ぷかぷか日記

利用者さんのひとことが頑固な心を…

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にほんブログ村    養護学校時代の元同僚の旦那さんがパキスタン人で、ぷかぷかで働かせてもらえないかという依頼がありました。言葉ができないので、奥さんといっしょにボランティアという形でこの夏実習してもらいました。

 イスラム教徒は豚肉が食べられないので、給食は自分で持ってきてもらいました。少しでもいい出会いのきっかけになれば、と少し多めに作ってもらい、みんなでパキスタン料理を味見しました。中身はチキンであったり、マトンであったり豆であったりしましたが、毎日カレーでした。それに細長いパキスタンのお米。評価はまちまちでしたが、日本のカレーとは辛さの質の違うカレーも、ぱさぱさのご飯も、利用者さんたちにはいい体験だったように思います。

 言葉も通じないながらも、それなりにコミュニケーションを取っていました。とにかく外国人はほとんどの方は初めてでしたので、言葉の通じない人とどのように気持ちを伝え合うか、みんな苦労していましたが、これもいい体験になったようでした。

 パキスタンでの本職は映像の編集をしていたそうで、時々プロが使う大きなビデオカメラを持ち込み、撮影したりしていました。「ぷかぷか」のプロモーションビデオができればいいなと思っていました。

 

 ぷかぷかで仕事がしたいということでしたが、日本語がまだまだうまく話せません。ちょっとした会話はともかく、仕事をしていくにはかなり厳しいレベルでした。それを正直に伝え、職員として採用はできない旨伝えました。

 プライドの高い方で、その不採用の通知に怒ってしまい、もう「ぷかぷか」には来ない、ぷかぷかのビデオも作らない、と子どもじみたことをいいだし、間に立った奥さんは困り果てていました。

 たまたま夏休みの余暇支援で水族館にいっしょに行ったとき、利用者さんと写真を取り合い、あとで交換する約束をしていました。その利用者さんが写真を持ってきて、毎日のように「シーさん、来ないのかなぁ。写真を渡すって約束したんだけどなぁ」といっていました。シーさんは不採用に腹を立ててもう「ぷかぷか」には来ない、とも言えず、困ってしまってシーさんの奥さんに写真の交換のことを伝えました。

 シーさんは水族館で利用者さんと写真を撮り、それを交換する約束をしたこともちゃんと覚えていたそうで、それがきっかけでかたくなになっていた心がほどけたのか、31日の午後に写真と、編集した「ぷかぷか」のビデオを持って挨拶に来ると連絡が入りました。

 頑固でプライドが高く、日本では仕事もできないので、もうパキスタンに帰ると言い張り、周りの人たちは困り果てていたようですが、利用者さんの「シーさん、来ないのかなぁ。写真を渡すって約束したんだけどなぁ」というひとことが、その頑固な心をもやさしく溶かしてしまったようです。

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