ぷかぷか日記

『道草』上映のあと、シンポジウムをやります。

 明日の『道草』上映のあと、シンポジウムをやります。

 出演は『道草』の監督・宍戸大裕さん、映画に出てくる岡部亮佑さんのお父さんであり、早稲田大学教授の岡部耕典さん、Cafeゆうじ屋オーナー、ラブ・エロ・ピース ボーカリストの実方祐二さん、NPO法人ぷかぷか理事長の高崎明です。

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 どんな話になるか、その場になってみないとわからないのですが、つい先日津久井やまゆり園事件の被告に死刑が求刑されたこともあり、やはりどこかで事件にはふれたいと思っています。

 裁判では、どうしてこんな事件が起こってしまったのか、という一番大事なところが全く解明されませんでした。社会全体の問題と、支援の現場が抱える問題の二つがあると思います。

 そのことを私たちは考え続け、どうしたらいいのかを語り続ける、表現し続ける、新しい事実を作り続けることが大事な気がしています。アーダコーダの話で終わるのではなく、具体的なものを作ることです。

 

 ラブ・エロ・ピースの映像です。祐二さんの絶唱がカッコイイ!

https://www.youtube.com/watch?v=yM2cVWa5gbg

 

 これに負けないものをみんなで創り出せたら、と思っています。

 

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障がいのある子どもがいることで、日常世界がこんなにも楽しく、豊かになる

 障がいのある子ども達は、とんでもなく自由です。それに引き換え、私たちはとんでもなく不自由です。だから彼らとのおつきあいに苦労します。

 浅川素子さんもずいぶん苦労されたようです。それでもあるとき、ふっと発想を変えてみた。そうするとこんなにも楽しい空間、時間が生まれました。

 お風呂の写真が感動的に素晴らしいです。障がいのある子どもがいることで、日常世界がこんなにも楽しく、豊かになることが、この一枚の写真から伝わってきます。うちには子どもが3人いましたが、こんなにも楽しいお風呂はありませんでした。

 何よりも障がいのある子ども達のおかげで、お母さんが自由になれたことが素晴らしい。

ameblo.jp

2月22日(土)は、たくさん、たくさん、人を浴びに来て下さい。

「人は、人を浴びて人になる」

 人を浴びる。人を浴びることで、人は人になる。

 

 教員になって最初の年、たまたま重い障がいを持った子ども達を受け持つことになりました。彼らとの日々は確かに大変なことがたくさんありましたが、それでも彼らのそばにいると、ふっと心安らぐことがたびたびありました。月並みですが、「人間ていいな」って、しみじみ思いました。障がいのある子ども達に出会って、初めてその言葉を実感することができたのです。

 優秀と言われる人のそばではなく、あれができないこれができないといわれている人たちのそばにいて、人間を感じたのです。これは何なんでしょうね。そのわからなさに、人間の奥深さを感じます。

 そんな彼らとの日々は、まさにこの「人を浴びる」ことだったのではないかと思います。毎日毎日人を浴びることで、わたしは人になれたのかなと思います。

 だから、彼らに感謝!なのです。

 

 今週土曜日、2月22日、重い障がいのある人たちの自立生活を追いかけた『道草』を青葉公会堂で上映します。

 彼らとの日々は、やっぱりいろいろ大変なことがあるのだろうと思います。それでも尚、彼らと一緒に「道草」を食いながら歩いて行く人たちがいます。彼らから、人を浴びながら。だからこの映画はあたたかい。あたたかいから、私たちは人になれる。

 

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2月22日(土)は、たくさん、たくさん、人を浴びに来て下さい。

 

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楽しい、インパクトある人権研修

 区役所の課長、係長クラスの方の人権研修をやりました。

 ぷかぷかを一通り見学し、『Secret of Pukapuka』を見て、いつもなら感想を言い合ったり、私が話をしたり、質疑応答があったりなのですが、なんとなくもう少しインパクトのある研修にしたいと思い、詩を作るワークショップをしました。

 見学と映画を見ての気づきを10行くらいの詩にまとめ、個人の詩を、集団の詩に編集し直し、それを相手に向かって朗読します。

 感想をただ言うのではなく、詩にまとめる、という作業の中で、自分の体験したことに集中し、それをうまくまとめられたと思います。自分の詩の言葉をいったんばらし、ほかの人の詩の言葉とシャッフルし、並べ直します。別の新しい詩が立ち上がります。それを朗読します。

 たったそれだけの作業ですが、それ自体が新しい気づきを生み、何よりもとても新鮮な体験になりました。

 

 言葉をシャッフルし、並べ替える。

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朗読します。

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 研修報告として、区役所に飾りませんか?と提案したら、いいですねぇ、ぜひ!と持って帰りました。それくらい楽しい、インパクトのある研修でした。

 新型肺炎のこともあって、参加者が予定の半分くらいでしたが、それでも予想以上に盛り上がり、単なる人権研修を超えたおもしろい研修になったと思います。

 あ、おもしろそう、うちでもやってみたい、と思った方はこちらへお問い合わせ下さい。

www.pukapuka.or.jp

「重度障害者ですが、なにか?」

「重度障害者」というと、知らない人にとっては、何もできない人たちで、その生活もすごく大変だろう、と思ってしまいます。

 でも、そこにはあたたかな人の暮らしがあります。

yomidr.yomiuri.co.jp

  ブログに

 《 初公判前に、犠牲になった娘の実名を公表した遺族の手記を読むと、障害のある子を家族が支えてきたというのは、ただの一面でしかなく、その子の存在によって家族の人生が支えられてもいたのだと改めて思う。人間の価値を、何か単純な指標で輪切りにすることはナンセンスなのだ。》

 と、ありますが、ほんとうにその通りだと思います。重度障害者だから何もできない、ではなく、家族の人たちも、まわりの人たちも、その人に支えられています。

 何よりも、その人のいるまわりがあたたかい。上記のブログもなんともあたたかい家庭が見えてきます。もちろんいろいろ大変なことはあります。それでも尚、そういったことを超えるあたたかさがあります。

 

 映画『道草』を見て感じるのは、この「あたたかさ」です。重度障害者といわれる人たちが作り出すなんともいえない「あたたかさ」がこの映画にはあります。この「あたたかさ」こそが、彼らが社会に必要な理由だと思います。

 黙々と自分たちの生き方を貫き、それを受け入れる人たちがいます。そこにはホッとするような「あたたかさ」が生まれます。息苦しさが増すばかりの社会にあって、ここには希望を感じるのです。

 

 「重度障害者ですが、なにか?」

 それを背中に貼り付け、彼らと一緒に黙々と歩いて行こう。パンツの絆でつながる父と子のように。

 これが私の生き方。なんて書くとかっこいいですが、何のことはない、こっちの方が「トク!」って思うだけ。昔、殴られても蹴られてもしのちゃんが大好きだったように。しのちゃんは強度行動障害でしたね。「でも、それが何か?」って感じ。好きなものは好きなんだから。「だって、しょうがないじゃない」

 

 2月22日(土)午後1時から青葉公会堂で『道草』上映します。

 チケットはこちらから

peatix.com

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道草ホームページ

https://michikusa-movie.com

2月29日(土)は福岡の大名クロスガーデンへ

2月29日(土)午後1時から福岡の大名クロスガーデンで簡単なワークショップ、『Secret of Pukapuka』の上映、トークセッションをおこないます。ワークショップは心と身体をちょっと自由にします。ゆるっとなったところで映画を見て、みんなでわいわい話をします。

 トークセッションは平良民枝さん(平良バプテスト教会)、田中美佳さん(Togatherland https://peraichi.com/landing_pages/view/togatherland)、吉川貴子(特別支援学校教員)さん、それに高崎の4人でやります。話がどんな風に展開していくのか、その場になってみないとわからないのですが、いずれにしても、ぷかぷかが今いろいろ創り出している新しい価値が、社会の中でどんな意味を持つのか、どんな風に社会を豊かにするのか、といった話になれば、と思っています。

 ぜひおいで下さい。トクする話がいっぱい!

 問合せ・申込 kankanzosan@gmail.com 090-5987-2244 吉川 

(大名クロスガーデン)

zosanzosan.hatenablog.com

zosanzosan.hatenablog.com

「ぷかぷかさん」という言葉

 先日の朝日新聞に載った投書です。 

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 6年前、第1期の演劇ワークショップの記録映画ができたとき、制作した宮沢あけみさんと、ぷかぷかで働く障がいのある人たちの魅力を語りながら、彼らのこと「障害者」っていうのはおかしいよね、映画のタイトルにも使った「ぷかぷかさん」て呼びたいね、みたいな話をしたことがあります。

 その時は今みたいにみんなが「ぷかぷかさん」て呼んでなくて、どこまで広がるかなぁ、って心配していました。それが今や「ぷかぷかさん」という言い方がすっかり定着しています。

 何でだろうな、と考えたときに、この投書に答えが書いてありました。

《 その壁は私たちの心の中にもあります。そんな壁をすべて取り除いたとき「しょうがい者」という言葉は要らなくなり、ぜんぜん違う言葉になるかも知れません。》

 この、ぜんぜん違う言葉が「ぷかぷかさん」ではないかと思いました。ぷかぷかにかかわる人たちの心の壁が取れているのだと思います。

 投書の最後に

《 そういう社会になって欲しいですね 》

とありますが、「ぷかぷかさん」という言葉が、ここまで定着したのは、そういう社会がぷかぷかのまわりには実現しているからだと思います。みんなが彼らのこと「障害者」って呼ぶのはおかしい、と感じているからです。

 それはどこまでも、ぷかぷかさん達が毎日せっせと地域社会を耕した結果です。本当は社会自身が変わるべきところを、彼らに耕していただいて変わることができたのだと思います。ここを謙虚に受け止めていきたいですね。

 

 これが「ぷかぷかさん」!

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 このことについては以前にもブログを書いています。

www.pukapuka.or.jp

 

 「ぷかぷかさん」という言葉のきっかけを作ってくれた第1期演劇ワークショップの記録映画『ぷかぷか』、機会があればぜひ上映会を企画して下さい。2時間11分の長い映画ですが、ワークショップの心地よい世界にどっぷりつかることができます。

 こんな感想が集まりました。

www.pukapuka.or.jp

上映についてのお問い合わせは

www.pukapuka.or.jp

 

「ぷかぷか人権研修会」の映像ができました。

 青葉区役所の人権研修会の映像ができました。

 

 人権研修会というと、人権問題に詳しい方が来て、難しい、硬い話をして、聞く方は半分くらいは寝ていて、それでも人権研修会やりました、ということで終わってしまうケースがほとんどだと思います。参加した人は、ただ人権についての話を聞いたというだけで、何も変わりません。

 様々な人権問題を少しでも解決しようという目的で開かれているはずなのに、こんな研修ではほとんど意味がありません。

 じゃぁ、どうしたらいいの?というところで提案したのが、この「ぷかぷか人権研修会」です。

 

 たまたま隣の区で障がいのある人たちのグループホーム建設に反対する運動があって、新聞に取り上げられていました。人権研修の前に、その新聞記事のコピーを配り、もし自分の家のそばにグループホームが建つことになったらどう思いますか?という質問をし、自分の思いをメモして当日持ってきてもらいました。当日の人権研修がどういう意味を持っていたかを、そのメモを見ながら考えてもらうためです。

 こういう人権問題についてきちんと「自分事」として考えることが人権研修会です。「一般論」で考えるのではなく、「自分事」として考えることが大事です。「私にとって、これはどういう問題なのか」「どういう意味を持つのか」「それを自分で考える」ということです。

 ただ考えるだけでなく、この問題を解決するにはどうしたらいいのかの具体的なヒントを提供するのが「ぷかぷか人権研修会」です。あーだこーだ話し合って、「難しい問題だね」で終わるのではなく、その先へ進むにはどうしたらいいのかをぷかぷかは提案します。

 

この映像は、その提案の記録です。まぁ、見てください。 

www.youtube.com

 

 

 人権研修会について書いたブログです。

www.pukapuka.or.jp

 

 ぜひあなたの地域、職場でこういう「ぷかぷか人権研修会」やってみて下さい。いろんな新しい気づきがあります。人権研修会は、社会の問題を解決するだけでなく、新しい気づきによって、あなた自身の人生がちょっぴり豊かになります。

 「ほんとうかなぁ」と思う人、ぜひ「ぷかぷか人権研修会」を企画して、実際に体験してみて下さい。

 こんな笑顔になります、きっと。

 お問い合わせは

www.pukapuka.or.jp

「ほんまかいな」と思うひとはぜひ『道草』を見て

 最近、共生社会ということがよく言われますが、なんとなくそういう社会を強制されている感じがして、いまいち馴染めません。昔、障害者とは共に生きねばならない、なんてこともいわれていましたが、なんかそれに重なるようなものを感じます。

 障がいのある人たちと共に生きなくても、ふつうは特に困りません。だったら別に共に生きなくてもいいじゃん、となります。確かにそうです。でもね、彼らとちょっとつきあってみるとすぐわかるのですが、彼らとはおつきあいした方が楽しいし、いろんな意味でトクです。

 「共生社会を作ろう」とかよりも、「おつきあいした方がトク」くらいの方が気持ちが楽で、長続きするような気がします。

 

 映画『道草』の中で、介護する人が重度障害の人をうちに呼んで、一家で誕生日をお祝いするところがあります。子ども達も入って、とても楽しい雰囲気です。何度もその家に行ってるのか、家族に中にごく自然に入っています。そこにあるのは介護する人、される人、という関係ではなく、フラットなごくふつうの関係です。彼がいると楽しいよね、っていう関係。

  リョースケさんのアパートでは一応、介護する、されるの関係ですが、たとえば、卵をもう一個入れる、入れない、の会話は、とても人間的なものを感じます。人と人とのおつきあいです。そういったおつきあいの延長上に、家での誕生会があったのだと思います。リョースケさんがいると、いつもとちょっとちがう楽しさが生まれます。この家族はリョースケさんがいることで、すごく「トク」してるなと思うのです。

 

 福祉から始まった関係が、人と人との関係になっているところが、すごくいいなと思うのです。人と人との関係になることで、障がいのある人たちは、おつきあいする人たちの心を耕します。

 津久井やまゆり園事件の被告は、障がいのある人たちを相手にしながら、心を耕されることがなかったのだと思います。多分彼がいた現場では、人と人との関係がなかったから、あのような悲惨な事件が起きてしまったのだと思います。

 

 2年ほど前、緑区で障がいのある人たちのグループホーム建設反対運動が起こり、その説明会に出たことがあります。

 「障害者は犯罪を犯す。」

 「彼らがこの街に来れば、街の治安が悪くなる。」

 そんな言葉をたくさん聞きました。単なる思い込みに過ぎないのですが、思い込みはでも、建設計画を潰すほどの力を持ちます。思い込みは、人の心をガチガチにします。

 そんな人にこそ、この『道草』を見て欲しいと思っています。ガチガチの心が耕され、きっとやさしい気持ちで世界を見ることができるようになります。

 思い込みで自分を縛るよりも、これはすごく「トク」なことだと思います。

 

 今の社会、ガチガチな心がいっぱいです。それを考えると、『道草』に登場する障がいのある人たちは、そんな社会を、ほんの少し楽にしてくれます。だから彼らとおつきあいすると「トク」なことがいっぱいあるのです。

 「ほんまかいな」と思うひとはぜひ『道草』を見てください。

 

映画『道草』のチケットはこちらから

peatix.com

 

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道草ホームページ

https://michikusa-movie.com

映画を見て、彼らとちょっと道草食いませんか?

2月22日(土)青葉公会堂で『道草』の上映会をやります。

  彼らと一緒にちょっと道草食う日々は、自分の人生をちょっと楽しくします。

 以前にも書きましたが、昔養護学校の教員になって最初に担任した子ども達は重度障害の子ども達でした。映画に出てくる青年達よりも、もっと障がいの重い人たちでした。でも彼らと出会ったおかげで、世界が何倍も広がり、何よりも毎日がすっごく楽しくなりました。毎日心が癒やされ、この人たちのそばにずっといたい、と思うようになりました。その時の思いが、今のぷかぷか設立につながっています。

 彼らは私の人生を、ほんとうに豊かなものにしてくれたと思っています。それはぷかぷかが作り出してきたものを見ればわかります。

 

 映画を見て、彼らとちょっと道草食いませんか?

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