ぷかぷか日記

気力、体力、集中力の年賀状

 ぷかぷかをはじめる前、40歳くらいならともかく、60歳で新しく事業を起こすのはむつかしいのではないか、と忠告してくれた先輩がいます。気力、体力、集中力が追いつかないのではないかと心配してくれたのです。

 それでもなんとか事業を起こし、ここまでくることができました。でも先輩の忠告はずっと気になっていました。

 暮れになって、いつもなら年賀状の木版画を彫り始めるのですが、今年はなんとなく彫る気がしなくて、今年はもうだめかと思いつつ、大晦日の夜になって、なんとか版木だけは買いに行きました。知り合いの文房具屋の主人は「え?今から彫るんですか?」とびっくりしていましたが、「ええ、なんとか」とその時は返事したものの、家に帰ってもまだ彫る気が起こりません。版画を彫るには気力、体力、集中力が必要です。その版画を彫る気がしないのは、やはり先輩の忠告したことが現実に起き始めたのかも知れないと、ちょっとがっかりしながら布団に入りました。

 翌朝、年賀状が届いていて、もう今年は手書きで返事を書くしかないな、と思いつつ、手で書くのもなぁ、と彫刻刀を持って彫り始めたのですが、いつになく刃が重くて、切れが悪いのです。砥石で何度か研ぎましたが、あまり変わりません。力が入らなくなった感じで、今年はやっぱりだめか、と思いつつ、それでも少しずつ彫り始めるとだんだん乗ってきて、夢中になって彫ること半日。なんとか簡単な年賀状を彫り上げました。絵はともかく、文字はまだまだ元気がある感じで、ホッとしました。なんとか今年もがんばれそうです。よろしくお願いいたします。年賀状は気力、体力、集中力の、いいバロメーターになりますね。

 つい先ほど刷り上げたばかりです。刷るのも気力、体力、集中力が必要で、つくづく疲れます。昔は年賀状に子どもの写真を印刷するのがなんとなくいやで、いつも家族5人分の顔と名前、メッセージ、干支の絵を版画で彫っていました。もうはがき一面びっしりと彫っていました。彫るだけで三日くらい、それを刷るのにまた三日くらいかかって、若かったですね。

 

 昔北インドのラダックの山奥を旅したとき、山間の小さな村にこんなよくわからない羊がいたような…

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