ぷかぷか日記

タカサキ日記

  • てっちゃんがいない八百屋なんてあり得ない
    昨夜二ツ橋大学講座「障がい者が働くということ〜」に参加してきました。 www.facebook.com    いろんな話が出ておもしろい集まりでしたが、「障がい者雇用率」の話題については、もう少し話題を掘り下げてもよかった気がします。   障害者雇用率制度とは(厚生労働省) 身体障害者及び知的障害者について、一般労働者と同じ水準 において常用労働者となり得る機会を与えることとし、常用労 働者の数に対する割合(障害者雇用率)を設定し、事業主等に 障害者雇用率達成義務を課すことにより、それを保障するもの である。    一般企業においては2%、国、地方公共団体においては2.3%の障がい者雇用率が求められています。    この制度の致命的欠陥は、なぜ障害者を雇用するのか、という根本的な理由の説明がないことです。説明がないので、ただ雇用率を達成するために大きな企業は「特例子会社」といういびつな形で障害者を雇用し、ペナルティを免れています。  「特例子会社」は親会社とは別の会社なので、本当は障害者を雇用していることにはなりません。でも制度的に、「特例子会社」での障害者雇用数を親会社のものとしてカウントしていい、となっているので、こんないびつな形が通ってしまうのです。  これは親会社にとっても、せっかくの障害者雇用の機会を逃して、すごく損をしているのではないかと私は思います。もったいないです、これは。  障害者を雇用するとどうなるか。企業の現場がそのことで豊かになります。いろいろできないこともあるので、いろんなトラブルもあります。でも、そのトラブルを現場が抱え込むことで、現場はトラブルが起こる前よりも豊かになります。  なによりも様々なトラブルを超える、予想だにしなかった豊かさを障がいのある人たちは現場にもたらします。    昨日の集まりを主催した杉浦さんは昔八百屋で働いていました。その八百屋に養護学校の生徒を送り込んだことがあります。 「いろいろできんことが多いけど、絶対にいいことがあるから」 と、ほとんど無理矢理卒業生を送り込みました。「絶対にいいことがあるから」といわれても杉浦さんは「いいことがある」の意味が、最初はよくわからなかったようです。  でもてっちゃん(養護学校の卒業生)を雇用して、しばらくたってから、「いいことがある」の意味が納得できたといいます。  てっちゃんがいると毎日がすごく楽しいのです。笑いが絶えません。心が安らぎます。お客さんにもファンができます。だんだんてっちゃんがいない八百屋なんてあり得ない、というふうにまでなったようです。    これが障害者を雇用する理由です。現場を豊かにするのです。もちろん杉浦さん達はいろいろ苦労をしたと思います。計量をまちがえたり、仕事がゆっくりだったり、全くのマイペースだったり、そのためにスタッフ達はイライラしたり…。でも、そういったトラブルこそが、現場に障害者がいることの意味であり、それが現場の人たちに新しい気づきをもたらし、豊かにするのです。  「てっちゃんがいない八百屋なんてあり得ない」という感覚は、それまでの様々な苦労があってようやく手にした感覚だと思います。てっちゃんを雇用してすぐにそんな感覚になることはあり得ないのです。  ぷかぷかで以前、メンバーさんがいなくてもお店を開けていた時期がありました。しんと静まりかえったお店は、なんか嘘みたいでした。お客さんも 「なんだか淋しいわね」「彼らがいないと、ほかのお店に来たみたい」 とおっしゃっていました。  ぷかぷかさんがいない「ぷかぷか」はあり得ない、のです。    障害者雇用率を義務づける前に、なぜ障害者を雇用するのか、その理由を丁寧に説明すべきだと思います。国、地方公共団体においては2.3%の障がい者雇用率が求められています。ならば実際に障害者を雇用してどうなのか、をしっかり語るべきだと思います。      
  • 映像の中の幸せいっぱいの顔が、みんないい
    相模原障害者殺傷事件へのすばらしい、元気いっぱいのメッセージです。    www.youtube.com   ベイビィぼくには 大事な夢がある ………  しあわせになるため 生まれてきたんだ 生きていることが 大好きなのさ      映像の中の幸せいっぱいの顔が、みんないい。「生きてる」って、こういうことだと思います。  相模原障害者殺傷事件の植松被告は福祉施設で働きながら、障がいのある人たちとこういう幸せいっぱいの顔をお互いがし合う関係を作ってなかったのじゃないかと思います。障がいのある人たちと、お互い幸せいっぱいに笑い合える関係を作っていれば、事件は起こらなかったと思います。彼が働いていた福祉施設で、どうしてそういう関係ができなかったのか、そここそきっちり検証する必要があると思います。  先日朝日新聞の方が取材に来たとき、「ぷかぷかで働いてどうですか?」と聞かれたスタッフが「毎日楽しくて楽しくて、もうお金をもらうのが申し訳ないくらいです」と答えていたのが印象的でした。  このスタッフはこんな写真をFacebookに投稿しています。こんな笑顔を見て、うれしくて、幸せな気持ちになって、みんなにこの幸せ感を分けてあげたくて投稿したんだろうと思います。    植松被告が障がいのある人たちの笑顔を見て、自分も笑顔になるような関係を作っていれば、あんな事件は絶対に起こらなかったと思うのです。 
  • 取材に来て、テラちゃんとFacebookのお友達になったようでした。
     朝日新聞の方が相模原障害者殺傷事件1年の節目で特集を組むので、その取材に来ました。相模原障害者殺傷事件のことだけで取材されるのもなぁ、という思いもあって、まず6月17日(土)のワークショップの記録映画とプロモーションビデオの上映会に来てもらいました。第一期演劇ワークショップと第3期演劇ワークショップの記録映画、それにプロモーションビデオ第1弾、第2弾と1日がかりで見てくれました。  見終わったあと、すごくおもしろかったです、といい顔して話していたので、ぷかぷかの空気感が映像を通して伝わったかなと思いました。  その次は先日のパン教室です。この日はパンの成形もいっしょにやったりして、ぷかぷかの空気感に一日浸った感じでした。  そして今日、給食を一緒に食べるところから始まり、あのだらだらした締まりのない帰りの会までしっかり取材。帰り際にはテラちゃんとFacebookのお友達になったようでした。 画伯に似顔絵も描いてもらいました。  これで名刺を作って、配りまくるそうです。  相模原障害者殺傷事件の特集はあまり関心のない方にこそ読んで欲しいので、そういう人も読んでみたくなるような切り口を考えている、とおっしゃっていました。  事件の原因とか、差別の構造とか、社会状況の分析とか、考えなければならない問題はたくさんあると思います。でも、最終的にはこの社会の中で、障がいのある人たちと一緒にどう生きていくのか、ということだと思います。そこのところをぷかぷかはお店の運営、パン教室、演劇ワークショップ、アートワークショップなど、様々な形で表現してきました。そして毎日「今日はいい一日だったね」ってお互いがいえるような一日を彼らと一緒に作っています。   どんな記事になるのか楽しみです。
  • 未来に向けての メッセージ
     ぷかぷかを何度も取材している毎日新聞の記者がhanaちゃんのお母さんの取材に行ったようです。 ameblo.jp  hanaちゃんは、いわゆる「重度」の障がい児です。「重度」というのは障がいが重いということで、生活していく上でいろいろ手がかかります。ですからhanaちゃんと一緒に生きていくのは「大変」とふつうは考えてしまうのですが、花岡千恵さんのFacebookを見る限り、その大変さは、ちっとも感じません。  あるときhanaちゃんが台所のスポンジで頭を洗ったことがありました。どうして台所のスポンジで頭を洗い出したのか、そのときのhanaちゃんの気持ちはわかりません。こういうことが日常的にあって、 「やっぱり重度の障がい児と一緒に暮らすのは大変」 と、そういう子どもとあまりお付き合いのない人は思ってしまいます。  ところが花岡さんは 「またhanaがやってくれました」 と笑いながらhanaちゃんがスポンジで頭を洗っている写真をアップします。Facebookを見る方も、つい笑ってしまいます。「重度の障がい児と一緒に暮らすのは大変」というイメージは、もうどこかへ行ってしまいます。  そういうメッセージを花岡さんは発信してきたのだと思います。    セノーさんは前の職場で自分の居場所を失い、ぷかぷかにやってきました。確かにセノーさんはあまり働きません。寝てる時間の方が多いくらいです。それでもセノーさんがいることでなごむ世界のよさをぷかぷかはFacebookで発信してきました。「ああああああ〜、 あああああ 〜」というだけで郵便局のお姉さん達を心をわしづかみにしてしまった話は一気にセノーさんのファンを増やしました。毎日新聞の論説委員の方が取材に来て1面の「余録」に取り上げてくれました。 pukapuka-pan.hatenablog.com     セノーさんはああ見えて、家では荒れて今までテレビを7台もぶっ壊しているくらいの「大物」です。一緒に生活していくのはすごく「大変」です。でも、お父さんもお母さんも話をしていて、その「大変さ」をちっとも感じません。お父さんは神さまのような人だと私は思っています。 pukapuka-pan.hatenablog.com    hanaちゃんのお母さんや、セノーさんのご両親、そしてぷかぷかがあって、まわりの社会が少しずつ少しずつ変わっていきます。    相模原障害者殺傷事件からそろそろ1年がたとうとしています。19人もの人が殺された事件にもかかわらず、社会はどんどん忘れていくようです。 「どうしてなにもしていない私が殺されなければならないの?」 と無念に殺されていった人たちの「無念さ」を、あらためて思います。  「どうして?」の問いは私たちに向けられています。この社会の中での私たち一人ひとりの生き方が問われているように思います。大きな話ではなく、私たち自身の生き方です。    hanaちゃんのお母さんやぷかぷかの情報発信は、その問いの先にある未来に向けてのメッセージです。セノーさんのご両親の生き方も。    
  • 楽しいパン教室でした。
     7月1日(土)久しぶりのパン教室でした。地域の子ども達がたくさん参加して、にぎやかで楽しいパン教室でした。ぷかぷかのパン教室にこうやってたくさんの子ども達が来てくれることは大きな希望だと思います。ちょうど1年前、相模原障害者殺傷事件がおき、社会はどうなってしまうんだろう、と暗い気持ちになってしまいましたが、パン教室にやってくる子どもたちを見ていると、世の中まだまだ希望があると思えてきます。   希望を作るのは私たちです。黙っていても希望は自然に生まれてくるわけではありません。希望を作る努力をどれだけするのか、未来はそこにかかっているように思います。ぷかぷかのパン教室は、地域のつながりを作るだけでなく、未来への希望をも作り出しているのです。  子どもは未来そのものです。ぷかぷかを体験した子ども達がどんな未来を作ってくれるのか、すごく楽しみにしています。  パン教室に時々参加していた子どもが小学校に上がり、人に優しい言葉は「ふかふかことば」と習ったのですが、家に帰ってお母さんに、人に優しい言葉は「ぷかぷかことば」っていうんだって、と報告したそうです。「人に優しい」を「ぷかぷか」に結びつけたところが、すごくうれしかったですね。子どもの中にそんなイメージで「ぷかぷか」があったんだって、初めて気がつきました。  ぷかぷかさんとこうやって笑い合う関係の中で、子どもにとって人に優しい言葉は「ぷかぷかことば」になったようです。「ぷかぷかことば」とてもいい響きです。小さな女の子が作った「ぷかぷかことば」がもっともっと広がって欲しいですね。  毎日新聞、朝日新聞が取材に来ました。毎日新聞はカメラマンまで派遣するという力の入れようです。朝日新聞は相模原障害者殺傷事件から1年がたち、その特集の中でぷかぷかを取り上げるそうです。毎日新聞も相模原障害者殺傷事件の特集でぷかぷかを取り上げるつもりで来たのですが、何度か取材に来ているうちに、相模原障害者殺傷事件の件だけで取り上げるにはもったいないほどの大きな価値を生み出していることが見えてきて、どうやって取り上げるか悩んでいるそうです。    さて今日のメニューはこれ! メニューの横にこんな書き込みのあるのがぷかぷか 子ども達はこんなに楽しそう 酵母を入れます。 指にこんなにくっついて ぷかぷかさんも苦労しています。 ぷかぷかさんを見本にしながら生地をこねます。 こちらの子ども達はかなり手慣れた感じ 小さな子どもは椅子に乗っかって ぷかぷかさん達はみんな慣れた手つき ツジさんの美しい手が動き始めると歌がはじまります。 www.youtube.com ギンギラギンにさりげなく www.youtube.com 野菜スープを作ります。 タマネギ、とうもろこしの皮をむきます。 メロンパンの皮を作ります。 かなり力を入れて混ぜるので助手が必要です。 生姜のジャムを作ります。  子どもを抱っこしながら生姜のジャム作り フォカッチャのトッピングの材料を切ります。 子ども達は飽きるとこんな感じ。誰も止めません。それでいてパンはしっかりできちゃうので、不思議なパン教室です。 なんとなく手の空いたぷかぷかさん達 チュウしていいですか?と迫る人も。タカサキはスキだらけなので、しょっちゅうチュウされています。油断のできない、よくわからない世界です。 小さな子どもは椅子にのって調理 メロン皮の重さをはかります。   スープを作ります。  蒸しパンの成形 手の空いた子ども達にディズニーランドのパンフレットを読み始めたツジさん。朗読がうまいので、みんな聞き入っていました。子ども達にわかりやすく読み聞かせるように読むツジさんは子ども思いのやさしい人です。 メロンパンの成形の説明に聞き入る子ども達。目が真剣です。 成形した蒸しパンを蒸し器に並べます。 15分で蒸し上がり 湯気で化粧が落ちるくらいなんでもないと、湯気の中でこんないい顔。拍手してやって下さい。 フォカッチャのトッピングを作ります。 焼き上がったパンをお皿に並べます。 スープができました。 オープンサンドのトッピング これが1セット 今回は和室で食事   取材に来た毎日新聞の方の感想です。    パン教室、楽しかったです。取材に行くといつも楽しいなあと、その雰囲気に浸ってしまって仕事を忘れそうになるので困ります(笑) コンノさんが真面目な顔で生地の仕上げをしているのがかっこよかったし、今日は辻さんと2、3言会話できたのと、ふとした瞬間に近くに来てくれたのが嬉しかったです。  参加したお客さんは、ぷかぷかさんとのやりとりをこんなに楽しみにしている人たちがいるんだなあ、需要はまだまだあるなと思いました。 また、改めて木下さん始め、スタッフが素晴らしい。 ぷかぷかさんをはじめ人間ってみんな、ダイヤモンドの原石なのだと思います。そのままだと分からないけれど、高崎さんの「彼らが好き!」という思いやスタッフの温かいまなざしによって原石が磨かれてキラキラと輝きはじめる、そしてその宝石に魅せられてお客さんがやって来る…それがぷかぷかなんだなあ、と感じました。
  • 生まれてきてくれてありがとう、あなたたちと出会えて、ほんとうによかったよ。
     hanaちゃん、9才の誕生日、おめでとう! ameblo.jp   ブログにあるお母さんの言葉   《 生まれて来てくれて 本当に本当にありがとうね♡ 》   がジンときました。  hanaちゃんのおかげで、お母さんがいろいろ学び、そのお母さんから私はいろいろ学びました。hanaちゃんの生き方を基準にしよう、という《世界が「hana基準」になったら》の提案は、私にとっては、目からうろこ、ほどの提案でした。   ameblo.jp   pukapuka-pan.hatenablog.com     《 hanaちゃん 生まれてきてくれて、本当にありがとう! 》  って、私からもいいたいです。  障がいのある人たちに、そんなふうに思える関係こそもっともっと広げたいと思うのです。    以前、ミズキさんの誕生日に書いたブログです。 pukapuka-pan.hatenablog.com    ぷかぷかさん達のおかげで、こんなに楽しい、心安らぐお店ができました。    ぷかぷかさん達、生まれてきてくれてありがとう、あなたたちと出会えて、ほんとうによかったよ。  そうやってみんなが思えるようになったとき、私たちは相模原障害者殺傷事件を超えられると思います。  
  • 「もったいない」対談 花岡vsタカサキ
     hanaちゃんのお母さん、花岡さんと「もったいない」対談をしようかと思っています。  先日の理事会。そのときの話を花岡さんがブログにアップしたらすごい反響がありました。 ●●● 着いた時に高崎さんが開口1番   hanaちゃん連れて来ないなんてもったいない!   と言いました。     もったいない、、   もったいない、、   もったいない、、   、 、 、 、 、     正直、こんな考え方してる人、あまりいないんじゃないかなぁ(笑)   親の私だってなかなか思わないよ!   www.facebook.com ●●●    いいねの数、なんと130。これは何かやらねば、と花岡さんとタカサキの「もったいない」対談をやることにしました。  花岡さんの「なんでもったいないの?」というスルドイ突っ込みからはじまって、「もったいない」の意味を対談の中で掘り下げていきます。  社会の中で障がいのある人たちをどこか(養護学校や施設など)に閉じ込めておくことを、どうして「もったいない」と思うのか。そしてそれは社会的にどういう意味があるのか。  親の私だってなかなか思わないよ!と花岡さんが言う「もったいない」を、どうして私は思うようになったのか。いや、逆になんで親は思わないのか、花岡さんに聞いてみます。    「もったいない」と私は思うから、ぷかぷかはいつも開けっぴろげ。近所の方は、「どこが内か外かわからない」といっています。  地域社会と、そういう関係の中でたくさんの「ぷかぷかが好き!」っていう人や「ぷかぷかのファン」ができました。  つまり、「もったいない」というたったそれだけの思いが、地域社会を少しだけ、変えたのです。  となれば、「もったいない」という思いも、隅に置けないことになります。  にもかかわらず、花岡さんによれば 「正直、こんな考え方してる人、あまりいないんじゃないかなぁ」  いや、多分、ほとんどいません。実に「もったいない」話です。  そんななかにあって、いいねの数130,というのは小さな希望です。  130人の人が「もったいない」と思うようになれば、少しだけ変わる地域社会が130個出現することになります。  みたいな希望を持って「もったいない」対談を花岡vsタカサキでやります。    タカサキは最近少〜しボケかかった感じがするので(先日のガン騒ぎの際、病院でそばに寄って来たカミさんに、どこかで見たことがある人だと思い、もう少しで「あんた誰だっけ?」と聞くところでした)、花岡さんのシャキシャキしたスルドイ質問に、シャキシャキ答えられるかどうか、甚だ疑問なのですが、ま、「もったいない」はどこまでも「もったいないであり」、そう思うから、もう仕方がないのですが、それでも、ゆるゆるとがんばってスルドイ質問に答えていこうと思っています。    日時、場所が決まればお知らせします。          
  • せっかくの日々をなんというもったいない使い方
    先日の理事会、花岡さんがhanaちゃん連れてこなかったので、つい 「え〜っ、もったいない!」 といってしまったのですが、そのことについてのブログがすごい反響を呼んでいます。   www.facebook.com hanaちゃんはなんだかんだいってもかわいいです。重い障がいを持ったお子さんですが、付き合うほどにかわいいです。  こうやって寝てるときもあれば イケメンお兄さんを見つけて、じぃ〜っと見つめたり 詩の朗読を聞き入ったり アルゴリズム体操の歌にこんないい顔になったり   とにかくかわいいのです。 理事の人たちはhanaちゃんのような子どものことをほとんど知りません、人生、こんなすてきな人と出会わないなんて、 「ほんと、もったいない」 と思うのです。    私は養護学校の教員になって初めて障がいのある人たちに出会い、いっぺんに惚れ込んでしまいました。いろいろできないことや問題を抱えていても、それでも彼らのそばにいると毎日がほんとうに楽しかったのです。  誰かといっしょに生きていくことの楽しさを彼らは教えてくれた気がします。こんなすてきな人たちとはいっしょに生きていかなきゃ損!と思いました。  こんな宝のような人たちを養護学校に閉じ込めておくのは「もったいない」と街に連れ出して公園で遊んだりしました。遠く武蔵野の原っぱにも連れて行きました。 pukapuka-pan.hatenablog.com    そんなことをする教員は私一人だけでした。みんな「指導」には熱心でしたが、「彼らといっしょにその日を生きる」といった感覚ではなかったようです。せっかくの日々をなんというもったいない使い方、と私は思っていました。    ぷかぷかを始めた今も、彼らと過ごす日々がいとおしくてしょうがない感じです。ただ一緒にいる、それだけで幸せな日々です。幸せだと思える関係を作ることこそ大事な気がします。    
  • 「対決を乗り越える」「差別とどう向き合うか」みたいな言葉
    知り合いから立教大学で津久井やまゆり園の事件をテーマにした公開講演会の案内がありました。 www.rikkyo.ac.jp   大学でこんな講演会をやるなんてすごいなぁ、と素直に感心しました。若い学生さん達がこういうことを機会に、やまゆり園の事件のことを考えてくれればと思います。  ただ大学での講演会のせいか、なんとなく硬い雰囲気。講師の方の著作に『対決を乗り越える心の実践:障害者差別とどのように向き合うか?』というのがありましたが、「対決を乗り越える」だの、「差別とどう向き合うか」といった構えた話じゃなく、「ややこしいことごちゃごちゃいわんと一緒に生きていった方がトクじゃん」て、私は思います。こういう感覚でぷかぷかをやってきて、その結果、「ぷかぷかが好き!」とか、「ぷかぷかのファン」ができたりしています。こうやって地域社会が少しずつ変わってきています。  「障害者差別とどのように向き合うか」なんてまじめに考えないと社会は変えられない、という硬い思い込みから自由になることこそ大事な気がします。私自身、養護学校の教員になって、障がいのある子ども達と出会うまでは、そんなふうに考えていました。「障害者差別とどのように向き合うか」と。  でも、彼らと出会い、ステキな彼らを養護学校から街の中へ連れ出し、たくさんのいい出会いを作っていく中で、こういう出会いを作ることこそが大事、と思えるようになりました。pukapuka-pan.hatenablog.com    このときの経験がぷかぷかにつながっています。   そしてぷかぷかでは「彼らといっしょに生きていった方がいいよ」とやわらかく呼びかけています。ぷかぷかは差別と闘わないのです。闘わない方法で、社会をいい方向へ変えていこうとしています。  彼らとふつうに友だちになること。それは誰にでもできることです。だたそれだけで社会が少しずつ変わっていきます。ぷかぷかがやってきたことを見てもらえば、それはすぐにわかります。    機会があればこういう集まりの講師にぜひぷかぷかさんを呼んで欲しいと思います。ぷかぷかさん達との楽しいやりとりを経験すれば、「対決を乗り越える」だの、「差別とどう向き合うか」みたいな言葉が、ほとんど意味を持たなくなって、なんかもうどうでもよくなる気がします。   こうやってふつうに楽しくおつきあいするだけのこと    こんな人たちとはつきあった方が絶対トク!  
  • 社会における「ぷかぷかの価値」
     今朝の朝日新聞の読書欄に「築地市場の価値」と題して築地市場について大きくページを割いて書いていました。その中で「築地市場は単なる市場であることを超えて、世界にも希有な生きた食文化博物館にして、いまや世界中から注目を集めている…」というところが、すごいと思いました。「豊洲市場への移転によって、東京は自分の中の重要な経済的文化的機構の一つを、永遠に失うことになる。日本人は築地市場のような価値ある場所を失ってなならない」と結んでいました。    ぷかぷかも単なる福祉事業所であることを超えて、福祉の枠にもう収まらないほどの「新しい価値」を創り出している気がします。  先日の上映会では朝日新聞、毎日新聞、神奈川新聞、それにNHKが取材にきていました、単なる福祉事業所の映画であれば、こんなに取材はきません。  毎日新聞は一面使ってぷかぷかのことを書くそうで、度々取材にきています。先日は一日メンバーさんと一緒に働く体験取材をしていました。    今週はサービスグラントのキックオフミーティングを取材します。 サービスグラントについては下記サイト。 www.servicegrant.or.jp    サービスグラントには企業にアートを売り込む営業資料を作ってもらいます。6ヶ月かけてパワーポイントで20ページ分くらいの営業資料を作ります。  営業資料というのは「ぷかぷかの社会的価値」を企業に伝えるためのものです。そのためにいろんな人にぷかぷかについてヒアリングをしたり、イベントに参加したり、ぷかぷかの日中活動を取材したりして、「ぷかぷかの社会的価値」を掘り起こしていきます。  福祉の業界だけに通用するようなものではなく、社会全体に通用する「ぷかぷかの価値」です。そうでないと、企業には伝わりません。企業を説得できるだけの価値です。企業がお金を出してでも買いたい価値です。  ぷかぷかのアートを企業が採用することにどんな意味があるのか、それを社会における「ぷかぷかの価値」という視点から書いていきます。すごく大変な作業になると予想されますが、大変だからこそ、この作業はおもしろいと思います。  毎日新聞が一面も使ってぷかぷかを紹介したい、というのは、多分一面使って紹介するに値する「ぷかぷかの価値」を見つけたのだろうと思います。一面でそれを書ききるのはすごく大変だと思います。パワーポイント20ページ分の方がまだ楽な気がしますが、いずれにしてもすごく楽しみです。    「ぷかぷかの価値」とは「ぷかぷかさん達が作り出す価値」です。障がいのある人たちが作り出す新しい価値です。彼らと一緒に生きることで生まれた新しい価値です。      
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