ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • お客さんの作った『ぷかぷかな物語』
    ぷかぷかでは、お客さんが『ぷかぷかな物語』を作ったりします。  オーやさんは子どもの小さい頃、毎日のように子どもと一緒にクリームパンを買いに来ていました。毎日の散歩コースに入っていたようです。2012年、キヨちゃんが生まれた年で、ベビーカーに乗せて毎日パン屋に来ました。毎日来るので、自然、ぷかぷかさんと親しくなります。  その2年後、ただパンを買いに来るだけでは物足りなくて、わんどでやっていたクリスマスツリーを作るワークショップに一家で参加しました。2014年12月です。  これがきっかけで眞由美さんとおつきあいが始まりました。今までにない、濃いおつきあいだったようです。  ところが、翌年の8月、眞由美さんは突然天国に旅立ってしまいました。眞由美さんとのすばらしいおつきあいを書いたメールがオーヤさんから来ました。 ●●● 昨年12月の「クリスマスツリーを作ろう」ワークショップ参加をきっかけに 眞由美さんと急接近しました。 森に向かう道のりで、何処に住んでいて何時に出勤して等、普段の生活を話してくれて、メンバーさん達の日常を初めて知った瞬間でした。   それ以来、ぷかぷか三軒長屋で私達家族に会うと必ずといっていい程、声をかけてくれて、バスの中で偶然会うと挨拶するようになりました。 「このまえ、バスでパパに会ったよ」なんて、私に言ってきてくれることも。   でも、眞由美さんから娘達にアタックしてくれるものの、なかなか自分の殻をやぶれない娘たちとは、まだ眞由美さんと距離があるなと思っていた今年の6月頃だったか、貴代子が「まゆみさん、まゆみさん」と初めてメンバーさんの名前を口にするようになりました。凄く嬉しかった〜。 そして、ワークショップでは絵を書いてる眞由美さんに話しかけ、一枚の壁が取り払われたようで、すごく私自身喜んだことを覚えています。 「これから、もっともっと近づいていけるといいな」と思っていました。   出しゃばりだとは思ったのですが、写真を撮った当初から「いい笑顔だな」と思っていた眞由美さんの写真があるので高崎さんに送ります。実は貴代子が撮ったものなんです。貴代子のカメラだったからこんないい笑顔してくれたのかな。なんて勝手思ってます。    絵を描いている眞由美さんと貴代子が会話している動画もあって後日お渡しします。 眞由美さんと自然に会話ができていて、私達の大好きな動画で、高崎さんにもみてもらいたいと思ってます。    いつもみたいに「今日もメロンパン食べてるの!」「ごまっこパン全部食べたの!凄いね〜」とか言いながら、旅立った天国からも、笑いながら私達家族の事を眺めてくれていたら嬉しいなと思うばかりです。  ●●●    眞由美さんと、こんな濃厚なおつきあいをしてたんだ、とメールを見てうれしくなりました。よくある、障がいのある人とおつきあいしました、というのではなく、どこまでも、眞由美さんとおつきあいした、というのがいいですね。  眞由美さんの人柄がとてもよく伝わってくるあたたかな文章です。オーヤさんの眞由美さんに向けられた視線のあたたかさなんだろうと思います。障がいのある人に向けられた上からの視線ではありません。どこまでも眞由美さんという人に向けられた優しいフラットな視線です。  人と人のふつうのおつきあいです。ふつうのおつきあいは、障がいがあるとか、ないとかの関係を、こんなふうに簡単に超えてしまいます。    キヨちゃんの撮った写真。キヨちゃんと眞由美さんの関係がすごくよくわかります。眞由美さんの笑顔を見ていると、キヨちゃんとの関係の豊かさが見えます。  笑顔は、相手に心を開いている、ということです。はじめの頃、眞由美さんがいくら話しかけても黙ったままだったキヨちゃんが、あるときから「まゆみさん、まゆみさん」と語りかけます。語りかけられた眞由美さんの笑顔が目に浮かびます。お互いの心がだんだん開いてきます。ほっこり心あたたまる『ぷかぷかな物語』が少しずつ展開していったのですね。  こういうおつきあいが自然に生まれるのが「ぷかぷか」です。  「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」っていうぷかぷかのメッセージを、そのまま子どもも一緒に実践したようです。    『Secret of Pukapuka』という映像の中でオーやさんが語っています。 「以前は上から目線で見てたこともありましたが、ぷかぷかさんとおつきあいするようになってから、自分の方がえらいと思わなくなりました」  『ぷかぷかな物語』の中で、お客さん自身が心を開き、世界が広がり、人生が豊かになっていることが見えます。  一緒に生きる豊かさです。
  • 転がりながら、私だけのぷかぷかな物語を紡ぎ始めます。
     花岡さんが『ぷかぷかな物語』のことをブログに書いてくれました。 ameblo.jp  「ぷかぷかな物語」を作れるのは、タカサキやぷかぷかだけじゃなくて、みんななんだよ、っていうエールです。  障がいのある子どもを育てるのは大変な苦労があります。でも、苦労は苦しみだけでなく、人間を磨きます。人生を深めます。そのことに気づいたとき、人生は子どもと一緒に前向きに転がり始めます。転がりながら、私だけのぷかぷかな物語を紡ぎ始めます。  花岡さんはhanaちゃんと一緒にたくさんの「ぷかぷかな物語」を紡いできました。私が最初に出会ったのは《世界が「hana基準」になったら》という物語。   目から鱗、でしたね。hanaちゃんと一緒に生きていく中での、ちょっとした気づきが人生をすばらしく豊かにしていきます。   hanaは   人をことばで傷つけることもない   人に嫉妬したり、恨んだり、   悪口だって言わない   人と比較して見下したり、   卑下したりすることもない    hanaちゃんて、人間の生き方の見本みたいなことを実践している人なんだって思いましたね。  障がいのある子どもと一緒に生きることで生まれる、こういう気づきが、社会全体を豊かにします。「支援」あるいは「指導」などという上から目線の関係からは、こういう気づきは生まれてきません。  こんなすてきな《ぷかぷかな物語》が、nahaちゃんと一緒に生きていく中でたくさん生まれました。   ameblo.jp    別に障がいのある子どもがいなくても《ぷかぷかな物語》は作ることができます。  fujikiさんは、「ぷかぷかさんにあそばれにきます」といって、ぷかぷかにやってきます。先日は「ぷかぷかさんと一緒にビートルズの〈ヘイジュード〉を歌いたいなぁ」なんていってました。「それをYouTubeにアップしたら、世界が注目しますよ」なんていってましたが、そんなわくわくするようなすごい物語をfujikiさんは作ろうとしています。    ちょっとした気づき、ちょっとした思いつきが、思ってもみない物語を生みます。  さぁ、みんなでわくわくするような『ぷかぷかな物語』を作りましょう。自分で作るのが一番楽しいです。あなたもぜひ!  
  • ぷかぷかさんたちが勝手に成長するようなおおらかな環境
     今朝の朝日新聞「折々のことば」  《 教え育てることよりも、そこにいれば子どもが勝手に育つようなおおらかな場所を用意しておくことが先だろう 》   本当にその通りだと思います。学校が果たしてそんな場所を用意しているのかどうか。  養護学校教員をこの春退職した方が勉強のために昨日からぷかぷかに実習に入られています。現場に入られての一番の感想は、  ぷかぷかさんたちがとにかく生き生きと働いていることにあらためてすごいなぁ、と思いました。  その要因として仕事がおもしろいことと同時に、「折々のことば」にあった《そこにいれば子どもが勝手に育つようなおおらかな場所》言い換えれば、  ぷかぷかさんたちが勝手に成長するようなおおらかな環境 が、ぷかぷかにはあるのだろうと思いました。  「おおらかな場所」「おおらかな環境」とても大切なことですが、社会全体が「おおらかさ」を失っている中で、そういった場所、環境を作ることはなかなか大変です。  『ぷかぷかな物語』の第3章「なんだ、そのままでいいじゃん」と第5章「まっすぐ前を向いて生きています」に、その環境がどうして生まれたか、のヒントが書いてあります。ぜひ読んでみてください。 ★本の注文はぷかぷかのオンラインショップでどうぞ。送料180円がかかりますが、著者のサイン本と特製絵はがきが送られてきますので、アマゾンで頼むよりは「トク!」です。 shop.pukapuka.or.jp こんなすてきな絵はがきがおまけにつきます。
  • 「の」ではなく、「な」
      『ぷかぷかな物語』はぷかぷかの作ってきた物語なのですが、あえて『ぷかぷかの物語』ではなく『ぷかぷかな物語』にしました。  「の」ではなく「な」なのです。  「ぷかぷかの物語」で終わるのではなく、「ぷかぷかな物語」が、この本をきっかけに、あちこちで始まればいいな、という思いがあるからです。  「ぷかぷかな物語」はまわりにぷかぷかさんがいて、ぷかぷかさんと一緒に生きていきたいという思いがあれば、どこにでも生まれる物語です。誰にでもはじめられる物語です。その物語は、みんなをほっこりあたたかな気持ちにさせます。誰にとっても居心地のいい場所が生まれます。そこではみんなを自由にします。  何よりも、あの忌まわしい相模原障害者殺傷事件を超える社会を自分のまわり作ることができます。「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいね」ってみんなが思える社会です。  「ぷかぷかな物語」を作るきっかけとして、ぷかぷかの映画(『Secret of Pukapuka』)の上映会と、タカサキを呼んでのトークセッションを企画してみてください。  「いい映画だったね」「いいお話だったね」で終わらせないことが大事です。そこで終わらせたら物語は始まりません。  自分のいるところで「ぷかぷかな物語」を始めるためのヒントを得るための上映会であり、トークセッションです。  一昨年、長崎、福岡、北九州で上映会やったとき、北九州だけは「いい映画だったね」「いいお話だったね」で終わらず、「ぷかぷかみたいな場所を北九州にも作ろうよ」と誰かがいい、何人もの人が「そうだ、そうだ」といい、人が動き始めました。  こんなふうに動き始めるきっかけを作ることが上映会とトークセッションの企画の目的です。はじめの一歩を踏み出すことが大事です。「いつかやりたい」「いつかやろう」って思っている限り、その「いつか」はいつまでたっても来ません。  もう一つ大事なこと。それは障がいのある人たちの関係者だけでやらないことです。関係者ではない、いろんな人がいること、それがすごく大事です。いろんな人がいることで、お互いの視野が広がります。議論の幅が広がります。そこが小さな社会になります。その小さな社会で「ぷかぷかな物語」を作り始めるのです。  物語作りに、関係者だけではない、誰もが参加できる、ということ。それができあがってくる物語の幅を広げてくれます。  「ぷかぷかな物語」は、地域のみんなで作っていくのです。そのことに意味があります。  ぷかぷかの映画を見て、タカサキとのトークセッションに参加して、『ぷかぷかな物語』『pukapukaな時間』を読んで、あなたがその気になれば、もうすぐにでも物語は始まります。  あなたの「ぷかぷかな物語」です。  ぜひ!  ★上映会、トークセッションのお問い合わせは、下記サイトの「その他のお問い合わせ」をクリックしてください。必要項目を書き込んで送信ボタンを押してください。後日お返事します。 www.pukapuka.or.jp
  • 新しい福祉文化
     『ぷかぷかな物語』らくだの絵の表紙がすごくいいです。     昔、タクラマカン砂漠を旅する話が好きでした。未知なる世界への旅の物語を、わくわくしながら読みました。  ぷかぷかもこのらくだの背に乗って、のっそりのっそり未知なる世界へ旅してるのだろうと思います。  未知なる世界、というのは、新しい福祉文化の世界です。  福祉の世界をやるつもりはなくて、ただ彼ら(障がいのある人たち)と一緒に生きていきたいと思ってはじめたぷかぷかでしたが、気がつくと、従来の福祉とは全く外れたことをやっていました。でも、それ故に、たくさんの新しい物語が生まれました。新しい価値、新しい文化が生まれました。  ぷかぷかは、2015年に演劇ワークショップの試みが「読売福祉文化賞」を受賞しました。  「読売福祉賞」ではなく、どうして「読売福祉文化賞」なのか。審査員の一人が、「文化」という言葉が入る理由についてこんなふうに語っていました。  《「福祉」という言葉から抱きがちな「施し」のようなイメージを打破し、本来はそこから新しいトレンドやカルチャーを生み出し得る創造的作業だと思うからあえて「福祉文化」と表現しました…》  「新しいトレンドやカルチャーを生み出し得る創造的作業」  ぷかぷかの9年は、まさにそれをやってきた、と本にまとめた今、あらためて思います。ぷかぷかが創り出してきたのは、まさにこの「新しい福祉文化」ではないかと。  ぷかぷかが作ってきた「新しい福祉文化」とは 1)障がいのある人たちに「支援」はしません。そういう上から目線の関係ではなく、どこまでも「一緒に生きていく」というフラットな関係でぷかぷかはやってきました。  だからこそ、障がいのある人たちとクリエイティブな関係を作り、創造的作業ができたと思っています。そこから新しい文化が生まれました。  『ぷかぷかな物語』は、そのフラットな関係が何を創り出したかを物語る本です。  自費出版の『pukapukaな時間』は、その関係が生み出したものをビジュアルに表現したものです。ビジュアルに表現すると、それが一つの「文化」であることがよくわかります。(『pukapukaな時間』は、ぷかぷかのお店で販売中。ホームページのオンラインショップでも買えます。 書籍 | ぷかぷか ) みんなで木になっているこの写真は、障がいのある人たちとフラットな関係を作ると何が生まれるかを象徴的する写真です。みんなでこんな楽しいことができるのです。新しい福祉文化です。   相模原障害者殺傷事件の犯人がこういう関係を経験していれば、事件は起こりませんでした。そのことは何を物語っているのか。  福祉の現場、支援の現場でなぜあのような事件が起こったのか、という問い直しが福祉のサイドから本当はもっともっとなされるべきだと思います。(私はそれを見たことがありません。どなたかご存じの方がいらっしゃったら教えてください。) 2)「新しい福祉文化」においては、障がいのある人たちは、社会に合わせるのではなく、そのままのあなたが一番魅力的!といいます。   社会に合わせるのはやめよう、もうそのままで行こう、と決めたことで、彼らはとても自由になりました。その自由な振る舞いは、そのまま彼らの魅力になりました。  かつて私はその魅力にとりつかれ、彼らといっしょに生きていきたいと思うようになりました。その延長に今のぷかぷかがあります。  みんな社会に合わせつつも、どこかこの社会に息苦しさを感じています。だから、ぷかぷかに来て、彼らの自由な振る舞いに、救いのようなものを感じたのだと思います。 「なんて自由なんだ」 と。社会に合わせることで忘れていた「自由に生きることの大切さ」を、ぷかぷかさんたちの自由な振る舞いに出会う中で思い出したのだと思います。ちょっとだけ自分を取り戻す時間です。  ぷかぷかが、自分にとっても大事な場所であることが、だんだん見えてきます。  ♪ 歌が生まれ、人は踊り出し、物語が生まれる ♪ 「広場」にぷかぷかはいつの間にかなっていました。ぷかぷかは、障がいのある人にとってはもちろん、地域の人たちにとっても大切な場所になっていたのです。  これが「新しい福祉文化」です。障がいのある人たちが、社会に合わせるのではなく、自分らしく生きることで生まれた「新しい福祉文化」なのです。それはみんなにとって大切な「広場」を作ります。
  •  生まれてきてくれてありがとう。あなたのおかげで、わたしの人生は素敵な出会いで溢れています。
     ぷかぷかのファンの方が、また一人自分ちのぷかぷかさんを語りはじめました。  《 生まれてきてくれてありがとう。あなたのおかげで、わたしの人生は素敵な出会いで溢れています。》  障がいのある子どものことをそんな風に語るお母さんの思い、幸せ感が、もっともっと社会に広がってほしいと思います。 《 生まれてきてくれてありがとう。君は社会の宝だよ 》 って、みんなで言えるような社会になるといいなと思っています。 ameblo.jp  自分ちのぷかぷかさんのことを、こうやって語り、発信することがすごく大事だと思います。自分の思いを整理できます。語っていく中で新しい気づきがあります。気づきは、また自分を前に進めてくれます。発信することで、たくさんの人たちと自分の思いを共有できます。共有することで、社会が少しずつ変わっていきます。障がいのある人たちも、ない人も、みんなが気持ちよく暮らせる社会に。
  • 『ぷかぷかな物語』ついに完成!
     『ぷかぷかな物語』ついに完成!です。今日、本が出版社から届きました。    日々の思いはブログに書いていますが、ぷかぷかが生み出した物語がこうして一冊の本としてまとまると、また感慨深いものがあります。  著者は高崎になっていますが、どこまでもぷかぷかさんといっしょに生きることで生まれた物語です。高崎一人では、どんなにがんばってもこれは書けません。どこまでも彼らといっしょに生きるという営みがあって、そこから生まれた物語です。  その物語が、こうやって一冊の本になって店頭に並ぶなんて、本当にうれしいです。素直にうれしいです。やったー!って飛び上がりたいくらいです。こつこつやってきて、本当によかったと思っています。  この本が売れるかどうかは、そのまま社会の評価です。ぷかぷかが作ってきたことが、社会の中で本当に価値あることなのかどうかのストレートな評価です。ですから、すごくドキドキしています。  本を読んだ方は、ぜひ感想をSNSで発信してください。おもしろかった感想はもちろん、おもしろくなかったという感想でもかまいません。とにかく話題になることが大事です。   ひょっとして爆発的に売れて、うちでも「ぷかぷかな物語」作ってみよう!っていうところがたくさん現れたら、社会はきっと変わります。読んで、おもしろかった、と思うだけでは、何も変わりません。まわりにいるぷかぷかさんたちと一緒に、ほっこりあたたかな、ぷかぷかな物語を少しずつ作ること。それが何よりも大事です。そうすることで、まず自分のまわりから社会が少しずつ変わっていきます。障がいのある人もない人もお互い気持ちよく暮らせる社会に、です。  ★本はぷかぷかの店頭で買えます。ぷかぷかのホームページからも買えます。送料180円がかかりますが、著者のサイン本と特製絵はがきが送られてきますので、アマゾンで頼むよりは「トク!」です。
  • 歌がうまれ、人は踊り出し、さまざまな物語が始まった
     ぷかぷかは一応障がいのある人たちのための就労支援の場です。でも、ぷかぷかを9年やってきて、気がついたのは、ぷかぷかは単なる就労支援の場ではなく、ぷかぷかさんがいることで、誰にとってもホッと一息つける大切な場になっている、ということです。  ぷかぷかに来るとみんなホッとするといいます。心が安らぐといいます。自由を思い出すといいます。  かつてのおおらかさが社会になくなり、なんとなく息苦しさを感じる世の中になっています。そんなことを感じる人たちにとって、ぷかぷかはとても居心地のいい場所になっているようです。ぷかぷかのファンがどんどん増えてきました。  なんとなくいやだとか、近づきたくないと思われている障がいのある人たちの働く場が、気がつくと、地域の人にとってもホッと一息つき、自分を取り戻すような場になっていたのです。  彼らが自由であるとき、そして彼らにとって居心地のいい場所であるとき、彼らのいる場所は、誰にとっても自由を感じ、居心地のいい場所になるのだと思います。  第4期のワークショップの少し前、オペラシアターこんにゃく座のCD『世界は劇場』の中の「あの広場の歌」を聞いたとき、 「これって、ぷかぷかの歌じゃん!」 て思いました。  昔広場に一本の柱を立てました。  「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がトク!」  という柱です。それに共感する人たちが少しずつ、少しずつ集まってきました。  歌がうまれ、人は踊り出し、さまざまな物語が始まったのです。  ピアニストのあみちゃんに第4期のワークショップのテーマソングにできないか、相談しました。すぐにOKの返事が来ました。みんなが歌いやすいように、少しゆっくり歌えるようにやってくれました。 ♪ いまはいつだろう  いつもの朝   ここはどこだろう   いつも場所  いまはいつだろう  いつもの夜  ここはどこだろう  いつもの場所  でもどこかちがう  ここはどこかに似ている  おとなもこどもも  犬も鳥たちも  虫たちも集まる   あの広場みたい  耳をすませば見えてくる  目をみはれば聞こえてくる  少しずつ 少しずつ  歌が生まれ  人は踊り出し  物語がはじまる  あの広場がここに  昔 広場に一本の柱  ここに立てよう  目には見えない柱を  昔 広場に一本の柱  ここではじまったぷかぷか  いまここで ♪  表現の市場でぷかぷかさんたちがこれを歌ったとき、涙が出ました、というお客さんがいました。  明日の朝、10時半頃、みんなでこの歌を歌います。ぜひ聞きに来てください。
  • 歌がうまれ、人は踊り出し、さまざまな物語が始まった
     ぷかぷかは一応障がいのある人たちのための就労支援の場です。でも、ぷかぷかを9年やってきて、気がついたのは、ぷかぷかは単なる就労支援の場ではなく、ぷかぷかさんがいることで、誰にとってもホッと一息つける大切な場になっている、ということです。  ぷかぷかに来るとみんなホッとするといいます。心が安らぐといいます。自由を思い出すといいます。  かつてのおおらかさが社会になくなり、なんとなく息苦しさを感じる世の中になっています。そんなことを感じる人たちにとって、ぷかぷかはとても居心地のいい場所になっているようです。ぷかぷかのファンがどんどん増えてきました。  なんとなくいやだとか、近づきたくないと思われている障がいのある人たちの働く場が、気がつくと、地域の人にとってもホッと一息つき、自分を取り戻すような場になっていたのです。  彼らが自由であるとき、そして彼らにとって居心地のいい場所であるとき、彼らのいる場所は、誰にとっても自由を感じ、居心地のいい場所になるのだと思います。  第4期のワークショップの少し前、オペラシアターこんにゃく座のCD『世界は劇場』の中の「あの広場の歌」を聞いたとき、 「これって、ぷかぷかの歌じゃん!」 て思いました。  昔広場に一本の柱を立てました。  「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がトク!」  という柱です。それに共感する人たちが少しずつ、少しずつ集まってきました。  歌がうまれ、人は踊り出し、さまざまな物語が始まったのです。  ピアニストのあみちゃんに第4期のワークショップのテーマソングにできないか、相談しました。すぐにOKの返事が来ました。みんなが歌いやすいように、少しゆっくり歌えるようにやってくれました。 ♪ いまはいつだろう  いつもの朝   ここはどこだろう   いつも場所  いまはいつだろう  いつもの夜  ここはどこだろう  いつもの場所  でもどこかちがう  ここはどこかに似ている  おとなもこどもも  犬も鳥たちも  虫たちも集まる   あの広場みたい  耳をすませば見えてくる  目をみはれば聞こえてくる  少しずつ 少しずつ  歌が生まれ  人は踊り出し  物語がはじまる  あの広場がここに  昔 広場に一本の柱  ここに立てよう  目には見えない柱を  昔 広場に一本の柱  ここではじまったぷかぷか  いまここで ♪  表現の市場でぷかぷかさんたちがこれを歌ったとき、涙が出ました、というお客さんがいました。  明日の朝、10時頃、みんなでこの歌を歌います。ぜひ聞きに来てください。
  • 彼らといっしょに、その「道草」を食う時間が、「ああ、いい時間だったなぁ」 って、しみじみ思えるのです。
     映画『道草』を見に行きました。途中何度も笑ってしまう、楽しい映画でした。見終わってから「道草」の意味がようやくわかりました。   重い障害を持った人たちといっしょに生きていく生活は、なかなかまっすぐに進みません。ほとんど「道草」を食いながら、ゆっくりゆっくり進んでいきます。  彼らといっしょに、その「道草」を食う時間が、映画を見終わって何時間もたった今、  「ああ、いい時間だったなぁ」 って、しみじみ思えるのです。なんなんでしょうね、この心地よさは。  重い障害を持った人たちといっしょに生きる理由が、少し見えた気がしました。介護者という立場の人も、「道草」の時間を楽しんでいます。十数年おつきあいしているという介護者が何人も登場します。いい時間を一緒に過ごしてきたんだろうな、と思いました。「支援」ではなく、「おつきあい」です。道草を食いながらの「おつきあい」。だからそこには、いい時間がある。お互いが豊かになる時間がある。  そんな時間があるから、彼らとのおつきあいの中で、人はまた、人になれる。人になれるから、また彼らのそばに行く。  彼らとの十数年ものおつきあいは、そうやって生まれたのだと思いました。  散歩の途中  「たぁー!」  って、叫ぶ人がいます。まわりの人がびっくりするからやめよう、って介護の人が言います。  「うん、わかった」 って、いいながら、また  「たぁー!」 って、叫びます。もう散歩やめるよ。いやです。たぁっていうのやめるって約束できる?  「うん、できる、指切りげんまん」 と二人で、指切りげんまんをするのですが、すぐにまた 「たぁー!」 とやります。やりながら、にたにた笑っています。  ああ、この人、介護の人をあそんでるんだ、と思いました。  ぷかぷかのファンの人が 「僕はぷかぷかさんたちにあそばれてるんですよ」 っていってましたが、まさにそれでした。  あそぶ方もあそばれる方も、お互いがその時間を楽しんでいる。だから見ている方も楽しい。  調子が悪くて家で暴れたり、お店の窓を割ったり、いろいろ大変なこともあります。それでもなお、彼らと生きる時間の豊かさをこの映画は「道草」を食いながら伝えてくれます。  なんかね、見終わってからじわ〜っとそれが伝わってくる映画ですね。  映画館の上映が終わると自主上映が始まります。ぷかぷかもやろうかなと思っています。  重い障がいのある人たちとどんな風につきあっていくのか。そのつきあい方ひとつで、こんなにも豊かな時間がうまれたり、あのおぞましい相模原障害者殺傷事件が起きたりします。この落差はなんなのでしょう。 michikusa-movie.com
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