ぷかぷか日記

あなたが必要

2016年7月、19名もの利用者さんが殺されるというやまゆり園事件が起こりました。

www3.nhk.or.jp

 

  犯人の植松は「障害者はいない方がいい」といい、同感する人がたくさんいました。

  そういう中で、障がいのある人達に惚れ込み、彼らといっしょに生きていきたいと『ぷかぷか』を立ち上げていた私は

「彼らとはいっしょに生きていった方がいい」

「そうすることで社会は豊かになる」

と言い続けてきました。

 

 4月29日(火)、緑公会堂ホールで上映する映画『そういうわけで』での内田監督は「ひとりひとり、みんなが必要」といいきります。

 

 私自身は「ひとりひとり、あなたが必要」といつも言います。障がいのある人に向かって「あなたが必要」と。

 障がいのある人達とおつきあいしていると、色々面倒なこと、大変なことが起こります。だから「彼らといっしょに生きていくなんて面倒くさい」「いや」「できれば避けたい」と思う人はたくさんいると思います。

 そんな中で尚も「あなたが必要」と私は言い続けます。やっぱりいっしょに生きていると楽しいし、心が癒やされます。いっしょに生きていくことで社会がゆるっと緩み、みんなが生きやすくなります。

 彼等を排除してしまうと、社会の幅が狭くなり、窮屈になります。何かと生きにくくなります。

 

彼等が生み出す作品は社会を豊かにします。ホッとするような雰囲気を作ってくれます。

 

 「ひとりひとり、みんなが必要」「あなたが必要」といった言葉が、今の社会でどういう意味を持つのか、映画の上映後、内田監督とはそんな話もしてみたいと思っています。ぜひあなたも話し合いに加わりませんか。社会を少しでも生きやすいものの変えていくために…、そして植松を生み出してしまったこの社会を変えていくために。

 

 

www.midori-ph.jp

ひとりひとり、みんなが必要

ひとりひとり、みんなが必要。

 

 

当たり前のことだが、それがないがしろにされている今の社会。特に障がいのある人達のことを思うとき、

「ひとりひとり、みんなが必要」

と考えている人はいったいどれくらいいるのだろう、と思う。共に生きる社会を作ろうとか共生社会を作ろう、ということはいわれる。でも、そこには

具体的な「ひとりひとり」

が見えない。「ひとりひとり」とどうつきあっていくのか、といういちばん肝心な部分が見えない。

 演劇ワークショップの記録映画『そういうわけで』は、そのひとりひとりをくっきりと見せてくれる。その上で、「ひとりひとり、みんなが必要」と言い切る。そして

「それは欠けてはならないもの」

と。

 

 

 映画を作った内田さんが、6ヶ月にわたる演劇ワークショップを記録し続ける中で見えてきたものだろう。

 「それは欠けてはならないもの」

 それくらいの思いで私たちは彼等を見ているだろうか。

 

4月29日(火)内田さんの思いがストレートに伝わってくる映画『そういうわけで』、ぜひ見に来てください。

 

 

映画の後、映画『そういうわけで』の監督内田英恵さん、『Secret of Pukapuka』をまとめた信田眞宏さん、それに高崎を加えてトークセッションをおこないます。お二人のプロフィールです。

 

内田英恵(うちだはなえ)さん(映像作家)

 

ドキュメンタリーを中心に活動。監督作品に『あした生きるという旅』(SKIPシティアワード他受賞)、『世界は布思議~布のおはなし』(WOWOW)、『絨毯の成る果樹の庭先 トルコある村の手仕事』、『こども哲学-アーダコーダのじかん-』他、短編ドキュメンタリー配信(Yahoo! Japan)など。東京とロサンゼルスで映像制作を学んだのち、2011年まで映画企画制作会社に勤務。現在は世界の子ども達に移動映画館で映画を届けるNPO法人ワールドシアタープロジェクトの理事も務める。

★内田さんは2017年カナダバンクーバーで開かれた世界自閉症フェスティバルに参加するきっかけを作ってくれた方です。2015年にぷかぷかのプロモーションビデオができ、それを世界自閉症フェスティバルの主催者レオノーラさんに紹介してくれました。ビデオを見たレオノーラさんは2017年の世界自閉症フェスティバルで上映することを決めました。その連絡を受けて作ったのが『Secret of Pukapuka』です。そのカナダ上映の話の前に、あの「やまゆり園障害者殺傷事件」があり、「障害者はいない方がいい」という犯人のメッセージが拡散されました。これはまずいと思い、「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい」というメッセージを込めた映画を作ってほしいと依頼していました。何度か打ち合わせを重ねているときに、カナダ上映の話が飛び込んできて、急遽あのような映画にまとまりました。映画の冒頭にやまゆり園事件へのメッセージがあるのはそのためです。

www.pukapuka.or.jp

 

 

信田眞宏(しだまさひろ)さん(映像クリエイター)
映像業界で仕事を始めて42年目、経験を活かしたプロボノによる映像制作で社会貢献を目指す。

主な経歴 
ソニーPCL(ポストプロダクション)統括部長
日本ポストプロダクション協会 業務委員会 委員長
マザース(CM制作会社)取締役/プロデューサー
その後フリーランスのプロデューサー/ディレクターとして活動
現在は銀座サクラヤで後進の指導にあたる
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主な作品
映画:「金田一少年の事件簿」(テクニカルコーディネート)
コンサートビデオ:「中島みゆき/夜会」(テクニカルコーディネート)
コンサートビデオ:「原田知世 / Melting Sun & Ice Moon」(プロデュース) 
ドキュメンタリー映画:「高木正勝 / 或る音楽」(プロデュース) 
CD:高木正勝「Private/Public」「Tai Rei Tei Rio」(プロデュース) 
iPadアプリ:「ダライ・ラマの般若心経」(プロデュース) 
PRビデオ:国連大学「浦戸諸島/震災をともに乗り越える人々」(ディレクション)
番組:BS朝日 「しあわせロハス」(ディレクション)
番組:BS朝日「Game Changers」(ディレクション)
番組:NHK「AI美空ひばり あなたはどう思いますか」(取材・収録)

プロボノ作品 実績(全てディレクション)
NPO法人ぷかぷか「The Secret of Puka Puka」「ぷかぷかさんカナダを行く」
国立市公民館(外国人支援)、梅島うたの会(介護予防)みんなのことば(幼児教育)、
パラキャン(障害者スポーツ)、たまプラ一座(地域活性)
むすびえ(こども食堂)、ユースコミュニティー(学習支援)など

 

 

 上映会についてのお問い合わせは高崎まで takasaki@pukapuka.or.jp

映画『そういうわけで』の上映会

  4月29日緑公会堂ホールで第8期演劇ワークショップの記録映画『そういうわけで』を上映します。

  ぷかぷかは「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいいよ」と言い続けています。「何かやってあげる」とか、「支援する」といった上から目線の関係ではなく、どこまでも「いっしょに生きていく」というフラットな関係です。

 障がいのある人達は何かやってあげないと、あるいは支援しないと何もできなんじゃないの、と考える人が多いのですが、そういう関係を取っ払ったときにこそ、新しいものが生まれることがこの映画を見るとよくわかります。

 「共生社会」を作ろうとか「共に生きる社会」を作ろうとか言われて久しいのですが、そこで何が生まれるのかはほとんど語られていません。映画は彼らといっしょに生きると何が生まれるかを目に見える形で示しています。

 「やっぱりいっしょに生きていった方がいいね」って素直に思える映画です。ぜひご覧になってください。

 映画の後、監督の内田さん、映像クリエイターの信田さん、それに高崎を加えたトークセッションをやります。映画を撮ることで何が見えたのか、お二人に色々語ってもらおうと思っています。

 

www.youtube.com

舞台にじっとしてられない数名が良い意味で気になり、楽しかった

第8期演劇ワークショップの舞台を見た人、演じた人の感想の一部

 

●ぷかぷかさんの舞台、私は、舞台にじっとしてられない数名が良い意味で気になり、楽しかったな。彼らばかり見ていたくらい。舞台を自由に動き、でもいい場所を見つけて空気みたいに存在してた長身の少年たちや、舞台から勝手に降りてまた上がった少年とか。 ストーリーをゆっくり追いながら彼らをずっと見ていた。あの場をああして生きて、楽しんでる。

 

いい場所を見つけて空気みたいに存在してた長身の少年

 

舞台から勝手に降りてまた上がった少年

 

 芝居をちゃんと演じるのではなく、そこから外れてしまう人を楽しんでた、というのがいいですね。その、どうやってもはずれてしまう人たちが、この窮屈な社会で辛い思いをしている人達を救っているのだと思います。

 ぷかぷかは、そういう人たちもいっしょに舞台を作っています。

 養護学校にいる頃は、とにかく「指導」して、ちゃんと舞台に立たせることを目指すような雰囲気が圧倒的でしたが、私はそれになじめなくて、子どもたちに好きにやらせていました。台本どおりにやるよりも、台本から外れる子どもたちの方がおもしろい舞台を作っていました。外れまくって収拾がつかなくなるときもありましたが、それはそれで楽しかった気がします。

 そういうことの先にぷかぷかの舞台はあります。

 

●ぷかぷかのお芝居はフレデリックのお話に付け加えられたお話。おもしろかったです。私が何に感動したのか、多分ひとことでは書けないです。光や色を表現する方法がすばらしく、感動しました。 みんなが集まってくるところ、助け合うところ,こどもに見せられてよかったです。フレデリックを知っていたうちの子は食い入るように見ていました。 こうやって人はあたたかくなるのだな。フレデリック、ありがとう!

 

●最後、「ばらを植えよう」を歌いながら泣きそうになりました。今、私たちはばらを植えている。それが希望になるように。
歌いながら前を向く気持ちになれました!!
 
●後半はかなりストーリーがハチャメチャでしたが、演じている人達が楽しそうでよかったです。大道具も素敵で楽しい。ほんとうに人は人とともに生きていくのですね。そして光と熱が必要。
 
いっしょに芝居を作ってきた方の感想
●舞台終了後、私たちのグループを引っ張ってくれていたしおりんの話がまた泣けた。
「ぷかぷかさん、そらくんやたからくんが、疲れたー、やりたくないーって素直に言う言葉を聞いて、そりゃそうだよなぁって思えた。私たちは我慢することを覚えてきてしまったからそう簡単に言えないけど、そうした気持ちを抑え込んでいしまっているから、そうやって素直に表現してくれることにホッとできた。だから私たちは一緒にいた方がいいんだって思った。」
と。聞きながら泣いてしまった。
 
●学校に行けなくなりかけていた子どもたちが、そらやたからと出会い、そばにいるだけで元気を取り戻したという話は何度も聞いていた。大人がどんなに配慮しても通用しない子でも、そうした子たちが安心を得られるのは多分、そらやたからが躊躇わず(ためらわず)自分を表現していたからだ。
そんなことを思い出した。
「ともに育つ」ことを大人はもっと信じた方がいい。そう確信させてくれた言葉でした。
 
 
★4月29日(火)緑公会堂ホールで第8期演劇ワークショップの記録映画『そういうわけで』を上映します。ぜひお越しください。
いうわけで』を上映します。
 

ばらを植えよう

映画『そういうわけで』の最後、みんなで「ばらを植えよう」を歌いながらステージから降りてきます。

     www.youtube.com

 

        

 

 原曲はポーランドの古謡だそうですが、未来へ寄せる思いがすごいなと思います。生きることが、まだまだいろんな困難に見舞われる時代だったのだと思います。雪の嵐が騒ぐような。

 

 障がいのある人達が置かれている様々な社会的生きにくさを考えるなら、やっぱり 雪の嵐の中であっても、ばらを植えようと思うのです。彼らといっしょに、黙ってばらを植え続ける。そうやって新しい歴史を作る。

 

    まだまだ世界にはー

    雪の嵐がさわぐだろうさわぐだろう

    でも僕らはばらを植えよう

 

    雪の嵐の中で雪の嵐の中で

    ばらを植えよう

 

 

 

  ぼくらは黙って、ただただ ばらを植え続ける。

 

  

 

4月29日、緑公会堂ホールで『そういうわけで』の上映会をやります。ぜひお越し下さい。

      

      

バラを差し出すあなたが素敵

バラを差し出すあなたが素敵。

 バラを差し出すあなたが、必要。

 ひとりひとり、みんなが必要。その当たり前のことを演劇はストレートに教えてくれる。

 演劇は、あーだこーだややこしいことはいわない。障がいがあってもなくても、ひとりひとり、みんなが必要。その大事なことを、サラッと教えてくれる。

 

あなたがそこにいること、そのことが大事。

そこに、堂々と立とう。

バラを手に、堂々と立とう!

 

 

 あなたは欠けてはならないもの。

 ただ、ただ、いっしょに生きていこう。

 

 

4月29日、中山駅近くの緑公会堂で上映会やります。ぜひ!

 

www.pukapuka.or.jp

映画『そういうわけで』の上映会

4月29日(火)午後1時から緑公会堂ホールで映画『そういうわけで』の上映会をします。第8期演劇ワークショップの記録映画です。

 

www.youtube.com

 

 ぷかぷかさんたちと地域の人達でいっしょに芝居作りをした記録です。障がいのある人、ない人、いろんな人がいることで、とても居心地のいい場が自然にできあがっています。社会全体がそんな風になればいいなと思っています。

 いろんな人がいること、そのことがとても大事。トランプのように、世の中には男と女しかいない、などといいきってしまうと、社会はとても窮屈になります。居心地が悪くなります。

 ですからぷかぷかさんたちが社会にいることは、ある意味、みんなを窮屈な社会から救っていることになります。ぷかぷかさんたちにあらためて感謝!です。やっぱり彼らとはいっしょに生きていった方がトク!

 

 更に彼らがいることで、とんでもなく面白いお話ができあがります。第8期演劇ワークショップは「フレデリック」という作品を手がかりに芝居を作ったのですが、彼らがいてこそできた芝居です。        

                             

 

 たとえばこんな具合

 

そうめんネズミがしっぽでのどごし最高なそうめんを干す→ネズミそうめんができあがる。

チーズを見つけるネズミ

チキンレッグを見つけるネズミ

パーティーをしよう!と食べ物を運んでいる途中でわしに襲われる

セレン姫がさらわれそうになり、みんな必死で守ろうとする

絶対に離さないと、お互いのしっぽに捕まってわしにつられて空に浮かぶ

地面に落ちる

チキンレッグ、チーズは食べられたがそうめんが残ったのでこれでパーティー開始!

 こういうことを繰り返しながらできあがったのが、第8期演劇ワークショップの発表会で上演した芝居。映画『そういうわけで』は、その芝居ができあがるまでの記録です。障がいのある人たちといっしょに生きると何が生まれるのかを具体的に見せてくれます。どうしていっしょに生きていった方がトクなのか、その答えがここにあります。

 

 

www.youtube.com

   映画の後、映画『そういうわけで』の監督内田英恵さん、『Secret of Pukapuka』をまとめた信田眞宏さん、それに高崎を加えてトークセッションをおこないます。お二人のプロフィールです。

 

内田英恵(うちだはなえ)さん(映像作家)

 

ドキュメンタリーを中心に活動。監督作品に『あした生きるという旅』(SKIPシティアワード他受賞)、『世界は布思議~布のおはなし』(WOWOW)、『絨毯の成る果樹の庭先 トルコある村の手仕事』、『こども哲学-アーダコーダのじかん-』他、短編ドキュメンタリー配信(Yahoo! Japan)など。東京とロサンゼルスで映像制作を学んだのち、2011年まで映画企画制作会社に勤務。現在は世界の子ども達に移動映画館で映画を届けるNPO法人ワールドシアタープロジェクトの理事も務める。

★内田さんは2017年カナダバンクーバーで開かれた世界自閉症フェスティバルに参加するきっかけを作ってくれた方です。2015年にぷかぷかのプロモーションビデオができ、それを世界自閉症フェスティバルの主催者レオノーラさんに紹介してくれました。ビデオを見たレオノーラさんは2017年の世界自閉症フェスティバルで上映することを決めました。その連絡を受けて作ったのが『Secret of Pukapuka』です。そのカナダ上映の話の前に、あの「やまゆり園障害者殺傷事件」があり、「障害者はいない方がいい」という犯人のメッセージが拡散されました。これはまずいと思い、「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい」というメッセージを込めた映画を作ってほしいと依頼していました。何度か打ち合わせを重ねているときに、カナダ上映の話が飛び込んできて、急遽あのような映画にまとまりました。映画の冒頭にやまゆり園事件へのメッセージがあるのはそのためです。

www.pukapuka.or.jp

 

 

信田眞宏(しだまさひろ)さん映像クリエイター)
映像業界で仕事を始めて42年目、経験を活かしたプロボノによる映像制作で社会貢献を目指す。

主な経歴 
ソニーPCL(ポストプロダクション)統括部長
日本ポストプロダクション協会 業務委員会 委員長
マザース(CM制作会社)取締役/プロデューサー
その後フリーランスのプロデューサー/ディレクターとして活動
現在は銀座サクラヤで後進の指導にあたる
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主な作品
映画:「金田一少年の事件簿」(テクニカルコーディネート)
コンサートビデオ:「中島みゆき/夜会」(テクニカルコーディネート)
コンサートビデオ:「原田知世 / Melting Sun & Ice Moon」(プロデュース) 
ドキュメンタリー映画:「高木正勝 / 或る音楽」(プロデュース) 
CD:高木正勝「Private/Public」「Tai Rei Tei Rio」(プロデュース) 
iPadアプリ:「ダライ・ラマの般若心経」(プロデュース) 
PRビデオ:国連大学「浦戸諸島/震災をともに乗り越える人々」(ディレクション)
番組:BS朝日 「しあわせロハス」(ディレクション)
番組:BS朝日「Game Changers」(ディレクション)
番組:NHK「AI美空ひばり あなたはどう思いますか」(取材・収録)

プロボノ作品 実績(全てディレクション)
NPO法人ぷかぷか「The Secret of Puka Puka」「ぷかぷかさんカナダを行く」
国立市公民館(外国人支援)、梅島うたの会(介護予防)みんなのことば(幼児教育)、
パラキャン(障害者スポーツ)、たまプラ一座(地域活性)
むすびえ(こども食堂)、ユースコミュニティー(学習支援)など

 

 

 上映会についてのお問い合わせは高崎まで takasaki@pukapuka.or.jp

どうすればよかったのか

半月ほど前、暴れる重度障害の子どもの首を絞めてしまった年老いた父親の話が新聞に載っていました。

www.tokyo-np.co.jp

 なんともやりきれない事件でした。記事では

《障害者の扶養を家族に担わせる風潮が強く、行政支援は足りない「構造的問題」を指摘。「家族に過度な責任を負わせない方向に、障害者政策を転換する必要がある」と警鐘を鳴らした。》

 とありました。まちがってはいないとは思いますが、私たちひとりひとりにとって、この事件はなんだったのか、どうすればよかったのか、を考え続ける必要があると思います。

 息子に手をかけたお父さん、地域に何でも話のできる人はいなかったのでしょうか?行政の窓口とかではなく、隣近所の関係の中で悩みを聞いてくれるような人です。そういう人が一人でもいれば、もう少し状況が変わったのではないかと思います。

 医療にかかっていたのかどうかわかりませんが、精神を病んだ私の娘は、いい病院のいい先生に出会うことができ、救われました。医療も結局は人との出会いだと、5箇所くらい病院を巡った感想です。

 

 家で大暴れしていた息子さんも、やっぱり満たされない何かがあったのではないかと思います。うちの娘も大暴れし、収拾がつかなくなって、警察に2度ほど来てもらったことがあります。夜中の3時頃、パトカーで警察に連れて行かれ、女性の警察官が娘の手を握りながら1時間も話をしてくれ、ようやく落ち着いたこともありました。

 娘がいちばん変わったのはダイエットのつもりで出かけたボクシングジムとの出会いでした。サンドバッグを思いっきり叩いたり、コーチとの他愛ない話で、ストレスが発散できたのか、娘はぐんぐん変わりました。

 大暴れする息子さんも、どこかでたまったエネルギーを発散する場があったり、息子さんとちゃんと向き合ってくれる人がいれば(地域や医療)、もう少し違った結果になったのではないかと思います。障害者政策を転換しても、こういう事例は解決できない気がします。

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