中での気づきも発表してもらおうと思っています。学生さんたちの気づきこそが事件を超え、社会を豊かにしていくものだと思います。  
  • 上映会やります。「いつも月夜に 米の飯 みんなでいっしょに こめまつり」
    11月14日(土)横浜ラポールでの上映会のチラシができました。すごく楽しいチラシです。   映画を見て、やまゆり園事件のことをみんなで話そうと思っているのですが、いつものことながら、チラシを見ると全くそういう感じがしません。つまり、やまゆり園事件の重いイメージがどこにもないのです。  「いつも月夜に 米の飯 みんなでいっしょに こめまつり」 とか一番目立つところに書いてあって、どうしてこれがやまゆり園事件につながるの?なんて、つい思ってしまうのですが、それがいつの間にかつながってしまうのがぷかぷか。  昨年、事件の遺族の方がぷかぷかに見えました。私はどういう言葉で話しかければいいのかわからず、「こんにちは」といったきり、後に続く言葉がなかなか出てきません。事件に関するブログを150本以上書きながら、事件で一番辛い思いをした遺族の方にかける言葉が出てこないのです。  遺族の方を前に本当に困りました。その時周りにいたぷかぷかさんたちが 「あれ、どこから来たの?」「お名前はなんて言うの?」 と、いつもの調子で質問攻め。 「ぷかぷか、頑張ってます」 なんていう人もいました。  そんなぷかぷからしい対応に、遺族の方はみるみる笑顔になり、いろんなお話を楽しそうにされていました。遺族の方を前に、半ば固まってしまった私は救われた思いでした。  「ぷかぷかさんのお昼ご飯」で食事された時、その日のメニューは唐揚げだったのですが、亡くなった娘さんの大好物で、娘さんと一緒に唐揚げを食べている気分でした、とお話しになっていました。一ヶ月後に誕生日を迎えるという話も聞き、それならぷかぷかで誕生会やりましょう、という話になりました。  「ぷかぷかさんのお昼ご飯」は誕生日を迎える方のリクエストで誕生日メニューが決まります。ですからその日は唐揚げにすることになりました。お母さんひとりで食事するのは寂しいと思い、亡くなられた娘さんの写真見ながらぷかぷかさんが等身大の「分身くん」を段ボールで作り、隣に並んで食事してもらいました。帰りの会でささやかな誕生会をやりました。小さなステージに娘さんの分身くんに座ってもらい、みんなで「ハッピーバースデー」を歌いました。娘さんの好きだった音楽をガンガンかけ、みんなで思いっきりダンスをしました。誕生日カードもぷかぷかさんが描いてプレゼントしました。お母さん、本当に大喜びでした。  遺族の方はそっとしておいた方がいい、とよく言われます。でもぷかぷかさんたちは違いました。そっとしておくどころか大歓迎し、誕生日会までやってしまったのです。お母さん、たくさんの元気をもらえたようでした。  事件を超えるって、こういうことではないかと思います。事件で一番辛い思いをした遺族の方が元気になる。これはすごく大事なことです。今まで、多分誰もやっていなかったことです。それをぷかぷかさんが、何か特別なことではなく、いつもどおりの感じで、さらっとやってしまったのです。  ぷかぷかさんといっしょに生きていく中にこそ、事件を超えていく鍵があるような気がしています。  昨年の上映会に参加した方が、ぷかぷかさんもいっしょにいる上映会の賑やかな雰囲気の中で 「とがった心が丸くなる」 と感想を書いていましたが、一番のキーポイントを言い当ててる気がしました。  事件を考える集まりで、お互いの考え方のちょっとした違いで、とても険悪な雰囲気になってうんざりしたことがあります。事件を考える集まりなのに、みんなの心はとがったままだったのだと思います。心がとがったままでは、事件を超える社会を作るとかいっても、人に優しい気持ちになれる社会なんだろうかと思ってしまいます。  その心をゆるっとしてくれるのがぷかぷかさんです。とがった心を丸くしてくれるのです。11月14日の上映会にはぷかぷかさんもたくさん参加します。彼らのチカラを借りて、事件を超える社会がどうやったらできるのか考えたいと思うのです。  「でんぱた」が初めて収穫したお米で作ったおにぎり食べて、 「いつも月夜に 米の飯 みんなでいっしょに こめまつり」  なんてつぶやきながら、楽しくやりたいと思っています。
  • 2月29日(土)は福岡の大名クロスガーデンへ
    2月29日(土)午後1時から福岡の大名クロスガーデンで簡単なワークショップ、『Secret of Pukapuka』の上映、トークセッションをおこないます。ワークショップは心と身体をちょっと自由にします。ゆるっとなったところで映画を見て、みんなでわいわい話をします。  トークセッションは平良民枝さん(平良バプテスト教会)、田中美佳さん(Togatherland https://peraichi.com/landing_pages/view/togatherland)、吉川貴子(特別支援学校教員)さん、それに高崎の4人でやります。話がどんな風に展開していくのか、その場になってみないとわからないのですが、いずれにしても、ぷかぷかが今いろいろ創り出している新しい価値が、社会の中でどんな意味を持つのか、どんな風に社会を豊かにするのか、といった話になれば、と思っています。  ぜひおいで下さい。トクする話がいっぱい!  問合せ・申込 kankanzosan@gmail.com 090-5987-2244 吉川  (大名クロスガーデン) zosanzosan.hatenablog.com zosanzosan.hatenablog.com pukapuka-pan 1分前 大名クロスガーデンFacebook https://www.facebook.com/daimyocrossgarden/photos/pcb.2841116192577218/2841116045910566/?type=3&theater
  • すごくいい対談やりました。
     すごくいい対談をやりました。ぷかぷかがやってきたこと、やろうとしていることをうまくまとめてくれています。ぜひ読んでみてください。 www.sustainablebrands.jp ぷかぷかの映画の上映会をやって、こういう対談があちこちでできるといいなと思っています。ご検討ください。問合せはこちら www.pukapuka.or.jp 以下のところで上映会とお話をします。簡単なワークショップもやります。ぜひお越しください。 ●2月29日(土)九州は福岡の大名クロスガーデン(平尾バブテスト教会)  問合せ kankanzosan@gmail.com 090-5987-2244 吉川  ●3月12日(木)北海道岩見沢の「まなみーる音楽室」  問合せ こくわの里 kokuwanosato@s9.dion.ne.jp 0126−24−7185  石田 
  • ぷかぷかさん達といっしょにワークショップやって、生きる価値がないなんてとんでもない、と思った。
    明日2月11日(火)東久留米で第5期演劇ワークショップの記録映画『ほらクマ学校を卒業した三人』と『Secret of Pukapuka』の上映をします。  第5期演劇ワークショップには栃木から毎回新幹線に乗って参加した方がいました。中学生の息子さんが「新聞を読んで感想を書こう」という宿題に取り組んでいるときにたまたま朝日新聞に載った「障害者と一緒 豊かな生」という記事を見つけ、それがきっかけで親子で参加することになりました。  お母さんの方は、最後の反省会の時、ぷかぷかさんといっしょにやったワークショップが楽しくて楽しくて…と話ながら号泣してしまいました。号泣するほどの関係がぷかぷかさん達との間にあったのです。どうしてそんな関係が生まれたのか、お母さんと息子さんの感想を紹介します。 ●お母さんの感想から   みんなすごく素直で思ったことをストレートに表現するから、リアルで人間味があってとても魅力的に思えて、私はぷかぷかさんの大ファンになっていました。私にとってそこは自然と笑顔になれる場所で、優しい空間でした。そんな彼女、彼たちと一緒に立った舞台。やり切った感、ハンパなかった。ぷかぷかさんたち一人ひとりとふれあった思い出が頭の中で駆け巡り、みんなで頑張った喜びと終わってしまった寂しさとが複雑にからみあって、涙がこぼれ落ちてしまいました。本番直前、廊下の片隅でセノーさんと手を繋ぎ練習したときのあのいい表情も脳裏に焼き付いて離れません。  私が最後に泣き崩れてしまったとき、ボルトくんが背中を支えに来てくれました。彼はずっと大丈夫?と声をかけてくれていました。私が落ち着くのを待って手をはなそうとする時も「もう手をはなしても大丈夫かな?」「放すよ、いいかな?」って言って自分の席にもどられました。今まで生きてきてこんなに優しい言葉をかけてもらったことがあったかいなと、やさしさが心に響いて本当に癒されました。彼のやさしさに心から“ありがとう”と言いたいです。誰かと心で繋がれることって何よりも力になる。私も人の喜びや悲しみにそっと寄り添えることができる人間になりたいと思います。 ●息子さんの感想から 中学二年生の夏休み。「相模原殺傷事件」が起きた。「障害者は生きる価値がない」と。あまりの衝撃に朝起きて顔も洗わず、テレビのニュースにしがみついていたのをよく覚えている。 僕は被告のような思想は誰の心にもあるのではないかって、それがずっと心の奥で引っかかってきた。例えば街で障害者の方が突然大きな声を出す様子に嫌悪感を抱き、関わりたくないと思ってきた自分。中学生になり、知的障害者施設にボランティアに行こう!と誘われたときに、障害者の方は怖いという勝手な思い込みで、「行きたくない。それだけは勘弁して」と言い張った自分。それは僕も無意識に差別する側に立ち回っていて、被告の発想と心の奥底で繋がっているのではないかと。僕の心は弱くて醜い。“やっぱ俺は、クズだな・・・”と思ってずっと過ごしてきた。 一年後の夏休み、“新聞を読んで感想を書こう”という宿題のため新聞の記事を探していたら、〝障害者と一緒 豊かな生″という見出しに目が留まった。ぷかぷかパン屋さんの記事だった。僕はなぜかその記事を捨てずに取っていた。高校生になったある日、たまたま付けたテレビ番組にぷかぷかさんや高崎さんがでていてあの新聞記事とリンクしたことに少し驚いた。母からワークショップに誘われたときは、どうしようか悩んだが、高崎さんのいう豊かになるってなんだろう、それが知りたくて確かめたいと思った。 (2017年7月25日朝日新聞) ぷかぷかさんと接してきておもしろかったり、ときにはむっとしてしまったり、いろいろあったけれど、何よりも僕は人前で表現するとかが嫌で嫌で、そこから逃げていた自分だったように思う。リハーサルの日もそう。僕にも役があり、しかもオオカミのかぶりものまであるとわかったとき、やっぱり今日は部活にいっておけばよかったなと後悔した。舞台に立つなんてなれないことに身体はどっと疲れた。しかし、ぷかぷかさんたちはニコニコ元気、とてもいい笑顔だった。疲れた顔をしているのは僕だけで「なんでこの人たち笑っていられるんだろう」と不思議だった。その姿を見ていて、ぷかぷかさんたちはやらされてるとかでなくて、自由にありのままの姿で表現することを楽しんでいる。特に一緒にオオカミ役をやったしょうくん(こうきくん)が♪なんでもいいから一番になーれ♪と歌っている姿がきらきらと輝いてとっても印象的だった。僕にはやらされているという気持ちがずっとどこかにあった。ぷかぷかさんと僕の違いはそういう心の違いだと思った。 本番当日。舞台も終わり、最後に円陣を組んでみんなの意見を聞いていたとき、しょうくんが泣きながら、この演劇に対しての思いを話しているのを聞いて、心にぐっと突き刺さるものがあった。僕の前で悪ふざけしたり、おどけてみせるしょうくんしかみえていなかったので、あんなしっかりした思いで頑張ってきたんだと、それに比べ僕はなんなんだ。本番はでたくないと、なんか駄々をこねている小学生のようだったと恥ずかしくて穴があったらはいりたくなった。そして、元気の出ない僕に「着替えよう」とか「頑張ろう」と声をかけ続けてくれたしょうくんや、相手を思いやり大切にするぷかぷかさんたちの姿をみて、生きる価値がないなんてとんでもないぞ。なんて生きる価値のある人たちだろうと思った。 一緒に参加した母はこの半年、本当に楽しそうだった。最後に母が泣いているのを見たとき、この人はぷかぷかさんたちと心と心で向き合って同じ気持ちを感じてきたんだなと思った。 来年は部活を頑張ろうと思う。でも、いつか大学生とか社会人になって、また改めて参加してみたい。そのときは母に負けないように心の底から楽しみたいと思う。高崎さんのいう何が豊かになるのか今の僕にはまだわからないけれど、恥ずかしくてたまらんかった舞台に、ぷかぷかさんたちと一緒に立ててよかったと今、思っている。ありがとうございました。 しょうくんへ 僕なんかと一緒にオオカミ、やりにくかったよね。ごめんなさい。そしてありがとう。 いつかまたしょうくんと一緒に豚でも馬でもなんでも、タッグを組んでやりたいです。   演劇ワークショップという場は、こんな素晴らしい関係を作ってしまうチカラがあります。明日上映する映画には、そのチカラがいっぱい写っています。ぜひ見に来て下さい。  やまゆり園事件の公判が続いています。先日も書きましたが、事件であらわになった問題は、被告を裁いてすむことではありません。やっぱり私たち自身が障がいのある人たちとどんな風におつきあいし、どんな風にこの時代を一緒に生きていくのか、ということが問われていると思います。  その問いに対するひとつの答えが、明日上映する映画にはあります。  いつも言うことですが「支援」とか「なにかやってあげる」という上から目線の関係では、こういったものは生まれません。ではどうしたらいいのか、そのヒントが映画にはあります。 
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