ぷかぷか日記

おひさまの台所ニュース 

  お惣菜の試作をしました。メニューは「おかひじきとトウモロコシの梅肉和え」「豆サラダ」「ベジ唐揚げ」「イカのけんちん蒸し」「オムレツ」「筑前煮」「蒸し野菜 & バルサミコ酢ソース」「メンチカツ」「野菜の肉巻き」「焼きおにぎり」など。

 18日オープンです。

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第1回みんなでワークショップ

 

 ワークショップが始まりました。コミュニケーションゲームで体をあたためたあと、久しぶりに「マルマルマル」というアクションソングを歌いました。ぐるっと輪になって座り、隣の人の膝をたたいたり、肩に触れたり…。こういうおつきあいはふだんなかなかないので、ちょっと解放された気分になります。おまけに歌がびしっと決まって、最後にはすごい拍手でした。この盛り上がりがいいですね。ちょっと疲れて息が切れましたが…

 

『森は生きている』の概略を朗読と歌で説明してもらいました。歌はオペラシアターこんにゃく座のオペラ『森は生きている』で歌われているもので、ピアニストのあみちゃんに歌ってもらいました。

 ♪ 森は生きている/風だって雲だって/小川のせせらぎだって/生きている…

  森と空を/ 私は見た/ 生きているものたちの笑う声/話すことば…

 ここが、ぷかぷかが命に関することでやっていることと、どこかつながるところがある気がして、今回のワークショップの軸みたいなところに置きたいと思いました。

 あみちゃんの歌を聴いたあと、みんなでこの歌を歌いました。久しぶりに歌を歌って、とてもいい気持ちでした。歌は人を元気にしますね。

 

 ギブミーシェイプをやりました。体を使っていろいろなものを作ります。4グループに分かれ、森と動物を作りました。これはグループの中での関係作りと、体の表現のトレーニングです。

 下の写真、左側で走っているタケちゃんは森に住んでいるアイアイだそうです。

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 お昼を挟んで午後一番、『雨の音楽』を歌いました。乾ききった大地に、ドラムを打つばちのように雨が降り、新しい命を呼び覚ます、という元気の出る歌です。

 ♪ ほこりっぽい大地のドラムに 降る雨が打ち付ける

  はじめはささやく小声で それから だんだん大声の調子で…

 途中に入る手拍子が歯切れよく、だんだん元気になります。この歌も「森は生きている」と並んで毎回歌うことにしています。

 

 グループで1枚の写真を作るギブミーシェイプをやりました。まず一人が舞台に出てポーズを作ります。それにあったポーズを次の人が作ります。更に3人目、4人目と続き、1枚の写真ができあがります。

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 季節ごとに四つのグループに分かれ、簡単なお面を作りました。

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 できあがったお面をつけ、鏡の前に立って動いてみました。いつもと違う体になった気がします。ここがお面の持つ不思議な力ですね。

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  デフパペットシアターのメンバーに即興で音を入れてもらい、グループごとに舞台に出て、踊りました。

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 だんだんみんなのテンションが上がって、全員が真ん中に出て声を出しながら踊りまくりました。第1回目でこんなにテンションが上がるとは思ってもみませんでした。もう発表会のフィナーレのようでした。

新しい文化を創り出す

 20年ほど前、養護学校の生徒たちと地域の人たちでワークショップをやっていた頃、障がいのある人たちといっしょに創り出す作品は「新しい文化」と言っていいのではないか、とあちこちで語ったことがあったのですが、きちんと受け止めてくれる人は皆無でした。

 この6月から始まったワークショップの企画書にもその「新しい文化」という言葉を入れているのですが、今回は共感する人が多く、みどりアートパークの館長は企画書を読んで「共催」を提案してくれました。ようやくそういう言葉を認めてくれる世の中になったんだと思いました。

 ぷかぷかは「障がいのある人たちと一緒に生きていこうよ」というメッセージを発信しています。その方が私たち自身が豊かになる、と思うからです。人生が豊かになる、という意味です。

 人生を豊かにするものは文化です。だとすれば、ぷかぷかが創り出しているのは、まさしく「新しい文化」と言っていいものだろうと思います。

 「障がいのある人たちと一緒に生きていく」という一つの生き方が新しい文化を創り出す、ということ。ぷかぷかが街の中にあることの大きな意味が、また一つ加わったように思います。 

厨房が動き始めました。

 今日からお惣菜の厨房が動き始めました。お惣菜が始まる前に、利用者さん、スタッフの弁当(45食くらい)を作ることで、厨房を使いこなす練習でもありました。

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 初日でこれだけの弁当をチャッチャッと作ってしまうあたりがすごいなと思いました。

 お惣菜については2,3日スタッフだけでリハーサルをやり、そのあと利用者さんも入れてリハーサルになります。

 18日オープンに向けて、厨房の使い勝手のチェック、足りないものの確認などを、実際にお惣菜を作りながらチェックしていくことになります。

 パン屋が始まるときよりもはるかにたくさんの人たちがオープンに向けて動いていて、とてもいい雰囲気です。この熱気がすばらしいと思います。

ダウン症の青年に質問されたら

 先ほど、NHK教育テレビで「出生前診断」を考える番組がありました。その中でダウン症の青年が街角で女性にインタビューしていました。

「ダウン症の子どもが生まれるとわかったら、どうしますか?」

とダウン症の青年が聞くわけですが、かなりきついシチュエーションでの質問だと思いました。

自分は産みたくない、と思っても、ダウン症の青年を前にすれば、その青年の存在を否定するようで、なかなか言えないと思います。

「身近にダウン症の子どもがいて、本当にかわいくて、天使のようだと思っています。でも、自分子どもとなると…、そのときになってみないとわかりません」

といいながら、涙がこぼれ落ちました。

 とても辛かったんだろうと思います。ダウン症の子どもは天使のようだと思いつつ、自分の子どもとなると…、という思いのずれ。そのずれを抱えたまま、ダウン症の青年の質問に答えねばならない、というのは、やっぱりきついシチュエーションではないかと思います。

 NHK教育テレビの福祉番組ですから、出生前診断で切り捨てられてしまう「命」を考えようとしたのだと思いますが、ダウン症の青年にこんな質問をさせるのはどうかと思いました。もし「私は産みたくありません」とはっきり言う人がいたら、青年はとても辛い思いをするだろうと思います。

 

 明日から月一回のワークショップが始まります。いっしょにワークショップを楽しむ中で、障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいね、と自然に思えるようなワークショップです。 

 

こりに凝った入り口

 お総菜屋「おひさまの台所」の入り口ができつつあります。

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 ずいぶん凝った入り口で、上の方に竹箒を切ったものを逆さにぶら下げています。先っぽを縛った方がいいかどうか聞かれ、縛らない方がいいのではないかと思いましたが、縛らないとシャッターが少し引っかかるようなので、結局ひもで縛ることにしました。

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 右にショーケースが入ります。

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 どんどんできあがっていきます。18日(水)にオープンの予定です。

 

 夕方に行ったらもう色が塗ってありました。入り口左側に三本だけ焦げ茶色の柱がありますが、そこには鉄製の浮き上がったような看板がつく予定です。

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ツンさんが伝えたかったもの

 ツンさんの新しい映画を見ました。新しい映像編集技術を駆使した、なかなかおもしろい映像ではあったのですが、肝心な「旅の記録」の部分がほとんど伝わってこなくて、むつかしい作品だなと思いました。

 黒澤明とかチャップリンの無声映画の映像をふんだんに差し込んで、それなりにおもしろい映像に仕上がってはいるのですが、それで何を伝えようとしたのか、よくわかりませんでした。旅行の映像もかなり加工して取り込んではいるのですが、ほかの映像との関連がさっぱりわかりませんでした。

 今度ワークショップの映像記録をお願いしている映像作家さんにも見ていただきました。

 「おもしろい!」「すばらしく自由」「見る人にこびる気持ちが全くない」「素材を本当に自由に使っている」「デジタル編集技術がすごい」等々、新鮮な感想を言ってくれました。「人の作った映像ではなく、自分で撮った映像を使った方がいい」ともいってました。

 本人とも話しました。黒澤明の映像を使ったギャグが伝わらないのが残念、とかいってましたので、やっぱり何かを伝えたいのだろうと思いました。だったら利用者さんにも伝わるような工夫をした方がいいんじゃないかといったのですが、簡単な映像は作る気がしない、といい、どうも話がかみ合いません。

 映画を始めた3年前に比べると、技術的には格段の進歩を感じます。進歩を感じながらも、伝わってくるものがなくて、どうしたのかなぁ、と思っています。

 でも、映像作家の作った記録映画よりははるかにおもしろいものがあったので、ワークショップでは二人に撮ってもらって、全く違う映像にまとまるとおもしろいかな、と思っています。

 そうか!「記録映画よりもはるかにおもしろいもの」が、ツンさんが伝えたかったものか、と今、思いました。

 

 

スナックに行ってジュース飲むんだよ

 長野県は小諸にある「おむすび長屋」の田中さんがお店に見えました。

 おむすび長屋は30年ほど前、小諸の山間にある茅葺きの廃屋を借りて、障がいのある人たちと生活を共にしながら味噌作りを始めました。今のように福祉の制度も整わない中でのスタートだったので、大変な試みだったと思います。たまたま新聞で紹介され、訪ねていったのがおつきあいの始まりでした。

 訪ねていった日にボーナスが出たようで、こういちろうさんというおじさんが

「ボーナス出たんだよ」

とにこにこ顔でいいました。

「何に使うんですか?」

「スナックに行ってジュース飲むんだよ」

 40歳くらいのおじさんが、そんなふうにうれしそうに言い、その純な心に感動したことを未だに覚えています。

 味噌はお金になるまで1年くらいかかります。バイトで食いつなぎながら「おむすび長屋」を維持できたのは、やはりあの年代の志の深さだったかと思います。でも、若い人たちに引き継ぐに当たって、それなりの生活の保障がないとまずいだろうと、10年ほど前、社会福祉法人になりました。田中さんは今年、その理事長の役も降り、すべて次の世代に引き継ぎました。今日はそのあいさつ回りだったようです。

 田中さんのあの味が「おむすび長屋」からなくなることは、とても寂しいことですが、新しい「おむすび長屋」に田中さんを超える新しい魅力をぜひ創り出していってほしいと思います。

 

しんごっちの財産

 しんごっちの告別式がありました。お通夜も、告別式も、びっくりするほどの人が参列し、しんごっちの作ってきたつながりの広さを思いました。

 日曜日に息を引き取って以来、毎日しんごっちに会いに行っていたのですが、たまたま居合わせた近所の床屋さんのしんごっちの思い出話を聞きながら、近所でもいいおつきあいを作っていたんだなぁ、と思いました。あのすばらしい笑顔と、誰にでも愛される人柄の故だろうと思います。

 昔、担任していたなおちゃんが事故で亡くなったときのことです。なおちゃんは多動で、しょっちゅう家や学校から飛び出して、毎日のように探し回っていました。家のドアには鍵が三つくらいついていて、ベランダには物を投げても大丈夫なようにネットが張ってありました。テレビも投げたことがあったとお母さんが嘆いていました。家の近くのスーパーにも勝手に入り込んでずいぶんいたずらしていたようで、要注意人物でした。しんごっちとは正反対の人柄だったようです。ところが、なおちゃんが亡くなったとき、そのスーパーの女性店員が大泣きしたと、あとで聞きました。毎日のようにいたずらに手を焼いていたんだろうと思います。売り物を壊したりして、損害もかなりあったんだろうと思います。そんなに迷惑をかけながらも、それでもなおちゃんが亡くなったとき、女性店員は大泣きしたというのです。

 たぶん、しんごっちとは全く違う方法で人とつながりを作っていたのだろうと思います。つながりはそのままその人の財産です。昨日、今日としんごっちのすばらしい財産を見た気がしました。その財産があったからこそ、病院での治療をやめたあと、すばらしくいい時間を過ごせたのだと思います。いい時間を支える仲間がたくさんいて、しんごっちは本当に幸せだったと思います。 

 

夢がぎっしり

 たまたま「ぷかぷか」を立ち上げるときに作ったイメージの絵が出てきました。

 

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 夢がぎっしり詰まったお店でした。スペースの関係でほとんど実現できなかったのですが、それでも、このときの熱い思いは今、別の形で生きています。

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