ぷかぷか日記

神さまのような人

  ぷかぷか春のマルシェの日、セノーさんのお父さんが迎えに来ました。帰りの会が終わっても セノーさんはなかなか「わんど」から出てきません。出てこれない、と言った方がいいかも知れません。何するにしても、なかなか前に進まないのです。私なんかはいつも、どこそこに行くから早くしてよ、なんて言ってしまうのですが、お父さんは黙って「わんど」の外で,いつ出てくるともわからないセノーさんをじっと待っていました。

 このところだんだん時間がかかるようになって、医者は過去のことがフィードバックして動作が止まるとか言ってましたが、それに効く薬があるわけでもないので、こうやって待っているんです、とおっしゃってました。

 にしても、日々の暮らしの中で、セノーさんが動き始めるのを黙ってずっと待っているって、すごいなぁと思ってしまいます。

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 階段を上りはじめるのも、ものすごく時間がかかりましたが、お父さんはせかす言葉をひとこともいわず、ああだ、こうだというセノーさんの言葉にずっとつきあっていました。

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 セノーさんは一日に何度も小さなパニックを起こし、そのたびにお父さんに電話します。電話することで自分を落ち着かせようとしているんです、とお母さんはおっしゃっていましたが、電話される側は大変だろうなと思います。仕事中に、一日に何回も電話がかかってきて、「今、仕事中!」とかで電話を切ってしまうのではなく、お父さんはセノーさんが納得するまで話につきあっています。

 毎週のように映画につきあっているようで、昨日はディズニーの新作アニメを一緒に見に行ったようでした。

 一日一日おだやかに過ごしてくれるように、と、そんな思いがあふれているようです。医者に頼るわけでもなく、すべて自分で引き受け、それでいてグチひとついうわけでもなく、黙ってセノーさんを待ち続け、毎日毎日繰り返される同じ会話に、根気よく、楽しそうにつきあっているお父さんは、本当に神さまのような人だなと思います。

 「いつもご迷惑おかけしてすみません」

 「とんでもないですよ、ぷかぷかはセノーさんに毎日癒やされているんですよ。迷惑どころか、セノーさんには本当に感謝してるんですよ」

 「そんなふうに言っていただけて、ほんとうにうれしいです」

 ぷかぷかは毎日セノーさんと楽しくおつきあいしているだけですが、お父さんのお手伝いもすこーしできているのかなぁ、と思いました。ぷかぷかに来ている昼間だけでも、ちょっと気が休まる時間を過ごして欲しいと思います。

 

 そうそう、帰りの会をちょっとのぞいたお父さん、

「先輩後輩もなく、上下関係もなく、みんながフェアな関係であーだこーだ言っているいるところがぷかぷからしくていいですね」

なんてうれしいこと言ってくれました。ふだん全く意識せずにやっていることですが、外部の人にはそんなふうに見えるんだと思いました。

 

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