ぷかぷか日記

涙の出るくらいつらい仕事

 ムーさんの面談がありました。ムーさんは2年前、ほかの事業所から移ってきました。そこではマスクの検品などをする事業所で、たくさんの量をこなすので、その分、ぷかぷかの倍くらいの給料をもらっていたそうです。仕事環境は厳しく、仕事中のおしゃべりはもちろん、よそ見も禁止だったそうです。養護学校を卒業する頃は、就労を目指し、仕事に厳しいその事業所を選んだそうです。

 同じことを繰り返す仕事は、知的障害の方に向いているとよくいわれますが、ムーさんにとっては、単純作業の上に、おしゃべりも、よそ見も禁止という環境のなかで、涙の出るくらいつらい仕事だったそうです。よそ見をすると注意されたそうで、監視されるような雰囲気だったのかなぁと思いました。そのつらさを誰にもいえず、本当につらい日々だったようです。

 ムーさんはぷかぷかで実習をやった初日に

「あの〜、ここは仕事中におしゃべりしていいんですか?」

と、小声で私に聞いてきました。私は特に気にもしていなかったので

「ああ、どうぞ、お好きなように」

と答えました。以来ムーさんは楽しそうにおしゃべりしながらカフェの仕事をしているのですが、おしゃべりすることで仕事が止まったとか、効率が落ちたという話は聞きません。よそ見も目一杯やっていますが、それが問題になったことは一度もありません。

 ぷかぷかでは毎日帰りの会で

「今日はいい一日でしたか?」

と聞きます。ムーさんは時々

「自分の作ったスープが、お客さんにおいしいっていわれて、すごくうれしかったです。それがいい一日でした」

と、時々うれしそうに話します。

 給料は前にいたところに比べると半分くらいになったようですが、でも、仕事はすごく楽しい、っていいます。仕事は楽しいことが一番だと思います。涙の出るくらいつらい仕事は、かけがいのない一日を無駄につぶしてしまいます。せっかくの一日がもったいないです。

 「今日はいい一日だったね」ってお互い言い合えるような一日をみんなで作っていきたいと思っています。

 

 

 

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