ぷかぷか日記

お米やミソを玄関に並べて

 『笠地蔵』というお話があります。貧乏ですが、心優しいおじいさんとおばあさんがいました。大晦日の日、お正月の餅を買おうと笠を作って町まで売りに行きます。途中、雪をかぶったお地蔵様を見つけ、そのまま通り過ぎることができずに、「お地蔵様、雪をかぶって寒かろう。せめてこの笠をかぶってくだされ」と、おじいさんは売り物にするはずだった笠をお地蔵さんにかぶせてやります。その夜、不思議な歌声が聞こえてきます。♪おじいさんの家はどこだ 笠のお礼を届けに来たぞ♪ おじいさんが戸を開けてみると、笠をかぶったお地蔵様の後ろ姿が見え、家の前にはお正月のお餅やごちそうが山のように積んでありました。というお話です。

 先日、そのお話が大好きという青年が面接に来ました。大晦日の夜、青年はお地蔵さんがうちにも来ると思い、夜遅くお地蔵さんもおなかがすくだろうと、玄関にお米やお味噌、しょうゆを並べてお地蔵さんが来るのをずっと待っていた、とおかあさんがお話しされていました。なんて優しい青年なんだろうと思いました。

 31歳ですが、抱きしめたいくらいかわいいと思いました。『笠地蔵』のお話を読んで、そんなふうに思う人なんて、まずいません。すばらしい想像力です。

  こういう人と演劇ワークショップやったら、とんでもなくおもしろい話ができあがるのではないかと思いました。

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