ぷかぷか日記

こんな顔してずっと働いてほしい

 仕事がよくできるのに、なかなか仕事の楽しさを見いだせず、ことあるごとに「もうぷかぷかやめます」だの、「もう死にます」だのといい、ここ3ヶ月ばかりパンの厨房から身を引いていたまーさんが、先週から突然復活、こんな真剣な顔して働き始めました。

 直接的には現場スタッフの押したり引いたりの説得があったことが大きかったのですが、言葉の説得がほとんど通じない頃のまーさんの状態を思うと、デフパペットシアターのマッキーとの出会い、マッキーと一緒に舞台に立つために長野県の飯田まででかけていったことなどが、やはり大きかったように思います。

 およそ前向きのことなどやったことがなかったまーさんを、わずか2、3分の舞台に立つために新幹線を乗り継いで飯田まで出かけさせたのはなんだったんだろう、とあらためて思います。

 「マキノさんのパフォーマンスがかっこよかった」の言葉から始まった物語が、こんなふうになるとは全く予想もしていませんでした。だからこそ、日々紡いでいく、物語は丁寧に紡いでいきたいと思うのです。

 

  こんな顔してずっと働いてほしいなと思います。

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ぷかぷからしい焼き菓子

 区役所から地場野菜を使った焼き菓子のリクエストがありました。「ぷかぷからしい焼き菓子」を目指し、味、食感などをいろいろ試行錯誤しながら、ようやく今日、試作が終わり、できあがったのかこれです。

 

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 地場野菜のカボチャを軸に「ぷかぷからしい」クッキーを作りました。

 「ぷかぷからしい」というのはどういうことか、少し前に商品についていろいろアドバイスをいただいている方と話す機会がありました。

 「ぷかぷからしさ」のキーワードを並べていくと、「おいしい」「安心」「安全」「自然の良さ」「素朴」「ゴツゴツ」「ザクザク」「ザックリ」「シンプル」「素材の味を生かす」「飾らない」「余計なものを加えない」「無添加」といったことになります。

 そして今回、「小麦粉」と「カボチャ」をベースに、キーワードを大事にしながら作ったクッキーがこれです。区役所に納品したあと、お店に並びます。楽しみにしていてください。

 

 

 

ぷかぷか運動会2014 

 運動会がありました。去年以上に地域の方の参加が多く、そのままぷかぷかが作ってきた関係の広がりのように思いました。地域の人たちと、ぷかぷかのメンバーさんが、なんの分け隔てもなく、こうやって楽しいひとときを一緒に過ごせるって、本当にいいですね。 

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  小さな子どもたちがたくさん来てくれました。彼らが大きくなったとき、今日の体験が生きてくれれば、と思っています。

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  運動会の終わったあと、このだらだらした、いい加減な運動会がぷかぷからしくていい、といっていたお客さんが、今回はずいぶんきちんとしたものになりましたね、と寂しそうにいっていたのが印象に残りました。

 

 動画作成アプリであっという間に動画ができました。クリックしてください。

[http://]

 

 

 

写真と動画を適当に選んだだけなのに

  携帯の簡単動画制作アプリを見つけ、それで作った動画がこれ。驚きました。

 携帯に入っていた写真と動画を、全く適当に選んだだけなのに、それでもなんとなくぷかぷからしい雰囲気の動画ができあがり、びっくりしました。

  下記アドレスをクリックしてください。

http://www.magisto.com/album/video/PSl9QF5OHUc7Ni4EDmEwCXp6?utm_source=magisto&utm_medium=email&utm_campaign=producer_shared_movie

カンパーニュ

 カンパーニュがいい感じに焼けていたので撮りました。ソフトの不具合で、ちょっと画像がぶれます。ごめんなさい。

 

[http://]

「おかあさんといっしょ」と「ホラー映画」が好きです

 ぷかぷかしんぶん10月号の印刷に行きました。A5版6ページのしんぶんを5,000部印刷するには、2台の印刷機を使っても2時間かかります。500枚ずつ紙を補給したり、印刷した紙を裏返したり、いろいろやることはあるのですが、それでも印刷を待っている間はかなり時間をもてあまします。

 今日はナベさんがお手伝いで同行してくれたので、二人でいろいろ話をしました。

「家ではどんなテレビ見ますか?」

「おかあさんといっしょ」

「え?あの幼児が見る番組?」

「そうです」

ナベさんは今年20歳。なんてかわいい人なんだと思いました。

「テレビ見ながらお母さんと一緒に体操するの?」

「そうです」

ますますかわいくなりました。

「ほかに何を見ますか?」

「ホラー映画」

「え?あの、怖い映画?」

「そうです」

「怖くないの?」

「女の子がきゃーって叫ぶのが好きです」

「ナベさんは叫ばないの?」

「叫びません」

「ホラー映画好きな人は、ゾンビが友だちだと思って、家に遊びに来るんだけど、知ってる?」

「知りません」

「え?知らないの?それってまずいと思うよ」

「どうして?」

「だってゾンビがナベさんの家に遊びに来てるかもしれないんだよ。」

「来てません」

「じゃあ、今日、夜中にトイレに行ってみな」

「トイレ?」

「そう、トイレにゾンビが来てるかもしれないんだよ」

「夜中は寝ていて、トイレには行きません」

「ゾンビはナベさんのこと、友だちだと思っているから、見に行ってあげないと寂しがると思うよ」

「寂しがってません」

「ゾンビって、ああ見えて、実は寂しがり屋なんだよ」

「そんなことないです」

「いや、寂しがり屋です」

「そんなことありません」

「そんなに思うんなら、今日、布団で待ってるといいよ。寂しくなったゾンビがそーっと布団に潜り込んでくるよ」

「いや〜、怖いです。」

………

なんて楽しい話を印刷機を回しながら延々と話したのでした。

 

 

 

 

 

みんなが自由になれた場

  引き出しを整理していたら、昔養護学校でやっていた「しばいごや」の写真が出てきました。文化祭でステージに立つより、プレールームを使った舞台の方がみんなが楽しめる空間ができると,何年かこの「しばいごや」をやりました。

 その「しばいごや」で一番盛り上がったのが、この『魔女たちの朝 』でした。出演は子どもたち、そのお母さんたち、教員たち、スクールバスの運転手さん、介助員さん、ゲストのクラリネット奏者、ドラム奏者、たまたまやってきたフィリピン人の役者、その恋人等々。学校の教室とは思えないくらい、熱いエネルギーが渦巻く場が出現したのでした。

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 子どもたちのために買った絵本『魔女たちの朝』はこんなお話でした。

 …森の奥に住む魔女たちは、夜になって月が昇ると目を覚まします。魔女たちの朝が来たのです。こうもりのシチューを食べ、ホウキにまたがってみんなでお出かけ。月のまわりを輪になって踊る。遊び疲れ、夜がしらけ始めると明日の夜までぐっすりおやすみ…

 たったこれだけのお話でしたが、何かざわつくものがあって、

「これ、芝居にしたらもっとおもしろいんじゃない」

と口にしたのを、

「おもしろいねぇ、やろうやろう」

といった人がいて、芝居作りがスタートしたのでした。

 

『赤い月』という歌を最初に作りました。

♪ 大きな大きな赤い月 ゆらゆらゆらゆら登る夜、

  気持ちはひりひり、体はざわざわざわざわ

  こんな夜は こんな夜は 空を飛ぶしかない!

  こんな夜は こんな夜は 空を飛ぶしかない! ない! ない!! 

 

 『魔女たちの朝』は赤い月の昇った夜、みんなで熱く空を飛んだ物語だったように思うのです。

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お母さんたちはメイクをして怪しい魔女になり、ほうきにまたがって空を飛び、月の周りで踊りまくったのでした。

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お母さんたちのこういう姿がいいですね。誰かのお母さんではなく、私自身がそこに立つ、というのが。こんなふうに私自身を差し出すことができるのが『しばいごや』でした。子どもたちはふだん見ないお母さんたちにびっくりでした。でも、こういう出会いができるって、親子にとってとても大事なことだと思います。f:id:pukapuka-pan:20140928152935j:plain

 

後ろの背景画もみんなで描いたものです。ここにもエネルギーが渦巻いています。

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子どもたちも魔女になった気分?

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 スクールバスの運転手さんがカッコイイおじさんで登場。介助員のおばさんも派手なドレスにサングラス。

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 そしてフィナーレ。こういう開放感をみんなで共有できたのが『しばいごや』でした。

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  こんな場が学校の中でできたのは、今から思えば奇跡に近いことだったと思います。

 こういうことを一緒にやろう、といってくれた仲間がいたことと、こういうことができる学校の雰囲気が大きかったように思います。

 「しばいごや」はこのあと2年ほど続いたのですが、その後ほかの学校へ転勤し、10年くらいたって、またこの学校へ戻ってきたのですが、信じがたいくらいガチガチの雰囲気になっていて、とてもこんな自由な「しばいごや」をやる雰囲気ではありませんでした。

 時代が後ろ向きに進んでいる気がしました。みんながあれだけ自由になれた場はどこへ行ってしまったのでしょう。学校は何を大事にしているのかと思いました。

小さなピザ屋に車いす用の広いトイレ

 「おひさまの台所」の改修工事をするとき、建設局から障害者施設なので車いす用トイレを設置するように言われました。ぷかぷかは知的障害の方たちのための施設なので、車いす用トイレは必要ありません、と言ったのですが、横浜市の条例でそうなっているので、そのようにして下さい、の一点張り。

 車いす用のトイレは普通のトイレに比べ、広いスペースが必要な上に、費用もかかります。不必要な物にお金をかけるゆとりはない事業者の思いは役所の人には想像すらできないようでした。

 やむなく作ったものの、最低限のスペースしか取っていないので、実際に車いすの人が使うと、かなり窮屈な思いをするだろうな、という感じのトイレです。車いすの人が使うことを考えていないとこういうトイレができる、という悪い見本のようなものです。

 

 「おひさまの台所」のちょうど真ん前あたりに新しいピザ屋ができて、先日ぷかぷかスタッフの歓送迎会をしました。薪の窯で焼く本格的なピザ屋です。薪で焼くくらいですから生地も具も本当においしいピザです。

 びっくりしたのはトイレ。15,6人入るといっぱいの小さなお店ですが、広々とした車いす用のトイレが設置されていました。ぷかぷかの車いす用トイレの3倍くらいのスペースがあるように思いました。便器に近づいただけでふたが自動的に開き、手の不自由な人にとってはとても助かります。介護の人が一緒に入っても十分なスペースがありました。使う人の身になってよく設計されていて、オーナーの配慮がよく伝わってきました。

 小さなお店であっても、こんなに広い車いす用のトイレをしっかり作るところにオーナーの姿勢を見た気がしました。

 

 

ぷかぷかの方が楽しい

  ほかの福祉事業所が運営するパン屋に行ってきたお客さんが

「やっぱりぷかぷかの方が楽しい雰囲気でいいですね」

と、レジスタッフに語ったそうで、うれしい話でした。

 ぷかぷかでは、仕事中おしゃべりしない、とか、よそ見しない、といった注意はしたことがありません。要するにそういう管理をしてないのです。ですからメンバーさんはみんな楽しそうにおしゃべりしながら仕事をしています。それがパン屋やカフェの楽しい雰囲気を作りだしています。

 カフェのお客さんも

「メンバーさんの笑顔がいいからまた行きたくなるんです」

とおっしゃってましたが、職場が楽しいと、お客さんも楽しくなるんだと思います。

 ある区役所では、外販に来ているたくさんの福祉事業所の中でぷかぷかがいちばんお客さんとの関係を広げている、と障害支援課の係長が言っていましたが、外販でもみんなが楽しく仕事をやっているからお客さんがやってくるのでしょう。

 ぷかぷかを始めた当初、福祉事業所のカフェスタッフの方に来ていただいて接客についてメンバーさんを対象にした講習会をしたことがあります。ところが、マニュアル通りにするというのはどこか窮屈で、ぷかぷからしくないというか、メンバーさんらしさがなくなってしまう気がして、講習会はそれ1回でやめました。以来、接客についてメンバーさんを指導する、といったことはありませんでした。最低限、お客さんが不愉快になるようなことはしない、ということだけ守ってくれれば、その人らしくやってくれればいいと思ったのです。

 もちろんクレームが全くなかったわけではありません。設立当初、パン屋の宣伝の声がうるさい、と苦情の電話が入って、とても悲しい思いをしたこともあります。それでもメンバーさんの管理を厳しくする、といった方向にはしませんでした。メンバーさんの持っている楽しい雰囲気は絶対にいつかわかってもらえる、という思いでやってきました。

 彼らは一緒にいるだけでなんだか気持ちが和んだり、楽しい雰囲気になったりします。接客のノウハウよりも、彼らが本来持っている雰囲気を大事にする方が、ぷかぷからしくていい、と信じてやってきました。それが今ようやくお客さんに受け入れられてきたように思うのです。

 

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