ぷかぷか日記

でんぱたスタッフからこんにちは

はじめまして。

わたしは5月から「でんぱた」で働きます。

ついこの前まで、わたしは障がいのある方の通所施設で20年近く働いていました。

わたしは、そこで働く利用者さん(そこでは障害のある皆さんをそう呼んでいます)のことが大好きです。

わたしは彼らがとても素敵だと感じていました。

とても豊かであると感じていました。

彼らのことを多く人に伝えたい、想いをともにしたいという強い気持ち(欲求)を持ちながら、

でもそういった想いを人に伝えたり共有することの難しさを感じながら(悩みながら)そこで働いてきました。そして、わたしなりに想うところがあって、「でんぱた」というあたらしい生活介護事業所に関わることになりました。

 

でんぱたがスタートします。

ここでなにかが生まれ、なにかが動きだす。

そのことにわたしはとてもワクワクしています。

でもその前に少しだけ、障がいのある方たちとともに過ごしてきた、わたし自身の振り返りというか整理をしたいなあと思うのです。

そしてここから、仲間とともに後ろではなく前を向いてすすんでいきたいと思っています。

これを読んでいただいた皆さまには、わたしが「でんぱた」をやりたい!と想ったその想いのようなものを、少しでもお伝えできると嬉しいです。

 

わたしは20年近く最重度といわれる障がいのある方の通所施設の職員をしていましたが、その間にたくさんの利用者さんの受け入れをしてきました。新たな仲間として迎え入れる出会いの喜びもたくさん経験しました。

しかし、「そこに入りたい」という切実な想いを全部、叶えることができたわけではありません。ご本人も親御さんもギリギリの状態のなかで、そこに入ることを切望されていたご家族の涙を私は忘れることができません。

 

その施設のような場所を必要とする人たちはたくさんいます。今後ますますそうなっていくと思われます。ですが、この時代において、グループホームも運営するその施設がこれ以上の受け入れをしいていくことが大変であることを、内側で奮闘してきた一人の職員として誰よりもわかっているつもりです。

1人の方を受け入れることは、その方の人生を受けいれることであり、そこには大きな責任が伴います。たった1つの施設が、同時にたくさんの役割を担うことには限界があると感じています。

 

今もこれからも、その施設には、その施設にしか出来ない役割があると思っています。そして今後のことは後輩職員がしっかりやってくれると信じています。

 

そしてわたし自身は、これからはもっと、障がいのある彼らのことを多くの人に伝えたい、想いをともにしたいと思っています。
彼らは、とても変わっていたり人と違っていたりします。特異な才能やとても一途なところ、特殊な能力があったりします。そうやって一般の括りを超えた多様な世界を教えてくれます。
そして、この社会と人の意識のなかに何か足りていないものがあるすれば、

それが何であるかを彼らが教えてくれている。

わたしは一緒にいてそのように感じています。

しかし、そういった想いを人に伝えることは難しいことです。

自分が彼らを豊かと感じるからといって、それを人に押し付けられるものではありません。

(重度の)障がいのある彼らが人に伝える目的で自らを表現することも少ないでしょう。

そしてわたしには彼らのことを豊かな表現で伝えるための武器(技能や才能)がありません。
それでも彼らの豊かさを人に伝えたい、ともにしたい。

まだ彼らを知らない人が、彼らのことに気がつき、その豊かさに触れてほしい。

 

その施設で働いている時感じていたことですが、私たち職員は彼らのすぐ近くの距離にいるようで、かえって彼らのことが見えづらいところにいるような気がしていました。職員は、いわゆる問題行動を頻繁におこす重度障がい者である彼らと、毎日畑で一緒に仕事をします。でも、そうやって毎日を繰り返すなかで、私たちのなかで薄らいでいってしまう何かがあるように私は感じていました。職員がリスペクトとは逆の感情に支配されてしまっている場面もよく目にしました。

一方で、彼らの笑顔に心が洗われたり、一緒にいるだけでうれしかったり、彼らを好きだったりするのが私たち職員です。そうやって、多くの職員がプラスマイナスの状態の間で揺れ動いていました。

 

職員と利用者という関係性における、支援という行為が繰り返され、彼らと一緒にいるという喜びも薄くなり、でも大好きな彼らと離れることはできず、私たちは苦しみます。

わたしは施設職員として、彼らの本質の光りを、もっと日常的に気がつき、知り、触れることができるような方法や状況をどうすればつくることができるのか、ずっと考えてきました。

意図的に、組織や仕組みとしてどうすればいいのかを、考えてきました。

しかし最近になって、その答えは、もっとシンプルな何かであるような気がしています。

これからは、彼らと一緒に過ごし活動するなかで、そのことを何らかのかたちであらわしていきたいと思っています。

新しい事業所は、野良しごとと手仕事やアートを中心とした、土くさい(私それしかできませんので)

場所にしていきたいと思っています。

そこにいろいろな人に訪れていただけるようにしたい。

そのなかに障害のあるメンバーさん達が自然にいるような場所にしたいなあと思っています。

そこには小さな社会があるような、障害のあるなしに関係なく、いろいろな人が集ってほっとできる、心のあたたまる場所にしていきたいです。

でんぱた 開所のごあいさつ

5月1日

ぷかぷかにあたらしい仲間として

生活介護事業所『でんぱた』が開所します。

こんな世界的に大変な状況にある中に産声を上げる事になってしまいました。

 

もうだいぶ以前にこのブログに「あたらしいぷかぷかの種」としてこのお話をさせていただいてからぴったり7ヶ月の月日が経とうとしています。

 

『でんぱた』

漢字で書くと「田畑」なのですがあえてひらがなです。

妄想癖のある私の頭のなかで でんでんぱたぱた と かわいい日本の妖怪が小走りに歩くイメージもあります。

 

でんぱたは生活介護事業所です。

生活介護というと重度障害と思われる方もいらっしゃることでしょう。

ですが、そう簡単な区分けでは無いというのが私の見解です。

私は、ぷかぷかの前は最重度の知的障害の方が多く作業されていると括られている事業所で仕事をしておりました。ですが、一人一人の方と共に過ごす日々を送っていくとひとくくりには出来ないものがあります。

ぷかぷかは軽度の知的障害の方が多いというくくりです。そしてまた、ここもひとくくりには決して出来ないわけです。

ぷかぷかで過ごすのが向いているメンバーさん

でんぱたで過ごすのがむいているメンバーさん

ただ、それだけかな、と思います。

でんぱたのメンバーさんの中には私より優れた知識を持たれている方がいらっしゃいます。私より器用な方もいらっしゃいます。そして私より絵を描くのがうまい方も。

だから、重度ってナンダ?と思うわけです。

 

また、「ぷかぷか」も「でんぱた」もそれぞれに想いを持っているスタッフが沢山います。皆さん、想いは必ずしもピッタリ同じではありません。私はそれも大切なことだと思っています。少しずつの違いを尊重しあえるスタッフの集まりだからこそ、今ぷかぷかのメンバーさん達はキラキラと輝いているのだと思います。

日頃、なかなかスタッフの皆様に感謝を告げるときは無いのですが、この場をかりて

ありがとう!!と大きな声で言いたいです。

本当にありがとう。

 

 

いま、世界は危機的な状況下にあります。

この先どうやって暮らしていけば良いのだろう、と。

遠い昔にさかのぼり、私達人間が生きて行くために何が必要であるかを考え、

地に足を付け、自然と向き合い、人を愛し、作物を作り、家族や隣人に分け与え、心を伝える。

そんな生活が基礎となっていくのではないでしょうか。

『でんぱた』はまさにそんな日々を過ごして行く場にしていきたいと想っております。

 

皆様、応援をよろしくお願い申し上げます。

そして『でんぱた』で一緒に過ごしませんか。

大切な物をみつけるために。

 

『でんぱた』

田と畑で営み

アートを楽しむ。

 

 

2020年4月18日

NPO法人ぷかぷか

施設長 魚住佐恵

人間であることを取り戻す

 相模原障害者殺傷事件で問われた問題について、丁寧に語った素晴らしい記事がありました。

mainichi.jp

 光っていたのは、安易に社会の風潮や政治という漠然としたものに答えを求めないという姿勢。抽象的な話ではなく、やまゆり園の現場の問題をきちんと問い詰めていこう、と。

《安易にそのような論調を受け入れてなんとなく納得してしまうのは、事件の焦点をぼかし問題意識を希釈してしまいかねないということだ。社会全体や政治という漠然としたものに矛先を向けられることで、津久井やまゆり園の幹部、監督する立場にある行政当局などはさぞ安堵(あんど)していることだろう。》

 

 裁判で被告が「障害者がかわいそう、人間扱いされていない」と証言したにもかかわらず、津久井やまゆり園、行政当局は結局何も問われませんでした。結果的に、事件の温床は残ったままです。なんのための裁判だったのかと、あらためて思います。刑事事件の裁判は被告に罪が問えるかどうかを見るだけなので、そんなもんだよ、と多くの人はいいます。

 死刑が宣告され、被告が控訴しなかったので、これで裁判はおしまい。事件の背景となったやまゆり園の問題はどうなるのでしょう。

 

 

 記事は、被告の価値観の変容はやまゆり園の影響を受けている、とはっきり書いていました。

 《「障害者は可愛い」が180度暗転して「障害者には生きる価値がない」へと変わるには、劇的な価値観の転換をもたらした何かが現場にあったと見なければなるまい。「障害者はかわいそう。人間として扱われていない」という施設内の劣悪な処遇実態がその「何か」ではないのか。》

 

 ここのところこそ、あらためて検証する必要があります。筆者は検証委員会のメンバーだそうで、すごく期待したいと思っています。

 ただ、検証の結果、様々な問題が出てきたとしても、やまゆり園は本当に変わるのか、という疑問はあります。

 

 2年前のNHKスペシャルで13時間も拘束された女性の話が取り上げられていました。13時間も拘束するなんて信じられないことです。私には絶対にできないことです。

 どうしてそんなことができてしまうのでしょう。 それは多分相手と人として付き合っていないからだと思います。自分が人間であることを忘れてしまっている。だから13時間も拘束することに何の抵抗も感じないのだと思います。

 まわりにいた人たちが何も言わなかったことも異常です。やまゆり園はそういう雰囲気の施設だったのだと思います。

 

 検証の結果、改善を要求され、いろいろ改善されるところは出てくると思います。13時間の拘束もなくなるのだと思います。

 でも、それでやまゆり園は変わったと言えるのでしょうか?

 いろいろ外からいわれてやめるのと、13時間の拘束なんて、私にはできない、と思ってやめるのでは、理由が全く違います。

 やまゆり園が変わる、というのは、職員が人間であることを取り戻した時だと思います。その時初めて、相手と人として付き合うことができ、13時間の拘束なんて、私にはできない、という言葉が出てきます。

 事件の温床が残る、というのは、現場の職員が人間であることを忘れてしまっている、ということです。

 

 人間であることを取り戻すにはどうしたらいいのか。以前にも書きましたが、障がいのある人たちと人として出会うことだと思います。支援という上から目線の関係ではなく、フラットな関係、一緒に生きていく関係での出会いです。

 ぷかぷかのお店ではたくさんのお客さんが彼らといい出会いをし、彼らのファンになりました。「障害者はなんとなくいや」と思う人の多い今の社会にあって、「彼らのことが好き!」というファンを「彼らとのいい出会い」は作りだしたのです。出会いは、社会を変えるチカラなのです。

 やまゆり園の職員が、こんなハッピーな出会いを障がいのある人たちとやっていれば事件は起こらなかったはずです。障がいのある人たちのことをよく知らない普通のお客さんができることを、どうしてやまゆり園の職員はできなかったのでしょう。ここにこそ一番の問題があるように思います。

 

 

 記事にこんな言葉がありました。

《重度障害の人々の生きる意味や価値について、抽象論ではなく、もっと能動的かつ具体的に見つけていきたいと私は思う。彼らを支援している職員や家族のなかには日常的にさまざまな影響を彼らから受け、生きる意味や価値を実感している人は多い。それをあえて言葉にすることで、家族や職員という閉じられた関係の中だけでなく、社会に向かって価値の共有を図ることにもなるのではないかと思う。》

 

 ぷかぷかは5月から重度障害の人たちの生活支援の事業所「でんばた」(田んぼと畑)をはじめます。地域の人たちと一緒に畑を耕したり、田植えをしたりします。みんなでのらりくらりと野良仕事をするのです。いつもいろんな人が出入りする、風通しのいい事業所です。お互い「いい一日だったね」って言えるような日々をみんなで作り出します。重い障害を持った彼らと一緒にどんな物語が創り出せるか、すごく楽しみにしています。

 重度障害の人たちと一緒に生きる意味や価値について、抽象論ではなく、具体的に、日々の出来事の中から見つけていきたいと思っています。ぷかぷかが今までやってきたことと同じです。相手が今までよりも少し障害の重い人たちです。

 ホームページからどんどん発信します(「ぷかぷか日記」→「カテゴリー」→「のらりくらりと野良仕事」)。のらりくらと野良仕事やりながらの発信、楽しみにしていてください。

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それでも、諦めるわけにはいかないのです。

 しらいわさんの相模原障害者殺傷事件に関するブログです。

note.com

 やまゆり園の施設長のあまりにも無責任な言葉に対して「うぉー」と叫びたいほどの怒り。

《「私には責任はありません。」という人たちで成り立っている社会はへどが出る。

「私にも、責任の一端があるのではないか?」という問題の立て方をしなければ、なにも、自分事として、考えることなど出来ないだろう。

容疑者ひとりに罪を負わせて、殺して(極刑)終わり。そんな社会に生きていることが苦しくてならない。》

 

 しらいわさんの言葉を、今、私たちは本当に真剣に受け止める必要があると思います。ただ、「そうだそうだ」というだけでなく、私たちは今この社会の中で具体的に何をするのか、というところが大事です。そうしないと事件を起こした社会はいつまでたっても変わりません。

 

 ぷかぷかは法人設立の目的に

「障がいのある人たちの社会的生きにくさを解消する」

ということをあげています。彼らの生きにくさを生み出している社会に向き合う、どこまでも社会的な責任を背負っていく、ということです。

 社会的生きにくさを生み出している要因の大きなものは、彼らに対する「マイナスの評価」だと思います。あれができないこれができない、効率が悪い、生産性が低い、等の評価です。だから彼らを社会から排除してしまう。そういった中でぷかぷかは、

「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」

と言い続けてきました。一緒に生きていく中で社会に蔓延する「マイナスの評価」を超える「プラスの評価」を作り出してきました。「生産性のない人が社会に必要な理由」は彼らと一緒に生きていく中で生まれた彼らに対する「プラスの評価」のひとつです。

www.pukapuka.or.jp

 

 ぷかぷかを10年やってきたなかで、一番大きな成果は

 「障がいのある人たちは社会を耕し、豊かにする人たち」

という彼らに対する「プラスの評価」を生み出したことだと思います。それをこれから社会の中で実際にどのように生かしていくのか。成果が問われます。

 

 相模原障害者殺傷事件が社会に飛ばした

「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」

のメッセージに賛同する人もいましたが、社会の多くの人たちは

「否定しきれない自分」

を感じていたと思います。そんな中でぷかぷかは

「障がいのある人たちはいた方がいい」「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいい」「障がいのある人たちは、周りの人たちをハッピーにする」

というメッセージを出し続けてきました。街の人たちがそう思えるようなことをたくさんやってきました。

 こんなにやり続けてきたのは、やはり相模原障害者殺傷事件を起こすような社会を作ってしまった責任を感じるからです。そんな社会を本気で変えたいと思っているからです。

 

 事件の1年後、閉鎖していたやまゆり園のホームページが再開されました。そこに載っていたのは、まるで他人事にような言葉でした。 

 《 昨年7月26日、津久井やまゆり園で起きました事件から一年になります。今まで多くの皆様にご迷惑やご心配をおかけしてきたところでございます。》

  障がいのある人たちに寄り添うはずの支援施設でどうしてこんな悲惨極まりない事件が起こってしまったのか、どうして施設の元職員がこんな事件を起こしてしまったのか、一切説明がありませんでした。社会福祉法人がこんな無責任でいいのかと思いました。

 社会福祉法人の監督責任者である神奈川県に対しても、この件に関して質問したのですが、責任ある答えは一つも返ってきませんでした。

 結局は、しらいわさんの言う、

《「私には責任はありません。」という人たちで成り立っている社会》

《容疑者ひとりに罪を負わせて、殺して(極刑)終わり、の社会》

なのです。

 あれだけの事件があったにもかかわらず、何も変わらない社会。しらいわさんならずとも、苦しくて悲しいです。

 でも、諦めるわけにはいかないのです。だって、目の前にぷかぷかさんたちがいるのですから。コロナの問題で、ぷかぷかはしばらく休みですが、自宅で過ごせない人たちが、明日も何人か来ます。その人たちと一緒に明日も、あさっても、その次の日もお互いが

「いい一日だったね」

って言い合える日々を作っていきます。黙々と。

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しばらくお休みします。

 ぷかぷかは4月13日(月)から5月6日(水)までお休みにします。国の非常事態宣言を受けてということになりますが、基本的にはぷかぷかから感染を広げない、ということです。今日、保護者の方にあてて書いたお手紙です。

 

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 保護者のみなさまへ

 

 お世話になります。ぷかぷかの代表をしている高崎です。

 コロナウィルスの影響で大変な事態になりましたが、大きな試練だと思って、みんなで乗り切っていきましょう。

 どうやって乗り切るのか。大事なことは、この大変な事態の中で、なおも人のことを思うことだと思います。多くの人が集まるところを避けるのは、人からうつされることを避ける意味もありますが、自分が人にうつすことを避ける意味もあります。コロナウィルスは自覚症状がなくても感染している可能性があります。そのことを自覚して、私たち一人一人が人にうつさない、ということを心がければ、感染拡大を減らすことができます。

 アメリカの大統領は「中国ウィルス」と呼び、中国を敵視しました。日本の大臣は「武漢ウィルス」などと呼び、やはり中国を敵視しました。こんな風にお互いを敵視し合うと、問題解決どころか、社会が崩壊します。

 コロナウィルスはたまたま武漢で発生しただけで、誰が悪いわけでもありません。今はみんなで協力し合ってウィルスに向き合うことが大切です。

 2,3日前の朝日の夕刊にホームレスの人たちにマスクを配っている人たちの話がトップページに載っていました。政治家たちが中国を敵視するメッセージを発信し、社会の混乱を招いている中で、社会の一番弱い人たちに寄り添う人たちのニュースは、社会に希望を感じるニュースでした。

 こんな風に人を思いやる心が、この困難な状況を超えていくのだろうと思います。

 人のことを思い、人に感染を広げない。そのことをみんなが思い、実践することが、今すごく大事なように思います。

 また元気な顔で「やぁ!」って挨拶する日が来るように、みんなで頑張りましょう。

 

                      ぷかぷか代表 高崎明

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 ぷかぷかさんたちは基本的には家でお仕事をやってもらいます。ありがとうカードやお弁当の帯を描いてもらいます。その仕事をするための「お仕事セット」を作りました。

 

 絵を描くための色鉛筆を袋に入れ、お仕事セットに入れます。

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これがお仕事セット

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 中に仕事の材料と一緒に、仕事内容のプリントが入っています。

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 家にいるのが難しい方はぷかぷかに来て仕事をします。

 お店はやっていませんが、何人かのぷかぷかさんは仕事やっていますので、どうぞ会いに来てください。

 

 コロナウィルスは先が見えないので、5月6日以降どうなるかは、まだわかりません。そのときの状況を見ながらの判断になると思いますが、またお知らせします。

 お互い笑顔で「やぁ!」って挨拶できる日を楽しみにしています。

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てんこ盛りのラブを、世界の隅っこで叫ぶ

しらいわさんが『ぷかぷかな物語』の感想書いてくれました。

note.com

 

 キラッと光る素敵な言葉があちこちにありました。

 

 「10年分生きて得した気分になった」

 『ぷかぷかな物語』はぷかぷかがはじまってから10年の、てんやわんやの物語です。しらいわさんは、読みながら、その物語の世界をぷかぷかさんたちと一緒に生きたのだと思います。だから「10年分生きて得した気分になった」。

 私は「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ。その方がトク!」と言い続けてきました。それに対して、見学に来た福祉関係の人が、彼らとのお付き合いをトク!なんていうのはおかしい、といったことがありました。でも彼らとお付き合いすると毎日がすごく楽しいし、私たちとは発想が違っていて、付き合えば付き合うほど自分の世界が広がっていきます。これはやっぱり人生「トクした!」としか言いようがありません。

 でも、支援という関係でしか相手を見られない人にとっては、そういう関係は受け入れられないのだと思いました。なんかすごく不自由なものを感じました。そこから自由になれば、もっとおもしろいことが生まれるのに、と思います。

 

 

 「世間がヘイトで一色になる前に、色とりどりの色を届けたい。こんなに楽しくて、明るくて、愉快で、豊かな世界があるのだと伝えたい。そんな思いに溢れた本だ。」

 相模原障害者殺傷事件が発信した「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」のメッセージは、死刑判決が出た後も、社会の中に残ったままであり、それは障がいのある人たちを社会から排除し、当事者、家族にとっては「恐怖」とも言える社会を作っています。

「私の子どもは命の選別を否定しない社会で、真っ先に命の選別をされる存在として、生きるに値しない命として判断されかねないこの社会で、生きねばならないのだ。その恐怖は大きい。」

としらいわさんは書いています。しらいわさんの息子さんは重度の障害を抱えています。

 事件の発信した言葉に対して、ぷかぷかは「それは間違っている」「障がいのある人たちはいた方がいい」「障がいのある人たちはまわりをハッピーにする」というメッセージを発信し続けました。言葉だけでなく、具体的で、肌で感じるようなメッセージです。

 「こんなに楽しくて、明るくて、愉快で、豊かな世界がある」というメッセージを、ぷかぷかさんと一緒に生きる日々の出来事を写真に撮り、映像に撮り、言葉を添えてFacebook、ブログなどで発信してきました。

 「こんなに楽しくて、明るくて、愉快で、豊かな世界がある」ことを肌で感じられるワークショップ、パン教室、アートのワークショップをやってきました。

 演劇ワークショップではぷかぷかさんと地域の人たちで6ヶ月かけて芝居を作り、大きなホールの舞台で発表してきました。一緒に生きていった方がいい、と一目でわかるような芝居です。一緒に生きるとこんなに豊かなものが生まれる、と一目でわかる芝居です。

 そういったメッセージに共感する人が少しずつ増え、ぷかぷかのまわりの社会は変わってきました。『ぷかぷかな物語』はその記録です。記録という冷たいものではなく、思いの溢れた熱い本です。

 

 

「私は、障がいのある子の親として、障がいがあることは、不幸ではないことを、しっかり伝えられているだろうか?障がいのある子を育てて、どれだけ、幸せと、喜びと、豊かさをもらったかを、伝えられているだろうか?」

 花岡知恵さんは重度障害児のnahaちゃんの話をブログやFacebookで発信し、hanaちゃんのファンをたくさん作りました。重度障害児と聞けば、たいていの人はちょっと引いてしまうのですが、花岡さんの発信するサイトでは「hanaちゃんが好き!」というファンがやたら多いのです。

 「世界がhana基準になったら」は、お母さんがhanaちゃんと出会うことで、世界が変わった話が書かれています。

ameblo.jp

 

 浅川素子さんは二人の息子さん(二人とも重度障害)を「うちのぷかぷかさん」といい、地域でたくさんの関係を作ってきました。たくさんのファンがいます。こんな話が私は好きです。

ameblo.jp

 

 こんな風にして家族の方がもっともっと発信すれば、社会は変わっていきます。

 

 

「世の中の振り子がヘイトに大きく振れた今、
 私たちは、てんこ盛りのラブを世界の隅っこで叫ぶのだ。」

 「てんこ盛りのラブを世界の隅っこで叫ぶ」この言葉には、なんかもう、感動してしまいました。

 そうか、ぷかぷかって、彼らに対するラブがてんこ盛りなんだってあらためて気がつきました。しらいわさん、ありがとう!

 「支援」じゃなくて「ラブ」がてんこ盛り。福祉関係の人にとっては、なんじゃ、それ、っていう感じだと思います。でも「ラブ」がてんこ盛りのぷかぷかが、実際に社会を変えてきたわけですから、何か文句あっか、という感じ。

 誰にとっても居心地のいい社会を作るのは「支援」じゃなくて「ラブ」!

 それを世界の隅っこで叫ぶのです。

 世界の隅っこ。ここから社会が変わるのです。

 

 

「もしも自由と愛と平和を望むなら、どうか出会ってほしい!
 私たちが当たり前だと思っていた常識をひっくり返し、知らず知らず閉じこもっていた殻を壊し、ガハガハと心の底から笑わせてくれる存在に。」

 10年前、街の人たちに障がいのある人たちに出会ってほしいと思い、ぷかぷかを街の中に作りました。ぷかぷかは就労支援の場である前に、街の人と彼らとの出会いの場です。びっくりしたり、戸惑ったり、ガハガハと笑ったりしながら、たくさんの人が彼らと出会いました。

 『ぷかぷかな物語』は、その出会いの物語でもあります。彼らとの出会いが何を作り出したのか、それはひとことで言えば、社会の豊かさです。

 

 区役所の人権研修会では、こんな素敵な笑顔が生まれました。

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こんな素晴らしい舞台

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ぷかぷかさんと大学生と地域の子どもたちが一緒に描くと、こんな素晴らしい鯨の絵が生まれました。

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 みんなみんな彼らとの出会いが作り出した社会の豊かさです。

 だからこそ、彼らと出会ってほしい。出会わなきゃ、ソン!

 

 

 『ぷかぷかな物語』の購入はこちらから

shop.pukapuka.or.jp

今あらためて 相模原障害者殺傷事件

障害のある子どもを抱えたお母さんの相模原障害者殺傷事件に関する素晴らしいブログ。

note.com

 

 裁判が終わり、マスコミもほとんど取り上げなくなりました。黙っていれば、事件は忘れられてしまいます。

 「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」

 事件を象徴するこの言葉に、どう反論していくのか。言葉で反論するだけでは社会は変わりません。この言葉を超えるものをどう具体的に創り出していくのか。そうやって実際に社会を少しずつ変えていく。そこが大事だと思います。ぷかぷかはそれを実際にやってきました。

 

 ぷかぷかは事件のはるか前から

「障がいのある人たちとは一緒に生きていった方がいいよ」

と言い続けてきました。

 お店、外販先、大学、区役所の人権研修会、小学校などで、ぷかぷかさんたちと街の人たちのいい出会いをたくさん作ってきました。結果

「ぷかぷかさんが好き!」

というたくさんのファンができました。ぷかぷかのまわりの、障がいのある人たちを見る社会の目が実際に変わってきたのです。

 たくさんのファンができる中で

「障がいのある人たちは、社会を耕し、社会を豊かにする存在」

であることに気がつきました。あれができないこれができないとマイナス評価の多い社会にあって、プラスの評価をたくさん作って来たのです。

 ぷかぷかの価値はぷかぷかさんたちが作ったものです。それを考えると、ぷかぷかさんたちが社会の中で果たしている役割、創り出してきたもののすごさがわかります。

 

 ほっこりあたたかな気持ちになるアート作品をたくさん作ってきました。昨年はニューヨークで開かれたSDGsの国際大会で事例を発表した日本の企業がレポートの表紙にぷかぷかさんの絵を使ってくれました。

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 アート屋わんどのサイトです。社会を豊かにするものがいっぱい詰まっています。みんなぷかぷかさんたちと一緒に生きていく中でできたものです。「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」に対するぷかぷかの力あるメッセージです。

www.pukapuka.or.jp

 

 

 「一緒に生きていった方がいい」を、言葉でいうだけでなく、障がいのある人たちと地域の人たちで一緒に芝居を作り、

「一緒に生きていくと、こんなに豊かなものができる」

ということを舞台で表現してきました。

 

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 あーだこーだいわなくても、一目で「一緒に生きていった方がいい」とわかる舞台です。それをこれからも作り続けていきたいと思っています。

 

 

 ぷかぷかは事件に対するメッセージとして映画も作りました。『Secret of Pukapuka』がそれです。映画の冒頭で事件にふれています。カナダのバンクーバーで開かれた世界自閉症フェスティバルで上映しました。

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 事件をどうやって超えていくのか、を映像でうまく表現できたと思っています。まだ見ていない方はぜひ見てください。問い合わせはこちら

www.pukapuka.or.jp

 

 

 事件を生んだやまゆり園の支援のあり方も問われることなく裁判は終わってしまいました。事件の温床は残ったままです。しかもこの温床は、やまゆり園だけでなく、多くの支援施設と地続きでつながっています。 

 私は事件について何度も何度もブログに書き、いろんなサイトに投稿してきました。ところが福祉関係のサイト2カ所から排除されました。支援という上から目線の関係性を問うものが多かったので、チクチク刺さるものがあったのだと思います。うっとうしいと思ったのでしょう。

 排除されてから、問題がやまゆり園にとどまらないことに気がつきました。だから事件がこのまま忘れられてしまうことが怖いのです。

 

 やまゆり園はかながわ共同会という社会福祉法人が運営しています。社会福祉法人はNPO法人に比べ、社会的な責任が大きいはずです。どうして福祉の現場でこのような事件が起こったのか、運営の責任者として社会に対し、きちんと語る義務があったと思います。事件を植松一人のせいにして、事件現場を運営していた責任者としての言葉はひと言もありませんでした。そのことを裁判で追及されることもなく、マスコミも追及しませんでした。法人を監督していた神奈川県の責任も問われませんでした。

 「共に生きる社会かながわ憲章」などと歯の浮くような言葉を並べるよりも、事件に対する神奈川県の責任をきちんと検証すべきです。

 

 結局、何もかもが無責任なまま、裁判が終わってしまったのです。社会が再生する機会を失ったのではないか、と思っています。

 

 がっかりしました。それでも、私たちは未来に向けて希望を失うわけにいきません。

 だって、目の前に元気いっぱいのぷかぷかさんたちがいるのですから。

 今日も、明日も、あさっても、お互い

「いい一日だったね」

って言える日々をみんなで作っていきます。その日々こそが、新しい歴史を作ります。

不寛容ーとがった心を丸くするには

「こんなはずじゃなかっただろ?ー不寛容を考える」フェア、選書リストに、なんと『ぷかぷかな物語』が入っていました。

note.com

《 嫌韓感情を煽るヘイト本、「障害者は不幸をつくる」という優生思想、貧困に対する自己責任論、従軍慰安婦の否定。  私たちは不寛容な時代を生きています。》

 

 不寛容、というのは要するに心がとがっているのだと思います。心にゆとりがなくて、おおらかさを失っているのだと思います。

 では、どうしたらいいのか。フェアで提案されている本を読むのも一つの方法です。

 いちばん簡単なのはぷかぷかさんとお付き合いすることです。

 

 こんな絵に出会うと、とがった心が丸くなります。

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こんな字が扉にはってあったら、とがった心が丸くなります。

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こんな笑顔に出会ったら、とがった心が丸くなります。

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大根を買おうと思って、こんな字で出会ったら、とがった心が丸くなります。

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一緒にワークショップやったら、とがった心が丸くなります。

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こんな人とは一緒にいるだけで、とがった心が丸くなります。

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「ぷかぷかしんぶん」読むと、とがった心が丸くなります。

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『pukapukaな時間』見ると、とがった心が丸くなります。

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ぷかぷかのお弁当食べると、とがった心が丸くなります。

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 ね、ぷかぷかさんとお付き合いすると、こんなことが毎日いっぱいあるのです。自然にとがった心が丸くなります。とがった心が丸くなると、まわりを見る目がやさしくなります。生きることが楽になります。楽しくなります。

 だから、彼らとはお付き合いした方が、一緒に生きていった方がトク!

 

 不寛容な心が排除している障がいのある人とお付き合いすることで、とがった心が丸くなります。排除した彼らに私たちは助けられているのです。なんという皮肉。

 

『ぷかぷかな物語』にはぷかぷかさんと一緒に生きていくことで生まれた物語が満載。読むと、とがった心が丸くなります。

『ぷかぷかな物語』の購入はこちら

shop.pukapuka.or.jp

EテレのFoorin楽団ドキュメント、本日午後4時から再放送

 土曜日にやったEテレのFoorin楽団ドキュメント、本日午後4時から再放送があります。ぜひ見てください。

 障がいのある人、ない人が一緒に生きていくとこんなに楽しい!こんなすごいエネルギーが生まれる!ということが一目でわかります。

 ただ一緒におもしろいこと、楽しいことをやる。それだけで、こんなにすごい世界が生まれます。

www2.nhk.or.jp

 

「一緒に生きる」って、この映像見てわかるように、すごい「パワー」を生みます。その「パワー」は、障がいのある人もない人も、お互いが気持ちよく生きることのできる社会を作ります。

 楽しいことやりながら、気持ちのいい、新しい社会が作れるなんて、すごいトク!です。

 ぜひ、みんなでやりましょう。

 テレビ見て、いい番組だった、っていうだけでは社会は変わりません。近くにいる障がいのある人たちと、ぜひ楽しいこと、一緒にやってみてください。きっと新しい世界と出会います。その出会いがあなたを変え、社会を変えます。

 

 ★録画して、ぜひたくさんの人に見せてあげてください。

 

www.pukapuka.or.jp

彼らの方がはるかに豊かな未来を作ってくれる

 昨日Eテレで放送された『Foorin楽団ドキュメント』はすごくおもしろかったです。 

 Foorinのメンバーが障がいや病気のある子どもたちといっしょにFoorin楽団を結成するまでのメイキングドキュメンタリー。

 みんな障がいのある人たちとお付き合いしたことがなかったので、どう付き合っていいのかよくわからなくて、はじめは戸惑ったり、会話が途切れたりで、いろいろ苦労します。相手は目の見えない人、ろうあの人、自閉症の人、脳性麻痺の人、小児がんの人などで、とにかく手探りで付き合い方を探します。

 でもだんだん慣れてきて、手話で表現する世界の豊かさにふれたり、自閉症の子どもの発想の面白さに気がついたり、聞いてて涙が出そうになるほどの小児がんの話を笑顔で語る子どもの明るさに励まされたり、それまで知らなかった世界が見えてきて、お付き合いすることがだんだん楽しくなってきます。障がいや病気を持っている子どもの側も、今までお付き合いのなかった子どもとの出会いが楽しくて楽しくて仕方がないという感じ。

  子どもたちは偏見や思い込みがないので、お互いのこと、楽しい!って思うと、もう、どんどん友達になっていきます。楽しい!っていう気持ちがはち切れそうなくらい。大人にはこんな風に楽しい気持ちを思いっきり表現する自由さがないので、ちょっとうらやましいほどでした。

 そうやってお付き合いが深まったところでミュージックビデオができあがります。すぐ下の写真の一番手前の子どもは入退院を繰り返している小児がんの子ども。見ているこっちが励まされます。

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 子どもたちのはじけるようなエネルギーがまぶしくて、涙が止まりませんでした。このエネルギーは、お付き合いする楽しさから生まれています。障がいのある子どもたちとお付き合いすることで広がった世界が楽しくて仕方がない、というはち切れそうな思い。あるいは普通の子どもたちとお付き合いすることが楽しくて仕方がないという障がいのある子どもたち。双方の楽しさがシンクロして爆発したような映像でした。

 

 先日川崎で地域の普通学級へ行きたいという人工呼吸器をつけた子どもの願いを裁判所は押しつぶしました。裁判官は、子どもたちのこんなはじけるように楽しんでいる子どもたちの姿を知らなかったのだと思います。教育委員会の人たちも。

 裁判の関係者の方で録画した人がいれば、ぜひ裁判官、教育委員会の人たちに見せてほしいと思います。人工呼吸器をつけた子どもの願いは、裁判上のかたい言葉のやりとりよりも『Foorin楽団ドキュメント』の方がはるかによく伝えると思います。

 

 障害者は犯罪を犯す、と障がいのある人たちのグループホーム建設に反対を叫んでいた人たちにもぜひ見せたいですね。障がいのある人たちとお付き合いすると、双方の心がこんなにも豊かになるんですよ、心豊かになった子どもたちが地域の未来を作っていくんですよって。

 障害者は犯罪を犯す、とかたくなに思い込み、障害者を地域から排除している大人たちは、一体どんな未来を作るのでしょう。あるいは、障がいのある子どもと普通の子どもは分けた方がいい、とかたくなに思い込んでいる教育委員会の大人たちは。

 障がいのある子どもたちとお付き合いした子どもたち、普通の子どもたちとお付き合いした障がいのある子どもたち、彼らの方がはるかに豊かな未来を作ってくれる気がします。

 障がいのある子どもたちと一緒に作っていく、というところがミソです。彼らとのフラットな関係性が未来を作るのです。

 ぷかぷかでは、ぷかぷかさんたちが新しい未来をどんどん切り開いています。ぷかぷかに来たお客さんが

 「あ、これ、《大根》じゃなくて《たいこん》なのね」

って、やさしく受け止めてくれるような関係は、ギスギスした社会をほっとしたものに変えてくれます。そういう関係を作ってくれたのはぷかぷかさんの書いたこの字です。

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  ですから、彼らこそが新しい未来を切り開いていると思うのです。

  ぷかぷかで《たいこん》買うのも、新しい未来の作り方です。簡単で楽しくて、何よりも誰でもできる未来の作り方。ゆるっと心ゆるむ心地よい社会がここから広がっていきます。

 彼らと一緒に生きていくと、こういう心地よい社会が自然にできあがって行くのです。

 そうだ、裁判官に、教育委員会の人たちに、グループホーム建設に反対を叫んでいる人たちに《たいこん》を買いに来てもらおう!

 

 

 

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