ぷかぷか日記

つぼのなかのぉ〜くりぃ〜むを〜

『注文の多い料理店・ぷかぷか版』に出てくる扉の言葉の歌。

♪ ちゅうもんは おおいでしょうが どうか いちいち こらえてください ♪

この歌、コサックダンスのように踊ったらおもしろいんじゃないか、という提案が今日のピアニスト湯田さん(オペラ『ロはロボットのロ』の時のピアニスト)からあり、やってみました。

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♪ つぼのなかの クリームを 顔や手足に すっかり塗って下さい ♪

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自分たちが食べられてしまうことがわかり、紳士は泣き出します。ハヤチャンの相手はデフパペットシアターひとみの役者善岡さん。二人とも泣き顔がいい。

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泣いて泣いてくしゃくしゃになった顔は東京に帰ってお風呂に入ってもなおりませんでした、という歌があるのですが、録画し忘れました。

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ぷかぷかさんといっしょにパンを作って楽しかったです。

 先週土曜日、パン教室をやったクラスの子ども達から「きりっ子フェスティバル」の招待状が届きました。

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 私はワークショップがあっていけなかったのですが、スタッフのナガセが行き、いっぱい写真を撮ってきました。教室をいくつかのエリアに分けて、「麦について」「パンの歴史」「世界パン」「パンの作り方」「パン作りを体験した感想」など、子供たち自身が説明してくれたそうです。

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 すごくよく勉強していますね。ちょっとびっくりしました。ぷかぷかのプロモーションビデオ見せて、障がいのある人について、アーダコーダとやったのですが、ちゃんと届いていましたね。うれしかったです。

障がいのある人たちと楽しいことをやって、相模原障害者殺傷事件を超える

 表現の市場のチラシの版ができ、ただ今印刷屋で印刷中です。下記サイトでチラシの表と裏を見ることができます。ダウンロードボタンを押して下さい。

pukapuka-pan.xsrv.jp

  表も裏も、味のある文字はミズキさん。ねこの絵はぷかぷかさんたちの共同作品です。裏の下の絵はショーヘーさんです。全体のデザインはわんどスタッフのコンドーです。

 裏の文章は高崎が書きました。去年に続き、相模原障害者殺傷事件について書いています。

 

 相模原障害者殺傷事件を起こすような社会は、事件以降変わったのかというと、ほとんど変わっていなくて、相変わらずあちこちでグループホームの建設反対運動が起こったりしています。グループホームの建設反対運動は、障がいのある人たちを地域社会から締め出してしまう運動です。障害者はいやだ、怖い、といった思いがあります。彼らとのおつきあいがないところでの不安が、そういった反対運動の根っこになっています。

 いやだなと思っている障害者を地域から追い出せばすっきりすると思っている人が多いのですが、本当にそうでしょうか。地域社会から障がいのある人たちを締めだしてしまうことは、許容する人間の幅を狭めることです。地域社会で許容する人間の幅が狭まると、結果的にはお互いが窮屈な思いをすることになります。お互いが息苦しい地域社会になっていきます。

 いろんな人がいること、それが社会の豊かさです。障がいのある人たちを締め出すことは人の多様性がなくなることです。社会はどんどん痩せこけていきます。

 だから障がいのある人たちを地域社会から締め出してはだめだ、というのではありません。彼らを締め出すのは、地域社会にとってソン!だと言いたいのです。社会の損失だと言いたいのです。彼らとはいっしょに生きていった方が絶対にトク!だと思っています。社会が豊かになります。

 

 「表現の市場」は、いろんな人がいることの豊かさを舞台で表現します。障がいのある人たちがいてこそできる豊かな世界を目に見える形で表現します。

 この豊かさを障がいのある人たちといっしょに作り続けること、それが相模原障害者殺傷事件を超えることだと思っています。事件を超えるというのは、誰かを排除したりしない社会を作ることです。障がいのある人もない人も、お互いが気持ちよく生きていける豊かな社会を実現することです。

 障がいのある人たちとの演劇ワークショップは、すごく楽しいです。楽しいことをやりながら、相模原障害者殺傷事件を超えるなんて、なんか一石二鳥という感じがします。障がいのある人たちと楽しいことをやって、相模原障害者殺傷事件を超えるのです。

 

 相模原障害者殺傷事件というと、なんとなく話が重くなり、みんな敬遠してしまいます。でも、事件を超えるカギは、障がいのある人たちといい関係を作ることです。彼らとおつきあいすることが楽しいと思える関係を作ることです。

 障がいのある人たちと楽しいことをやるなら、誰にでもできます。彼らといっしょに楽しいパン教室やったり、いっしょに大きな絵を描いたり、ぷかぷかのお店で楽しいお話をしたり、いっしょに楽しい芝居を作ったり、そんなことの一つ一つが、相模原障害者殺傷事件を超える豊かな社会を作っていくことにつながるのです。

 

 

 表現の市場は、来年1月21日(日)午後2時〜、みどりアートパークホールです。ぜひ来て下さい。

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目を凝らすと 見えない柱が きっと 見えます

  12月16日(土)第5回「みんなでワークショップ」がありました。

 オペラシアターこんにゃく座の「あの広場のうた」を聞いたとき、「ああ、これはぷかぷかのことだ」って思いました。ぷかぷかにはたくさんの大人、子どもが集まります。ぷかぷかさんたちといろんなことをやり、たくさんの物語を生み出しました。「あの広場のうた」そのままです。

 というわけで、今回は舞台の冒頭に「あの広場のうた」をうたいます。広場に一本の柱を立てるところから広場ははじまります。 

 

 おとなもこどもも  犬も鳥たちも

 虫たちも集まる   あの広場みたい

 

 耳をすませば見えてくる

 目をみはれば聞こえてくる

 少しずつ 少しずつ

 

 歌が生まれ  人は踊り出し

 物語がはじまる  あの広場がここに

 

 昔 広場に一本の柱

 ここに立てよう  目には見えない柱を

 

エノさんがスコップで穴を掘ります。

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柱を運んできます。

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エノさんがロープで引っぱり、柱を立てます。

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 でも柱がなかなか見えなくて、何度もやり直し。目には見えない柱なので、見えなくてもいいのですが、それでも去年のデフパペットシアターひとみの『蜘蛛の糸』の舞台のように、糸が本当に見えるくらいの舞台にしたいと思うのです。見えない柱が見えるようにするにはどうしたらいいか。

 イメージをつかむために、ホームセンターに行って紙の柱を買ってきました。直径20センチ、長さ2メートルです。1700円もしたので、どうしようか迷いましたが、これで大事な柱が見えるなら、と思って「えいや!」っと買いました。

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 本番の舞台を楽しみにしていて下さい。「歌が生まれ 人は踊り出し 物語がはじまる あの広場がここに」出現するのです。「昔 広場に一本の柱 ここに立てよう  目には見えない柱を」。目を凝らすと 見えない柱が きっと 見えます。

 

 

 『注文の多い料理店』は猟に来て怪しい世界に迷い込んだ紳士と、山猫のお話です。山猫のお面で遊んでみました。

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紳士たち

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三つのグループに分かれ、台本を使って舞台作り

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 『注文の多い料理店』には扉がたくさん登場します。その扉をどう表現するか、いろいろ話し合いました。扉のいちばん一般的なものは段ボールに描いたもの。

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体の前と後ろに段ボールの扉をぶら下げる「人間扉」は、なんだかおかしい動きをします。

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 更にアルミのパイプを利用したカチッとした扉。

 『注文の多い料理店』は山猫が作った怪しい料理店です。扉にいろいろ注文を書き、いい気になって注文を解釈するバカな人間を食べてしまおうというお話。最後犬が登場して、山猫と大げんか。犬が勝つと、料理店は煙のように消えてしまいます。ならば扉も山猫が作った怪しさとおかしさを表現するために、動きがなんともおかしい「人間扉」を使うのがいいんじゃないか、ということになりました。山猫がやっている間抜けな扉、という感じです。

 

 背景画をどうするかでも話し合いました。

 大きな山が山猫に変わるイメージ

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 これはベニヤ板を30枚も使う巨大な背景画。製作費がバカにならないことと、作業スペースの確保がむつかしいことが問題になりました。毎年ホールを3日間貸し切りで舞台装置を作っていますが、3日間でも作りきれない恐れがあります。

 結局、物語は『かしわばやしの夜』の「歌会」からはじまりますので、こんな感じにしようということになりました。高さは約3メートル。後ろに台を2段重ね、人が乗って顔を出します。「赤いしゃっぽのカンカラカンのカアン」と叫び、歌会が始まります。

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 この木の裏に、怪しい山猫の目が光ります。

 どんな舞台になるか楽しみにしていて下さい。

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あったかいなぁ~

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おひさまの台所やパン屋を度々ご利用になられる素敵な母娘さんがいらっしゃいます。

お買い物をされる時の物腰の優しさに、接客をしながらほんわかとさせていただく…そんなお客様。

 

今日、お店の前で歩みが少しだけおぼつかないお年寄りの方が転倒されました。

あ!と思った時はもう遅くて…

その時、サッと手を差し伸べて下さった方が、日頃からなんて素敵な母娘さんなんだろうと思っていたお二人。

 

椅子に打ち付けてしまった額を確認

大丈夫ですよ、と落ち着かせ

しばらく椅子に座らせて介抱

ご自宅を確認し

近くですから車で送りましょう!

と帰宅まで面倒をみてくださいました。

 

あ~なんてあったかい方々なんでしょう。

素早く的確な行動に、感謝、感謝。

ぷかぷかは、こんな素敵なお客様方に支えられているのですね…

 

ぷかぷかさんは、優しいんです。

ぷかぷかに来て下さるお客様も優しい方ばかりなんです。

 

優しさの連鎖が止まらない!!

 

 

 

 

 

「トク!」という感覚もバカにはできないのです

 新しく作るぷかぷかのパンフレットに何か書けと編集長に言われ、あわてて書いたのがこれです。

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ぷかぷかは「共生社会」を作っていこう、なんてことはいいません。

障がいのある人たちと「共に生きよう」といったこともいいません。

いうのは、障がいのある人たちと「一緒に生きていった方がトク!」です。

「いっしょに生きていかないとソン!」ともいいます。

「いっしょに生きていかないなんてもったいない」ともいいます。

彼らといっしょに生きると、社会が豊かになります。

 

ぷかぷかは障がいのある人たちを理解して下さい、とはいいません。

理解を飛び越えて、いきなり彼らのファンを作ります。

ファンを作り出すコツは、彼らのありのままを差し出すことです。

社会にあわせた彼らより、そのままの彼らの方が魅力があるのです。

彼らを社会にあわせるのではなく、社会を彼らに合わせた方が、みんながホッとでき

る、ゆるやかな社会になります。

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 共生社会とか、インクルーシブ社会といった言葉はどうも苦手です。共生社会は、共に生きることを強制されるような感じがあって、いやですね。インクルーシブなんて、カタカナで表記される社会は気色悪いです。みんながどこまで実感できる言葉なんでしょう。インクルージョンなんて言葉もよくききますが、日本人同士がおつきあいするのになんでカタカナなの、という感じです。

 共に生きよう、なんて美しい言葉も、なんだか気恥ずかしいです。

 やっぱり「いっしょに生きていった方がトク!」というのがいちばんしっくりきます。この「しっくりくる」という感覚が、大事だと思います。

 福祉の関係者が「トク!」なんて言葉を使うのはおかしいんじゃないか、といった人もいましたが、「トク!」という感覚でぷかぷかをやってきて、障がいのある人たちとのトクな関係の中から1+1=2以上の新しい価値を生み出したのですから、「トク!」という感覚もバカにはできないのです。

 

 「いっしょに生きていかないとソン!」ともいいます。人と人との関係は、ソン!とかトク!とかいったものではないのですが、それくらい泥臭い感覚で見ていった方が、長続きする気がします。「共に生きよう」なんて言葉よりもはるかにリアリティがあります。リアリティのある言葉は、腹に落ちます。

 「いっしょに生きていかないなんてもったいない」もよく使います。「もったいない」という感覚で彼らとの関係を表現することが、私は好きです。彼らとおつきあいしないなんて、ほんと、もったいないです。これはもう言葉では説明できない世界です。

 

 障がいのある人たちを理解して下さい、もいいませんね。理解したからいいおつきあいができるわけでもないし、理解よりも、まずおつきあいだと思っています。おつきあいしているうちに、なんとなく相手のこともわかってきます。

 ぷかぷかは、理解を飛び越えて、いきなり彼らのファンを作ります。ですから「理解」なんて、お利口さんのすることは必要ないのです。

 

 ファンを作り出すコツは、彼らのありのままを差し出すことです。社会にあわせないとやっていけない、といわれている彼らですが、接客マニュアルで動く彼らの姿が気色悪くて、その接客マニュアルをやめたら、言い換えれば、彼らのそのままを差し出したらファンができたのです。ファンができたのは、彼らのそのままの姿に魅力があるからだと思います。

 彼らを無理矢理社会にあわせるのではなく、社会を彼らに合わせた方が、みんながホッとできる、ゆるやかな社会になります。そうやってできたのが「ぷかぷか」です。

 

 

 

 

1+1=5になる関係

横浜市市民活動支援センターの発行する市民活動情報メディアにNPOと企業との協働についての話が載っていました。

NPOと企業との協働はシナジーを創り出すことだ。1+1を2よりも大きくする創造的な協力体制を目指す。

とありました。全くその通りだと思いました。そうでないと企業と協働する意味がありません。企業にアートを売り込む企画も、ぷかぷかさんたちのアートのチカラと企業のチカラが合わさって、1+1が2よりも大きな価値を生み出すような、そんな協働にしたいと思っています。

それは私たちと障がいのある人たちとのおつきあいについてもいえることです。ぷかぷかは彼らとフェアなおつきあい、フラットなおつきあいをしています。だから1+1が2よりも大きな価値を生み出しています。

 

それは彼らと一緒に創り出しているお店の空気感を見てもらえばすぐにわかります。

以前ぷかぷかさん抜きで私たちだけでお店を開けたとき、ずいぶんと間の抜けた雰囲気になり、やってきたお客さんは

「別のお店に来たみたいで、さびしい」

とおっしゃっていました。

やっぱりぷかぷかさんたちがいてこその「ぷかぷか」なのです。ぷかぷかさんたちだけではお店はできないし、私たちだけでもできません。ぷかぷかさんたちと私たちがいて、そこがフラットな関係の時、ぷかぷかのほっこりあたたかな、ホッとする雰囲気のお店ができるのです。1+1が2よりも大きな価値を生み出しています。

 

演劇ワークショップは、そのことがもっとはっきりわかります。芝居は私たちだけでもできるのですが、ぷかぷかさんたちが加わることで、格段におもしろくなります。1+1が5になるくらいの価値を生み出しています。

来年1月21日(日)みどりアートパークホールで開かれる表現の市場の舞台、ぜひ見てください。1+1=5になる関係が見えます。

これがもし「支援」という上から目線の関係であれば、そこから生まれるものは支援する側の幅のものしか生まれません。ですからそこは1+1は1のものしか生み出さないのです。すごくもったいない関係だと思います。

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だって障子があるもん

 天草から送ってきたミカンの箱に「天草みかん山だより」という手書きの通信が入っていて、中にこんな話がありました。

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影絵遊び

 孫の子守に影絵遊びをした。電灯をつけた障子の向こうの部屋からナベやフライパンやカボチャやピーマンや、そこら辺にあるものを写して、適当にお話を作った。影は不思議だ。ものをより鮮明にし、何かを期待させ迫ってくる。孫(小5のケイタと5才のアヤナ)の二人も喜んだ。

 アヤナが演じる。「タマネギの皮をむきまーす」むかれた皮がひらひらと影に舞う。電灯を消したこちら側の部屋で観客のケイタが「あっ、花びらが舞っている!」と叫ぶ。次々に舞い散る花びら。「うわぁ、ほんとだ、花びらだ!すばらしい!」と私も叫ぶ。障子の向こうでアヤナが主張する。「いいえ、花びらではありません!タマネギの皮です」と。

 そして帰りにアヤナが言う。「ばあちゃんの家はいいなぁ」「えっ、どうして?」「だって障子があるもん」パパとママに影絵を見せてやりたいのに、アパートには障子がないというのだった。

                               川野美和

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 なんて豊かな世界なんだと、ほのぼのとあたたかな気持ちになりました。

 昔子どもを連れて川野さんの家に遊びに行ったことがあって、障子のある部屋を思い出します。

 川野さんとはこの「天草みかん山だより」を読んだことがきっかけでつながり、川野さんを通して障がいのある子どもも一緒に育てる横浜の「土と愛子どものいえ保育園」(川野さんはこの保育園の創設にかかわっています)とつながり、その保育園の食育の影響で子どもは25年後、淡路島で農業を始めました。

takasakiaki.hatenablog.com

 

 川野さんから届いたミカンを使ってお惣菜ではオレンジチキン、ミカンのフルーツサラダ、ミカンゼリーを、パン屋ではミカンタルトを作る予定です。

 2月には甘夏が届きます。甘夏パン、来年は作ります。楽しみにしていて下さい。

 

お互い無理しないで自分の人生を生きること、それがいちばん

 hanaちゃんが保育園に通っていた頃のお母さんの話です。保育園時代のhanaちゃん、かわいい!

ameblo.jp

 障がいのある子どものそのままをなかなか受け入れられないお母さんがそこにいます。そんなお母さんだった花岡さんが、何がきっかけで今の花岡さんになったのか、すごく興味深いところですね。

 たくさんのブログの中で一番印象に残っているのは、花岡さんはなんとかhanaちゃんが一人でごはんが食べられるようにとがんばっていたのですが、なかなか思うようにいきません。

 で、ある日ふと、

 「hanaちゃん自身は一人でごはんが食べられるようになりたいとは思ってないんじゃないか」

 ということに気がつきます。

 一人でごはんが食べられるようになりたいか、別にどうでもいいと思うかは、いわば生き方の選択といっていいと思います。

 花岡さんは自分の一方的な思いよりも、hanaちゃんの生き方を優先したのだと思います。だから一人でごはんが食べられるように、いろいろ訓練するのはやめました。

 やめることで、お互いがすごく楽になったと思います。

 お互い無理しないで自分の人生を生きること、それがいちばんです。

ameblo.jp

 

彼らと共に過ごす時間は今や自分にとってなくてはならぬ貴重な時間

 昨年の「ラジオ深夜便」で私の話を聞いて愛知県からわざわざぷかぷかを訪ねてきた方がいました。どうして障がいのある人たちといっしょに生きていった方がいいのか、どうしてもわからなくて、そのことを確かめに来たようでした。それがきっかけで演劇ワークショップに毎月参加。最後は舞台に一緒に立ちました。その方からメールが来ました。

 

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私事ですが現在農業の勉強をしながら、障がいのある子供たちの放課後デイサービスの事業所でバイトしています。6才から18才までの様々な個性を持った子供達と接しながらぷかぷかで過ごした時間を思い出しつつ、充実した時間を過ごしています。
 
高崎さんが常々仰っている障がいのある人達といっしょに過ごした方が楽しいということを、もっと頭だけでなく身体を通して理解したい、と思ってこの仕事をすることにしました。
 
子供によっては自傷行為や他害行為をしてしまう子もいます。どう接したら良いか迷う事もあります。それでもやはり彼らは魅力的な存在です。常識やルールにとらわれない、剥き出しの人間としての魅力があるように思います。彼らといっしょにいることで自分自身、とてつもなく大事なことを教わっているような気がするのです。
 
彼らを前にする時、肩書きも建前も意味をなしません。「素」の自分自身が問われているように思うのです。彼らと共に過ごす時間は今や自分にとってなくてはならぬ貴重な時間となっています。
 
今更ながらそのきっかけとなったぷかぷかと出会えた事に感謝しています。

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 ラジオ深夜便では「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい」という話をしました。障がいのある人たちとはおつきあいしたこともなく、私のいうことがよくわからなかったそうです。どうして障がいのある人たちといっしょに生きていった方がいいのか、その理由を確かめにぷかぷかまで来た方です。それがきっかけで半年間、ぷかぷかさんと一緒にワークショップをやり、発表会の舞台にいっしょに立ちました。そして今回のメールです。ぷかぷかの種がその人の中でしっかり芽を出したようです。人はこんなふうにして変わっていくんですね。

 

 

 

 

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