ぷかぷか日記

「文化」とは「共に創り出すもの」

 桜美林大学の林先生が感想書いてくれました。林先生とは「NPOと企業、大学を結ぶマッチングのミーティングでお会いしました。そのとき私が言っていた「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がトク!」の「トク!」の意味がよくわからないと、まずお店にやってきました。お店に来ても、まだいまいち腑に落ちないと、今度は演劇ワークショップに参加。6ヶ月、ぷかぷかさんたちに揉みに揉まれ、最後は舞台にいっしょに立ち、ようやく「これはトクだ!」と納得したようでした。

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大好きなぷかぷかさんが本になりました!
ぷかぷかの代表高崎さんが本を出版!これはわたしの新たなバイブルになりそうです!

わたしの第一の感想は「勇気をもらえる」!
自分の生き様を本に書けるほど素敵な人生を送っている人って世の中にどれくらいいるのでしょうか。
先日70歳になったという高崎さん。わたしが70歳になったとき、「本にしたい!」と思える人生を送れているかなと自分をふりかえってしまいました。
養護教諭を退職してからNPO法人ぷかぷかを立ち上げた高崎さん。その道中は無計画、試行錯誤の連続と言ってもいい。
でも、その核にはぶれない強い信念が見えます。
自分の直観を信じて、まっすぐに目標を目指す高崎さん。その目標とは「障がいのある人と一緒に生きていった方がいいね。」「一緒に生きていった方がトク!」というもの。
とにかく「やりたいからやる!!!」(このことば、すごくいい!!!)
世の中を動かす人たちに共通していることって、この「やりたいからやる!!!」っていう自分の直観を信じる強い気持ちと行動力だと思います。
そういう人たちを見てると、不思議なことにご縁が向こうからやってくる~!!!
ご縁を呼び寄せてしまうほどの「やりたい!!!」という気持ち。
社会や教育について研究をしながらも、現実では色々なものに絡めとられて身動きができなくなっているわたし。
この本を読んだらそんな自分を相対化することができて、なんだか人生って本当はもっとおもしろいものなんじゃないかと思えてきました。
「人生」というものに希望が見えてきて、勇気が出てきました!
わたしも自分の直観を信じたい!!!

 

二つの目の感想は、この本のテーマである「障害のある人と一緒に生きていった方がいいね」について。
2015年にNPO法人ぷかぷかを知って、高崎さんの言う「トク」の意味が分からなかったわたしは、その年の演劇ワークショップに参加。
昔から自分で体感しないと理解できないタイプ。
ぷかぷかさんと演劇ワークショップを通す中で、「人間」という存在、一人ひとりの違い、一緒に何かを創り出すことのおもしろさと難しさ、「障がい」と社会、身体と学び、歌の力、などなどたくさんのことを考えました。
でも頭だけで考えるのではなく、ぷかぷかさんと演劇ワークショップで触れていたら、すーっと「トク」の意味が文字通り腹に落ちた。
そこからは身体丸ごとぷかぷかさんのファンに!!!
これはいくちゃんことてらちゃんが毎回「いい子いい子~♡」って「ギュっ」てハグしてくれることがきっかけになったのだと思う(多分、いくちゃんはわたしのことを猫ちゃんか何かに近いものだと思っているのだと思う)!
この「あたたかさ」「包容力」「自然さ」「居心地の良さ」って何なんだろう?って思った。
今考えると、本来「人間」って一人ひとりがそういう存在なんじゃないかと思う。
人間存在を自然体でCelebrateしてしまういくちゃん恐るべし!

こんな風に自然体で生きているぷかぷかさんと一緒に生きていく道を切り開いてきた高崎さん。
そこにあるのは同じく「自然体」で生きる高崎さんの姿なのだと思う。
「自然体で生きる」という、人間が本来持っている姿を引き出してくれたのが障がいを持っている人たちとの出会いだったのだと思う。
「障がいがあるから支援しよう。」「障がいがあるから共に生きよう。」ではない<障がいのある人と一緒に生きていく姿>。
これこそが高崎さんのいう「新しい文化」。
うちの師匠が言っている。
「文化」とは、「固定的なものではなく、可変的で動的なもの。」
だからこそ、「文化」とは「共に創り出すもの」。
人間は「文化づくりに参加」することができる存在なのだ。
「文化」とは、「人間社会を取り囲むさまざまな問題に対して、伝え、採用し、あるいは新たに創造する解決策の全体。」(ベルギーの社会学者:ティエリ・ベルヘルスト)なのだ。

高崎さんを見ていると、<文化づくり>ってこういうことなのだと思う。
感染した人々と一緒に新しい文化を創り続けているぷかぷかさん。

「障がい」に関心のある人にもそうでない人にもぜひ読んでいただきたい一冊です!

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 「文化」とは「共に創り出すもの」。本当にそうだと思います。

 私が「文化」を口にし始めたのは、30年くらい前に養護学校の子どもたちと地域の人たちでいっしょにワークショップをやり始めた頃でした。

 「ここで創り出しているのは、新しい文化じゃないか」

って。でも、当時は何を言ってんだ、そんなの言い過ぎだよ、という雰囲気で、誰も振り向きませんでした。

 振り向いてくれたのは、それから30年以上もたった2015年のことでした。

《「福祉」という言葉から抱きがちな「施し」のようなイメージを打破し、本来はそこから新しいトレンドやカルチャーを生み出し得る創造的作業だと思うからあえて「福祉文化」と表現しました…》

 と、読売福祉文化賞を受賞したのでした。なんと100万円ゲット!です。やったぁ!って感じ。

 30年たって、ようやく時代が追いついた、と言っていいのかも知れません。

 

 林先生がいいこと書いています。

《「文化」とは、「人間社会を取り囲むさまざまな問題に対して、伝え、採用し、あるいは新たに創造する解決策の全体。」》

 ぷかぷかが創り出しているのは、「新たに創造する解決策の全体」なのだと思います。

 彼らの声に静かに耳を傾けてほしい。いろんなところで行き詰まりを見せる今の社会にあって、その解決策をぷかぷかは提案していると思います。障がいのある人たちの社会的生きにくさの問題だけではなく、社会全体が抱えている息苦しさに象徴される問題です。

 「文化」とは「共に創り出すもの」なのです。彼らといっしょに生きていくことで生まれるもの、それが「新しい文化」です。ひょっとしたら、みんなを救うような「文化」です。

また誰かの人生変えるかも知れませんね

『ぷかぷかな物語』の感想、紹介します。

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『ぷかぷかな物語』読みました!!!

横浜市緑区にある障害のある人達が働くパン屋さん「ぷかぷか」。ぷかぷかさん達(障害のある人達をぷかぷかではそう呼ぶ)が、ぷかぷかと街に出て、ぷかぷかの種を蒔いて地域の人たちの心を耕していきます。むっつりに感染しない人たちって表現!すごくわかる!親と同じレベルでヒヤヒヤしたり、ぷかぷかさんと一緒にいい時間を作っている高崎さんの姿がみえるのがいい笑。

6年前、私も心を耕されたひとり。
子育てにぼろぼろだった頃、高崎さんのブログに出会いました。「60才にして、こんなに楽しい日が来るとは思わなかった」と。障害のある息子と居てこんなに楽しいと言える日が来るのか、という衝撃。高崎さんってどんな人?ぷかぷかってどんな所?ってそこから笑。生きてていいんだ、そのままでいいんだと思えたのもぷかぷかさんに出会えたから。私が「ぷかぷかフェスタ」を始めたのも、ぷかぷかさんのように地域を耕したいとの思いから。ぷかぷかな世界はいくつあってもいいからね。

以前読んだ高崎さんの著書『街かどのパフォーマンス』に、養護学校の子ども達は卒業してもほとんど行くところがないってくだりがあって、そこに出てくる「香蘭」のオヤジの話、「たとえば、自分ちの玄関先をちょっと改造してですね、テーブルを二つぐらい入れますね。台所にもちょっと手を入れて、、お母さんと子どもが二人して働けるラーメン屋くらい、その気になればすぐできるんですよ。ただ、その気になるのがなかなかムズカシイようですね。」それを読んだ時、退職金をはたいて子ども達の居場所をつくった高崎さんと、たまらない笑顔で働くぷかぷかさんから希望をもらって、私達親が何もしないではいられないでしょう!って笑。

この『ぷかぷかな物語』は、また誰かの人生を変えちゃうくらいの一冊になるんじゃないかな笑。

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 感想書いてくれたのは北九州のニシヤマさん。私のブログに出会って、人生が前向きになった話は、とてもうれしいです。北九州から一家4人でぷかぷかに来られましたね。息子さんは車いすで来られました。びっくりしましたよ。

 一昨年の暮れ、北九州で、ぷかぷかの映画の上映会とトークセッションやったとき

「北九州にもぷかぷかみたいな場所を作ろうよ」

という声があがって

「そうだ」「そうだ」

と何人もの声が上がり、本気で動き始めました。

 今、ニシヤマさんは時々「ぷかぷかフェスタ」をやって、ぷかぷかのような場所づくりに向けて、みんなで少しずつ動き始めています。

 

《 この『ぷかぷかな物語』は、また誰かの人生を変えちゃうくらいの一冊になるんじゃないかな 》 

 そうなるといいですね。

 障がいのある人たちは社会に合わせなきゃいけない、とみんな一生懸命です。本人も、保護者の方もすごく追い込まれています。

 でも、ぷかぷかは、社会に合わせるのをやめたとたんに、「ぷかぷかさんが好き!」というファンがたくさん現れました。ここはとても奥深い話です。社会に合わせなきゃいけない、と追い込まれている人が読めば、ひょっとしたら人生が変わるくらいの気づきがあるかも知れません。

 『ぷかぷかな物語』のここです。 

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 6月27日に予定されている《ぷかぷか×CANPANセミナー「福祉にファンができるヒミツ」》はまさにこのことをテーマにクロストークです。

pukapukacanpan.peatix.com

 

 人が生きていく上で大事なことはなんなのか、という話です。

 また誰かの人生変えるかも知れませんね。

お子さんがいることで、街のみんなが幸せになれるって、すてきじゃないですか。

「ぷかぷかな物語」の感想、紹介します。

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ぷかぷかな物語、
ビジネス書でもあり、哲学書でもあり、育児書でもあり…
自分には何が出来るだろう?
どうしたらぷかぷかのように、街を耕せるだろう?とワクワクしながら一気に読みました!!

この感動を誰かに伝えたくて、実家にも本をプレゼントしました。
周りにも面白い!とおススメしていたら、知り合いが購入してくれました。

最後の章、相模原殺傷事件のことは、深く深く考えさせられました。報道の仕方には私も疑問を持ちながらずっと見ていましたが、事件の背景まで深く知らなかったので(ブログを全部追えていませんでした)、高崎さんの言葉で語られていることが深く突き刺さり、今回この本に出会えて本当に良かったです。

自分自身にも偏見の目が無い、と言ったら、うそになります。
障がいのある方に出会ったときに、どうしたら良いか分からない、

それは、今までほとんど出会う機会がなかったから。知らなかったから。

同じように犯人は知らなかったからこそ、自分が見えた環境が全てになってしまう、その怖さを感じました。

一言では言い表せないほど、相模原の事件は社会の縮図であると思ったのと同時に、

お互いに多様性を認めて隣にいられる関係になるには、発信出来る立場にいる人間は、発信していかないと、と。

それも堅苦しくなく、皆が自然と参加出来るような、ぷかぷかさん達が体現しているような形で。

余談ですが、我が家の育児の軸は、「息子のファンを増やすこと」です。
ぷかぷかさん達のファンが増えていくように、私もぷかぷかや息子のファンになったように
^^
息子が産まれて、見たことのない世界に連れてきてくれたこと、素敵なご縁が沢山出来たことを本当に感謝しています。
またぷかぷかに遊びに行きたくなりました。

あまり表現が上手では無いのですが、色々な方にぜひ手に取って頂きたい本です😊
素晴らしい作品を形にして下さって、本当にありがとうございます。

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 お子さんはダウン症で、先日「つながりウォーク」でお会いしました。かわいい盛りです。かわいくてかわいくて、私はああいう子どもにめっぽう弱いです。

 親子で街を耕していってほしいなと思います。耕すことで、街も親子も豊かになります。みんなが幸せになります。お子さんがいることで、街のみんなが幸せになれるって、すてきじゃないですか。街の宝になりますよ、きっと。

ファンの存在は、そのまま社会を変えるチカラになる

 『福祉にファンができるヒミツ』と題したセミナーをCANPANと共催でやります。

pukapukacanpan.peatix.com

 

 ファンを増やすと、どういうメリットがあるのか。

 ①商売をやっているところは、お客さんが増えて、売り上げが伸びます。

 ②ぷかぷかさんが好き!という人が増えると、そのまま地域社会が豊かになります。

 ぷかぷかさんが好き!言い換えれば、そういうかたちで障がいのある人を受け入れると、社会の幅が広がり、みんなが生きやすい社会になります。

 ファンの存在は、そのまま社会を変えるチカラになるのです。

 

 二つのメリットのうち、社会的な意味、あるいは社会的なメリットというものを考えると、②がとてつもなく大きいと思います。

 相模原障害者殺傷事件以降、「ともに生きる社会を作ろう」とか「共生社会を作ろう」といったことがはやりのように言われています。でもここで語られる社会は、なんとなくぼんやりと未来の理想社会、といったイメージでしかありません。

 「ともに生きる社会を作ろう」とか「共生社会を作ろう」といいながらも、実際のところ、それがどういう社会で、どうすれば実現するのかが、曖昧なのだと思います。だから未来の理想社会、で終わっている気がします。 

 でも、ファンができると、その未来の理想社会が、現実のものになります。「いっしょに生きていくといいよね」と、「ともに生きる社会」「共生社会」の心地よさ、楽しさを現実のものとして、リアルに感じることができます。

 

 ぷかぷか×CANPAN セミナー
『福祉にファンができるヒミツ』

絶対来た方がトク!です。

ぷかぷかさんがいてこその物語

 『ぷかぷかな物語』の感想いただきました。

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 本全体に障がいのある人たちと一緒にいることの意味が様々な場面や切り口で語りこまれていて、なるほど!と唸る場面が多々ありました。共に生きる、と大上段に考えるのでなくて、面白いから付き合ってると、ああ、一緒に居たほうが良いんだなとわかってくるところなど、とても好きです。

 それと、接客マニュアルを一度やってみたけどなんだか気持ち悪くてやめた、という話が大好きです。やめてみたらお客さんたちからの反応がめちゃくちゃ良くなった、というのは痛快です。

 また、考えさせられ、今も答えが出ないのは、障がい者の仕事で、単純作業ばかりをやらせるのはどうか、という話です。単純作業ばかりだと飽きて嫌に思う人もいれば、一方でそれが楽しいと思う人もいるんだから、それって、障がいのある人たちだって同じじゃないか、という、言われてみれば、極く当たり前の事ではあるのですが、僕は気づいていなかった、あぁ、また固定観念に囚われていたのか、と考えさせられました。

 いま手元に本が無いのですが、後書きには沢山、線を引きました。 意味合いとしては、小さいうちから、障がいのある人たちとの壁を作ってしまって触れ合わないことにより、この世界が他人を許容しない、より狭い世界になっていっていくのではないか、という趣旨のお話は、我々が多文化共生だの何だの言いながら、根底のところで、自分と同質ではない他者を排除しようとする生き物と成り下がってしまっていることの核心を突いていると思いました。

 

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 「共に生きる、と大上段に考えるのでなくて、面白いから付き合ってる」

ことに気づかれたことは、とてもよかったと思います。世の中「共に生きる」という言葉がはやっていますが、なんかね、かっこよすぎる、というか、私は気恥ずかしくてついて行けない感じです。やっぱり彼らといっしょに生きる毎日は、素直に楽しくて、おもしろいのです。それをそのまま前に出して彼らとつきあっていった方が、長続きするし、絶対にいいと思いますね。

 本に書いたたくさんの物語は、彼らといっしょに生きる楽しさ、おもしろさから生まれたものです。

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 もう一つ、ぷかぷかを始める前に横浜市と神奈川県がやっていた「空き店舗活性化事業」にエントリーしたときの担当者の感想です。最終審査のプレゼンテーションに遅刻し、「今どこにいますか?」とハラハラしながら電話をかけてきた方です。

 種類審査したり、ヒアリングしたり、プレゼンテーションを聞いて、ビジネスとしては頼りない感じはするけど、

「何かおもしろい展開が期待できそう」

って判断し、なんと650万円もの資金を提供してくれました。 

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これまでの高崎さんの挑戦の軌跡がとてもよくわかり、

空き店舗事業のプレゼンの時に語っていた夢を実現されている様子に感動しま

した。

 

やはり、開業当初は相当苦労されたんですね。

もっとお手伝いすればよかったと後悔しています。

しかし、あの時の高崎さんは、他の創業者と同じように、凛として深入りさせないも

のを持っていました。

 

あと、あの時私が考えていたのは、

「会社という世の中の仕組みに対応することが難しい人でも、地域の中では何とか食

べていける仕組みができないだろうか。商店街がその役割を果たせないだろうか。」

「障害を持った人でも、自立して食べていけるだけの賃金をもらうことはできないも

のだろうか。」

というようなことでした。

ですので、高崎さんにそのことにチャレンジしてほしかったのです。

 

高崎さんが本で書かれているように、すぐにはお金に結びつかないかもしれないけれ

ど、その人特有の価値(人の心を豊かにするなど)を生み出すことで、全体としてそ

のまちで暮らしていける仕組みを作られたことは、私にとっても大きなヒントになり

ました。

 

まだまだ、完成形ではないと思いますが、これからも自然体で今まで通り頑張ってく

ださい。

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 この方は今は部署を移られたようですが、今、空き店舗活性化事業を担当している人に本を回してくれたそうです。

 空き店舗活性化事業で資金投入した結果、何を生み出したか、がとてもよくわかる本だと思います。ぷかぷかは、いただいた650万円の何倍もの価値を生み出したと思っています。

 もちろん最初からそれがわかっていたわけではなく、ああ、もうあかん! もうだめ!と何度もこけそうになりながら、生み出せた価値です。ぷかぷかさんがいてこそ生み出すことができた価値です。

 

 

 本を読んでの感想、気づき、どんなことでも結構です。高崎までお送りください。送り先はtakasakiaki@blue.plala.or.jp

 『ぷかぷかな物語』アマゾンの販売コーナーのカスタマーレビューにも感想書き込んでください。

 

前に向かって生きる

 バルセロナまで『ぷかぷかな物語』を持って行った宮原さんは、脳腫瘍で亡くなったしんごっちのお母さんが設立に走り回っていた「横浜に子どもホスピスを」のプロモーションビデオのプロデューサーをしていた方です。

 子どもホスピスは、命の最後の時間を送る場所ではなく、子どもの命の最後の瞬間まで前に向かって生きる場なんだ、ということがしっかり伝わってくる映像です。短い映像ですが、じ〜んと迫ってくるものがありました。前に向かって生きる、それはしんごっちの生き方そのものであった気がしています。

 宮原さんは映像を作るための取材でしんごっちが寝ていたベッドのそばでお母さんの話を聞きます。涙が流れて仕方がなかった、と書いています。そして取材の中で、しんごっちがぷかぷかで働いていたことを知ります。

pukapuka-pan.hatenablog.com

 

 宮原さんは親が精神障害の子どもを応援するための映像も作っています。この映像も、子どもたちに向かって、「前に生きよう」って、伝えています。

kidsinfost.net

 

 6月末に日本財団のCANPNセミナーで「福祉にファンができるヒミツ」と題したトークセッションを宮原さんとやります。詳細が決まりましたら、またお知らせします。

しんごっちにはかないませんが…

 今日、帰りの会で「70歳誕生日おめでとう!」とみんなにハッピーバースデーを歌ってもらいました。なんだか気恥ずかしいやら、うれしいやら。

 70歳のあいさつを、といわれ、

「もうじいさんですから、やさしくしてやってください。あ、それから70歳らしいばかばかしい記念イベントをやります。」

といったら、あとで

「70歳らしいばかばかしいイベント、ってなんですか?」

とまじめに聞いてきた人がいて説明に困りました。

 強いて言えば、一文のトクにもならないけど、わくわくときめいてしまうものを、この70歳にしてやろう、ということです。

 

 今まで何度か紹介しましたが、脳腫瘍で亡くなったしんごっちは、わくわくときめくものを考える名人でした。

pukapuka-pan.hatenablog.com

 

 しんごっちにはかないませんが、70歳にしてわくわくときめくことをやりたいと思うのです。

 今、なんとなく頭にあるのは、自転車で富士山の周りを一周するプランです。だいたい130キロくらいあります。まだ30代の頃一度行きました。アップダウンがすごかったことだけを覚えています。朝7時頃御殿場のホテルを出発して、ひたすら自転車こいで、ばてばてで富士吉田の駅についた時は、もう真っ暗になっていました。多分夜の8時頃だったのではないかと思います。

 70歳で同じルートを行くのは2日くらいかかるかなとも思います。今は、いちばんしんどい峠を越える路線バスがあるので、それに乗れば快適なのですが、70歳のへそ曲がりは、楽なルートはつまらん!といって、あえて1,000メートルくらい登る峠道を自転車こいで登ろうというのです。困った性格です。

 

 もう一つは冬の大雪山に登るプラン。単独は危険なので、ガイドを雇います。ガイドを雇っても、歩くのは自分ですから、凍った急斜面のアイゼンワークが必要です。トレーニングをする必要があります。どうしようかなと思っています。

 大雪山は途中までスキー場のリフトで行きます。山頂まで600メートルくらいの高低差を登ればいいだけの楽な山ですが、その600メートルがくせ者。片側が切れ落ちている急斜面をひたすら登ります。

 春、まだ残雪が残っている頃登ったときは、濃いガスで視界が全くきかなくなり、ホワイトアウトの状態。目を開けているのか閉じているのかわからないほどです。たまたまガイドが20メートルおきくらいに刺していた赤旗があって、それに助けられました。

 冬山はものすごく厳しいのですが、それでもなんだかね、わくわくするのです。まだ若い頃の山の病気が治らないですね。

 

 更にもう一つ。ばらした自転車担いで北海道の稚内まで行き、そこからオホーツク海を見ながら網走まで自転車で走ります。約300キロ。アップダウンはないですが、手強い距離です。三日くらいかけて走ります。途中はキャンプですね。夜はローソクの火を見つめながら、スルメかじりながらワンカップをちびちび飲みます。

 オホーツクのきらきら光る海を横目に走るのは最高です。

 

 とまぁ、いろいろ考えてはいるのですが、どうも発想が今までのハードな旅のイメージから抜け出せないというか、しんごっちの多様な規格に比べれば、ひたすら疲れる似たような計画ばかりです。発想が貧しいですね。もっと70歳らしい斬新な企画を出さないとつまんないな、と思ったり。

 そうそう、7月15日にオペラを子どもたちにプレゼントする企画をやります。オペラという、ほんのひとときの夢のような時間を子どもたちにプレゼントしようという企画です。これも一文のトクにもならなくて、ひたすらエネルギーを消耗します。でも、心の底からわくわくドキドキする企画です。来週末くらいに資金集めのクラウドファンディングを発表する予定です。

 特典で差し上げる焼き物を試作中

 

 いずれにしても、ぷかぷかさんたちがタカサキに負けないくらいわくわくするようなことをやってくれたら、と思っています。

 

 

70歳、おめでとう! なんて思ったかどうかわかりませんが…

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「あしたは、なぜあるの」

今朝の朝日新聞の天声人語。

「あしたは、なぜあるの」

という子どもの問いがおもしろいです。

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 あなたなら、どう答えますか?

 ぷかぷかなら、

「今日よりもいい一日を作りたい、って思うからです」

って、答えます。

 

 ぷかぷかは、みんなでいい一日を作る、ということを目標にしています。ですから、明日は今日よりももっといい一日を作りたい、って思います。そのために、明日があります。

 そうやってぷかぷかさんたちといっしょにいい一日を毎日毎日積み上げていきます。いい一日は、明日があるので、少しずつ、もっといい一日になります。そういったことを繰り返していくと、1年後にはどんないい一日が待っているのだろう、ってわくわくします。

 

 彼らとの日々を毎日Facebookで発信しています。たくさんの人たちに伝えたいのです。彼らと作るいい一日が、どんなにすばらしいことか。食べて、笑って、怒って、また笑うこと。時々は泣いたりも。それが彼らといっしょに生きること。ともに生きる、ということ。

 

 相模原障害者殺傷事件がありました。「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」と。何言ってんだ、とあらためて思います。思うだけでは相模原障害者殺傷事件を生み出した社会は何も変わりません。ならば「障害者はいた方がいい」「障害者は不幸しか生まないのではない」という事実を作っていくしかありません。それが彼らといっしょにいい一日を作ることです。そして、それを相模原障害者殺傷事件を生み出した社会に向けて毎日発信していくこと。

 こんなことやったよ、あんなことがあったよ、誰かさんが笑ったよ…それを毎日毎日発信するのです。彼らといっしょに生きてるよ、毎日が楽しいよ、って。

 そうすることで相模原障害者殺傷事件を超える社会が、少しずつ具体的にできていきます。共生社会を作ろう、なんて抽象的な、大きな話ではなく、日々の暮らしの中で、いい一日を彼らといっしょに作っていくのです。

 

 「あしたは、なぜあるの?」

 「今日よりもいい一日を作りたい、って思うからです」

 

 障がいのある人もない人も、みんなが気持ちよく暮らせる社会を作りたい、って思うからです。

そうした人々に、どんなまなざしを向けられるのか

やまなみ工房の映画「地蔵とリビドー」について書かれたすばらしい論評を見つけました。映画を語りながらも、「特別」でない人へも思いを向ける姿勢がすばらしい。

 

《人の数だけ、暮らし、そして人生があります。現実には、全ての障害者がアート作品を生み出せるわけではありません。そうした人々に、どんなまなざしを向けられるのか。このことをこそ、映画から問われている気がします。》

 

 私たちは、すばらしいアートを生み出す人たちに、ついつい心を奪われてしまいます。でも、そういうものを生み出さない人たちもたくさんいます。その人たちにどんなまなざしを向けられるのか、ということ。

 何も生み出さなくてもいい。その人がいること、その人がその人らしくそこで生きていること、そのことを素直に喜べる人間になりたいと思うのです。そのためには、どこかでその人に出会う。あーだこーだの理屈でなく、とにかく出会う。それがいちばん。

 何度も紹介している、昔担任していたシノちゃんは、暴力ばかり振るって、何も生み出さない人でした。殴られ、蹴られで、ぼこぼこの毎日でした。それでも私はシノちゃんが好きでした。時折遠くを見つめ、ふっと笑うシノちゃんの横顔を見ると、もう心がキュンとなって、ぼこぼこにされた毎日もすべて許してしまいました。

 出会うことは、許すことかも知れません。だから、その人がそこにいること、その人がその人らしくそこで生きていること、そのことを素直に喜べる瞬間なのかもしれません。

 

withnews.jp

自分らしく生きてる?

花岡さんのブログです。花岡さんはhanaちゃんのおかげで自由になれたんですね。

ameblo.jp

 

  近くの大学でぷかぷかさんといっしょに簡単な演劇ワークショップをやったとき、感想の中に

 

 ・こんなに素直に生きてていいんだ、と気づくことができました。

 ・ぷかぷかのみなさんは自由で、何にもしばられずに、いいな、

  見習いたいなと思いました。

 ・自分にはすぐにできないこと、恥ずかしがってしまうようなことを、自由に、

  積極的に、かざらない、そのままの姿で表現し、生きている姿は素敵で、

  見習いたいです。

 ・ぷかぷかさん一人ひとりが、とても表現力が豊かで、素直に自分の気持ちを

  表していて、自分にはないものを多く持っているなと感じました。

 ・障がいのない自分よりも、心や考えが豊かで、見習いたいものがたくさん

  ありました。

 

といったすばらしい発見がありました。ほんの1時間程度のワークショップで、彼らの自由さに気がつき、逆に自分がいかに不自由であるかに気がつきました。

 障がいのある人たちは、あれができない、これができない、ではなく、こんなふうに、自分たちよりもはるかに自由に生きている人たちであること、そして、そのことの発見は自分たちの生き方にとても大事な問いを投げかけます。

 「私らしく生きてる?」

って。

 

 福祉事業所の職員たちが、この学生さんたちのような感覚で日々接している障がいのある人たちのことを受け止めることができたら、なんかね、社会が変わる気がします。

 花岡さんのブログ風に言うなら『障害者がいるからこそ、職員は自由に生きよう』

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