ぷかぷか日記

表現の市場

  • 舞台の真ん中には、目には見えない柱が立っていた。
    第6回表現の市場で『どんぐりと山猫ーぷかぷか版』の発表をしました。  10年前、 「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」「その方がトク!」 と、一本の柱を立てました。その柱に共感する人が少しずつ、少しずつ増えてきました。  いっしょに生きてると、ほっこりあたたかな、楽しい物語がたくさん生まれました。  いっしょに生きてると、ゆるい、ホッとできる空気感が生まれました。  いっしょに生きてると、ぷかぷかさんが好き!というファンがたくさんできました。  いっしょに生きてると、障がいのある人たちは社会を耕し、豊かにする、ということが見えてきました。  舞台の最後、思いを込めて「あの広場のうた」をうたいました。   ♪  ……     歌が生まれ  人は踊り出し     物語がはじまる  あの広場がここに       昔 広場に一本の柱     ここに立てよう  目には見えない柱を       昔 広場に一本の柱     ここではじまったぷかぷか  いまここで ♪  舞台の真ん中には、目には見えない柱が立っていたのです。  障がいのある人たちと一緒に生きていくことで、あんなにも素晴らしい舞台ができたのです。いっしょに生きていくと何が生まれるか、がよく見えたと思います。ここで生みだしたものは新しい「価値」といっていいと思います。この「価値」は社会を豊かにします。  同じようの障がいのある人たちにかかわりながら、津久井やまゆり園ではあの悲惨な事件が起きました。  何がちがうのか。  あまりの落差にめまいがしそうですが、ここをしっかり見つめていくことが、今、すごく大事な気がします。犯人の特異性のせいにしてしまうと、大事なものを見逃してしまいます。  あの事件と、下の写真の文字が作り出す世界とのちがいはどこにあるのか、ということです。  ●見に来た人たちの感想 ・とてつもなく大きなエネルギーを感じました。元気をたくさんいただきました。 ・たくさんの人の力が、とてもほっこりあたたかくしてくれました。もっとたくさんの人に見て欲しいです。 ・とてもレベルが高く、びっくりしました。 ・とても自由で、楽しい時間でした。 ・不思議な気持ちです。なんだか楽しかったです。 ・時間があっという間に過ぎてしまいました。 ・心があたたかくなる舞台でした。 ・お客さんが非常に多く、素晴らしかったです。 ・続けていくって大変ですよね。有料にしてもよいのかな、と思います。 ・「表現の市場」いつまでも継続して欲しいと思います。 ・何かをやってみようという気持ちになりました。 ・舞台に立つ人たちは、とても輝いていて、素晴らしかった。一生懸命なみなさんに感動し、勇気づけられた。 ・こうでなかったらいけないというのがなく、素晴らしかった。 ・このようなすてきなメッセージをこれからも発信してください。 ・アラジンの太鼓では感動して、涙が出ました。 ・和太鼓、すごい迫力。ポップ、太鼓を交えたミュージカルっぽくて面白かったです。 ・和太鼓といえば筋肉ムキムキの男の人が力強くたたいているというイメージだったのが覆されました。 ・観客との一体感が素晴らしい。 ・見事です。自分の子どもにも教えて欲しい。 ・「ほうきぼし」だいちゃんがかすんでしまうほど、粒違いの演奏ぶり。 ・シーホースの「みどりがめ」のお話は、人間の本質を突くようなセリフで、ドキッとしました。飼われていたときは餌の心配はなかったけれど、楽しくもない。川の生活は本当のいる場所ではない…って、なんか今の自分の心境にも近くて。 ・紙芝居の内容が深い。音と光の演出が新しく、面白かった。 ・メッセージが込められている素晴らしい活動。 ・ラポエアガールのナルコビックは楽しく体を動かし、全身を使えてとてもよいと思いました。 ・とってもよかったよ。 ・千本桜がよかった。 ・みなせたのみなさんのファンキースタイルでの「あるある」最高でした。 ・体を張ったメッセージに感服 ・みなせたの方の「あるある」を聞いて、私も歩けるうちは駅で階段を使おうと思いました。 ・私も子ども二人と電車、バスを利用する際の「あるある」で、わかります。車イスのあんなデザインのものがあるなんて知りませんでした。 ・車イスの大変さをwest side storyに載せて楽しく伝えてくださり、ありがたかった。 ・世間をやわらかく風刺するという芸能の原点を考えさせられて、非常によかった。 ・小学校で車イス体験授業がありますが、乗ったり押したりの体験をするより、みなせたさんのミュージカルを見る方が、よほど学びになると思いました。車イスに乗って街へ出てみると、世間の無関心や冷たさがわかるともいわれてますが、当事者の目線で授業をして欲しいです。 ・チェロと太鼓の間に「チケット レコード」というつぶやきが入り、自閉の方のつぶやきが楽器のように聞こえてよかったです。 ・素晴らしいコラボ。いつも息がぴったりで、回を重ねるごとに深まっている様子が、すてきだなと思っています。 ・演奏中は表情の硬いだいちゃんが、演奏が終わった瞬間にニコッとなるのがよかった。 ・ダイちゃんの太鼓が力強くてとてもカッコイイ! ・モンゴルを思い出させてくれて感謝します。 ・相鉄ーJR開通の新線をすぐに組み込んでいるのが、さすが!と思いました。 ・はっぱの最後の歌には涙が出てきた。 ・はっぱオールスターズ、最高に楽しくて感動しました。 ・いかりや直樹さんのおしゃべりよかったです。 ・『どんぐりと山猫』音楽、舞台美術が素晴らしかったです。 ・すべて手作りで、驚いた。 ・『どんぐりと山猫』みんないっしょに何かするのっていいなと思いました。 ・ぷかぷかさんだけでなく、地域の子どもやおじさん、おばさんもいっしょに楽しそうなのがよかったです。 ・『どんぐりと山猫』のセリフ、「認め合う」一人ひとりにその言葉があると、生きやすい世の中になると思いました。 ・暖かいステージ、ジンときました。 ・ぷかぷかの舞台の最後の歌「あの広場のうた」は、いつも感動します。 ・ななちゃん、かわいかった。  ●「表現の市場」の夜、舞台の感想をすぐにブログにアップした方がいました。 ameblo.jp  ●新聞記者の方は  劇が終わったときに、もう少し見ていたい!えーもう終わってしまうの!と いう気持ちがわき上がってきました。    ハイライトのどんぐりの「優しさと寛容が~」というセリフが、大きな声ではなかったのが心に残りました。大事なことって意外とこんな感じなんだろうなと思わせる素敵なシーンでした。  そして、最後の歌になぜかじんわりきてしまいました。    いわゆる健常者といわれる人たちが集まってやっても、うまい下手がどうだとか、メッセージ性がどうだとか、考えてしまって、こんなに素直ににこにこしながら劇をみるなんてことないのではないかと思います。    10何人もの記者が難しい顔をして横浜地裁に缶詰になっても何も生み出さない という現状が本当に情けなくなりますが、どうにか、一緒に生きる社会を少しでも 伝えられる原稿にできればと思います。  ●ワークショップに参加した人はFacebookにこんな感想書き込んでいました。  「(ぷかぷかさんは)自由だねえ」  もともと私ひとりで参加する予定だった ぷかぷかの演劇ワークショップに三女を連れて行ったのは、何度目かのワークショップのあった土曜日にたまたま夫が休日出勤になったせいだ。 3人姉妹の中でも一番人見知りで一番内弁慶の彼女は、最初の日は部屋の外で漫画を読んでいるわ、練習室の中では壁に貼りついて”ひとりで遠巻きに眺める”わ、誰かに声をかけられると背中の毛を逆立てるように睨むという、まるで人に懐かない野良猫のようだった。ま、予想はしていたけど(^^;)   それが、1月の練習日に衣装の試着があって、すごくファンタスティックな、つまり、ぷかぷかチックな「どんぐりの帽子」が出てきたら突然スイッチが入ったのだ。その後は、私よりも早くセリフを覚え、ぷかぷかのテーマソングを歌い、コンちゃんと笛を吹き、時々行方不明になるセノーさんを探すという200%コミッターに変貌した。   本番前日、当日となると、やっぱり緊張感がただようし、ワサワサしてるし、舞台上は照明で汗をかくほど暑いし、たぶんそんな空気感が苦手なセノーさんは本番当日のリハーサルに姿を見せなかった。セノーさんと一緒の私たちのチームはセノーさん(熊役)不在の時のセリフ回しも用意した。そして昼やすみ。お弁当を食べた後のみんなが思い思いにゴロゴロする練習室で、伴奏者が席を外したピアノから、ポロロンと流れ始めた「さそり座の女」。   セノーさんだよ!   三女の目が輝いた。誰に聴かせるでもなく、セノーさんが弾いていた。その次の瞬間、三女が言ったのが冒頭の 「自由だねえ…」。   そう、そうそうそうそう!この感じ。 「台本は、変えられる」のだ。 言いたくないセリフは直前でも変えちゃうとか、舞台に出たくない時は出なくていいとか、だけど、大丈夫って声を掛けたら次のシーンでは出られるとか、ぷかぷかの歌が始まったら客席から乱入する青年が出てくるとか、次々に出てくる「予定外」「予想外」をみんなが「おお!」「それもいいね~」って受けとめる感じがあれば、ちゃんと”仲間”でいられるんだということ、助け合えるんだということ、一緒なら恐れることは何もないんだということ。それを、受容とか、共生とか、そんな手あかのついた言葉を1万個並べるより、すとんと理解させてくれる、やっぱり、ぷかぷかさんってすげえなって思うし、一緒にいさせてくれて、ありがとう♡ ●記録映画のための音を録音しに来ていた人は  表現の市場楽しかった!なぜどこが楽しいのか考えてみると、彼彼女たちは‪心が広く他人に立ち入りすぎず自分らしさを持っているからかもしれなくて、妬んだり画策したりせず本当に興味のあることだけにめちゃこだわり集中し誰にも似ていないし似ようともしないなんて、みんなそうありたいと思ってるんじゃないかな。 10年後か20年後かにはこのひとたちががっつりみんなと混ざってたら未来面白いだろうと思う。いまの障害者という呼び名は、社会で暮らすため混ざるため生きるために乗り越えなくてはならない障害がある「被障害者」という意味だとするとこの障害は社会ががんばれば無くすことができて、そうしたら障害者はいなくなっちゃうよね、あらら!なーんておもいます。
  • 「あなたがいて、幸せだよ」って思える関係
     NHKの津久井やまゆり園事件の裁判を伝える記事に 《 「お母さん、幸せだったよ」〜法廷に響いた“反論” 》 というタイトルがついていました。あえて反論という言葉が入っています。多分被告のいった 「障害者は不幸しか生まない」 という言葉に代表される被告の発想への反論なのだと思います。「不幸しか生まないんじゃない、私は幸せだったよ」という、ストレートな反論です。  「お母さん、幸せだったよ」  人間は、どんなに悲惨な中にあっても、こうやって希望を感じる言葉を紡ぎ出すんだと思いました。 www3.nhk.or.jp  事件を超える社会、というのは、このお母さんのように 「あなたがいて、幸せだよ」 って思える関係を障がいのある人たちと作ることだと思います。共に生きる社会、というのは、お互い「あなたがいて、幸せだよ」と泥臭く思える社会です。  それは遠い未来の社会の話ではありません。関係の作り方一つで、すぐにでもできる話なのです。  ぷかぷかができたのは、代表のタカサキが、養護学校の教員になったころ、重度障害の子ども達に惚れ込んだことが、そもそものきっかけです。惚れ込んだ、つまり、彼らのそばにいて、私は幸せを感じていたのです。「共に生きる社会」という言葉すらなかった時代、私は彼らに惚れ込み、彼らのそばにいて幸せを感じていました。  街の人たちにも、その幸せ感を感じて欲しいと、10年前、障がいのある人たちとの出会いの場としてぷかぷかを街の中に作ったのです。たくさんの素敵な出会いがあり、たくさんのファンができたことはすでに何度も書きました。  『ぷかぷかな物語』を読んだ人がこんな感想を書いてくれました。 「あなたが好きだから♪」 これがぷかぷかを作った理由なの。最高じゃないかなー? 「好きだから♪」会いに行きたくなる。 「好きだから♪」会うたび元気をもらう。 「好きだから♪」笑顔が続くことを願う。 ・・・そういうことなんだよね。 読んだら会いたくなっちゃったよーん。ぷかぷかさん。  「あなたがいて、幸せだよ」と思える関係は、こんなふうにぷかぷかのまわりにいっぱいできているのです。事件を超える社会、共に生きる社会が、すでにぷかぷかのまわりにはできているのです。  そういった関係を作るコツは何か。それは彼らとフラットなおつきあいをすることです。上から目線で「何かやってあげる」とか「支援する」といった関係では「あなたがいて、幸せだよ」と思える関係は出てきません。  「障害者は不幸しか生まない」という言葉は、支援の現場の空気をいっぱい吸い込んだ被告から出てきた言葉です。「お母さん、幸せだったよ」なんて言葉が想像もできなかった現場だったんだろうと思います。   だからこそ「お母さん、幸せだったよ」の言葉は、忌まわしい事件を裁く法廷にあって、小さな希望をともすように輝いていたと思います。NHKの深い読みに拍手!です。  1月26日(日)の「表現の市場」では、演劇ワークショップの中で「あなたがいて、幸せだよ」と思いながら作った芝居を発表します。あなたにもそれを感じて欲しいと思っています。ぜひ見に来て下さい。
  • 「表現の市場」は、社会全体で支えて欲しい。
    今度の日曜日1月26日(日)はいよいよ第6回目の「表現の市場」。  準備は着々と進んでいるのですが、気がかりはやはりお金のこと。半年かけて芝居を作り、その発表の場として「表現の市場」をやると、講師、舞台監督などの人件費、会場費を合わせると230万円ほどのお金がかかります。ヨコハマアートサイトから100万円の助成金をゲットしましたが、ほかの助成金申請はすべて没。結局残り130万円ほどはぷかぷかで負担することになります。  ぷかぷかは貧乏なので、130万円というのは大変な負担です。とりあえず今年は払っていくにしても、この状態が続けば、「表現の市場」の存続は、かなり難しくなります。  ぷかぷかは収益を増やす工夫をいろいろやっていますが、残念ながら「表現の市場」を支えるだけの収益は得られていないのです。ですからぷかぷかだけで「表現の市場」を存続させることは、もう限界に来ています。  「表現の市場」の社会的な意味を考え、これを存続させるためにはどうしたらいいのかを考えるとき、ぷかぷかだけが四苦八苦するのではなく、やはり社会全体で支えていく仕組みを作っていかないとだめだろうと思います。  もう一つ大事なこと。3年前の津久井やまゆり園事件は「障害者はいない方がいい」というメッセージを社会にばらまきました。全国で起こっている障害者グループホーム建設反対運動は、自分の地域に「障害者はいない方がいい」という運動です。頭の中では「共に生きる社会を作った方がいい」と思いながらも、自分の家のすぐ隣に障害者のグループホームが建つことになったら、やっぱり不安に思う、という人はたくさんいます。  そういった社会の中で  「障がいのある人とはいっしょに生きていった方がいい」 というメッセージを、言葉だけでいうのではなく、舞台というストレートに見える形で表現する「表現の市場」は、とても大事だと思います。「共に生きる社会」がどういうものか、いっしょに生きていくと何が生まれるか、といったことがひと目でわかります。  事件を超える社会が、ここから生まれます。だからこそ、社会全体で支えて欲しいと思うのです。  どういう仕組みがいいかは追々考えるとして、1月26日には会場費、付帯設備などの支払い、その後、人件費、舞台装飾の支払いがあります。ぷかぷかにとっては、一番厳しい局面です。  「表現の市場」を支えるための寄付を、ぜひお願いします。  ぷかぷかは「横浜夢ファンド」の登録団体になっています。夢ファンドに寄付をしていただくとぷかぷかにお金が入ります(寄付の申込書の希望する団体の欄に「NPO法人ぷかぷか」とお書きください)。税制上の優遇措置があります。詳しくは下記サイトをご覧下さい。 横浜夢ファンド www.city.yokohama.lg.jp archive.city.yokohama.lg.jp ★寄付の申込書の希望する団体の欄に「NPO法人ぷかぷか」とお書きください。 横浜市 基金の活用 横浜市 税制上の優遇措置 障がいのある人もない人も、お互いが気持ちよく暮らせる社会を目指します。 どうか応援して下さい。  ★1月26日(日)「表現の市場」当日にも、寄付箱を用意します。
  • 「表現の市場」は、津久井やまゆり園事件に対する、私たちの体を張ったメッセージ
    津久井やまゆり園での虐待が、また明らかになりました。 www3.nhk.or.jp  虐待というのは、相手を人として見ていない、ということだと思います。だからこういうひどいことができる。事件はこういう環境の中で起こったのではないか、というのは以前にも指摘したことです。  昨年7月のNHKスペシャルでは13時間も拘束された女性の話が出てきました。 www.pukapuka.or.jp  第三者委員会の調査結果を見て、あらためて津久井やまゆり園の現場のひどさを思いました。障がいのある人たちとどういう関係を築くのかというところでは、ぷかぷかと全く正反対です。  1月26日(日)の「表現の市場」では 「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」 のメッセージが舞台で全開します。彼らといっしょに生きていくと、こんなに素晴らしい舞台ができるのです。社会が豊かになるのです。  「表現の市場」の舞台は「障害者はいない方がいい」と暴力的に排除した事件に対し 「それはちがう」 という私たちの「体を張ったメッセ−ジ」です。ぜひ見に来てください。
  • 「表現の市場」は、津久井やまゆり園事件を超える社会を表現する舞台
     津久井やまゆり園事件の公判がもうすぐ始まります。それをめぐっての集まりが開かれます。ぜひお出かけ下さい。 dpi-japan.org  事件をめぐっての議論は大事です。ただ議論するだけで終わったのでは意味がありません。議論の先に何を作り出すのか、というところこそが大事だと思います。  「社会が問われている」は事件をめぐる議論でいつも言われることです。でもそこから先がなかなか出てきません。問われた私たちは、では、どんな社会を、どう作ろうとしているのか、ということです。  事件を超える社会を私たちはどうやって作り出すのか、障がいのある人たちと一緒に、お互い気持ちよく生きていける社会をどうやって作り出すのか、ということ。  ぷかぷかは事件よりはるか前から、そういった社会を目指して活動してきました。お互いが 「いっしょに生きていくといいよね」 って思える社会です。  10年たって、そんなふうに思える社会がぷかぷかのまわりには少しずつできてきました。 「ぷかぷかさん(ぷかぷかで働く障がいのある人たち)が好き!」 というファンがたくさんできたのです。障がいのある人たちを暴力的に排除した事件とは真逆の世界です。  何か特別なことをやったわけではありません。「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」「その方がトク!」と言い続け、そのことを実感できるお店や場(パン教室、演劇ワークショップ、アートのワークショップ、区役所での人権研修会、大学でのワークショップなど)を作ってきただけです。  事件の容疑者は 「障がい者はいない方がいい」「障がい者は不幸しか生まない」 といい、ふだん障がいのある人たちをおつきあいのない人は、なんとなく「そうか」と思ってしまいます。それだけではなく、容疑者の発言を積極的に支える声がたくさんありました。  ぷかぷかがつくってきたファンの人たちはその正反対の思いでいます。障がいのある人たちは、いない方がいいのではなく、「いた方がいい!」「いて欲しい!」とみんな思っています。ぷかぷかは10年かけて、そういう関係をたくさん作ってきたのです。  ぷかぷかさんたちはまわりの人たちをハッピーな気持ちにしています。不幸しか生まない、のではないのです。  ぷかぷかさんたちの作品を見てください。  こうやってぷかぷかさんたちはぷかぷかのまわりの社会を毎日せっせと耕しています。みんなのとがった心をまるくしているのです。  1月26日(日)には「表現の市場」をやります。  障がいのある人たちといっしょに生きていくと何が生まれるのかを表現する市場です。「共に生きる社会」「共生社会」を作ろう、とあちこちで言われるのですが、それが何を作り出すのか、ほとんど見えません。「表現の市場」は、それを目に見える形で具体的に表現します。  「いっしょに生きていった方がいいね」と、一目で思える舞台です。いっしょに生きる社会が見える舞台です。  事件を超える社会を表現する舞台です。ぜひ見に来てください。 ★この「表現の市場」を実現するために、100万円を超える資金が不足しています。ぜひご協力下さい。 www.pukapuka.or.jp
  • 生きることは表現であり、もっと自由に楽しんで踊ればいい
     5回目の「表現の市場」。5年前の1回目の時は、会場の半分もお客さんは入らなくて、とても寂しい思いをした覚えがあります。それが今回はほぼ満席。ぷかぷかの舞台の時間は、後ろの方は立ち見だったそうです。すごい盛況でした。それだけぷかぷかのメッセージがあちこちに届き、人々が会場に足を運んだのだと思います。何よりもこの5年間で、ぷかぷかのファンの方が格段に増えました。  「表現の市場」は「障がいのある人たちとは、いっしょに生きていった方がトク!」をダイナミックな形で表現した舞台でした。人を揺り動かすほどのチカラあるメッセージを舞台で表現できたと思います。  相模原障がい者殺傷事件に対して、「共生社会を作ろう」とか「ともに生きる社会を作ろう」といった言葉で啓蒙活動をいくらやっても、事件を起こした社会は何も変わりません。まして事件を超える社会は、啓蒙活動といったレベルではできません。やはり彼らといっしょに生きると何ができるかを具体的に創り出すこと、そのことこそが、事件を超える社会を作っていくのだと思います。  そういうぷかぷかの「表現に市場」に対し、  「おーし、ならばうちはもっとおもしろいものを創り出そう」 と福祉に関わる人たちが、お互い張り合って、それぞれのところで「表現の市場」をやれば、社会はもっともっとおもしろくなります。そういう元気さが、福祉の業界にあれば、社会は確実に変わります。  今回のぷかぷかの芝居は、本当にまとまるのか、と最後の最後までハラハラしました。前日の舞台稽古も、3時間近く舞台で、あーだこーだとやっていました。  それが本番当日午前中、ようやくまとまってきて、そして本番は嘘みたいにバチッと決まったのでした。  感想を見るとみなさん絶賛していて、ちょっとびっくりでした。今年もやっぱり魔法がかかったのだと思います。  「なんでもいいから一番になれ」の世界(蜘蛛やナメクジや狸の世界)をどうやって超えるかでずいぶんと格闘しました。ぷかぷかさんとやっていれば、きっと手がかりが見つかる、と思っていました。  印象的だったのが、 「大金持ちになって一番になる方法を考えよう」 という問題を出したとき、 「なに、それ」 って感じで誰も興味を示さなかったことがありました。ぷかぷかさんたちと私たちの幸せの基準が全くちがうのだと、このときしみじみ思いました。大金持ちになる話ならみんな乗ってくるだろうと考えた私の発想の貧しさを思い知らされました。  「なんでもいいから一番になれ」の世界をどうやって超えるか、なんてムキになって考えなくても、もう彼らはそのままで、その世界を超えていると思いました。だからこそ、残酷なシーンもある原作に沿った芝居をやりながらも、原作を超えるようなほのぼのとしたメッセージが伝えられたのだと思います。  見た人の感想に 《 心優しいぷかぷかさんと息子のおかげで、蜘蛛やナメクジや狸の世界に自分がいたことに気づきました。》 というのがありましたが、そういう気づきに優しく導いたぷかぷかさんたちに拍手!拍手!です。 《 生きる(自由、笑顔、一生懸命)豊かさを感じさせていただきました 》  という感想がありましたが、ぷかぷかさんが伝えたメッセージの奥深さを思いました。    ♪   それはかたくりの花の咲くころで、      たくさんの眼のあおいハチの仲間が、      日光のなかをぶんぶんぶんぶん飛び交ひながら、      花から蜜をもらったり      お礼にきんいろをした円い花粉を      ほかの花のところへ はこんでやったり、      もういそがしくにぎやかな 春の入口でした。  まさにぷかぷかさんの生き方です。 みなさんから寄せられた感想     ・音楽も絵画も演出もすばらしく、絵本を読んだようでした。体も心も満たされた不思議な感じをありがとうございます。 ・昨日のステージを見て思ったのは、生きる楽しさに溢れた表現に、見ている私もほっこりと笑顔になりました。上手くやろうとか、キチンとやろうとかに囚われない、生きることは表現であり、もっと自由で楽しんで踊ればいいんだよと思わせてくれました。ぷかぷかさん達のパワーを感じました。 ・すばらしい演奏、表現、笑いあり、感動あり、なんだか…なんでしょう…充実した気持ち、あたたかい心、たくさんの力をいただきました。本当に来てよかった。私も職場でもっと楽しく努めていいます。 ・長野から来てよかったです。みんながとてもリラックスして楽しんでいました。まさに表現の市場「なんでもOK」とっても豊かな気持ちとやる気をもらいました。自分の学校、クラスの生徒ともやってみます。 ・今回で映像も入れれば4回目!楽しみにしていました。あらじんの太鼓、先生が欠席のピンチをみんなで乗り切り、みなさんのお顔に表現者の自信が見えました。見なせたさんの車いす、あれほどカスタマイズできるなんてびっくり!楽しく過ごされているハッピー感が伝わってきました。大地君と江原さんのコラボ演奏もとってもよかったです。特に「まっすぐ」が好きです。はっぱオールスターズはおもしろいのに幸せな気持ちになる貴重なグループですね。新曲、よかったです。ぷかぷかさんのみんなでアークショップは毎回とてもおもしろい!そして心の奥で一つ問いかけられたメッセージをプレゼントされます。ゆっくりゆっくりとその方絵を自分なりに見つけようと思います。とっても楽しい時間でした。ありがとうございました。 ・お題の字がすばらしい。味のあるオンリーワンのあたたかい字。 ・生きる(自由、笑顔、一生懸命)豊かさを感じさせていただきました。同時に無限の広がりを見せていただきました。自信みなぎる姿を見せていただき、不自由なく生きている自分に恥ずかしさを覚えました。 ・大ちゃんと江原さんの息の合った演奏が素敵でした。 ・ぷかぷかさんの劇は、時々台詞とちがう言葉が出たりがおかしくて、歌や演奏もすばらしかったです。 ・圧倒されるパフォーマンス、流れるようなMC、引き込まれる演奏、演技!素敵な時間を過ごして、たくさんの勇気とパワーをもらいました。今まで以上にぷかぷかを応援していきたいと思います。ありがとう! ・度肝を抜かれました。 ・最高でした!! ・物販が広く、ぷかぷかに遊びに来れたような空間でした。 ・心が軽くなる素敵な時間でした。 ・相鉄ユーザーなので、はっぱオールスターズの相鉄の歌はとても身近で楽しかったです。 ・楽器も衣装もかわいくて、きれいで、大人数でも一人一人生き生きとして舞台に立っているのが素敵でした。 ・中学生の息子がはっぱオールスターズのファンで楽しみに来ました。新曲に大喜びでした。安定のあらじんの演奏、今回もすばらしかったです。ぷかぷかさんの劇、ぐっと心に刺さりました。心優しいぷかぷかさんと息子のおかげで、蜘蛛やナメクジや狸の世界に自分がいたことに気づきました。今は毎日が幸せです。 ・型にはまらないぷかぷかさんたちの表現がとても素敵で、ずっと引き込まれてしまいました。あらじん、みなせた、大ちゃんと江原さん、はっぱオールスターズ、みなさんとても素敵で、たくさんの元気をもらいました。素敵な時間をありがとうございました。  今回舞台を作るに当たり、たくさんの方に協力をいただきました。進行役では演劇デザインギルドの花崎攝さん、倉田春香さん、ピアニストの吉村安見さん、デフパペットシアターひとみのみなさん、舞台監督の成沢富雄さん、こんにゃく座ピアニストの湯田亜希さん、チェリストの江原望さん、みどりアートパーク館長藤井ゆずるさん、オペラシアターこんにゃく座さんからはたくさんの歌を歌わせていただきました。  本当にありがとうございました。
  • 「守る」のではなく、積極的な「攻め」
     第4回表現の市場をやりました。チラシの裏には相模原障害者殺傷事件への思いを書きました。事件は障がいのある人たちの全面的な否定でした。それに対して表現の市場は障がいのある人たちの全面的な肯定を舞台で表現するものです。  栃木県で農業をやっている上野さん(ぷかぷかのライ麦パン、お昼ごはんのいろいろ米は上野さんの作品です)はそのチラシの裏を読んで、これは行かねば、と思ってきたそうです。お話を聞くと、事件のあと、みんな障害者を「守る 」と言っているけど、結局は「囲い込む」わけで、彼らを「生かす」なんてことは全く考えていない。それを考えると、表現の市場でやっていることは彼らを全面的に生かすというか、積極的な「攻め」ですよね。それがいいと思ってきました、とおっしゃってました。  うれしいですね。そんなふうに表現の市場を語ってくれた人は初めてです。  積極的な「攻め」という風に見ると、あの舞台の元気さの意味がよくわかります。   アラジンはいつものように迫力ある太鼓演奏。  ぷかぷかで働いているダイちゃんもいつになく元気!演奏会の終わったあとのこのほてった顔。いい人生生きているんだなと思います。こんな顔見ると、障害者云々の蔑んだ目線は恥ずかしいです。  はっぱオールスターズも、アラジンと並んで元気そのもの。アラジンのメンバーよりも年上で、みんな社会人です。仕事やりながらこんなことをする時間を大切にしている人たちです。「10年後、20年後もがんばります」って言ってましたが、40代、50代になっても舞台に立ち続けて欲しいなと思います。  ロビーコンサートをやった「ラブ・エロ・ピース」は「死んでない 殺すな」という歌を歌っていました。祐二さん、エネルギーのかたまりですね。おっちゃんがエネルギッシュに歌う姿は、みんなを元気にします。  そしてぷかぷかの芝居は広場に一本の柱を立てるところからはじまりました。  オペラシアターこんにゃく座の「世界は劇場」というCDに入っていた「あの広場のうた」は、聞きながら、「え〜っ、これって、ぷかぷかのことじゃん」って思ったのです。    ♪ 歌が生まれ 人は踊り出し     物語がはじまる  あの広場がここに  人が集まり、元気になる広場。たくさんの物語がはじまった広場。歌は「ぷかぷか」が街にあることの意味を、更にふくらませたように思います。 人は踊り出し… あの広場が、今、ここに! 注文の多い料理店・序  手話による表現 これはお肌のための野菜パック? 西洋料理店というのは、来た人を西洋料理にして食べる店… 親方がもうナフキンをかけて、舌なめずりして待っています 星めぐりの歌 見た人の感想 ・あのみなさんの「そろわなさ」「バラバラさ」がよかったです。 そろってないけど、楽しそうで、笑えて、練習したんだろうなと思えて、そろってなくてもいいよね、むしろそろってないパワーがいいよね、と素直に思いました。 ・「ぷかぷかしんぶん」を読み、なんておもしろく、自由なんだろうと思い、「表現の市場」を見たい思いで本日来ました。様々な方の協力で作られている舞台、地域の方もいっしょに参加しているのに驚きました。私もぷかぷかさんと過ごす時間が作れたらいいなと思いました。いつかパン屋さんにも伺いたいと思います。 ・今、障がい者と健常者の狭間でぷかぷかしている自分。この世界はきっと変わっていくだろうなぁと思いつつ、どう生きればよいのかなぁと悩む日々。生きるヒントが少しだけ伝わってきました。 ・表現の豊かさを感じられます。とかく自分の表現が少なくなり、まわりと同じことを強いられる中、自らのこと表現する大切さを学ばされます。 ・いっしょに歌いたくなりました。ポジティブな気持ちが歌や音や言葉に表現されていて、とても楽しめました ・日常生活で私が考えていることがちっぽけに感じました。本当に心のリセットができました。 ・心があたたかくなりました。 ・夢のような時間をありがとうございました。 ・とても豊かな時間でした。 ・ステキな時間、ありがとうございました。今更ですが「表現の市場」というネーミングはぴったりだなと思いました。 ・みなさんの熱い気持ちが伝わってきました。また、元気をもらいました。 ・心がときほぐされていきました。 ・みなさんがすごく楽しそうで、輝いていて、見ていて幸せになれました。
  • いっしょに作った舞台、いっしょに生きた舞台
     1月29日(日)第3回表現の市場をやりました。いつもなら次の日くらいにブログをアップするのですが、今回はさすがに疲れがたまって、ブログを書く気力がありませんでした。相模原障害者殺傷事件があって、いつも以上に気が張っていた気がします。  和太鼓のアラジンはいつものように力強い太鼓の演奏で、会場を圧倒しました。彼らの演奏を前にすると、彼らのことを「障害者」と呼ぶことはもうできない気がします。そういう相手を見下す言葉を、思いっきり跳ね返す演奏だったように思います。 「はっぱ隊」あらため「はっぱオールスターズ」も、相変わらず元気で、小学生の女の子は三代目J Soul brothersが舞台に出てきたと思った、とお母さんがおっしゃってました。それくらいかっこいい舞台でした。養護学校の卒業生たちが仕事をしながらこうやって舞台に立ち続けていること、自分を表現し続けることがすばらしいと思います。俺たちこうやって元気に生きてるぜ!って、舞台で叫んでいました。私たちの方が彼らに励まされている気がしました。  日本フィルハーモニーのチェロ奏者江原さんとぷかぷかのダイちゃんとのコラボ。相模原障害者殺傷事件で犠牲になった人たちへ捧げる「レクイエム」の演奏は、しみじみ心にしみました。みどりアートパークの館長さんは「涙がこぼれました」とおっしゃっていました。犠牲者のことを思い、涙を流す感覚をいつまでも忘れないでいたいと思います。その感覚がある限り、社会にはまだ希望があります。  その希望に向かって歩くために「上を向いて歩こう」の演奏がありました。中華鍋をたたいたダイちゃんの演奏が素敵でした。  ダイちゃんの演奏のセンスをいち早く見抜き、自らコラボを買って出た江原さん。 2月26日(日)杉並公会堂で行われる日本フィルハーモニーのイベントでダイちゃんといっしょに舞台に立ちます。 http://pukapuka-pan.hatenablog.com/entry/2017/01/22/164744  デフパペットシアターひとみの『蜘蛛の糸』。聴覚障害を持つ善岡さんと榎本さんの表現力が光っていました。こういう人たちがいるからこそ、表現の世界が豊かになるんだとあらためて思いました。  障がいのある人たちは、健常者といわれる人よりも劣っているのではなく、私たちにはない、ちがう能力を持っている人たちなんだと、デフパペの舞台見ながら思いました。そうやって謙虚に彼らとおつきあいすると、そこからとても豊かなものが出てきます。ぷかぷかのワークショップは、そういった思いでデフパペの人たちといっしょにやっています。デフパペの人たちも、同じような思いでぷかぷかさんたちとつきあっています。   そして『セロ弾きのゴーシュ ぷかぷか版』。今年はなんといってもひょんなことから私自身が舞台に立ってしまったことが、いろんな意味で大きな出来事でした。楽長に予定していたぷかぷかさんの調子が悪くて直前になって来られなくなったため、とりあえず臨時で楽長をやったのですが、そのまま本番までいってしまいました。  舞台に彼らと一緒に立つって、やっぱりいいですね。本気でゴーシュを怒鳴りつけたら、ゴーシュ役のショーへーさん、本気で怖がっていました。彼の目を見たとき、「ああ、この人本気でゴーシュやってる」って思いました。ふだんぷかぷかでは少しずれた感じで、彼と向き合っているのですが、舞台の上では本気でそれぞれの役を生きていた気がします。そういう関係でぷかぷかさんといっしょに舞台に立てたことがすごくよかったと思っています。  『セロ弾きのゴーシュ』を彼らといっしょに作る、というのは、こういう関係があって初めてできることです。何かをやってあげるとか支援するといった関係では、多分こんな舞台はできません。歌っている彼らの表情を見てください。この表情こそがいっしょに舞台を作る、ということであり、いっしょに舞台を生きる、ということです。   舞台の背景画、すばらしかったですね。 舞台の袖で、出番を待つこの真剣な顔  ファッションモデルのお姉さんたち、大活躍でした。 そして六日目の晩の演奏会。ぷかぷかさんたちも地域の方たちも、この真剣な表情。ツジさんがこんな表情をすることはふだんありません。 フィナーレ!  私たちは、どこまでも彼らと一緒に生きていくことを選択します。そんな思いがあふれた舞台だった気がします。    障がいのある人たちといっしょに生きていくことで、相模原障害者殺傷事件を超える社会を作っていきます。  
  • 彼らの表現を謙虚に受け止めたとき、社会はもっと豊かに
     「第二回表現の市場」をやりました。出演したのは ①和太鼓グループ「あらじん」、②ボーカルグループ「分教室はっぱ隊」、③ダンスパフォーマンス「STEP IN THE LIFE&瀬谷福祉ホーム」、④演劇グループ「楽しい自由なえんげきチーム」、⑤聾者と聴者の人形劇「デフパペットシアターひとみ」、⑥ぷかぷかのメンバーさんと地域の人たちのワークショップグループ「みんなでワークショップ」の6団体。   みなさん、本当に元気でしたね。「表現」というものは、人から元気を引っ張り出すんだとあらためて思いました。そして何よりもみなさん、本当に自由でした。自由に自分を表現するところ、表現できるところがすばらしいと思いました。  彼らの表現を前にすると、障がいがあるとかないとかで人を分けてしまうことに、意味があるんだろうかと思ってしまいます。なんてつまらないことをやっているんだろうと思います。でも、そのつまらないことで社会の仕組みができ、その中で障がいのある人たちは、社会的生きにくさを強いられたりしています。だとすれば、これは健常者だと言われている私たちの側の責任になります。私たちの側の人を見る目の貧しさです。  彼らの表現は、人を見るとき、何が大事かをストレートに語っています。そのメッセージを謙虚に受け止めたとき、社会はもっともっと豊かなものになるように思うのです。 和太鼓グループ「あらじん」 ボーカルグループ「分教室はっぱ隊」 ダンスパフォーマンス「STEP IN THE LIFE&瀬谷福祉ホーム」 演劇グループ「楽しい自由なえんげきチーム」 聾者と聴者の人形劇「デフパペットシアターひとみ」 ★この舞台に立つはずだったまーさん、直前にノロウィルスにかかり、舞台に立てませんでした。左端が、まーさんのあこがれの役者マッキー。二人で舞台に立つはずだったのに、なんとも残念です。 ぷかぷかのメンバーさんと地域の人たちのワークショップグループ「みんなでワークショップ」
  • 今日よりもいい明日を創り出す舞台
     11月24日(月)、『表現の市場』がありました。企画段階では、障がいのある人たちの表現に出会うことで、また新しい関係が広がっていくといいな、ぐらいしか考えていませんでした。ところが実際に市場が開くと、表現の持つすさまじいパワーにぶちのめされたというか、圧倒され、もう涙すら出てくる始末でした。表現というものの持つパワーを見くびっていた気すらします。  ぷかぷかで働いているダイチさんが舞台で和太鼓をたたきました。会場のみんなを圧倒する雰囲気で太鼓をたたきました。  ダイチさんは、朝出勤するなり、今日は腰が痛いの、具合が悪いのと、ごろっと横になり、仕事場に行くまで1時間はかかっていました。毎日にそんなことをやっていたので、ダイチさんはそんな人だとみんな思っていました。  ところが昨日、舞台で太鼓をたたくダイチさんはまるで別人でした。え〜!ダイチさんてこんな人だったの?とぷかぷかのスタッフはみんなびっくりでした。  「表現」というものがこんなにも人の持つ力を引き出すのかと、本当に驚きました。このかっこいい姿、見てやってください。  「分教室はっぱ隊」の舞台は、彼らの持つ生きるエネルギーがワンワンと渦巻いていました。養護学校を卒業したあと、社会の中で辛いことやいやなことは、普通の社会人以上にあったことは容易に想像できます。でも、不平不満は一言も口にせず、「俺たちは元気だぜ!」って、ひたすら元気に歌い、踊っていました。障がいのある人にとっては、ほんとうに生きづらい社会の中で、それでもけなげに生きる彼らの生きる姿勢のようなものが伝わってきて、なんだか涙がこぼれてしまいました。  残念だったのは、彼らが卒業した学校の教員が一人も来ていなかったことです。集まったお客さんたちを感動させた彼らのパワーをしっかり見て欲しかったと思います。彼らのあのパワーこそが世の中を変えていくんだと思います。「支援」されているのは、むしろ私たちの方であることを、この「表現の市場」の舞台はしっかり教えてくれたように思います。  STEP IN THE LIFEのダンスもすばらしかったですね。会場のみんなを巻き込んだこのパワー。  彼らのこのパワーはどこから出てくるんでしょう。 みんなが一つになれたこの舞台の熱気こそが、今日よりもいい明日を創るんだと思います。
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