ぷかぷか日記

職人だけの世界を生きてきた人に

 ぷかぷかで働くようになって6ヶ月目のパン職人の方と話をする機会がありました。給料は安いし、パンを作りながら利用者さんの面倒も見なければならないので、このまま続くのかなぁ、と、ちょっと心配していました。

 ところが返ってきた言葉は

「なんか、豊かになった気がします」「人間の幅が広がった気がします」「もうパン職人だけの世界には帰れません」

 

 ぷかぷかに来る前は普通のパン屋で働いていたので、障がいのある人たちとのおつきあいは全くありませんでした。利益の追求ばかり求められる仕事に疲れ、半年ほど前、ぷかぷかにやってきました。

 社会貢献したい、という思いもあったようですが、それでも利用者さんとの慣れないおつきあいは、それなりにしんどい部分もあったのではないかと思います。8月に利用者さんたちといっしょに一泊旅行にいったときは、

「こんな旅行ははじめて」

と、驚いたようでした。

 それでも毎日毎日一緒に仕事をする中で、だんだん彼らの魅力に気がついたようでした。魅力に気がついただけでなく、そのことで自分が変わったことに気がついたことがすごいなと思いました。

 職人だけの世界を生きてきた人に「豊かになった気がする」とか「幅が広がった気がする」と言わせた利用者さんたちって、やっぱりすごい力を持っているんだと思いました。

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