ぷかぷか日記

障がいのある人と生きるということ

  • いっしょに生きていくと、こんなに豊かなものが生まれる。
     障がいのある人たちは、一般的には「あれができないこれができない」「生産性が低いからだめ」とかいわれていますが、そういったマイナス評価は絶対的なものではなく、彼らとの関係ひとつでマイナス評価からプラス評価に変えられる、ということをぷかぷかは事業を展開する中で示してきました。  彼らとの関係は「何かやってあげる」とか「支援する」といった「上から目線の関係」が多いのですが、ぷかぷかは「いっしょに生きていく」という「フラットな関係」です。  そういう関係でぷかぷかは事業を展開してきたのですが、そこで見えてきたのが、彼らは「あれができないこれができない」人たちではなく、「社会を耕し、社会を豊かにする存在」人たちであるということです。マイナスの価値ではなく、プラスの価値を生み出す人たちであるということです。  つまり彼らとどういう関係でやっていくかによって、全く正反対のものが出てくるのです。社会を豊かにする新しい文化といっていいほどのものをぷかぷかはたくさん創り出してきました。  社会に豊かさをもたらす彼らをマイナス評価することは、社会の大きな損失だと思います。豊かさの喪失です。それはぷかぷかが今まで創り出してきたものを見ればすぐにわかります。   パン屋では彼らとスタッフの共働作業で素敵なポスターを作ってお店に張り出しています。 ぷかぷかさんと地域の人たちで6ヶ月かけて作った芝居の舞台は、いっしょに生きることで生まれる豊かな文化そのものです。 舞台の背景画はどこに出しても恥ずかしくないほど作品。いっしょに生きると、こんな素晴らしい背景画が生まれます。 パン屋の大きな窓に描かれた絵。いっしょに生きていると、こういうものが次々に生まれます。 毎月発行している「ぷかぷかしんぶん」。いっしょに生きると、こんなに楽しいしんぶんができます。この楽しさは、彼らといっしょに生きる楽しさです。 近くの大学でやったワークショップ。いっしょに生きていると、こんな関係がどんどん広がっていきます。 「セロ弾きのゴーシュ」の舞台で作った小道具や背景画。いっしょに生きると、こんな素晴らしい作品が生まれます。 新しい事業所「でんぱた」の看板。いっしょに生きるとこんな素敵な看板ができます。 お弁当にぷかぷかさんの作ったアートをかぶせると、お弁当が何倍にも楽しくなります。これがいっしょに生きることの意味です。暮らしが豊かになります。 こんな字が書いてあったら、つい買いたくなってしまいます。この字は、わらび餅の価値を何倍にもしています。生活を豊かにします。  2019年7月のニューヨークで開かれたSDGsの世界大会に参加した日本の企業が発表するレポートの表紙にぷかぷかさんの絵を使ってくれました。いっしょに生きるとこんな素敵な絵が生まれることを世界中に伝えてくれました。 ぷかぷかさんたちといっしょに生きることで生まれた物語。いっしょに生きることで、みんなが豊かになる物語です。
  • 社会に豊かさをもたらす彼らをマイナス評価することは、社会の大きな損失
    ヤマト福祉財団より と連絡があり、賞金に100万円もくれるなら、これは応募しなきゃソン!と、保護者の方にお願いして、推薦文を書いてもらいました。ぷかぷかがやっていることのオリジナリティーをどうやって伝えるかで、保護者と何度もあーだこーだとやりとりしてようやく完成。最後に高崎の経歴、実績を書く必要があって、ここは私が書きました。  実績はまさにぷかぷかがやってきたこと。で、書きながらあらためて気がついたのですが、障がいのある人たちは、一般的には「あれができないこれができない」「生産性がないからだめ」とかいわれていますが、その評価は絶対的なものではなく、彼らとの関係ひとつでマイナスからプラスに大転換する、ということがぷかぷかを10年やってきてわかりました。  彼らとの関係は「何かやってあげる」とか「支援する」といった「上から目線の関係」が多いのですが、ぷかぷかはいつも書いているとおり「いっしょに生きていく」「フラットな関係」です。  そういう関係でぷかぷかは事業を展開してきたのですが、そこで見えてきたのが、彼らは「社会を耕し、社会を豊かにする存在」であるということです。  つまり彼らとどういう関係でやっていくかによって、全く正反対のものが出てくるのです。社会を豊かにする新しい文化といっていいほどのものをぷかぷかはたくさん創り出してきました。  社会に豊かさをもたらす彼らをマイナス評価することは、社会の大きな損失だと思います。豊かさの喪失です。それはぷかぷかが今まで創り出してきたものを見ればすぐにわかります。 
  • 日本フィルのチェロ奏者江原さんとダイちゃん、それに車椅子ダンサー神原健太さんのコラボやります。
    日本フィルのチェロ奏者江原さんと、ダイちゃんの演奏(「まっすぐ」と「インドの虎狩り」)に車椅子ダンサー神原健太さんが加わるコラボを新治市民の森にあるブルーベリー畑のそばでやります。8月9日(日)10時からです。雨天延期です。Facebookでお知らせします。  神原 健太 (車椅子ダンサー) www.youtube.com   digital.asahi.com  「まっすぐ」 www.youtube.com  ブルーベリー畑は下の地図の真ん中あたり「池ぶち」というところにあります。  高崎は当日9時半にぷかぷかのパン屋から出発します。よかったらいっしょに行きましょう。参加希望の方は takasaki@pukapuka.or.jp にメール下さい。  ブルーベリー畑まで歩いて15分弱です。  コラボのあとはブルーベリー狩りを楽しんで下さい。
  • 「共に生きる」って、彼らの生きる世界をいっしょに生き、いっしょに楽しむこと
    NHK Eテレ 先ほどの放送が、もうアップされていました。「映像」「文字と画像」が見られます。 www.nhk.or.jp  取材でインタビューを受けている時、突然フタミンがやってきました。 「明日からキャンプに行きます」 「え?いつ決まったの?」 「え〜と、さっき」 「誰と行くの?」 「みんなで」 「みんなでいったらお店はどうするの?」 「お店は、ふわふわって消えちゃうの。」 「え?消える?…そうか、このお店は魔法なのね」 「そう、だから消えちゃうの」 …と、突然始まるこういう話につきあうのが、すごく楽しいです。 「なにバカなこと言ってんの。さ、仕事仕事」 といってしまうのは、なんだか寂しいです。せっかくの話がもったいないです。ぷかぷかのお店が魔法のように消えちゃう話につきあう方が、人生、ずっと楽しくなる気がします。  「共に生きる」って、彼らの生きる世界を「リアルに」いっしょに生き、いっしょに楽しむことだと思います。  彼らの生きる世界を一緒に楽しめる感覚を持っているかどうか、ですね。その感覚は、私たちを自由にし、生きる世界を広げてくれます。何よりも人生が楽しくなります。「そうか、お店は魔法で、ふわふわって消えちゃうんだ」って、フタミンの世界に入り込んだ方が、絶対に楽しいです。  次の日になって、フタミン捕まえて 「あれ、お店消えてないじゃん」 「魔法使いがどっかに行っちゃったのかも」 という話が延々続きます。  フタミン。彼の生きている世界は、こんなに色鮮やか。         フタミンに描いてもらった絵を大事にしているスタッフもいます。         Eテレの記者の取材を受けるフタミン。絵の説明を受けるが、多分半分くらいはわからない。わからないまま、そのわからなさを楽しむのがコツ。   
  • みんなで日々笑い合っているうちに、事件を超える社会が
     相模原障害者殺傷事件4年目ということもあってか、今年はマスコミの取材がたくさん来ました。NHK、朝日新聞、共同通信、Eテレ、神奈川テレビ、赤旗などです。うれしいですね。障がいのある人たちといっしょに生きていく日々を積み重ねることで、地域社会を変えてきたことが評価されたのかなと思ったり。  いっしょに生きていく日々が地域社会を変えるなんて、全く考えていませんでした。考えていたのは、私の惚れ込んだ素敵な人たちにお店で出会って欲しい、ということだけ。  でも、出会う人が思いのほか多くて、知らないうちに地域社会が少しずつ変わっていました。それを教えてくれたのはNHKでした。  ぷかぷかさんがいないことで、街に彼らがいることの意味がかえってわかるんじゃないか、とコロナ禍で休み中のぷかぷかに取材に来ました。たまたま通りかかった近所のお年寄りの方に話を聞いたところ、ぷかぷかの大ファンで、ぷかぷかさんに会えないと寂しくて寂しくてしかたがない、ぷかぷかに来ることは自分の生活の一部です、とおっしゃっていました。  ぷかぷかに来る、言い換えればぷかぷかさんとおつきあいすることが生活の一部になっている、という話はすごくうれしかったですね。ぷかぷかさんとのおつきあいが、特別なことではなく、日々の生活の一部になっている、というのです。おまけに彼らは孫みたいにかわいい。道で会うと「こんにちは!」って大きな声で挨拶してくれて、すごくうれしい。一人暮らしのお年寄りの方の生活をぷかぷかさんは支えていたのですね。  相模原障害者殺傷事件を超える社会ができるのは遠い未来、と考えている人がほとんどです。でもぷかぷかのまわりには、事件を超える社会が、小さいながらも実現しているのです。  あーだこーだの難しい話なしに、みんなで日々笑い合っているうちに、事件を超える社会がぷかぷかのまわりにはできていたのです。  いつかそういう社会を実現させよう、とかじゃなくて、今日、彼らといっしょにいい一日を過ごす。地域の人たちも一緒に笑えるような一日を作る。そのことが大事じゃないかと思うのです。 いい一日を地域の人も共有 テレビ神奈川は「ぷかぷかさんと事件を超える」なんてタイトルでした。  そうそう、教育番組を作るために取材に来ていたディレクターの方が三日ほど来ていたのですが、ぷかぷかというのはどうもこの枠には収まりきらないですね。そんな枠をはみ出してしまう、もっと普遍的な価値を生み出してる気がします。機会があれば、そんなことをうまく表現できる番組を作りたいです、とおっしゃっていました。
  • みんなが自由にそこで生きるときに生まれる「場のチカラ」
     親子三人で参加した浅川さんの感想です。 「できないから助けてあげる、支援するというのが今の福祉の考え方のような気がします。でも私は、できないことを補い合うのではなくて、一人ひとりの持っているパワー(好きなこととか得意なこと)を出し合う方が社会は豊かになるんじゃないかなと息子たちを育てながら思うようになりました。  ぷかぷかの舞台はまさにそれを体現していたと思います。  高崎さんはぷかぷかさんと一緒に生きていった方がトクと言われます。ぷかぷかの舞台はめちゃくちゃ考えなくちゃいけないし、とっても疲れました。それなのに心はいつもポカポカしていました。障害がある人もない人あなたも私もみんなが一緒に生きていった方が誰にとってもハッピーなんだと感じさせてくれました。 みーんな一緒でみーんなごちゃまぜに生きていった方がとっても楽しいめっちゃハッピー改めてそう思います。」     そういうことがよく見える映画です。みんなが好きなことやって、もうごちゃごちゃな雰囲気なのですが、それでも最後舞台でまとまっていきます。演出をやった花崎さんのチカラはもちろん大きいのですが、それでも尚、演劇ワークショップという場のチカラがあると思うのです。みんなが集まり、みんなが自由にそこで生きるときに生まれる「場のチカラ」です。それがみんなの背中を押し、あの舞台ができたのだと思います。演出家一人が頑張っても、あの舞台のエネルギーは出てきません。ぷかぷかさんといっしょに生きることで生まれるエネルギーです。ぜひ見てください。 ameblo.jp
  • 「希望」を語り続ける
    朝日夕刊素粒子にいい言葉がありました。 《 難病の人も、障害を持つ人も、すべての人が「希望」を語れる社会でありたい。政治は、私たちは何をすべきか 》  私は養護学校の教員時代、障がいのある子どもたちに惚れ込み、彼らといっしょに生きていきたいと思ってぷかぷかを立ち上げました。「いっしょに生きていきたい」という「希望」からぷかぷかは出発したのです。「いっしょに生きていく」って、どういうことなのか、何をすればいいのか、何をしたいのか、といったことをひたすらぷかぷか日記に書き続けました。  その結果が、今のぷかぷかです。はじめからしっかりした構想なり、ビジョンがあったわけではありません。本当に行き当たりばったりでした。それでもしつこく、ああしたい、こうしたい、と「希望」を語り続けるうちに、今のぷかぷかができたのです。  演劇ワークショップも、1985年、養護学校で働き始めて4年目、こんなおもしろい人たちとワークショップやったら、今までにないおもしろい芝居ができると思ってはじめました。学校ではうまく生かせない彼らの面白さ、魅力が、もっともっと生かせるんじゃないか、いや、生かしたい、と思ったのです。  演劇ワークショップは人が自由になれる空間です。お互いが自由になれる空間で彼らと芝居作りをやれば、何かとんでもないものができそうな気がしたのです。そして、それを通して彼らともっと深い出会いをしたいと思っていました。  彼らと一緒にやる演劇ワークショップの「希望」です。  当時フィリピンからそのメソッドを取り入れていた演劇集団「68/71黒色テント」の事務所に行き、その「希望」を語りました。当時「68/71黒色テント」は障がいのある人たちと演劇ワークショップをやるなどということは全く考えていませんでした。そもそも、演劇をする集団であり、障がいのある人たちとのおつきあいは全くありませんでした。そんなところへ「障がいのある人たちと一緒に演劇ワークショップやりたい!絶対おもしろいものができる。」と飛び込んでいった私も、今思えば、相当無茶でしたが、「希望」で熱くなった頭はひたすら前に進むのみで、「どうして障がいのある人たちとやるのか」「そこで何を生み出したいのか」といったことを延々熱っぽく話したことを覚えています。  横浜から2時間近くかかる黒テントの事務所まで、何度も何度も通い、結局窓口になった成沢さんが根負けして、1984年に初めての養護学校の子どもたち、生徒たちと地域の人たちによる演劇ワークショップが横浜で実現したのです。「ちゅうたのくうそう」という絵本を元に、簡単な芝居を作りました。ちゅうたというネズミが空想の中で猫をやっつけるお話です。みんなならどんな空想で猫をやっつけますか?というのがテーマの芝居作りでした。          どんな芝居を作ったのかはもう忘れてしまいましたが、養護学校の子ども、生徒たちとやるワークショップの面白さは、想像を遙かに超えていました。その面白さに「68/71黒色テント」の成沢さんも気がつき、以来彼らとの演劇ワークショップにもう35年もつきあってくれています。成沢さんも、あの時彼らと出会ったのだと思います。そして惚れ込んでしまった。もう、やみつきになるくらいに。  次の年には6ヶ月の演劇ワークショップをやりました。そして第2期目の記録が『みんなでワークショップ』という映画になっています。35年も前に、彼らといっしょに生きる世界を実現していたのです。彼らと新しいものを一緒に生み出す関係が始まっていたのです。 www.pukapuka.or.jp  現在やっている演劇ワークショップの進行役は成沢さんの主宰する演劇デザインギルドの人たちがやり、成沢さんは舞台監督をやっています。  「希望」を語り続けること、そのことがどんなときも大事な気がします。  7月25日(土)26日(日) 第6期演劇ワークショップ記録映画をYouTubeで公開しています。 www.youtube.com
  • 第6期演劇ワークショップ記録映画 YouTubeで公開中
    第6期演劇ワークショップ記録映画をYouTubeで公開中です。7月25日(土)。26日(日)限定です。 www.youtube.com  ご覧になりましたら、ぜひ感想送って下さい。https://www.pukapuka.or.jp/contact/   「その他のお問い合わせ」にチェックを入れて、感想を書いてください。よろしくお願いします。 ぷかぷかはこういう場を作るために大変なお金をつぎ込んでいます。助成金をもらってはいるのですが、経費(200万円を超える)のほぼ半額です。事業を存続させるためにはみなさんの協力が必要です。ぜひお願いします。   ぷかぷかは「横浜夢ファンド」の登録団体になっています。夢ファンドに寄付をしていただくとぷかぷかにお金が入ります(寄付の申込書の希望する団体の欄に「NPO法人ぷかぷか」とお書きください)。税制上の優遇措置があります。詳しくは下記サイトをご覧下さい。 横浜夢ファンド www.city.yokohama.lg.jp archive.city.yokohama.lg.jp ★寄付の申込書の希望する団体の欄に「NPO法人ぷかぷか」とお書きください。  横浜市 基金の活用 横浜市 税制上の優遇措置 直接ぷかぷかの口座に振り込むこともできます。 ●郵便振替口座 口座記号 00260-4  口座番号 97844         加入者名 NPO法人ぷかぷか ●ゆうちょ銀行 NPO法人ぷかぷか 記号:10230  番号:19645501  ●横浜銀行 NPO法人ぷかぷか 理事長高崎明         支店名 中山   口座番号 1866298
  • でんぱたー地域社会が変わるきっかけになるといいですね
    5月にスタートした新しい事業所「でんぱた」に寄せる思いを聞かせて欲しい、とNHKの取材がありました。 「ぷかぷか」と同じように、地域社会が変わるきっかけになるといいですね、という話をしました。   「障害者はなんとなくいや」「近寄りたくない」「怖い」と思っている人が多い社会です。その社会に向けて、「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージを「でんぱた」からも発信していきます。  「でんぱたしんぶん」を作り、でんぱたでは、どういう人たちが、何をやっているのかを地域の人たちに伝えていきます。InstagramやFacebookで情報発信はしていますが、断片的な情報なので、やはり全体像がわかるように情報を発信していきたいと思っています。  InstagramやFacebookはいいのですが、やはり見る人が限られていますので、地域の人たちに情報を届けるには、紙に印刷した「でんぱたしんぶん」が一番いいと思っています。近所のおばあちゃんもきっと読んでくれます。  一軒一軒みんなでポスティングします。この、みんなで歩き回ってポスティングする、というところがミソです。地域の人はちゃんと見ています。月一回でんぱたのメンバーさんがポスティングする姿が地域に定着します。だんだん顔見知りが増えていきます。「あ、今日も頑張ってますね」って声をかける人も多分出てきます。  おもしろい中身にすれば、月一回の「でんぱたしんぶん」を楽しみにする人も出てきます。毎月こんなしんぶんがポストに入れば、うまくすればファンができます。      私たちの思いもしっかり伝えます。障がいのある人たちと、どうしていっしょに生きていった方がいいのか、どんないいことがあるのか、といったことを丁寧に伝えていきます。  でんぱたでは畑や田んぼの仕事を地域の人たちと一緒にやりたいと思っているので、一緒にやりませんか、の呼びかけをしんぶんでやりたいと思っています。  先日の田植えの時は地域の方が何人も参加しました。          でんぱたでは時々アートの活動もやっていますので、一緒に絵を描きませんか、の誘いもやります。            こういう活動は普段の暮らしにはないので、絵を描くこと自体がすごく楽しいし、その中でぷかぷかさんたちと出会えれば、一石二鳥のイベントになります。  一緒に作った作品を壁に貼り、みんなでお茶飲みながらわいわい語りましょう。  陶芸もやっているので、地域の人たちも一緒にできるといいなと思っています。            一緒に大きなお皿を作って、みんなで作ったごちそうをその大皿に盛ってパーティができるといいなと思っています。ごちそうはもちろん畑でとれた野菜を使って作ります。  みんなで作った野菜でみんなで料理し、みんなで作った大きなお皿に盛り付けて、みんなでわいわい言いながら食べる。最高だと思います。  これは「交流」とか「ふれあい」といったレベルではない、ぷかぷかさんと地域の人たちの深いおつきあいです。こういうおつきあいこそ作っていきたいと思っています。  「でんぱた」は住宅街にあります。当然おいしいパン屋なんてありません。なのでぷかぷかのパンの注文販売もいいなと思っています。「でんぱたしんぶん」にパンの注文書を挟んで注文をとり、ぷかぷかさんが配達に行きます。この仕事は地域の人たちにきっと喜ばれます。「いつもおいしいパン、ありがとう!」って。障がいのある人たちが、地域の人たちに喜ばれる仕事をするなんて、なんだか夢のようです。                 ちょっと思い浮かぶものを書いただけですが、これだけのものが出てきました。実際に動き始めれば、もっともっと楽しい企画が出てくると思います。  先日「声がうるさい!」という苦情が出ましたが、おつきあいの始まるきっかけになるといいなと思っています。ぷかぷかさんが作った花瓶の焼き物がもうすぐできあがりますので、それを持って挨拶に行こうかなと思っています。おいしいパンもお土産で持っていこうかな。  来週にはこの不思議な花瓶が焼き上がります。  というわけで、これからどんな広がりができるのか、すごく楽しみにしています。
  • やまゆり園事件から4年
     もうすぐやまゆり園事件が起こってから4年になります。裁判があり、被告に死刑が宣告されましたが、どうしてあのような事件が起こったのか、何一つ解明もされず、なんのための裁判だったのかと思います。裁判が終わるとマスコミが取り上げることもなくなり、人々はどんどん忘れていきます。  あれだけひどい事件だったので、社会はきっといい方向へ変わって行く、と私は事件当時思っていました。でも、この4年を振り返ると、いい方向へ変わるどころか、どんどんひどくなっている気がします。  やまゆり園では相変わらず虐待が続き、つい先日、北海道の老人施設では介護職員がお年寄りの耳を引きちぎるという信じがたい事件が起きました。  川崎では普通学級で学びたいという障がいのある子どもを、あろうことか教育委員会が排除するということもありました。かながわ憲章に「私たちは、障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除します」と書いてあるにもかかわらず、です。  障がいのある人たちのためのグループホームを建てようとすると 「他所でやってください!この地域は普通の家族で住む事しか認められません。そんな施設が近くにあったら、家で安心して寛げない。怖い。」 と反対運動が起こります。その地域には「障害者はいない方がいい」とやまゆり園事件の犯人と同じことを言っているのです。  あの忌まわしい事件から4年たっても、結局社会は何も変わっていません。  その変わらない社会について、あーだこーだ言っても、社会は変わりません。あーだこーだ言うにも、それなりのエネルギーがいるので、言うだけソン!だと最近は思っています。  結局は、私たち自身が事件を超える新しい社会を作っていく。それが一番だと4年たった今しみじみ思うのです。  ぷかぷかは事件のはるか前から 「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」「その方がトク!」 と言い続け、そういったことを実感できるお店を作り、お店の外でもパン教室や演劇ワークショップ、上映会、講演会など、ぷかぷかのメッセージに共感できる様々な活動をおこなってきました。  そういった中で、  「ぷかぷかさんが好き!」 と思うファンがたくさん現れました。  「障害者はなんとなくいや」 と思う人の多い社会の中で  「ぷかぷかさんが好き!」 という人たちが現れたことは画期的なことだと思います。  「彼らといっしょに生きていこう」 という新しい社会の始まりと言っていいと思います。事件を超える社会です。  しかも「ともに生きる社会」を作ろうとか、「共生社会を作ろう」なんて言葉をひとことも言わず、そういう社会が始まったところがおもしろいところです。そこにぷかぷかのチカラを感じます。社会をいい方向に変えるチカラです。  彼らといっしょに生きると何が生まれるのか、といったことも、お店を運営する中で目に見える形で表現してきました。  こういったものは、社会を豊かにします。だから彼らは社会にいた方がいいのです。  やまゆり園事件の犯人は「障害者は不幸しか生まない」とか「生きている意味がない」といいました。これらの言葉には、彼が働いていた現場での障がいのある人たちとのおつきあいの貧しさが露骨に表れています。  「障害者はいない方がいい」などと言った彼は障がいのある人と「いい一日だったね」ってお互い言えるような日々を過ごしたことがなかったのだと思います。  そういったことを考えていくと、事件は障がいのある人たちとどういう関係にあったのか、ということが大きく影響しているように思います。  犯人がぷかぷかで働いて、写真のような関係を作っていれば、事件は決して起きなかったはずです。  ぷかぷかは演劇ワークショップにも力を入れています。ぷかぷかさんと地域の人たちとの芝居作りです。  一緒に芝居を作っていくと、ぷかぷかさんたちの発想の自由さ、豊かさが際立ちます。彼らが演劇ワークショップの面白さ、豊かさを支えていることがだんだん見えてきます。  彼らに向かって「あなたが必要」「あなたにいて欲しい」と“切実に”思うようになります。彼ら抜きでもうワークショップはできない、というか、そんな感じです。  そんな思いで作った芝居を舞台に上げます。決して整った芝居ではありません。どちらかといえばごちゃごちゃした芝居です。それでも、彼らとはいっしょに生きていった方がいい、という思いはストレートに伝わります。  やまゆり園事件への、明確なメッセージです。  7月25日(土)、26日(日) 第6期演劇ワークショップ記録映画をYouTubeで公開します。ぜひ見て下さい。
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