ぷかぷか日記

アンタがいないと困る、という関係

 来年春から予定しているワークショップの会場として「みどりアートパーク」を見学しました。昨年10月にできたばかりのぴかぴかの建物で、300人入るホール、アート作品を展示するギャラリー、リハーサル室、練習室など、すばらしい設備にびっくり。

 難点は希望者が多いので、使えるかどうかは抽選になるということ。1年間通して予約しようと思っていたので、困ったなと思いましたが、とにかくエントリーしないと前へ進まないので、申し込むことにしました。

 ワークショップは、昔、竹内敏晴さんの「からだのレッスン」を受け、ワークショップの場では自分のからだと心がびっくりするくらい自由になることを体験しました。養護学校の子どもたちとワークショップをいっしょにやれば、日常よりももっと素敵な出会いがあるのではないかと思いました。

 劇団の68/71黒色テントの役者さんたちに来てもらい、養護学校の生徒たち、地域の人たちが一緒になって演劇ワークショップをやりました。役者顔負けの存在感、発想の違いに、ワークショップはほんとうにエキサイトしました。始めた当初は「彼らのために」という思いがあったのですが、何回かやっていく中で、支えられているのは私たちの方だということがだんだん見えてきました。

 どちらかといえば社会から排除されることの多い彼らと、「アンタがいないと困る」といった関係がワークショップの中で自然に生まれたのです。これは画期的なことでした。よくある「障害者と共に生きよう」といった上滑りする感じではなく、泥臭く、「アンタがいないと困る。」「一緒にいて欲しい」「一緒に芝居やりたい」と切に思う関係です。

 ぬいぐるみを作り、それを元にお話を起こしていくようなワークショップをやったことがあります。たいていは熊のぬいぐるみとかいった丸っこいものを作るのですが、養護学校の生徒で「海のぬいぐるみ」を作った方がいました。これには完璧に負けたと思いました。勝った負けたの話ではないのですが、それでも発想の豊かさ、という点ではほんとうに負けたと思いました。そういう思ってもみないことが、ポロと出てくるところが、彼らといっしょにやるワークショップのおもしろさです。

 そんな彼らとのワークショップは、普通(?)の人たちだけでやるワークショップよりも何倍もおもしろいものを生みだしたように思います。(詳しくは『街角のパフォーマンス』をご覧下さい。)

 来年春から予定しているワークショップは、ぷかぷかが地域で作ってきた関係を更に豊かなものにすると思います。彼らといっしょだからこそ生み出せる「文化」をみんなで共有したいと思っています。どんなものが飛び出すか、今からわくわくしています。

 

 

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