ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • 美帆ちゃんのこと忘れないよ
     先日ある新聞社の記者から、その後やまゆり園事件について何かやってますか?という質問が来ました。特にやっていません、と回答しました。以前は事件を考えるためのイベントを色々やっていましたが、イベントをやっても社会が変わるわけでもなく、最近は何もやっていません。  イベントはやっていませんが、「障がいのある人たちといっしょに生きていく」ということを、就労支援事業所、生活介護事業所を運営するという形でやっています。  「障害者はいない方がいい」という事件のメッセージに対する私たちの応えです。 www.pukapuka.or.jp  障がいのある人達と日々一緒に過ごすことを楽しい、と思えること。そう思う人が増えること、それが日々の暮らしの中で自然にできること、それが事件を超えることだと思います。  ぷかぷかのメンバーさんの中に、事件で犠牲になった美帆ちゃんの誕生日に、毎年のように誕生日カードを描く人がいます。丁寧に丁寧にカードを描きます。できあがったカードは私の方で美帆ちゃんのお母さんに送るようにしています。 美帆ちゃんは唐揚げが好きでした。なので、美帆ちゃんの誕生日には給食が唐揚げになったりします。  こういうことが事件を忘れない、ということだと思います。コムツカシイ話をするイベントではなく、給食の唐揚げ食べながら、「そういえば美帆ちゃん、唐揚げが好きだったんだよね」って思い出したりする方が、長く続けられる気がします。    障がいのある人達と楽しい毎日を過ごすこと、それがあの忌まわしい事件を超えることです。「支援」という上から目線ではなく、どこまでもフラットな関係でおつきあいすること。そこがすごく大事だと思います。        
  • おつきあいしないとソン!
     10年ほど前だったか、東北は花巻にお住まいの方が、スーパーの駐車場でうろうろしていた息子が不審者として通報され、警察に保護されました。何もしゃべらないので、警察も困ってしまい、本人の持ち物から家の方に連絡が入り、先ほど迎えに行ってきました。本人は何もしていないのに不審者扱いされ、警察に通報されたりしたことがとても悲しいです、と本人の写真入りでFacebookに投稿がありました。  私はその写真を見て、「いやぁ、いい男だなぁ」と「一目惚れ」。すぐにお母さんに連絡を取りました。「お母さん、大丈夫ですよ、私は一目で息子さんに惚れ込みましたよ。息子さん、すごく魅力的です。自信を持って生きていきましょう」と伝えました。息子さんはアンジェルマン症候群で私が養護学校の教員になって最初に出会った子どもがサト君というアンジェルマン症候群の子どもでした。  障がいのある子どものことを何も知らずにいきなり現場に飛び込み、毎日どう対応していいかわからずオロオロしていた私にサト君は 「いや〜、おもしれえ、おもしれえ、がはは、がはは」 と何やっても手を叩きながらゲラゲラ大笑い。こういう反応があると、やっぱりうれしいもので、毎日がとても楽しくなり、障がいのある子どもたちにすっかり惚れ込んでしまいました。そこから予想もしない新しい人生がはじまり、今日に至ります。  そんなこともあって、花巻の不審者に間違えられた青年の写真見て、こんな魅力あふれる青年を警察に通報してしまう社会が悲しくなりました。駐車場でどうしていいかわからず、うろうろしている青年に「どうしたの?」と一声かけてあげればすんだ話です。おつきあいがない、ということは、こういう悲しい現実を生み出してしまいます。  どんな形でもいい、彼らとおつきあいすること、それがお互い気持ちよく暮らせる社会を作っていく出発点だと思います。  この魅力あふれる青年、見て下さい!私はこういう青年、大好きです。おつきあいしないとソン!こういう青年がいてこそ、社会は豊かになります。
  • 持続可能な社会
     「SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて何ができるか」 がテーマで先日岩佐教育文化財団というところからアイデアの募集がありました。  sdgs-iwasazaidan.com  そりゃやっぱり、障がいのある人たちといっしょに生きることだと思います。毎日楽しいし、何よりもどこかゆるっとします。あっちもこっちもがっちり決められた社会は窮屈。息苦しい。こんな社会はみんな疲れてしまって長続きしません。  写真の、こういう人たちこそが社会をゆるっとしたものにして、持続可能な社会にしてくれるのだと思います。あーだこーだややこしいこといわなくても、一緒に楽しい毎日を過ごすだけ。  そりゃもちろん、面倒なことや、大変なこともたくさんあります。言うことがうまく通じないとか、思うように動いてくれないとか、どこかへ行ってしまうとか、大声を出すとか……。でも、それが彼らといっしょに生きるということです。だからおもしろい!と私は思うのです。ま、好みっていえばそれまでですが、それで済ませてしまうのはもったいない。  いろんな規範に縛られた社会は長続きしません。ゆるっとゆるんだ社会こそが長続きするように思うのです。
  • 詩の朗読
    先日仙台でワークショップやったとき、詩の朗読をしました。読んだのは長田弘さんの「ふろふきの食べ方」。 ふろふきの食べ方 自分の手で、自分の 一日をつかむ。 新鮮な一日ををつかむんだ。 スがはいっていない一日だ。 手にもってゆったりと重い いい大根のような一日がいい。 それから、確かな包丁で 一日をざっくりと厚く切るんだ。 日の皮はくるりと剥いて、 面取りをして、そして一日の 見えない部分に隠し刃をする。 火通りをよくしてやるんだ。 そうして、深い鍋に放りこむ。 底に夢を敷いておいて 冷たい水をかぶるくらい差して、 弱火でコトコト煮込んでゆく。 自分の一日をやわらかに 静かに熱く煮込んでゆくんだ。 こころさむい時代だからなあ。 自分の手で、自分の 一日をふろふきにして 熱く香ばしくして食べたいんだ。 熱い器でゆず味噌で ふうふういって。    ひとり一行ずつ読んだ後、「ひとりで全部読みたい人」と呼びかけたところ、ふたりほど前に出てきてくれて読みました。そのひとりが多夢多夢のメンバーしょうちゃんです。企画をした千尋さんのブログ 『演劇ワークショップの最後に「詩を読みたい人いますか?」と高崎さんがたずねたところ、スッと自然に前に出てきてくれた、タムタムメンバーのしょうちゃん。 音楽に合わせて、とても丁寧に詩を読んでくれて、それをみんなでうっとりと聞き入りました。 ずーーっと聞いていたい、豊かな時間でした。』    詩を朗読する、誰かに向かって声を出して詩を読む、ただそれだけのことが   「ずーーっと聞いていたい、豊かな時間」 を生み出したのです。  あの時しょうちゃんの周りにいた人達が「出てみたら」って声をかけたそうですが、声をかけたくらいでは人前で朗読はできません。やっぱりしょうちゃん自身が「読もう」っていう気にならないとこんなことはできません。  そうさせたのは、詩の言葉であり、朗読することで生まれる場のチカラだったのではないかと思います。それがこの奇跡のような時間を生み出した。何よりも障がいのある人たちといっしょにやったからこそ生まれた豊かな時間。  障がいのある人達がいなければ、こんな時間は生まれませんでした。そのことの意味をしっかり考えていきたいと思うのです。 www.youtube.com 仙台でのワークショップ www.pukapuka.or.jp
  • 仙台に行ってきました。
    仙台の多夢多夢という事業所で簡単な演劇ワークショップやってきました。                  多夢多夢さんに話を持ちかけたのは元デフパペットシアターの大里さん。大里さんはとはこんなおつきあいもありました。 www.pukapuka.or.jp    結婚式にぷかぷかで豆本を作って配布したのですが、今も仲間たちはその豆本を大事にしているそうです。 多夢多夢さんではたくさんのパンとクッキー並べて販売してくれました。完売でした。 こんなすばらしい絵を描く方がいます。          こういう絵を見ていると、やっぱりいっしょに生きていった方が社会は豊かになると思いました。  演劇ワークショップはこんな感じでやりました。 参加した人達の感想。 ・映画の中のぷかぷかさんが、ひとりひとり個性が輝いていて、楽しそうだった、その周りにいる人達はもっと楽しそうだったのが印象的でした。ワークショップでは多夢多夢メンバーさんと同じチームになり、私も映画の中の人と同じ気持ちになった。とても楽しかった。 ・私は障害を持つ子どもの親として参加しました。子どもを育てる中で感じる喜びやおもしろさ、楽しさをもっとたくさんの人に知ってもらえたら「障害者はいらない」などという思い違いはなくなるんじゃないかと、積極的に町に出ています。先日も友人が「ちょっと変わった子がいたんだけど、息子さんの先輩かな?と思って…」と話してくれるまでになりました。 ・映画を見てたくさんの気づきがありました。仙台でも障がいのある人とない人が交流できる機会や場所が増えるといいなと思います。 ・障がいのある人が怖いというマイナス感情は、そうコミュニケーションをとったらいいのかわからない、というわからなさから来るのかも。 ・演劇ワークショップの「泣きの階段」をやったとき、大ちゃんがガッツポーズをしたのがよかった。私たちにはそういう発想がないので。 ・映画見て、なんだかあたたかな気持ちになりました。 ・映画の中の女性、ぷかぷかさんたちに自分が耕されている、というお話が素敵でした。 ・映画を見て、笑顔いっぱいのぷかぷかさんたちに会いに行きたくなりました。 ・「支援する側、される側」でない「フラットな関わり」にとても共感しました。 ・自分の心がゆるゆると動き出したと思います。 ・地域との関わり方について色々知ることができた。 ・「いっしょに生きていった方がトク!」という考え方や、活動のすべてが映画から伝わってきた。 ・以前からブログを拝見していましたが、今回のイベントに参加して、書いてある言葉が実感できてよかった。 ・演劇ワークショップは自分たちでアイデアを出し合い、初めて会った人達と創りあげる活動は自然にみんなが笑顔になり、楽しかったです。 ・映画はぷかぷかさんたちと過ごす日々が充実し、いろんな気づきがあり、素敵な毎日なんだろうな、と感じられた。 ・ひとりひとり個性が輝く世の中、みんなが自分らしく生きられる世の中が素敵だなぁと思います。たくさんの学びがあり、充実した時間になりました。楽しかったです。 ●●● みんなでとてもいい時間を過ごすことができました。なんといっても多夢多夢さんたちの存在が大きかったと思います。多夢多夢さんたちの思いもよらないリアクションがたくさんあり、こういったものが私たちの想像を超える新しい社会を作っていくんだろうなと思いました。やっぱり「いっしょに生きていった方がトク!」です。機会があれば、いや、機会を作って。またいっしょに楽しいことやりましょう!
  • 詩(ふろふきの食べ方)のワークショップ
     長田弘さんの詩集『食卓一期一会』に入っている「ふろふきの食べ方」という詩が好きで、この詩を朗読するワークショップを、昔あちこちでやりました。  一番最初にやったのは町田養護学校の教員向けのワークショップ。教員達にもっと自由になって欲しいと思い、詩の朗読ワークショップを企画しました。今ぷかぷかのアートディレクターをやっている金子さんとは、この時のワークショップで知り合いました。  詩を朗読する、というたったそれだけのワークショップですが、なんかふっと自由になれて、ふっといつもと違う世界が見える瞬間がワークショップにはあります。そのことを教員達と共有できたように思います。その経験を元に、あちこちで詩の朗読をするワークショップをやるようになりました。四国で行われた全国ボランティア研究集会でやったときは、ものすごい盛り上がりで、ステージで発表会をするほどでした。  詩を朗読する、というたったそれだけのことが、人の背中を押し、人を大きく前に押し進めるのです。    言葉を声に出して読む。声を出して、言葉にふれる。声を出すと、言葉の感触が、いつもとちがう。 詩を、誰かに向かって読む。誰かに向かって読むことは、誰かに向かって自分の思いを届けること。そのとき、言葉がむくむくと生きはじめる。  言葉が生きはじめる瞬間を、抱きしめるようにからだに記憶しよう。  立って読む。座って読む。歩きながら読む。何かにもたれかかって読む。寝っ転がって読む。  あなたは、誰に向かって読む?  ふろふきの食べ方                           長田弘  自分の手で、自分の  一日をつかむ。  新鮮な一日をつかむんだ。  スが入っていない一日だ。  手に持ってゆったりと重い  いい大根のような一日がいい。  それから、確かな包丁で  一日をざっくりと厚く切るんだ。  日の皮はくるりと剥いて  面取りをして、そして一日の  見えない部分に隠し刃をする。  火通りをよくしてやるんだ。  そうして深い鍋に放りこむ。  底に夢をしいておいて、  冷たい水をかぶるくらい差して、  弱火でコトコト煮込んでゆく。  自分の一日をやわらかに  静かに熱く煮込んでゆくんだ。  こころ寒い時代だからなあ。  自分の手で、自分の  一日をふろふきにして  熱く香ばしくして食べたいんだ。  熱い器でゆず味噌で  ふうふういって。 手に持ってゆったりと重い大根を買ったので、今日はふろふきにしようかなと思っています。自分の一日も一緒に。 機会があればこの詩をみんなで読むようなワークショップをやりましょう。声をかけていただければ、出かけていきますよ。
  • 仙台で相模原事件のことを話題に
     5月10日(土)仙台でのイベントで、相模原事件についてちょっと話題にしてくれないかという提案がありました。ほとんどの人が忘れてしまっている事件です。 www3.nhk.or.jp  大事なことは犯人の特異な性格で起こった事件ではなく、この社会の中で起こった事件であり、社会を形作っている私たち自身に責任はないのだろうか、ということです。    相模原事件はとんでもなく大きな事件であり、様々な角度から事件が語られました。でも抽象的議論で終わるのではなく、自分に今何ができるのかを具体的に考えることが大事だと思います。  事件は悲しくて、くやしくて事件に関するブログを270本も書いています。 www.pukapuka.or.jp 事件は「支援」の現場で起きました。障がいのある人達を「支援」する現場でどうしてこんな事件が起こったのか、「支援」という関係は事件に関係しないのか、といったことをもっともっと考える必要があると思います。  お母さんの話では美帆ちゃんはハンバーグが好きだったそうです。美帆ちゃんの誕生日12月5日にはぷかぷかの給食にハンバーグを出しています。 www.pukapuka.or.jp  そうして何よりも大事なことは障がいのある人達と日々どのようにつきあっていくのか、ということです。何度も書いているとおり、ぷかぷかでは彼らといっしょに生きていく、という関係です。それはどこまでもフラットな関係です。だからいろんな豊かなものが生まれました。演劇ワークショップはその豊かさが目に見えます。 www.pukapuka.or.jp  そして亡くなった美帆ちゃんのことを忘れないことです。       
  • 差別をどう超えていくのか
    今朝の東京新聞。ハンセン病への差別と隔離を象徴する建物の解体の問題を取り上げていました。 www.tokyo-np.co.jp  先日見たオペラシアターこんにゃく座の『あん』というオペラもハンセン病の収容施設で暮らす徳江さんが主人公でした。 www.youtube.com 『あん』を見たのは3回目です。今回主役の歌役者さんが変わっていたので、若干雰囲気が変わっていたのですが、それでもいい作品でした。  ハンセン病への差別が蔓延していた社会の中で当事者の徳江さんはどう生きたのか。徳江さんの作るあんこがおいしくてどら焼き屋は繁盛します。ところが手の曲がった徳江さんを見て「あの人、ハンセン病じゃないか」と噂が広まり、みるみる客足が遠のきます。そして解雇。  そういった社会的な差別構造に異議申し立てるオペラではありません。その差別構造の中でなおも自分の人生を生ききる徳江さんの生き方がじわっと迫ってきます。  施設に閉じ込められながらも、仲間たちにおいしいお菓子を作り続け、「おいしかったよ」「ありがとう」と感謝される人生。幸せだったよ、と歌いあげる相原さん(昔から友達の歌役者さん)の歌に、涙がこぼれました。  昔よりも社会は変わったとは言え、障害者に対する差別構造はまだまだあります。「障害者を支援する」という上から目線は、それを象徴しています。どうしてフラットな目線で見られないのか、と思います。フラットなおつきあいをすれば、そこからもっともっとおもしろいものが生まれ、社会は豊かになります。  私自身は養護学校の教員時代、担任していた障がいのある子どもたちに惚れ込み、彼らといっしょに生きていきたいと、定年退職したとき、彼らといっしょに生きる場『ぷかぷか』を立ち上げました。いっしょに生きる、つまりはフラットなおつきあいをする場です。そこで何が生まれたかはぷかぷかのホームページを見てもらえればわかります。 www.pukapuka.or.jp  「彼らとはいっしょに生きていった方がいいよ」「その方がトク!」と言い続けてきました。別に差別構造をなくそうとか思ったわけではないのですが、結果的にはそれをなくす方向にはなったかと思います。地域に「ぷかぷかさんが好き!」というファンができたのはそれを象徴しています。  オペラ『あん』を3回も見に行ったのは、無意識の中にも、やはりそういったことがあったのではないかと思います。  機会があればぜひどこかで見て下さい。オペラ『あん』の公演スケジュールです。 konnyakuza-news.blogspot.com 昔書いたブログです。 www.pukapuka.or.jp
  • 映画『そういうわけで』の上映会がありました
    4月29日緑公会堂で『そういうわけで』の上映会がありました。上映後のトークセッションの間、そらくんが舞台をぐるぐる回っていましたが、誰も気に留めない、という雰囲気が、いかにもぷかぷか上映会らしくていいなと思いました。この自由さこそが、ぷかぷかが作ってきたものであり、ぷかぷかの提案する社会です。 www.youtube.com ●「やっぱり、舞台に上がっちゃう」 昨日の上映会のトークセッションの一幕。 「今日、君は主役じゃないから舞台に出なくていいよ」 と言ってみたけどやっぱり上がっちゃうよね〜 歩きながら、座り込みながら会場を見渡しながら 「私」を表現する人。 これは素でやっているけど、"誰かがこれを求めている"こともわかってやっているとしか思えない。ある意味そらの演技なのかもしれない… 言葉では伝えられないことを体現している #非言語コミュニケーション そらが、そして私が演劇ワークショップから学んだこと 昨日はそらだけだったら、「たからくんは?」と何人にも声をかけられた たからは公園がいいと、お父さんと出掛けてしまいました。残念に思ってくださる人がいることが嬉しい 映画が、素晴らしかったです。 演劇ワークショップの本質を捉えたドキュメントになっていたと思います。 記録を残さなければ何もなかったことになってしまう。毎年記録映画を残し続ける高崎さんの情熱は尊敬です。そして私もその火種を少し分けていただいた身。息子たち二人の日常がなかったことにならないように残していきたいと思います。 私の感想。 人と人が関わるって実は面倒。 コスパだタイパだ言っていたら関わらない方が楽だ。 今、そんな社会になってきていると思う。 でも、せっかく人間に生まれてきたんだから、その面倒を楽しむ人生の方がよっぽど幸せだ。息子たちが生まれてくれて気づけた幸せ。 私たちは機械じゃない。 人間なんだから。幸せに生きていきたい。 そう、思わせてくれる映画でした。 ●映画を見て、演劇ワークショップのあの時その場にいたことを沢山思い出していました。それぞれカラーの違うみんなが1つのものを作り上げる体験をしたこと、そのためにみんなが集まっていたこと。 その場でお互いに感じたものが反応し合ってそれが1人1人の表現につながったこと、その表現の1つ1つが演劇になったこと。その場に居ることができたこと、その時間をみんなで過ごすことができたことは、とても尊いものでした。「そういうわけで」の記録映画はそれらを改めて思い出させてくれるものでした。 信田さん、内田さんのお話を聞いていて、外からみんなの様子を眺めて切り取って形にしてくださったことで、その中にいた人の感情や、当時の風景がより伝わってくるような気がしました。ほんとに素敵な映画ですし、素敵なトークショーでした。ぷかぷかさんのワークショップには何度か参加させていただいて、映画も見せていただいていますが、何度見てもいいですし、違う感想が出てくるのが面白いところです。 会場の皆さんの、自由な感想を伺うのもいい時間でした。 ワークショップに参加した当時は、日常の頭の凝り固まった私には戸惑いの連続だったけれど、演劇ワークショップに、中に入り込めたことが本当に嬉しかった、と改めて思いました。 映画の最後にある、あなたがた1人1人が必要、欠けてはならないという言葉は最大級のメッセージだと思います。 私たち一人一人が日常生活の中でできること、演劇ワークショップに参加した方や映画を見た1人1人ができることは、 自分の持ち場で、自分たちのできるサイズで、関わる相手を知ろうとしたり、一人一人が大切だよと言うメッセージを投げ続けることではないかと思っています。それが社会を変えていく力になるのではないでしょうか。もちろん自分自身にも、欠けてはならない、大切、と伝えていくのも大事ですよね。 ●ドキュメンタリー映画『そういうわけさ』を鑑賞して来ました  ぷかぷかさん、地域の参加者、スタッフさん で紡いでいく6ヶ月近くの演劇ワークショップが原作になっています  このドキュメンタリー映画にはぷかぷかさんの自由でとらわれない姿がよりいっそう際立って受け取れました  ワークショップの中で蝶のように飛び回ったり走ったり歩いたりスキップしたり寝転がったりする姿詩人のようにつぶやいたりする姿がいまを生きている楽しんでいるという表現に消化吸収されて映像に映し出されていました  そして周囲の人たちがそこに巻き込まれて同化していく姿を見つけることができました。 ワークショップの経過の中では戸惑いも追い込まれ感も途方に暮れたこともありましたが しかし  出来上がった映像の中には呼吸するように生き生きとした今を生きている私たちの時間が映し出されていました。  それがいつものぷかぷかさんの姿に繋がっていきました ぷかぷか演劇ワークショップに勇気を出して参加して良かったと思いましたし、このドキュメンタリー映画も私の宝物の一つに加わりました ぷかぷかさん 高崎さん 監督さん ドキュメンタリー映画を作成されたメンバーの方々 にこころから感謝致します そして 原作レオレオニの『フレデリック』にも ●5歳娘と参加させていただきました。ネズミのフレデリックの演劇は参加してましたが、本番前日に娘が発熱して本番は残念ながら参加できなかったので、上映会で色々なシーンが見ることができて嬉しかったです。 演劇ワークショップは、高崎さんの言う、ぷかぷかさんが人々を耕すというのを身をもって最上級に知ることの出来るものでした。 上映会もその記録を凝縮して知ることの出来る心を耕すものなんだと思いました。 もっと色んな人にこの心が耕される体験をしてほしいなと思いました。  
  • 映画『そういうわけで』の監督内田英恵さんからのメッセージ
    映画『そういうわけで』の監督内田英恵さんからのメッセージ     緑公会堂での『そういうわけで』上映会にご来場くださった皆さまへ   4月29日は緑公会堂での上映会にご来場くだささり、ありがとうございました。 そして、作品の上映データに不手際がありましたこと、誠に申し訳ございませんでした。 つきましては、期間を今月5月30日までに限りご視聴いただけるようご用意をさせていただきました。   vimeo.com   また、こちらは【限定公開】になりますので、 SNSやご自身以外の方にご共有することはお控えいただけましたらありがたく存じます。   改めまして、不備がありましたことお詫び申し上げます。 それでも当日皆さまと過ごした時間は大変嬉しく、意義深く、 また忘れ難いものとして心に残っています。 会場まで足をお運びいただきましたこと、心からありがとうございました。 またどこかのスクリーンでも皆さまとお会いできますことを楽しみにしております。   内田英恵(『そういうわけで』監督)
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