ぷかぷか日記

お金をまわすことの意味

 子どもたちにオペラをプレゼントするためのクラウドファンディング、今日が最終日です。

 

 お金をまわすことの意味を書きます。

 ぷかぷかを始めるとき、大変なお金がかかりました。でも、実績のない事業所は信用がなく、どこからも助成金は出ませんでした。やむなく自分の退職金をはたくことになりました。事業がうまくいくかどうかの確信もないまま、大金を差し出すことは、本当にきつい決断でした。

 

 でも、あれから10年たった今、あの時、退職金を銀行にあずけなくてよかった、としみじみ思います。お金が必要だったぷかぷかにまわしたからこそ、今のぷかぷかがあるからです。

 おいしいパンのお店「ベーカリーぷかぷか」、ぷかぷかさんと一緒にごはんを食べるお店「ぷかぷかさんのお昼ごはん」、おいしいお弁当、お惣菜のお店「おひさまの台所」、アート作品を作り出す「アート屋わんど」と、にぎやかな、楽しいお店が4軒もできました。畑を借りて野菜も作っています。最近はクラフト班もでき、草木染めをやったり、刺繍、織物をやったりしています。

 現在40人もの障がいのある人たちが楽しく働いています。40人もの障がいのある人たちの働く場が、この霧ヶ丘にできたことは、すごいことだと思います。全くのゼロから出発したのですから。

 

 ぷかぷかはただお店が4軒あるだけではありません。障がいのある人が40人働いているだけではありません。

 そこからたくさんの素敵な物語を生み出したこと、ここがぷかぷかのおもしろいところです。

 物語は街を豊かにしました。

 銀行にあずけていれば、何も生まなかったお金が、ぷかぷかにまわすことで、こんなにも素敵な物語を生み出したのです。どんな物語を生み出したか。その一部を写真で紹介します。

 

ここからぷかぷかの物語が始まりました。

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オーブンを運び込みます。

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地域の子ども達といっしょにパン教室をやりました。

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地域の人たちといっしょに運動会

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子どもの誕生会でいっしょに撮影

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クローバーまつりでバームクーヘンを焼きました。

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 クローバーまつりで恐竜の門を作りました。

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近所の子どもとお話

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区民まつりで地産地消のブースをデザイン

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地域の人たちと一緒に大きなクジラの絵を描きました。

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マルシェをやりました。

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日本フィルハーモニーのチェロ奏者江原さんと大ちゃんの太鼓のコラボ。相模原障害者殺傷事件で犠牲になった方々へ捧げる「レクエム」を演奏しました。この時はpvプロボノとNHKが取材に来ました。

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秋コレ・ぷかぷかファッションショーのモデルさんたちを地域の人たちと一緒に作りました。

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街をパレード

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地域の人たちとぷかぷかさんが一緒に芝居作り(演劇ワークショップ)

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演劇ワークショップで作った芝居の発表「表現の市場」

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アート屋わんどでは『セロ弾きのゴーシュ・ぷかぷか版』の背景画、小道具を作りました。

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 『表現の市場』みどりアートパークホール。 今年の「表現の市場」は立ち見ができるほどの盛況ぶり

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 これはぷかぷかが生みだした物語のほんの一部です。

  これがお金が必要だったぷかぷかにお金をまわすことで作り出すことができた素敵な物語です。

 新しい歴史です。

 これが「お金を必要なところにまわす」ことの意味です。

 

 日本財団は助成金を出すとき、助成金の金額を超える「新しい価値」をどれだけ作り出せるかで審査するそうです。ぷかぷかは最初にまわしたお金の何倍もの「新しい価値」を作り出したように思うのです。

 お金をまわさず、銀行にあずけていれば、多分、何も生まれませんでした。物語を記録したたくさんの写真見ていると、こういったものが一切なかったとすれば、社会の大変な損失と言っていいくらいです。逆に言えば、お金をまわすことで、それくらい社会にとって大切なものを作り出した、ということです。

 

 

 子どもたちにオペラを見せて、すぐに何かが始まるわけではありません。でも、オペラを見る、というすごい体験は、言葉で語れないくらい子どもたちの心を豊かにします。

 前回、オペラを見た子どもたちが家で毎日のように

♪ テトのパンは あ … ♪

って、繰り返し繰り返し歌っていたと、何人もの方から聞きました。

 子どもたちが大きくなって、社会を担うようになったとき、多分素敵な物語をたくさん生み出してくれます。そのときに、オペラで体験した、思いっきり笑ったり、思いっきりハラハラドキドキしたり、すっごく怖い思いをしたり、すっごく悲しい思いをしたり、なによりもすっごくいい歌を聴いたりしたことを、思い出してほしいなと思うのです。あのときの熱くほてった気持ちを、社会のために役立ててほしいと思うのです。

 

 そんな思いを込めて、ぜひお金をまわしてください。お金はまわすことで、生きてきます。お金を、子どもたちのために生かしてください。

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ちょっぴり大人になれるかな

オペラ『ロはロボットのロ』のラストシーン。

 テトはエネルギーが切れ、動かなくなります。ココはテトを作ったドリトル博士に直してくれるように頼みます。

「身勝手な人間のためにロボット作ったり直したりはもう二度としないんじゃ」

と博士は断るのですが、ココはどこまでも食い下がります。その中にぴかっと光る言葉がありました。

「テトのパンはみんなを幸せにするんだよ」

すごくいい言葉だなって思いました。だからテトはみんなに愛されるのです。

 

 ぷかぷかを始めるとき、テトのようにみんなを幸せにするようなパンが作れたらいいなと思っていました。ただおいしいパン、というのではなく、みんなを幸せにするパンです。それはパンの技術とか材料では作れません。

 それをやってくれたのはぷかぷかさんたちでした。ぷかぷかさんたちがファンを作り、みんなを幸せにするようなパンを作ってくれたのです。ぷかぷかさんがいなければ、おいしいパンは作れたかも知れませんが、みんなを幸せにするようなパンはできなかったと思います。

 ぷかぷかさんがいる、だからみんなを幸せにするようなパンができた。そのことを忘れないようにしたいと思うのです。

 写真の大きなパン、これがみんなを幸せにするパンです。

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 オペラはほんのひととき、みんなを幸せな時間に誘います。思いっきり笑ったり、ハラハラドキドキしたり、ちょっと怖い思いをしたり、ふだんよりもずっと密度の濃い時間です。

 オペラを作曲した萩京子さんは、見終わったあと、ちょっぴり大人になれるかな、とおっしゃってます。『ロはロボットのロ』は、そういうところのあるオペラです。

萩京子さんのひとことインタビュー

https://www.youtube.com/watch?v=8R5mt_JmWqU

 

子どもたちにちょっぴり大人になれるような素敵な時間をプレゼントしてあげてください。クラウドファンディングはあと2日です。

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こちらが楽しんでいればぷかぷかさんも楽しい。見学に来た人も幸せ。

先日の「福祉にファンができるヒミツ」と題したセミナーに、軽井沢から参加された方がいました。せっかくなので、その日のお昼、ぷかぷかを見学されました。そのときの感想がとてもよかったので紹介します。

 

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昨日は大変お世話になりました。まずは温かく迎えていただいたことに感謝申し上げます。メンバーさんもホントに一人ひとりが個性的で面白く、温かかったです。

 

アートスタジオで似顔絵を描いてもらった時は、最初は少し緊張しましたが、段々と私自身も環境の一部となったような気がしてきて、おいとまするのが名残惜しく感じるほど、居心地が良かったです。同時に、これまで何かわかったかの様に「障がいのあるなしに関わらず」などと言っていましたが、勝手に線引きをしていたのは自分自身だったと気づき、恥ずかしくなりました。

 

 それぞれやるべき仕事はあるけれど、自分らしさは否定されず、思い思いに動き、語り、跳びはね、歌い、時には寝たり休んだりもしながら、ゆるやかにお互いを認め合いながら働くメンバーさんの姿を見ていると何だか幸せな気持ちになりました。自分らしくそこにいていいこと、そして自分が必要とされていることを実感できているからこそ、あんなに生き生きと楽しそうに働いているんだなと思いました。

 

  夜のイベントでは、高崎さんの熱い想いを直接お聞きできて良かったです。高崎さん自身は、障がい者を支えているなんていう意識は微塵もなく、ぷかぷかさんと一緒に居たら何か面白いことが起こりそう。やってみよう!一緒にいなきゃソンだよ。そんな軽いノリで、ご自身が心底楽しんでいる姿が素敵だなあと感じました。開業からの半年は、本当に辛い日々であったと思いますが、そうした時期を乗り越えての言葉に重みも感じました。

 

  省みて、自分自身はまだまだ作られた既存の枠の中で、細々としたことばかりに気を取られながらやっているなぁと感じます。本質は見据えつつ、当たり前の枠をもっと大胆に取っ払ってやっていきたい。高崎さんの姿からそんなことを感じました。自分にとって本当に貴重な1日となりました。そしてますますぷかぷかさんが好きになりました。

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 楽しそうに働くメンバーさんの姿を見て

何だか幸せな気持ちになりました」

という感想がいいですね。福祉事業所を見学にきて、幸せな気持ちになるなんて、そうそうないと思います。

 

 夜のセミナー。私の話を聞いて

「軽いノリで楽しんでる姿が素敵だなぁ」

という感想もいいですね。

 楽しいからいろんなことができるし、そこからいろんな新しいものも生まれます。

 福祉をやっているのではなく、どこまでもぷかぷかさんたちと楽しいことをする。そういう感覚が大事な気がします。

 今日は、お昼食べながら目の前の壁に貼ってあった謎めいた言葉に、「なんだこりゃ」と思いながら、なんだかわくわくしました。

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 わんどにあった似顔絵には笑ってしまいました。

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 彼らと一緒に生きる日々を楽しむ。それがすごく大事な気がします。

 こちらが楽しんでいればぷかぷかさんも楽しいし、見学に来た人も幸せな気持ちになるのだと思います。

 

 「福祉にファンができる」セミナー、呼んでいただければ出かけていきますよ。イノベーションだなんだと騒いでいるのを「ケッ」と一喝した宮原さんもあいていれば一緒に行きますよ。

 お問い合わせはこちら

https://www.pukapuka.or.jp/contact/

この方の思いこそ、社会に必要なもの

 子どもたちにオペラをプレゼントしよう、という企画に多額の寄付をされた方から本を読んだ感想が寄せられました。

 

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『障害がある人たちと一緒に生きるのは得』『マニュアル通りの接客は気色が悪かったので彼らの有りのままで通した』等のエピソードを見て、「だからあなたも生きていていいんだよ、失敗しても作業が遅くてもいいんだよ」と言われたような気がして泣きました。ページをめくるたびになぜか泣いてしまうので、なかなか読み終えるのが大変です。

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 『ぷかぷかな物語』をこんなふうに受け止めていただいたのは初めてで、とてもうれしく思いました。生きることが、ほんの少し楽になったかな、と思います。

 この方は発達障害の当事者だそうです。一般の会社で働き、結婚し、三人の子どもを育てながらも、大変な苦労をされたようです。だからこそ、言葉が心の奥深くまで届いたのだと思います。

 

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 「職場でも、家庭でも、私は他の人達のようにきちんと物事を回していくのがとても大変で、つらいのです。」

子育て、家事でも人間関係でも上手くいかない事が多く、障害とわかった時、自分はこの世にいてはいけないんじゃないか、と思ったのです。」

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 大変な人生を生きてこられたんだなと思いました。そしてその生きにくさを強いているのは、私たちが作った社会であること。そのことが私は辛いです。

 

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今の日本の社会システムが、人を楽しく幸せにする方向から絶望的にずれてしまっているという事をひしひしと感じます。

間違っちゃいけない、早くしないといけない、場の空気を読んで、言われなくても察して完璧に物事をこなさなくちゃダメ。

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 ご自分の生きづらさから見えてきた今の社会は、自分にとっては「拷問」です、とおっしゃっています。

 そんな風に感じる人たちに私たちは何ができるのか。

 

 前にも書きましたが、NPO法人ぷかぷかは

 「障がいのある人たちの社会的生きにくさを少しでも解消する」

ということを設立目的に掲げています。そのためにぷかぷかがやってきたことは、生きにくさを強いている社会を糾弾するとかではなく、ひとつは、

「社会を構成するたくさんの人たちといい出会いを作る」

もう一つは

「ぷかぷかで働く障がいのある人たちに、そのままのあなたが一番魅力的、と言い続け、それを実践する。更に彼らの魅力をたくさんの人に伝える。」

ことです。

 結果、たくさんのいい出会いがあり、たくさんのファンができました。

 寄付された方は

定型発達の方たちだってこの社会システムに潰され、辛いと思っている人は沢山いるはずです。」

と指摘されていますが、たくさんのファンができた一番の理由はここにあると思います。社会に息苦しさを感じ、つぶされそうになった人たちが、ぷかぷかへきて、自由に振る舞うぷかぷかさんに出会い、ぷかぷかの空気感にふれ、ホッとしたものを感じたのだと思います。

 障がいのある人たちの生きにくさを解消することは、そのまま社会のみんなの生きにくさを解消することだったことに、ぷかぷかを始めてから気がつきました。

 

 寄付された方は、ご自分のことを「発達障害の当事者」とおっしゃっていますが、社会の問題がこれだけ明確に見えています。社会の抱える問題をこれだけ明確に指摘できる人がいったいどれだけいるでしょう。

 それを考えると、仕事が遅いとか、要領が悪い、といった評価で発達障害を抱える人の価値を決めつけている私たちの方こそ心貧しいのではないかと思います。

 「子どもたちにオペラをプレゼントしよう」

という企画の趣旨を何よりも理解し、10万円もの寄付をしてくれたこの方の思いこそ、社会に必要なものです。この方の熱い思いこそが、社会を救い、社会をよくします。

 発達障害の当事者の方が、社会を救い、社会をよくしようとしているのです。そのことを私たちは謙虚に受け止めたいと思うのです。

 

 発達障害の当事者という、あなた

 「あなたにいてほしい!」「あなたが必要!」

って、切に思います。

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クラウドファンディングはあと4日です。目標達成率は72%です。もうひとがんばりです。あなたの思いをぜひ!

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オペラ『ロはロボットのロ』の稽古場に行ってきました。

 オペラシアターこんにゃく座の稽古場に行ってきました。

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このトラックに大道具、小道具、衣装などを乗せて旅をします。洗濯機も運びます。公演のあとはすぐに現地で衣装を洗濯し、生乾きのままトラックの中につるして次の公演の場所へ。

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今日から7月の公演に向けて稽古が始まりました。『ロはロボットのロ』は2年ぶりくらいの公演だそうで、今日は作曲家の萩さんを迎え、歌合わせでした。

 2年ぶりとはいえ、歌はハーモニーのきれいなむつかしい歌をいきなり歌えたりするので、さすがプロですね。泥棒市場のいかにも怪しい雰囲気の歌のハーモニーはしびれるくらいすばらしいです。

 歌を一通り通したあとは、振り付け師の伊藤多恵さんがやってきて、振り付けのチェック。伊藤多恵さんはぷかぷかの演劇ワークショップにも来ていただいて、ミツバチのダンスを作っていただきました。

 

 テトが旅に出る場面。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=-Ap5Mfs98U0

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 音楽監督と歌役者さんからの《オペラ『ロはロボットのロ』の見どころ》ひとことインタビュー

 

 まずはオペラ『ロはロボットのロ』を作曲し、音楽監督を務める萩京子さん

https://www.youtube.com/watch?v=8R5mt_JmWqU

 

 主人公テト役の金村慎太郎さん。いつも笑顔で大活躍。

https://www.youtube.com/watch?v=nvEyTJd2Ajc

 

ココ役の飯野薫さん。とにかく元気な歌役者さんです。

https://www.youtube.com/watch?v=4yhnyVvjkMM

 

テトのお母さんママモンロー役と魔女ノーマ役の相原智枝さん。クライマックスシーン、魔女ノーマの迫力はすごいです。もう30年もおつきあいがあって、ぷかぷか3周年のイベントに駆けつけてくれ、私のリクエストで、オペラ『フィガロの結婚』の中の「マルチェリーナのタンゴ」を朗々と歌ってくれました。

https://www.youtube.com/watch?v=7qM7iiyZtM4

 

王女ジーンとおっちゃん役の沖まどかさん。パンの食べっぷりがいい。ハロー役の小田さんと二人のハーモニーがすばらしい。

https://www.youtube.com/watch?v=ITHrA-ANJSA

 

ハロー役ほかの小田藍乃さん。泥棒市場の歌のハーモニーがすばらしい。それと誰もまねできない早口言葉。

https://www.youtube.com/watch?v=o5lYCQ9ZUOo

 

もう絶対に見なきゃソン!です。

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お店でも買えます。おしゃれなチケットです。

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私たちが夢見ること、そこから社会が少しずつ変わり始めるのだと思います。

子どもたちにオペラをプレゼントする企画に、なんと10万円もの寄付を下さった方がいます。はじめはお金にゆとりのある方かな、と思っていたのですが、その方とのメールのやりとりで全く違うことがわかりました。

 

 《 今の日本の社会システムが、人を楽しく幸せにする方向から絶望的にずれてしまっているとう事をひしひしと感じます。間違っちゃいけない、早くしないといけない、場の空気を読んで、言われなくても察して完璧に物事をこなさなくちゃダメ。》

という社会の雰囲気の中で、拷問といえるほど辛い思いをしてきた、とその方は書かれていました。

 

《そんな中で、子供たちにオペラをプレゼントすることで、世の中を変えていく!という発想にビックリ仰天し、とても遠大な計画だなぁと思い、第一、それに目を向ける人なんてどのくらいいるのかしらといぶかしく思いながら時々ブログを拝見していました。

 そこで、思いもかけず50%達成、の報告を見て、世の中に無言で文句を言うだけで何もしていなかった自分は一体何だろうかと思いました。恥ずかしいなと思いました。取りあえず出来る事と言えば、昔 事務職で神経をすり減らしながら蓄えたお金の中から、世の中を変えていく一歩として、わずかではありますが精一杯応援させていただくという事でした。》

 

 ああ、こんな人がいたんだ、って、ちょっと涙がこぼれました。

 この方は三人のお子さんを育てていらっしゃるそうです。寄付せずにお子さんのために使うこともできたはずです。にもかかわらず、寄付にお金を回してくださいました。寄付に寄せる思いの深さを思いました。

 

 社会というのはとてつもなく大きくて、

「それを変えていくのはものすごく大変」

とみんな思い、多くの人は、

「社会を変える」

なんてことは考えなくなっています。

 でも、何もしなければ、それこそ社会は何も変わりません。何かすれば、ひょっとしたらちょっとだけ何かが変わるかも知れません。

 NPO法人ぷかぷかは、その設立目的として

「障がいのある人たちの社会的生きにくさを少しでも解消する」

ということをあげています。社会を変えることで、障がいのある人たちの社会的な生きにくさを変えようと思ったのです。

 そのためにいろんなことをやりました。そして10年がたち、ぷかぷかのまわりの社会が少しずつ変わり始めました。『ぷかぷかな物語』にそのことを書いています。ぜひ読んでみてください。

shop.pukapuka.or.jp

 

 子どもたちにオペラをプレゼントしよう、という企画も社会を少しでも豊かにしたい、という思いから来ています。そういうことをみんなが夢見ること、そのことが大事だと思います。

 政治が、あるいは行政が社会を豊かにするわけではありません。社会を豊かにするのはどこまでも私たちであり、子どもたちです。

 私たちが夢見るところから、社会は少しずつ変わり始めるのだと思います。

 クラウドファンディングはあと5日です。現在目標達成率は約72%です。もうひとがんばりです。ぜひご協力ください。あなたの熱い思いを寄せてください。

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ここからそれぞれが新しい物語を作るような上映会、やります。

8月3日(土)長津田駅前みどりアートパークホールで「相模原障害者殺傷事件」をテーマにした上映会をやります。といって、事件に関する重い話とか、優生思想云々の大きな話ではなく、明るい、希望のある話をしようと思っています。

 「相模原障害者殺傷事件」を明るく超えていく、というのも変ですが、犯人の言った「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」といった言葉や、それに同調する社会の雰囲気を超えるには、そういったことを言葉で批判するだけに終わるのではなく、「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」「その方が、人生、トク!」「障がいのある人たちは、まわりの人たちをほっこりあたたかい気持ちにさせる」「幸せな気持ちにさせる」という事実を丁寧に作っていくことだと思います。

 

 上映する映画は、ぷかぷかさんたちが地域を耕し、地域を豊かにしている事実を伝えてくれます。それはそのまま事件を超える社会を作っていくための具体的な手がかりです。

 上映する映画は『ぷかぷかさんカナダをゆく』(50分)、『Secret of Pukapuka』(27分)、『第5期演劇ワークショップの記録映画』(60分)、『すごろくワークショップ』(17分)、『ぷかぷかさんのいる町』(9分)。

 いっぺんに見ると疲れるので、午前と午後に分けます。午前は10時から『ぷかぷかさんカナダをゆく』『Secret of Pukapuka』、午後は1時半から『第5期演劇ワークショップの記録映画』『すごろくワークショップ』『ぷかぷかさんのいる町』です。

 

  『ぷかぷかさんカナダをゆく』は一昨年カナダのバンクーバーで開かれた世界自閉症フェスティバルに参加したとき記録映画。

 ドキドキわくわくハラハラと次々にいろんなことが起こるぷかぷかさんのカナダ珍道中。とどめは、ちょっと怪しい雰囲気の夜のダウンタウンで、なんとぷかぷかさんが行方不明!

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 カナダに行くことになったのは、4年前に作ったぷかぷかのプロモーションビデオが、フェスティバルの主催者レオノーラさんの目にとまり、ぜひ上映してほしいと依頼されたことがきっかけ。日本語の映像だったにもかかわらず、「一緒にいると心ぷかぷか」というメッセージが届いたのだと思います。

プロモーションビデオ「一緒にいると心ぷかぷか」

https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=pbJd0aCpO-s

  「一緒にいると心ぷかぷか」というメッセージは、「障害者はいない方がいい」のではなく「一緒にいると心ぷかぷか」になる存在なんだというまさに事件を超えるメッセージです。それが言葉の違うカナダまで届いたことは、このメッセージの普遍性を意味します。

 実際カナダ上映に向けてプロモーションビデオを再編集した『Secret of Pukapuka』は、外国の人たちから「障がいのある人たちが地域を耕す」「地域を豊かにする」といった発想は、自分の中の今までの障がいのある人たちの概念をひっくり返した、という感想がいくつも寄せられました。

 

 午後はぷかぷかさんたちとワークショップを通していい出会いをした桜美林大学の学生さんに何人か舞台に上がっていただいて、ぷかぷかさんたちのことを若い目線で語ってもらおうと思っています。

 コーディネーターとして神奈川新聞の「時代の正体」で何度も相模原障害者殺傷事件を取り上げた成田記者に舞台に上がってもらいます。事件を超える社会をどんな風に作っていくのか、という視点で、学生さんたちの発言をうまくコーディネイトしてもらう予定です。

 

 相模原障害者殺傷事件を考える集まりのメインイベントはぷかぷかさんとの握手会。相模原障害者殺傷事件を考える集まりで、どうして握手会?という疑問が出ると思うのですが、たかが握手会、されど握手会なのです。そしてここから新しい物語をそれぞれが作っていくのです。

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寝たまま愛されているセノーさんの作り出す価値は、産業革命以来の価値の大転換

 「 福祉にファンができるヒミツ」と題したセミナー、「とてつもないすばらしさを再認識」とか「とても刺激的なセミナーでした」といった言葉をいただきました。

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会議室のすぐ外では

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 魔女系アーティスト宮原さんが、「最近イノベーションだのなんだのとやたら騒いでいるけれど、ぷかぷかさんと出会ってみれば、〈ケッ!〉っていう感じです」といったのがすごく印象に残りました。なんとなくその感覚はわかるのですが、一応本人に聞いてみました。で返ってきたのがこれ。メッセンジャーでのやりとりをそのまま載せます。

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(宮原)「ケッ!という感じ」の説明しますね。
私は広告代理店のクリエイターだったので、新商品、新機能、新成分、新発想… にまみれて働いてきたわけです。正直、全然新しい感じがしない「画期的な新商品」をたくさん世の中に送り出してきました。
そんな業界で10年ちょっと前から、「デザイン思考でイノベーションを起こす」っていうブームが起きて、「破壊と創造」とかね、
https://www.buildinsider.net/enterprise/designthinking/02

もちろん、新しい考え方を生み出すためには破壊が必要なんですけど、

そういう掛け声の下に生まれたもの、もてはやされていたものが、小さな違いに過ぎないというか、個人的にはちっとも新しく見えなかったんです。

昨日、ぷかぷかさんは自由、 ぷかぷかさんと一緒にいると自由になれるっていう話をしていたときに、

あー、働かないで愛されてるセノーさん、働かないことが(ブランド)価値を生み出す、って、産業革命以来の価値の大転換だなあ、デザイン思考とか、ハッカソンとか、イノベーション思考という名の下でうまれたどんな発想より破壊力がある! って思ったんです。

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 猫も杓子もハッカソン。新しいアイデアをみんなで生み出すための手法なんです。でも、新しい視点、っていう意味では、ぷかぷかさんにはるか及ばないと思いますよ。

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(高崎)この人も寝たまま新しい価値を生み出しています。

www.pukapuka.or.jp

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(宮原)そうそう!

何かすることが人の価値だっけ?そうじゃなかったよね!赤ちゃんでうまれた時、泣いても笑っても、いきてるだけで宝だったよね。

っていうことを気づかせてもらう気がします。

これは個人的な意見ですけど…

何が出来るからこの人はこういう価値がある、って考えるのって、人間が道具になりさがってますよね

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(高崎)養護学校に勤めて一番最初に受け持った子どもたちはみんな重度の子どもたちで、おしゃべりも着替えもトイレの始末もできない人たちでした。でも、その人たちに、ただ一緒にいるだけで心あたたまる人がいる、ってことを教わりました。

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(宮原)この人が大切、っていう気持ちって、何をしてくれるから、っていうことじゃないんじゃないか。

子どもについて言えば、勉強やスポーツができるからお前は大切だけど、お前はできないからいらない、っていうものじゃないですよね

誰かに対して、その人の存在そのものが大切って思う気持ちを

ぷかぷかさんは思い出させてくれると思います

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(高崎)すばらしい!だから「支援」なんてやっちゃだめなんだと思いますね。「支援」というのは、彼らのそのままはだめっていうことですから。社会に合わせたいびつな彼らより、彼らのそのままが一番魅力的だと思いますね。だからそのままの彼らにファンがつく。彼らのそのままがいい、と思うかどうか、私たちの価値観が問われています。

昨日のデザートのお菓子に貼ってあった紙、こういうの、心がきゅ〜んとなってしまいます。

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(宮原)この温かさ、愛おしさ、ですよね

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 宮原さんはアーティストだけに、「ケッ!」ていう感覚が鋭いですね。

 ぷかぷかさんと一緒に生きていくと、みんなが豊かになる、ということを、「ケッ!」ていう感覚から見事に語ってくれたように思います。

 これこそが新しい福祉、つまりぷかぷかさんと一緒に生きていくことで生まれる新しい価値の創造なんだと思います。

7月1日(月)、桜美林大学で、学生さんとぷかぷかさんが一緒になって絵巻物を完成させます。

 桜美林大学の学生さんが作った詩(ぷかぷかさんとの出会いの物語)を元にぷかぷかさんが絵巻物を作りました。まだ完成ではなく、7月1日(月)の授業で、学生さんと一緒に完成させます。

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 絵の元になった詩

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 絵巻物は別の詩を元にしたもう一枚があります。

 

 7月1日(月)はもう一度詩を振り返り、ぷかぷかさんの描いた絵巻物をしっかり見て、更に必要な絵、言葉を描き込みます。

 全盲の学生さんも参加しますので、その方へ、どのように伝えるのかが、大きな課題です。ぷかぷかさんがどのような言葉で説明するのか、すごく楽しみにしています。目の見える学生さんが目の見えない学生さんにどのように説明するのか、ものすごくいろんなチカラが問われると思います。

 でも、ここでみんなが、目の見えない人にどうやって伝えようかと一生懸命考えることがすごく大事だと思います。そのことが、このワークショップの場を更に豊かにします。

 

 今回は演劇ワークショップ、すごろくワークショップの2回のワークショップで、学生さんとぷかぷかさんがすごくいい出会いをしました。その出会いを元に学生さんたちが、まずそれぞれで詩を書き、その個人の詩を一旦ばらばらにし、みんなの詩として構成し直しました。みんなの詩には、みんなのエネルギーが集まり、一つのチカラを持ちます。

詩を作るところまでの記録

https://www.pukapuka.or.jp/2019/06/27/3134/

 

 みんなの詩を元にぷかぷかさんが絵巻物を作りました。学生さんのエネルギーにぷかぷかさんのエネルギーが加わって、完成した暁にはどんなチカラを発揮するのだろうと、すごく楽しみです。

 更に今回は全盲の学生さんがいることで、新しいエネルギーが加わります。

 

 今回の授業に参加した学生さんのうち何名かは8月3日(土)みどりアートパークホールで開かれる相模原障害者殺傷事件をテーマにした上映会に参加し、壇上で、ぷかぷかさんとの出会い、今回の絵巻物作りのワークショップの話をします。

 相模原障害者殺傷事件の犯人は「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」といいました。本当にそうか、学生さんたちに聞いてみたいと思います。

全盲の学生さんに、絵巻物をどうやって伝えたらいいんだろう

 桜美林大学で4回の連続授業。1回目は6月10日(月)演劇ワークショップ、2回目は6月17日(月)すごろくワークショップ、3回目は6月24日(月)詩を作るワークショップ、4回目は詩を元にぷかぷかさんの描いた絵巻物のブラッシュアップ。

 

 1回目6月10日(月) 簡単な演劇ワークショップ

 台湾、中国からの留学生、全盲の学生さん、学部外からの参加者等、いかにも桜美林大学らしい雰囲気でした。

 

「まるまるまる」の歌

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左から三番目の女性は全盲の方ですが、ちゃんと参加しています。

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アクションじゃんけん「サムソンとデライラ」

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「笑いの階段」

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全盲の学生さんも小さな笑いを隣に送ります。

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椅子のシェイプ(形作り)

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ヨットを作ります。

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2回目6月17日(月) すごろくワークショップ

グループの中でさいころを転がし、さいころの止まったコマのことをみんなでやります。自分のことを語ったり、アクションをしたり。知らない間にお互いのことがわかってきます。

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すごろくワークショップ映像

https://www.youtube.com/watch?v=OtphKt4pSYY&feature=youtu.be

 

感想(6月10日)

・こんなに深く関わったのは初めてで、みんな素直で、思ったよりたくさん話してくれて、いろいろ知ることができました。ゲームを通して楽しみながら知るのが一番よかった。教科書じゃないのがよかった。

・一番印象的な答えはハヤちゃんのです。一番の宝物やほしいものに対して、物ではなく、思い出だったことです。とても心があたたまった。

・ぷかぷかさんのお話は、記憶や感情を含んで、豊かで、知らないことも多かった。特にお弁当と共に歌を送る仕事というのはおもしろいと思った(★歌付き弁当は、弁当を配達し、歌を歌ってくる)。そして歌が上手だった。

・自分から自己紹介するだけでは伝わらないその人らしさがすごろくを通してたくさん感じられました。また、今日は人の思いやりや優しさを感じました。特に私がぷかぷかさんのオリタさんと腕相撲をしたときに、私に勝たせてくれたときにオリタさんの優しさを感じました。

・ハヤちゃんの回答がすごくロマンティックで、家族や妹をすごく大切にしているんだなと感じたし、スティッチに会いたいからハワイに行きたいのもすごくかわいいな。リエちゃんも渋滞が好きな理由が「渋滞」。最初はなんだろうと思ったけど、話せば話すうち、新たな一面やおもしろい一面が知れてうれしかったです。ぷかぷかさんとの授業は毎回元気をもらっています!

・ぷかぷかさんはみな夢があります。この授業から彼らに対して新しい認識を持ちました。

・はじめでぷかぷかさんと交流して、みんなが自分の本音をアピールしていた雰囲気がとても好き。・

・ぷかぷかさんたちはみんなとてもやさしくておもしろい人たちです。時間が過ぎるのが早く感じました。もう一度会いたいです。

・みなさんのこと、やさしいと思ってます。それぞれ目標や宝物を持って、とても前向きな感じでした。

 

 3回目6月24日(月)詩を作るワークショップ

 谷川俊太郎の詩を朗読。誰かに向かって言葉を届ける、ということを体験。

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ぷかぷかさんとの出会いを4〜5行の詩にする。

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個人の詩を一行ずつ切り離し、グループの中でシャッフル。はじめに来る言葉、中程に来る言葉、終わりの方に来る言葉、等に分ける。

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できあがった詩を発表。全盲の学生さんも一緒に朗読。

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感想(6月24日)

・詩を作って思ったことは、自分と同じ気持ちだった人もいれば、全く違う気持ちを持っていた人もいて、同じ経験をしても、人それぞれ違うように感じていたことがわかった。

・「詩」っていつも言葉にできないことを表現できると思った。ふだんから言葉というかたちで相手に伝える機会が少ないと思うので、人として言葉にして伝えるという時間はあらためて素敵だと感じた。

・詩の文章は自分が書かなかった言葉を、他の人が書いてくれたりしていて、不思議な感じだった。また詩の言葉をばらばらにして再構成することで、方向性の違う言葉がメリハリになって詩のおもしろみを強くしていたし、詩の朗読は、感覚の再認識につながったよかった。

・今回4人一組でそれぞれ個人の詩を一つにしました。みんなの意見をもう少し聞いて制作したかったな、と感じます。こういった詩を作ったのは初めてで、言葉だけでは足りない感情。その感情をどう言葉に乗せて伝えるのかすごくむつかしかったです。

・ふだん、自分の気持ちを言葉にしたり、言葉に感情を乗せたりしたことがないので、とてもむつかしかった。淡々に読むのではなく、音楽のリズムに乗せたり、声のトーンや間をあけることによって、詩はより味わい深いものになって行くことを感じた。自分の当時の気持ちを言葉にすることで、再確認だったり、思い出せてよかったです。次週、ぷかぷかさんたちが絵にしてくれるのを見るのが楽しみです。

・今日、この授業を受けて、私はこのような授業を一回もやったことがなかったので、とても新鮮な気持ちでした。私たち個々に思ったことや感じたことが、あんなに違うのに、こんなにひとつになるなんて、思ってもみませんでした。読んで、聞いて、みんなの感じたこと、思ったことが伝わって、伝えられて、あんなに素敵な詩ができるとは正直思っていませんでした。これからこの詩がぷかぷかさんたちと一緒にどんどん素敵なものになっていきますように。

・最初は気持ちをこめて読むことが少しはずかしかったが、クラスのみんなとやっていくうちに、どうやったら相手に伝わるかを考えることに集中していた。

・ばらばらだった詩を一つにまとめることで、より私達が感じたことをリアルに、具体的に表すことができた。

・声のトーンや間野あけ方によって、どんな気持ちだったか伝わるということを朗読を通してわかった。この部分は、どんな風に読めばいいかグループの人と話し合うのが楽しかった。

・ぷかぷかさんがどんな絵を描いてくれるのかが楽しみになった。

 

できあがった詩①

 わくわくする気持ち

    出会う前に話す経験さえなくて

 どんな人かな  新しい出会いにワクワク

    自分が誤解をよばないか心配だった

    いらない心配だった  自分はなんの中心でもない

 

みんな気さくで良い人

   会ったときゲームで雰囲気が盛り上がった

 今まで知らない世界を教えてくれた

    対話は一人では成り立たない

自分にないものを持っている

 

   普通の友達みたいに遊んでいた

   また一緒に遊んで欲しいと感じた

 

 

できあがった詩②
 

        わくわくする気持ち

                知らない人たち

    守ってあげなきゃ 助けてあげなきゃ

    でも、皆なにも自分達と変わらない

話してみたらとても楽しかった

気づいたらたくさん笑っていた

自然とずっと笑っていた

     あたたかい気持ちにしてくれる

          包み込まれている感じ

一緒に笑えられた  一緒に共感できた

          いろんな表情をみれた

私達はなにも変わらない仲間だと思った

お母さんに話すくらい心に残った思い出

    もっと話してみたくなった

          ぷかぷかさんは場作りのプロ

今はもう共に生きる仲間たち

          今、私のほうが助けられている

 

 

3回の授業のまとめ

 1回目、2回目はぷかぷかさんと出会うワークショップ。いずれも、何かやってあげる関係ではなく、フラットな関係で出会えたことがよかったと思います。

 3回目はその出会いをまず一人一人4行ないし5行の詩に書きました。個人の詩の言葉をばらし、シャッフルし、グループの詩としてまとめ、それを朗読しました。

 詩を作るワークショップは、ぷかぷかさんとの出会いのふり返りでもあったのですが、みんなの詩としてまとめる作業の中で、みんなで一歩前に踏み出したようなふり返りであったと思います。それはできあがった詩を見てもわかります。

 この詩を元に、今ぷかぷかさんたちが絵巻物に取り組んでいます。詩①②とも幅1.2メートル長さ6メートルの大きな絵巻物。

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 7月1日(月)はこの絵巻物のブラッシュアップを学生さん、ぷかぷかさんが一緒になってやります。

 おもしろいのは全盲の学生さんが、この絵巻物をものすごく楽しみにしていて、その方にどのように絵巻物を伝えるかが、大きな課題です。

 絵をどんな風に語れば全盲の方に伝わるのか。色、かたち、大きさ、雰囲気など、どこまで言葉で表現できるのか。上の写真のネコの絵は言葉にするとどんな風になるのか。蜂の絵は?

 でも、ここでみんながどうやって伝えるかを悩み抜くこと、それが第4回目の授業をものすごく豊かなものにするのではないかと思っています。障がいのある人と一緒に生きることで生まれる豊かさです。

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