ぷかぷか日記

しんごっちの物語

  • しんごっち、半年ぶりにぷかぷかへ
     しんごっちが半年ぶりにぷかぷかへ顔を出しました。  自宅療養していたものの、具合が悪くなり、一時はもうだめかも、と思ったこともありました。それがこの4週間くらいで、奇跡といっていいほどの回復ぶりを見せました。寝たきりの状態から車いすに乗れるようになり、食事も普通にとれるようになり、3日前には自宅近くのジョナサンまで車いすで出かけてランチをし、昨日、2回目の外出でぷかぷかまでやってきたのでした。  ぷかぷかに来ることは病院を退院したあとしんごっちの大きな目標でした。パン屋に来てみんなの歓声に囲まれてうれしそうにしているしんごっちを見ていると、よかったよなぁ、よかったよなぁ、って涙がこぼれてしまいました。  腕まくりして注射のあとをみんなに見せ、 「ぼく、がんばったんだよ」 って、何度も言っていたしんごっち。本当に辛い治療に耐えたんだと思います。ほんとうによくがんばったよなぁ、偉い、偉い、と抱きしめてやりたいくらいでした。    車いすに乗れるのは2時間ぐらい、と聞いていたので、カフェで食事をするくらいかな、と思っていたのですが、本人はパン屋、工房、カフェと全部行きたいと言ったそうで、その前向きの気持ちがすごくうれしく思いました。  しんごっちにとって、ぷかぷかは自分を支えるものとして、本当に大切な場だったんだなとあらためて思いました。  ぷかぷかは「就労支援」の場ですが、ここで働く人にとってはそれを超えるもっと大切な場なんだということをしんごっちに教えてもらった気がしています。
  • 今日雪が降るよ
     朝、gottiから電話。 「今日3時から雪が降るよ。寒いよ。みんなに言って。じゃあね」 と、電話が切れました。  gottiは天気予報が大好きです。朝の会でいつも今日の天気を話してくれました。 今、家で療養中ですが、今日は珍しく雪が降るというので連絡してくれたのだと思います。  雪が降る、というたったそれだけのことを伝えるためにわざわざ電話をかけてくるところがgottiらしいところ。  gotti、健在です!    
  • あけましておめでとごいます
                      あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。  「ぷかぷか」の年賀状を作るために、何人かの利用者さんに「あけましておめでとうございます」と書いてもらい、選んだのが上の文字。勢いがあって、ひと目でこれに決めたのですが、最後の方がよく読めなくて、目をこらすと「あけましておめでとごいます」とありましたが、ま、いいか、となって、これで年賀状作りました。  ま、いいか、という感じで行けてしまうところが、彼らといっしょに仕事をしている「ぷかぷか」のいいところだと思います。本人は大まじめに、一生懸命書いていたので、「ぷかぷか」の仕事始めは「あけましておめでとごいます」でいこうと思います。このあたり、どこまでも「ぷかぷか」なのです。    今年は「お総菜」「アート」「ワークショップ」が新しく始まります。どの企画もわくわくするものがあって、本当に楽しみです。  お総菜作りで使うスチームコンベクションオーブン(100万円)を買うために、ヤマト福祉財団に助成金の申請をしたのですが、その申請書作りに31日の夕方までかかりました(締め切りが31日の消印でした)。追い込まれたおかげで、お総菜の物語が更に広がりを持ったように思います。収益として期待できるだけでなく、お弁当を配達することで地域に新しい関係が広がっていくことに、企画書を書きながら気がつきました。  お弁当の配達にはお話好きの利用者さんを連れて行こうと思っています。配達ついでにお年寄りの方とお話ししてきます。他愛ない話であっても、利用者さんとお話しする時間はとても楽しいと思います。そのことでお年寄りの方が、ほんのちょっとでも元気になるなら、お弁当の配達は、ただお弁当を届けるだけでなく、とても大事なものを届けることになります。それは利用者さん(=障がいのある人)しかできない仕事です。そんな仕事を積み重ね、ぜひ彼らにお弁当を届けて欲しいというお年寄りの方が増えるなら、「ぷかぷか」が発信してきた「彼らとはいっしょに生きていった方がいいよ」というメッセージの回路が更に増えることになります。  「アート」も「ワークショップ」も新しい回路の開発です。どんなふうに広がっていくのか、本当に楽しみです。    そういえば昨日の朝、しんごっちから電話がありました。「地震だよ、大変だよ」と騒いでいるのですが、全く揺れを感じません。しんごっちの家は私の家から5キロぐらいしか離れていないので、変だなと思いながらテレビをつけたら茨城で震度5とテロップが流れていました。そのことを伝えたくてわざわざ電話までくれるところにしんごっちらしさがあって、ひとときその長い報告におつきあいしました。話の中で田園都市線は市が尾付近でカーブがきついので、地震の時は電車が止まるんだよ、なんてことも言っていて、よく調べているなぁと感心しました。とにかく元気な声で安心しました。そのしんごっちの絵画展、あたたかくなったらカフェで開催しようと思います。楽しみにしていて下さい。          
  • 8分間の胸のときめき
     入院中のしんごっち、自宅での外泊から病院に帰るとき、自分で使っていたスケッチブックをカバンに詰め、大好きな看護師さんに絵を描いてあげるんだー!と張り切って病院へ戻ったそうです。  胸をわくわくさせながらスケッチブックを鞄に詰め込んでいるしんごっちの姿が目に浮かびます。そんな時間が少しでも長く取れるといいなと思っています。  前にも書きましたが、しんごっちは給料が出ると横浜川崎間のひと駅だけのグリーン車の旅を楽しんでいました。ひと駅だけ乗るのにわざわざ高いグリーン車に乗る人はまずいません。わずか8分の乗車時間ですから、立ったままでも十分行ける距離です。座ったとしても、ゆったりくつろぐような時間はありません。それでも、そこに750円のグリーン車の代金を払って乗るところに、しんごっちの「人生観」「美学」があるように思うのです。  横浜から博多までのグリーン車の旅よりも、短い分、もっと濃縮された、わくわくするような贅沢な時間がそこにはあるような気がします。8分間の胸のときめきこそ大事にしたい、というしんごっちの素敵な人生がそこにはあります。  しんごっちは重い障がいを抱えた人です。生きていく上でいろいろな困難を抱えた人です。それでもそんなことお構いなく、自分の人生をしっかり生きているしんごっちは、生きることの意味をあらためて教えてくれているように思うのです。   グリーン車で自撮りしたもの テーブルの上には慎ましくお茶とおにぎり       
  • しんごっちのように生きていければ 世界はもっと幸せに
    お客さんのひとりが  「今まで、ぷかぷかの人たちって、なにかをやってあげる対象でしか考えていなかったんだけど、しんごっちのお話読んでいるうちに、そうじゃないことに気がついたんだよね」  っていいました。 「どうしてそんなふうに思うようになったんですか?」 と聞くと、  その方からメールが来ました。   《 ぷかぷかさんの色々な活動に参加していくことを通して  私は、ぷかぷかのメンバーさんたちの中にいる居心地の良さみたいなものを感じて どんどんぷかぷかさんが大好きになっていきました。 この人達がいる世界って素敵だなと感じるようになってきました。 私たちが少し手助けをするだけで、この人達がこの街で楽しく過ごして行けるなら みんなが、この人達を手助けしてくれるなら すごく素敵な世界になるのになぁなんて思っていました。   その気持ちは今でも変わらないのですけれど。   しんごっちについてのブログを読んでいるうちに 私の中でしんごっちはいつの間にか、私たちがただ手助けをするだけの人では なくなっていました。   病院に付きそうお母さんを心配して「もう帰っていいよ。」と言うしんごっち。 子どもに電車の展開図を書いてあげるしんごっち。 頭にかぶっているネットを顔全体に引き伸ばして看護婦さんを笑わせるしんごっち。 大好きな電車の模型をもらってVサインをするしんごっち。 お給料をもらって短いグリーン車の旅を楽しむしんごっち。   そんなしんごっちの話を読んでいるうちに いつの間にかしんごっちは、ごく普通の青年になって すっくと私の中で立ち上がったのです。 いきいきと自分の世界を持ち、人生を誰よりも楽しんでいる一人の青年です。 障害があったって、そんなこと関係ない。 手助けが必要だって、そんなこと関係ない。 そんな風に感じたのです。   例え障害があったとしても、無かったとしても 手助けが必要だって、必要じゃあなくたって そんなことなぁんにも関係なく生きていければ しんごっちのように生きていければ 世界はもっと幸せになれるのに! そう思ったと言うことです。 》              
  • gottiが勇気を送ってくれた
     gottiのために火渡りをして祈願してくださった方からのメールです。   《 あの火の強さの時は殆どの方は渡っていません‥。   gottiが きっと勇気を送ってくれたのだと思います。   自分が出来ることしか出来ませんが 少しでも 和らぐことを願ながら‥ 》   もう一つ   《 考えてみますと 私も励まされていることが判りました。    こちらこそ感謝しています。    こころの引き出しが又ひとつ増えました 》   最後の言葉がすばらしくいいですね。        
  • 近所の子どもが
     近所の子どもがgottiの好きな「東急5050系4000番台」の写真をパン屋に届けてくれました。自分で撮ったもので、線路際で撮ったのか、なかなか迫力ある写真でした。日常的な視点で撮られているせいか、妙にリアルな感じがして、カレンダーの写真よりもgottiは喜ぶのではないかと思いました。  gottiのことを思いやる人が少しずつ増えてきて、とても嬉しいです。  近所の方が、ぷかぷかの利用者さんのことをこんなに心配してくれたのは初めてです。 先日のカフェの誕生会での写真といい(11月15日)、いい関係がどんどん広がって、これから先がほんとうに楽しみです。「自分の手で、未来をもっと素敵にできる」ぷかぷかはほんとうにそれをやってるんだ、と思います。
  • ずいぶん助けられているなぁという気がして…
     gottiがほしがっていた「東急5050系4000番台」の電車の模型を、昨日お母さんに手渡し、gottiに届けてもらいました。  電車の模型を受け取ったときのgottiの笑顔。想像するだけで楽しいです。      このブログを読んでいる方が、「今まで、なにかをやってあげる対象でしか考えていませんでしたが、gottiのお話読んでいるうちに、そうじゃないことに気がつきました」と先日おっしゃってました。  これは本当にすばらしい【気づき】だと思います。この気づきこそが、お互いの関係を変え、新しい社会を作っていくのだと思います。  話をすると、通じないことの多いgottiですが、それでいて、こういった「お互いが支え合う関係」といったものは、いつの間にかgottiのまわりにできてしまいます。ここがgottiの魅力であり、彼の持っている力だろうと思います。その力に私たちはずいぶん助けられているなぁという気がします。電車のプレゼントはその感謝の気持ちです。
  • gotti から電話
     夕方、なんとgottiから電話がありました。  「ぼくもうちょっとお休みするから」としきりにいってました。こちらからいろいろ聞いても、一方的に同じことをしゃべっていました。  声はいつもよりちょっとガラガラ声でしたが、病人の弱々しい感じの声ではなく、わりとしっかりした感じでした。  電話がかけられるくらいなので、よほど調子が良かったのだと思います。この調子でどんどん元気になって、時々電話くれるといいな、と思います。
  • 東急5050系4000番台
     朝、待望の東急5050系4000番台が届きました。早速箱から出し、並べてみました。顔を近づけて見ると、わくわくします。この電車がgottiの生きるエネルギーを引っ張り出してくれるといいなと思います。    
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