ぷかぷか日記

あなたがいて幸せ

 映画『梅切らぬバカ』を見てきました。映画の話は以前から知っていたのですが、たまたま朝日新聞デジタル版に加賀まりこさんの話が載っていました。

digital.asahi.com

 その加賀まりこさんが映画の中心にいるちゅうさんのお母さん役で登場します。

《今回は、ちゅうさんを好きになってほしい、という思いだけで現場にいました。魂を込めて。50歳を迎える自閉症の息子が自分が逝った後もつつがなく暮らせるように、「ちゅうさん元気?」と気にかけてくれる隣近所を作ることだけを願っていました。それしかできないから。そこが伝わってほしい。》

 とあって、これは行かねば、と思い、翌日、さっそく映画見てきました。

 

 障がいのある人が地域で暮らしているとどういうことが起こるのか。すぐ隣の家の人や、グループホームの周辺に住んでいる人たちとの間に生まれる様々な軋轢。それをリアルにわかりやすく見せてくれます。

 社会の悲しい現実。でも、「それはおかしい」と声高に叫ぶのではなく、どこまでも日々の暮らしの中で起こることを通して、地域社会がゆっくり変わっていくことを映画は見せてくれます。

 険悪な隣人との関係も、気がつくと一緒に食事をする仲になっていたりします。このあたり、ストーリー展開が実にうまい。自閉症の忠さんとそのお母さんの誠実な生き方が地域社会を少しずつ変えていきます。

 忠さんを抱きしめながら「あなたがいて幸せ」というお母さんの言葉がすごくいい。お母さん役をやった加賀まりこさんの実生活から生まれた、と記事にありました。 

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     障がいのある人といっしょに生きていく上で

 「あなたがいて幸せ」

と思える関係は、まわりの社会をも豊かにします。

 そんなお母さんの思いが、隣の家の子どもに伝わり、事件をきっかけに家族に伝わり、険悪だった関係が、一緒に食事をするまでになります。みんなが幸せになります。

 お父さんの変わりようがすごいですね。お父さんの人生、これからどんな風に変わっていくんだろうと楽しみになります。

 この幸せ感の共有こそが、いっしょに生きる社会を作っていきます。グループホームに反対している人たちが共有するのも時間の問題だと思います。

 ちゅうさんとそのお母さんが日々幸せを感じながら梅の木のある家で暮らし続けること。それがまわりの社会を少しずつ変えていきます。

 

 

 ぷかぷかはタカサキが養護学校の教員をやっている時に、障がいのある子どもたちに惚れ込み、彼らのそばにいるとなんとも心が安らぎ、幸せを感じたことがそもそもの始まり。惚れ込んだ彼らといっしょに生きていきたいと、ぷかぷかを立ち上げました。「彼らとはいっしょに生きていった方がいいよ」「その方がトク!」というメッセージを様々な形でしつこく発信し続けました。

 たくさんの素敵な出会いがあり、彼らのまわりに「あなたがいて幸せ」と思う人がたくさん生まれました。ぷかぷかのまわりの社会がまぁるく、そして柔らかくなった気がしています。

 

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