近くの区役所で人権研修会をやりました。

人権について抽象的な話をするのではなく、人権が侵されがちな障がいのある人達といっしょに短時間ながらもクリエイティブな活動を行い、彼等がどういう人なのかを知る研修にしました。具体的にはぷかぷかさん達と一緒に簡単な演劇ワークショップです。
午年なので、最初に体で馬を作るところから始めました。ぷかぷかさんと一緒に作ります。いっしょに作る中で、ぷかぷかさんについて、いろんな気づきが生まれます。「障害者」という思い込みでぷかぷかさんを見るのではなく、フラットにおつきあいしての気づきです。

演劇ワークショップでいいのは、この「フラットにおつきあいできる」ということです。障がいのある人とのおつきあいは、「何かやってあげる」という上から目線の関係が多いのですが、ここではどこまでもいっしょに作るというフラットな関係です。フラットな関係での気づきこそが、彼らといっしょに生きていく社会のはじまりです。

障がいのある人達といっしょに何かやるといってもい、なかなか思うように話が進みません。思うように話が進まないからおもしろいし、そこでこそ新しい気づきが生まれます。

馬の鼻?

宮澤賢治の「風の又三郎」の冒頭にこんな言葉が出てきます。
どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
冒頭の「どっどど どどうど どどうど どどう」といいながら歩いてみます。






「どっどど どどうど どどうど どどう」だけで、これだけの歩き方が出てきました。言葉はひとつでも、その受け止め方は、みんなそれぞれ違います。だからおもしろい。
動くことであらためての「どっどど どどうど どどうど どどう」がどういうことを表現しているか気づきがあったのではないかと思います。
街の中で「どっどど どどうど どどうど どどう」といいながら歩いている人達がいました。何をやっているのでしょう、という問題を出しました。それぞれのグループで、何をやっているのか、イメージしながら動いてみました。





●参加した人達の感想の一部を紹介します。
・障がいのある方たちの感性が豊かで素敵でした。
・周囲の環境や状況に捉われず、自身を表現されている様子をみて、自分のあり方を振り返りました。
・障害をお持ちの方には、枠にとらわれない大胆な発想力や行動力をお持ちの方がいて、自分も今後見習っていきたいと考えた。
・接することで学びがある方々だということをあらためて感じました。
・普段言葉によるコミュニケーションに頼り、動いて考えることをしていないことを思い知らされました。
・障害のある方との接し方を学んだ。
・一緒にグループワークすることで障害を持つ方とも一体感を持つこともでき勉強になりました。
・同じ目的を持って取り組んでみるとそんなに障害のあるなしは関係ないということを学びました。
・できることやできないことは、自分とあまり変わらないし、偏見によって決めつけている部分があると感じました。
・日々の積み重ねでもっと関係が築くことができたのではないかなと。ぷかぷかさんはその日々の積み重ねで地域に根付いたのだなと思いました。
・声を出したり体を動かすことで自由度が増し、距離感が縮まった。
・障害の有無にかかわらず、相手の得意不得意やキャラクターを知って付き合っていくことが大切だと感じました。
・初対面の人々が集ってごく自然に共同で作業ができて良い時間でした。
・同じテーマでもグループによって表現方法が異なり、多様性を尊重する視点を学んだ。
・フラットに障害のある方と同じ目的を持って取り組む機会が普段はないため、良い経験になりました。
・障害を持つからこそ周囲に与えるプラスの影響が沢山あるのだと知ることができました。
・障害のある方であっても一緒に動きのあるワークショップを行うことで、段々と壁が取り除かれるような感覚を味わいました。初めから壁を作らず、関わってみることの大切さを学びました。
・体を使ってコミュニケーションを取ると、言葉のみの時に比べて打ち解けやすいことに気付きました。
・グループワークを通じて心を通わすことができた。
・枠組みに囚われ、他人の目を気にしがちな自分がいることを改めて感じました。
・仕事上、自由に自分を表現する機会もありますが、それも枠の中だったなと。
・どうしても、言葉でコミュニケーションを取ろうと考えてしまうが、体を使ったり、一緒に声を出したりと様々なコミュニケーション方法があると気付くことができた。
・固定概念にとらわれずもっと自由な発想をしても良いこと。みんなと同じじゃないことは恥ずかしいことではなく立派な個性であること。
・課題を言われた時にパッとすぐに行動ができるって凄いな、羨ましいなって思いました
・障害のある方ともっとフラットに接することが距離を縮める近道なのだと学びました。
・言葉はなくても空間を共にすることで生まれることがたくさんあることを実感できました!
・障害の有無に関わらず、みんなで一緒に何かを作り上げると一体感が生まれていいなと感じました。
・一緒に体を動かしながら声を出すという体験は思った以上に気持ちが明るくなりました。
・障害の有無に関係なく、一つのものを作り上げるのは大変だと思いました。
・障害のある方とフラットに意見を出しあう関係性で関わることは初めてでした。とても楽しかったです!
・言葉がなくても考えていることはあること、行動や表情で伝えることができることを学びました。
・一緒に身体を動かしたり声を出して場を共有することで、言語とは異なるコミュニケーションを取ることができることがわかりました。
・障がいのある人たちの発想の自由さを前に、自分の思考や体が凝り固まっていることに気づきました。
・高崎さんのお話(なぜこういった仕事をしているのか、など)を講演会スタイルでお聞きしてみたいです。
私は養護学校(特別支援学校)で教員をやっていたとき、障がいのある人達に惚れ込んでしまいました。言葉をしゃべることができないとか、着替えができないとか、ごはんがひとりで食べられないとか、トイレの始末ができないとか、できないことはたくさんありましたが。でも、いっしょにいると毎日がとても楽しくて、何よりも心がぽっとあたたかくなりました。心と体がゆるむというか、こんな心地よさは初めてでした。「ずっとそばにいたいな」と思いました。
養護学校の教員を30年やりましたが、本当に楽しい日々でした。一番よかったことは、自由極まりない彼等と日々過ごすことで、私自身がすごく自由になったことです。生きることが楽になりました。
で、定年退職の時に、ここで彼らとお別れするのはもったいないと思い、彼らといっしょに日々過ごすことのできる福祉事業所を立ち上げました。どこからもお金が出なかったので、退職金を全部注ぎ込み、かみさんは唖然としていました。なので超貧乏な暮らしですが、彼等と過ごす日々は本当に楽しいです。何が幸せか、ということですね。《詳しくは『ぷかぷかな物語』をご覧下さい。(ぷかぷかのサイト
もしくはアマゾンで手に入ります)》
ぷかぷかさんと一緒にワークショップやると、なんだか楽しい。そんなことを思っていただけたのではないでしょうか。それが彼らといっしょに生きること。
今日の気づきを、ぜひどこかで生かして下さい。そうすれば、社会はお互いもっともっと生きやすくなります。




















































