ぷかぷか日記

米寿のプレゼント

  母が米寿を迎え、何かプレゼントしようと、ネットでいろいろ調べました。一番多いのがなぜか黄色いちゃんちゃんこだそうで、こんなものプレゼントしても何の意味もないなと思いました。で、いろいろ考え、パソコンをプレゼントすることにしました。今までパソコンはさわったこともありません。ですからインターネットの世界も全く知らなくて、私が作っているぷかぷかのホームページも見たことがありません。

 88歳で足下もおぼつかないような状態なので、パソコンに挑戦するのは本当に大冒険です。でも、インターネットの世界と出会い、自分の世界がぐ〜んと広がるなら、88歳にして人生が更に前向きになります。

 で、今日、母の部屋(介護付き老人ホームにいます)でインターネットの設定をしてきました。パソコンはMacです。電源を入れ、Safariを立ち上げるだけなのですが、マウスでSafariをクリックする、というたったそれだけのことが母にとっては実に大変なことであることが実際にやってみてよくわかりました。それでも1時間くらいマウスをさわっていると、だんだん要領がわかってきたようでした。

 母は棟方志功の版画が好きです。Yahooの検索ページで「棟方志功」と入れると、版画がたくさん出てきました。リンクの張ってある版画をクリックすると、また新しい版画がずらずらっと出てきました。そのことに本当に驚いたようでした。

 部屋には棟方志功の分厚い版画集があるのですが、その何倍も広がる世界を見て、本当にびっくりしたようでした。新しい世界との出会いを感じました。

 88歳にして、更にわくわくするようなものが見つかるなら、黄色いちゃんちゃんこよりはるかに意味のあるプレゼントになると思いました。

いいとも!

 毎朝、お天気ボードを描いているケンさんといっしょに、カフェにお天気ボードを届け、写真を撮ったあと、郵便局に売上金を入金に行きます。

 ケンさんは郵便局に着くと大きな声で

「おはようございます!」

と、あいさつします。はじめはみんなびっくりして、ちょっと引いた感じがあったのですが、毎日あいさつを繰り返しているうちに、ケンさんはこういう人なんだということがだんだんわかってきて、笑顔で対応してくれます。こういう変化がいいなと思いました。

 同じ地域の中で、「ぷかぷか」の事業拡大計画に、障害者施設が広がっていくことが「不気味だ」といった人がいて、かなりがっかりしたことがあるのですが、郵便局の人たちの変化を見ていると、また希望が持てます。

 この間なんかケンさんが

「いいとも!」

って、手を振り上げると、窓口の女性もいっしょに

「いいとも!」

って、手を振り上げてくれて、本当にうれしく思いました。こういう関係をちょっとずつ広げていきたいと思いました。

お茶とバームクーヘンと「力」

 ありがとうカードにお茶とバームクーヘンと「力」の文字を書いた人がいました。どういう意味が聞いても、よくわかりませんでした。うまく説明できなくても、彼の中にはお茶とバームクーヘンと「力」の文字を結ぶ物語があったのだと思います。どんな物語なんだろうと想像するのが楽しいですね。

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タイタニック号

  もっちゃんがまたまたすごい絵を描いてくれました。タイタニック号の船室です。なぜか日本郵船になっています。船室を見ていくと「西洋客室」「中華客室」「和風客室」「1等客室」〜4等客室」とあり、個室には名前が入っています。「映画室」「職員室」「分煙室」それに「乾燥室」というのもあります。なぜか「調理室」の隣には「山寺」があります。

 どんな物語を作りながらこの絵を描いたんだろう、と思います。

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ある日こんな絵が壁に

 ある日気がつくとこんな楽しい絵が壁に貼ってありました。

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こんな絵も貼ってありました。

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笠地蔵の大行進の絵も貼ってありました。

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 お地蔵さんの大行列のそばをトラックが走っている、というレイアウトがなんとも楽しいです。

 本人はそれほど意識もせず、チャッチャッと貼り付けたのだと思うのですが、意識もせずにこういう絵を壁に貼り付けるセンスがすばらしいと思うのです。

 こんな絵の貼ってある部屋で仕事ができる幸せを思います。

パン職人募集!

パンの増産に伴い、パン職人を募集します。

・パンを作ることに情熱を傾けられる方。

・天然酵母、国産小麦のパンに興味のある方。

・ここにしかないオリジナリティあふれるパンの開発にトライしてみようと思われる方。

・「ぷかぷか」では障がいのある方たちが働いています。彼らといっしょに働いてみようと思われる方。

★「ぷかぷか」での仕事は、自分の人生を賭けられるくらいおもしろい仕事です。賭けるに値する仕事です。志のある方、ぜひおいでください。

勤務は朝6時(注文が多いときは4時か5時)から午後3時、日曜日、祝日、第1,第3土曜日休みですから、パン屋としてはかなり楽な職場だと思います。

★経験のある方、優遇します。

 

 問い合わせ:メール pukapuka@ked.biglobe.ne.jp

                        電話 045-453-8511   高崎、富永

 

      ホームページは

       http://pukapuka-pan.xsrv.jp

 

履歴書送り先:横浜市緑区霧が丘4丁目17-3 NPO法人ぷかぷか

 

      

ああ、あの陶芸作品を作ってる人たちとやるのね

 障がいのある人たちを対象にした陶芸教室を久しぶりにやりました。

 陶芸教室を始めたのは10年ほど前。陶芸作品を通して、地域にこんなすてきな作品を作る人がいるんですよ、こんな人とはいっしょに生きていった方がいいですよ、という思いを伝えたかったからです。駅前の大きな花屋さんの一角を借りて、陶芸作品を展示させていただき、ご希望の方にはほとんど実費で販売しました。それほど売れたわけではありませんが、1週間ごとに作品を入れ替えたので、新しい作品を見るのを楽しみにしている人がかなりいたようです。

 毎年秋に行われる街のお祭りには優先的に場所を貸してもらい、陶芸作品の販売をしました。

「花屋さんでいつも楽しませてもらっていますよ」

と言ってくれるお客さんも何人かいて、とてもうれしく思いました。地域の人たちはしっかり見てるんだなぁと思いました。

 ぷかぷかを始めるとき、あちこちあいさつに行ったのですが、

「ああ、あの陶芸作品を作ってる人たちとやるのね」

と、どんな人たちとやるのか、いちいち説明しなくてすむことがたびたびありました。彼らのことを言葉で説明するのは、すごく難しいので、陶芸作品から彼らのことをイメージしてくれたことは本当に助かりました。彼らの作品が、言葉を超えるメッセージをきちんと伝えてくれてたんだなぁ、と作品の持っている力をあらためて思ったものでした。

 陶芸作品は、私の予想を遙かに超えて、街の人たちのなかに広がり、メッセージを伝え、人のつながりを作っていたようでした。

 

 

物語を生み、6ヶ月持つ人形

 6月から始める演劇ワークショップの打ち合わせをしました。デフパペットシアター(ろう者と聴者が共に創る人形劇団)の役者、制作担当、元黒テントの役者、プロのピアニスト、それに私を入れて7名で打ち合わせをやりました。

 『森は生きている』に出てくる12月(つき)の神様の人形作りを出発点に、楽しい、奇想天外な物語を作っていく予定です。

 人形作りはデフパペットシアターの人たちが進行役を引き受けるのですが、簡単で、それでいて物語が自然に生まれてくるような人形を作ります。問題は、その人形がワークショップを続ける6ヶ月の間、壊れずに持つかどうかです。

 ワークショップは月一回のペースで6ヶ月続けます。一回ごとに最後は作った物語をみんなの前で発表します。ただその物語は、一ヶ月、間が開くと、みんな忘れてしまい、再度立ち上げるのは至難の業。そのときに手がかりになるのが人形です。人形が壊れると、物語も壊れてしまいます。

 といってデフパペットシアターが舞台で使っているようなしっかりした人形は、作るのに時間がかかります。ワークショップのなかで人形作りに使えるのは、全体のスケジュールから考えて2時間ぐらい。そのくらいの時間で作れて、物語が生まれ、6ヶ月持つような人形をデフパペットシアターに提案してもらうことにしました。

 次回の打ち合わせでは、その提案に沿って実際に人形を作ってみることになりました。なんだかもうこれだけでわくわくします。

 

 ワークショップの日程、参加者募集のお知らせは近々ぷかぷかのホームページで発表します。

 

 

 

 

ぷかぷかは障がい者差別と闘っているのか、ということ

 先日、サッカーのサポーターが掲げた差別的な横断幕が問題になり、「差別と闘う」「差別を撲滅する」といった勇ましく、ちょっと懐かしい言葉が1日マスコミをにぎわせました。

 「ぷかぷか」であれば、さしずめ「障がい者差別と闘う」と言ったところになるのでしょうか。でも、あまりそんな風には考えていません。

 ぷかぷかの事業を拡大する案に「そんなふうに障がい者施設が広がっていくことに“不気味さ”を覚える」と言った方がいましたが、その言葉は、社会が障がいのある人たちをどんな風に見ているか、を象徴していると思います。

 その言葉にどう答えていくのか。それは、この社会のなかで自分はどう生きるのか、といったことを問い続けていくことだと思います。私はどこまでも彼らといっしょに生きていこうと思っています。「不気味だ」などと失礼なことを言われる彼らの側に、私は断固として立ちたいと思うのです。

 そんなことをいわれて「くやしいから」という思いもありますが、それ以上に、彼らにとことん惚れ込んでしまったからです。彼らといっしょに生きていった方が、人生が豊かになると思うからです。

 私は彼らのおかげで自分自身を縛っていた「規範」というものから自由になれました。そのおかげで生きることがとても楽になりました。楽になることで、人生が本当に楽しくなった気がしています。

 彼らの自由きわまる発想、自由奔放な表現に出会い、こんなすてきな人たちとはいっしょに生きていった方が絶対に「得!」だと思うようになりました。すばらしく豊かなものに出会った気がしたからです。

 「不気味だ」などといって、彼らを社会から排除していくとき、社会は徐々にやせこけていくように思います。社会のなかで許容できる幅が狭まり、お互いが生き辛くなります。

 だから「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」と言っているのです。そう言い続け、それを実践することが、「不気味だ」という言葉に対する私の答えです。

 

 

 

 

 

100万円ゲット!

 大和福祉財団のステップアップ助成金に応募し、「おひさまの台所」の企画が通ってスチームコンベクションオーブンの購入費100万円をいただけることになりました。やったぁ!って感じです。

 今回スチコンを購入することで、利用者さんの工賃がどのくらいアップするかを細かく計算しました。1時間ごとにどのくらいお弁当、お総菜が売れるのかをシュミレーションした事業計画書を作ったのですが、計画書を出したあとに藤が丘駅前の自然食品店「マザーズ」から毎日入れてほしいという注文が入ったり、すぐ近くの保育園の園長から、夜7時頃までお店を開けるなら、お迎えに来た保護者の方が立ち寄るのではないか、という意見をいただいたり、定期的に毎日お弁当を配達してほしい、というところが出てきたりで、思ってもみない広がりが出てきました。

 保育園にお迎えに来るお母さんやお父さんは、ゆっくり食事を作るような時間がなかなかとれないので、子どもにも安心して食べさせられるおいしいお総菜があれば、とても助かります。保育園の保護者の方たちが来てくれるなら、何となくお客さんをシミュレーションするよりも、より具体的にお客さんをイメージできます。近々保育園の保護者の方に、どんなお総菜なら買ってみたいか聞いてみようと思っています。

 「商売」ってこんなにおもしろいものだったのかとしみじみ思うこの頃です。

 

 

 

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