ぷかぷか日記

みんなでワークショップ

  • 途中寝っ転がる人がいても平気なぷかぷかです。
      第3期第5回目のワークショップ。『セロ弾きのゴーシュ』は金星音楽団が演奏会に向けて練習をするところから物語が始まります。で、ワークショップの中で練習風景をやってみたのですが、みんな適当に手を動かしているだけなので、どんな楽器を弾いているのかさっぱりわかりません。リアリティがないのです。それで段ボールで楽器を作り、それを持ってやってみることにしました。  楽器の製作はぷかぷかのアート屋わんどに依頼しました。チェロ以外は平面の楽器です。たとえ平面であっても、それを手に持つことで、リアリティが出てきます。ヨッシーの持ってる楽器は平面ですが、いかにも吹いている感じがします。プロのチェロ奏者の江原さんから見ても、すごいリアリティを感じたそうです。リアリティを感じたところから、この合成写真ができました。製作は江原さんです。  チェロは存在感があって、すばらしいできあがりでした。デザインはぷかぷかのショーへーさんです。わんどのスタッフもデザインしたのですが、ショーへーさんの方がはるかにおもしろいものができました。この『おもしろい』という感覚は、世界をなめらかに動かしていく上でとても大事なものだと思います。「あ、おもしろい!」と、新しい価値を発見していく感覚が私たちに求められている気がします。 段ボール製の楽器のおかげで、一気に楽団らしくなりました。こういうことを繰り返していく中で、だんだんみんな芝居のおもしろさがわかってきたようです。 この場面からこんな合成写真も生まれました。江原さん製作。この写真に江原さんの曲を重ねて、おもしろい動画を吉田さんが作ります。  楽長にしかられたゴーシュは壁の方へ向いて口を曲げてぼろぼろと涙をこぼします。気を取り直してたった一人今やったところをはじめから静かにもう一度弾き始めます。ここで日本フィルのチェロ奏者江原さんの演奏が入ります。すばらしい演奏でした。(音が小さいのでボリュームを上げて聞いて下さい) www.youtube.com  各シーンの配役を決めて、場面を作りました。  途中寝っ転がる人がいても平気なぷかぷかです。  モリー王子たちはネコのシーンなのですが、ネコよりもトラがいいと言い張り、トラが出てくることになりました。で、トラが何をやったかというと「アルゴリズム体操」をゴーシュにリクエストします。お互い動きを合わせるのが大変だったようです。今日初参加のモーリー王子が張り切っていました。 ネズミのお母さんが病気の子どもを連れてゴーシュのところへやってくるシーンでは「夜風とどろき」の歌を歌います。歌詞はむつかしいのですが、メロディがすばらしいです。林光さん作曲です。 こんにゃく座のオペラ『セロ弾きのゴーシュ』ではゴーシュが朗々と歌います。その歌いっぷりが大好きで、今回ゴーシュの中でどんな歌を歌うかの選定の時、ピアニストのあみちゃんにぜひこの歌を、とお願いしたのでした。簡単な歌ではないので、安見ちゃんは渋っていましたが、絶対歌いたい!と押し通したのでした。 イントロのところを江原さんが弾きました。 www.youtube.com   この日初参加のモーリー王子のお父さんモーリー大王も、初めてにもかかわらず、ファッションモデルさんと一緒に楽しそうに踊っていました(一番奥の黄色いモデルさんです)。ふだんはまじめなサラリーマンのおじさんが、こうやって自由になれる場がワークショップです。こんなことは日常生活ではあり得ないですね。1月29日にはモーリー大王もモーリー王子といっしょに舞台に立ちます。大きなホールの舞台、しかも舞台費用40万円もかけたプロ仕様の舞台です。大王も王子も多分なにか新しいものを見つけるのではないかと期待しています。 www.youtube.com  ファッションモデルのお姉さんたちの動きがいまいちなので、デフパペットシアターひとみの役者さんたちにかっこいい振り付けを考えてもらう予定です。  ネズミのシーンの最後は大盛り上がり。青いズボンのイクミさんの即興のダンスがいいですね。この自由さは何なんでしょう。    ワークショップはこのあと1月21日と28日の2回だけ。あと2回でうまくまとまるのかどうか、いつものことながら、はらはら心配しつつ、ワークショップという場のエネルギーに期待しています。1月29日(日)の午後、発表です。  今回日本フィルの江原さんが「ぷかぷかさん」たちに惚れ込んで、毎回参加してくれるようになりました。これはとてもラッキーでした。ワークショップの場に本物のチェロの演奏が毎回流れ、とても豊かな空間になっているように思います。
  • 未来はもっと素敵だと思って作ってきた物語の本
     ぷかぷかの本の原稿、ようやく書き上げ、今出版社に送ったところです。400字詰め原稿用紙約260枚です。この6年間でぷかぷかが作ってきた物語です。    前書きにはこんなことを書きました。    「ぷかぷか」は私が養護学校の教員をやっているときに、障がいのある子ども達に惚れ込んでしまい、「こんなすてきな人たちのそばに一緒にいたい、いっしょに生きていきたい」と思ったことが最初のきっかけです。養護学校を定年退職後、彼らと一緒に働く「ぷかぷか」を立ち上げて6年がたちました。   お店を運営しながら見えてきたのは、社会に合わせた彼らではなく、彼らのありのままの姿にこそ魅力があり、その魅力は仕事を進めていく上でのチカラになり、社会を変えていくチカラになる、ということです。  彼らの魅力は人を癒やし、「ぷかぷかが好き!」というファンを生み出しました。ファンが増えれば売り上げが増えます。つまり彼らの魅力は収益を生むチカラがあるのです。ぷかぷかのファンになった人は、ぷかぷかで働く障がいのある人たちに出会った人たちです。ですから、ぷかぷかのファンを増やすことは、街を耕すことになります。彼らの魅力は、社会を変えていく、社会を豊かにするチカラがあるのです。  そういったことが見えてくると、彼らはもう何かをやってあげるとか、支援するとかの対象ではありません。一緒に働く仲間であり、一緒に街を耕し、お互いが住みやすい社会を作っていく仲間です。   ぷかぷかは「障がいのある人たちのチカラ(魅力)で収益を上げ、同時に社会的課題(彼らの生きにくさ、社会における疎外)を解決する、社会を豊かにする」という今までにない新しい発想、カタチでのソーシャルビジネス、福祉事業をやっているのです。   いろんな人がいること、そのことを「いいね」ってみんなで思えること、それが地域の豊かさだと思います。いろんな人が、お互い気持ちよく暮らせる豊かな社会を、障がいのある人たちが作り出しているのです。彼らのために始めた事業が、彼ら自身が主人公になって回り始めているのです。  そしてこの本は、その記録です。   目次はこんな感じです。 第1章 ぷかぷかを立ち上げる 1−1 「養護学校でもいい」から福祉の世界へ 1−2 障がいのある人たちに惚れた  1−2−1 ゲハハ ガハハ  1−2−2 カンカンカン あたりぃ!  1−2−3 社長の方が何倍もいい顔 1−3 みんなでパン屋やろうぜ 1−4 夢の始まりーNPO法人の申請書を書く 1−5 とにかくやりたいからやるーそれが福祉起業家 1−6 あこ天然酵母で勝負する 1−7 毎日パンを作ることで社会貢献 1−8 650万円ゲット 1−9 お店を霧ヶ丘に 1−10 2000万円を超える見積書にじわっと冷や汗    第2章 パン屋を始める 2−1 商売のことを何も知らずに始めた「素人パン屋」 2−2 近隣から苦情の電話が入り、半年間は針のむしろ 2−3 この1枚の写真を撮るために4年間がんばってきた 2−4 事業は続けることが大事 2−5 プロから見れば、もう見てられない 2−6 ようやくみんなと山に   第3章 彼らがありのままの自分でいられること 3−1 気色悪くて接客マニュアルはやめた 3−2 ひとときの幸せをいただきました 3−3 ウィルスに感染したお客さんの話 3−4 見当違いの努力 3−5 彼らに社会を合わせる   第4章 ぷかぷか三軒長屋 4−1 ぷかぷか三軒長屋は街に必要な場所 4−2 カフェベーカリーぷかぷか 4−3 おひさまの台所 4−4 アート屋わんど   第5章 福祉事業所でもビジネスでやった方が得! 5−1 知的障がいの人には単純作業が向いている? 5−2 一大決心で飛び込んだぷかぷか 5−3 まっすぐ前を向いて生きています 5−4 人生への配慮が抜け落ちているんじゃないか 5−5 仕事の持つ意味が、ぐ〜んと豊かに 5−6 ビジネスの面白さでルンルン気分 5−7 一石六鳥のソーシャルビジネス   第6章 たくさんのつながりを作る 6−1 パン教室 6ー2 ぷかぷかしんぶん 6−3 ありがとうカード 6−4 子ども達にオペラをプレゼント   第7章 あたらしい文化を作る 7−1 地域の人たちと一緒に芝居作り 7−2 「悪意」のない人たちが「悪意」のある芝居を作る       ー第一期みんなでワークショップ「森は生きている」ぷかぷか版  7−3 心の底から楽しいって思えた舞台  7−4 げんさん、タケちゃん、じゅんちゃん 7−5 まーさんの物語 7−6 なぜ彼らといる時に、ゆるっと心地よいのか、わかった気がします。       ー第一期みんなでワークショップの記録映画を見た人たちの感想 7−7 「むっつり大王」は私たちの中に       ー第二期みんなでワークショップ「みんなの〈生きる〉」 7−8 何かができないことが新しいものを生み出した。      ー第三期みんなでワークショップ「セロ弾きのゴーシュ」ぷかぷか版   第8章 ヨッシーワールド全開「田貫湖電鉄物語」   第9章 思いつきのひとことが思ってもみない広がりを生んだ話 9−1 区民まつりでブースのデザイン 9−2 大きな絵地図を作ることに 9−3 大きな絵地図が区役所のロビーに 9−4 区長、副区長が名刺に似顔絵 9−5 人権研修会講師に「ぷかぷかさん」   第10章 「ぷかぷか」が創り出した物語 10−1 ほっとけないと思ったのは、人としてそこに立ってしまったから 10−2 赤ちゃんはお母さんを救ったのかも 10−3 ぷかぷかは明日もがんばりません 10−4 みんなでパンをかついで 10−5 迷惑を掛け合いながら人は一緒に生きているのだと思います。 10−6 「障害者はいた方がいい」という映像を作ります。 10−7 希望があるからまた書ける 10−8 その子の手が柔らかくて、あたたかいんですね          10−9 名前のない死は、悲しいです 10-10 楽しむ時間が倍に 10-12 この寝っぷりがいいよな 10-13 ぷかぷかとおんなじだよ 10-14 街を耕す 10-15 この子が大きくなったとき、こんなふうに笑顔で見つめ合える社会を     作ってくれるんだろうなと思います。 10-16 どうして彼らといっしょだとこんなに楽しいんだろうね。 10-17 しんごっちのメッセージ 10-18 人は誰でもそのままで生きていていい 10-19 未来は今よりもっと素敵に    第11章 福祉事業所を立ち上げる 11−1 事業計画 11−2 手続き 11−3 自分の生き方が問われる 11-4 根拠なんか別にない。ただ、やれると思う気持ちがあるだけだ。     だいたいこんな感じです。ぷかぷかは現在進行中なので、まだまだまとめきれない感じですが、とりあえずの中間報告、といった感じです。 あとがきにはこんなことを書きました。    ソーシャルデザインの本に「未来はもっと素敵だと思いますか?」あるいは「自分の手で、未来をもっと素敵にできると思いますか?」という問いがありました。その問いにYESと答え、ひたすら突き進んできたのが「ぷかぷか」です。  障がいのある人たちの人柄に惚れ込み、彼らといっしょに生きていきたいと思い、彼らといっしょに働く場「ぷかぷか」を街の中に作りました。  街の中に作ることでたくさんの人たちが彼らと素敵な出会いをしました。お互いの心がぽっとあたたかくなるような出会い。こんな出会いを見ていると、「未来はもっと素敵だ」と本当に思えるようになりました。   そう思える物語をこの6年間でたくさん創ってきました。この本はそのいわば中間報告です。物語はまだまだ続きます。たくさんの人が「未来はもっと素敵だ」と思えるような物語です。    年内に手直しをし、年明けには本ができるのかな、と思っていますが、ま、そううまくはいかないだろうと思っています。また報告します。 
  • 言葉をそのまま書いただけなのに
     『セロひきのゴーシュ』の背景画に使おうと思っている絵をカフェの壁に飾ってみました。すごくいい感じになりました。  「セロひきのゴーシュ」の言葉をそのまま書いただけなのに、それがそのままアートの作品になってしまうところが、彼らのすごいところだなと思います。私が書いたのでは、多分作品にはなりません。そこの違いはなんなんだろうと思います。  夕方日が落ちてから見ると、すごくいい雰囲気になっていました。  席に座ってお茶を飲みながら見ると、すごくいいです。ぜひ見に来てください。
  • 普段見慣れている風景が…
    「セロ弾きのゴーシュ」背景画作りの第二弾の映像ができました。制作は映像作家吉田さんです。一作目よりもはるかにいい作品に仕上がっています。  普段見慣れている風景が、全く違う世界に見えます。ここが映像作品のすごいところですね。新しい世界を作ってしまうのですから。  「ぷかぷかさんたち」の振る舞いが、すごくいいですね。集中している姿が本当に素晴らしいです。  1時間とちょっとでこれだけの作品を作り出すのですから、「ぷかぷかさんたち」のチカラってすごいなって思いました。その力をうまく引き出した金子さんの力量に拍手!です。 www.youtube.com  木曜日にカフェの壁に出来上がった作品を飾ります。ぜひ見に来てください。
  • ゴーシュの勢いがそのまま出ているような描きっぷり
     アートディレクター金子さんをお呼びして、ゴーシュの背景画の材料を描きました。 ♪ それから 頭を ひとつふって 椅子へかけると まるで トラみたいな いきおいで 昼の譜を ひきはじめました  オペラシアターこんにゃく座のオペラ『セロ弾きのゴーシュ』で、練習が終わって自分の家に帰ってきたゴーシュが水を一杯ごくごく飲んで練習を始めるシーンです。  まるでその時のゴーシュの勢いがそのまま出ているような描きっぷりです。  ここに添えた絵がいいですね。 絵がどんどん出来上がっていきます。 木曜日の朝、前回書いた絵と合わせてカフェの壁に飾ってみようと思っています。ぜひ見に来てください。
  • そんな想いの伝わる舞台になればいい
    第3期4回目のワークショップの記録映像です。制作は映像作家の吉田拓史さんです。 ワークショップの雰囲気がよく伝わってきます。あと3回でまとめる予定ですが、どんな風になっていくのか。大変ですが、この大変さこそがワークショップの楽しいところです。来年1月29日に発表です。 www.youtube.com  障がいのある人たちとは一緒に生きていったほうがいい、ワークショプをやっているとしみじみそう思います。そんな想いの伝わる舞台になればいいな、と思っています。 「障害者はいないほうがいい」のではなく、「いたほうがいい」「一緒に生きていったほうがいい」と、いい続けます。
  • はずむことを知った心のこれからがすごく楽しみ
     みんなで背景画を描いた時の映像記録です。制作は映像作家の吉田拓史さんです。  金子さんのリードで、みんなどんどん書き進めていきます。表現することの楽しさが溢れていますね。こんな風にはずむことを知った心のこれからがすごく楽しみです。制作することと寝っ転がることとパソコンに見入ることなんかがごっちゃになっていて、いかにもぷかぷからしいと思いました。 www.youtube.com この背景画は来年1月29日(日)の午後、みどりアートパークホールの舞台で発表する「セロ弾きのゴーシュ』で使われます。これはまだ右半分なので、後日左半分を書きます。
  • 『セロ弾きのゴーシュ』背景画を描きました。
     ワークショップで作っている『セロ弾きのゴーシュ』の背景画を描きました。アートディレクター金子さんの発案で、『セロ弾きのゴーシュ』の文章をそのままいろんな人が描きました。いろんな字があって、もうこれ自体でアートになっていました。  こうやって寄ってたかってみんなで描きました。 完成したのがこちら 力強い出だし 「じつはなかまのなかではいちばんへたでした」が、途中で描けなくなって、横に行ってしまうところが楽しいです。 「トランペットはいっしょうけんめいうたっています。バイオリンも二いろ風のようになっています。クラリネットもボーボーとそれにてつだっています。」のところはまるで「オペラシアターこんにゃく座」のオペラが聞こえてきそうな文字です。 「楽長がどなりました。セロがおくれた」に対する「みんなぴたり曲をやめてしんとしました」の文字が、その時の雰囲気をとてもよく表現しています。 「こまるなあ」の「な」の字が素晴らしい 「ぼくはきみにドレミファをおしえてまでいるひまはないんだがなあ」の「あ」を描くスペースがなくて、上の方に「あ」だけ描いていました。この辺がなんとも律儀で楽しいですね。 「…水をごくごくのみました」 文字は背景画のバックにして、その上に絵を貼り付ける予定でしたが、絵を貼り付けるにはもったいないくらいの文字をみなさん描いてくれたので、絵をどうしようかと考えています。
  • 「ぷかぷかさん」が生み出した、なんともあたたかみのあるおかしさ
      第3期4回目のワークショプがありました。今年は『セロ弾きのゴーシュ』に取り組んでいますが、最初の練習の場面、ネコ、カッコウ、タヌキ、ネズミの場面が大体出来上がりました。  今回の一番の収穫は、ぷかぷかでつくった「秋コレ・ぷかぷかファッションショー」のために作ったモデルのお姉さんたちとの共演でした。あの素敵なお姉さんたちと一緒にワークショップの発表会の舞台に立てないかとずっと考えていました。  ネズミの場面に「夜風とどろき」という素晴らしい歌が登場します。宮澤賢治が剣舞の素晴らしさに感動して作った詩に林光さんが曲をつけたもので、オペラシアターこんにゃく座の『セロ弾きのゴーシュ』のネズミの登場するシーンでゴーシュが歌います。その朗々とした歌いっぷりに私は惚れ込んでしまいました。あの歌をバックに、ファッションショーのモデルさんと一緒に踊れないかと思ったのです。  この提案が思いの外うまくいった気がします。  出番を待つお姉さんたち。  「夜風とどろき」の歌詞はとても難しいのですが、メロディは病気になったネズミの子どもを元気にするにふさわしいものです。  こんな歌です。日本フィルハーモニーのチェロ奏者江原さんが入るという、実に贅沢な歌の練習でした。 www.youtube.com お姉さんたちと一緒に踊りました。 www.youtube.com  振り付けはもう少し整理したいと思いますが、とりあえずは面白い雰囲気が出ていたと思います。  『セロ弾きのゴーシュ』の舞台にこんなお姉さんたちが登場するなんて前代未聞ですが、ま、これがぷかぷかの舞台です。来年1月29日の発表会、楽しみにしていてください。  面白かったのはこのあとのグループで字を読むのがあまり得意でない「ぷかぷかさん」がネズミのお母さんをやりました。病気になった子どもたちをぞろぞろ連れてゴーシュのところへやってきて、病気の子どもたちのためにセロを弾いてくれるように頼みます。 「どうして俺がセロを弾くと病気が治るんだ」 と聞くゴーシュに「ぷかぷかさん」は一生懸命説明するのですが、たどたどしい説明でなかなか前に進みません。具合の悪い子どもたちは、お腹が痛いの、吐き気がするの、熱があるの、と次々に訴えるのですが、お母さんの説明はどこまでもたどたどしく、なかなか前に進みません。子どもたちはのたうちまわっています。  このシーン、なんともおかしくて、みんな笑ってしまいました。このおかしさは演出で生み出したものではありません。「ぷかぷかさん」がネズミのお母さん役をやることで生まれた、なんともあたたかみのあるおかしさでした。  社会の中ではダメとされる、たどたどしい読み方が、演出で生み出すのは多分難しい「おかしみ」を、ごく自然に生み出し、今日のワークショップの中では特筆すべきほどの価値あるシーンを創り出したのです。 www.youtube.com  病気の子ども役をやった地域のお父さんは最後の反省会で 「今日は久しぶりに必死になって芝居をやりました」 とおしゃっていましたが、デフパペットシアターひとみのプロの役者さんたちもいつになく楽しそうに、そして必死に演技していました。ヨコハマアートサイトから来たセミプロ級の役者さんもお父さんネズミ役を、涙ぐましいほど一生懸命やっていましたね。そういう風にみんなが必死になるような時間を作り出した「ぷかぷかさん」の活躍ぶりにあらためて拍手を送りたい気持ちです。   ネズミのお母さんの役を普通の人がやって、演出家の指示に従ってたどたどしく読んでも、こんなシーンは絶対に生まれません。「ぷかぷかさん」がいてこそ生まれたシーンなのです。そのことを意味をしっかり考えたいと思うのです。  「ぷかぷかさん」は社会に必要なのです。彼らがいてこそ、こんなにも豊かな時間が生まれるのです。  相模原障害者殺傷事件の容疑者は「障害者はいない方がいい」などと言いましたが、とんでもない話です。障がいのある人たちを社会から排除すれば、社会はどんどん痩せこけていきます。  ワークショップは「ぷかぷかさん」たちとただ一緒にいればいい、というのではなく、そこから一歩も二歩も先へ行って、新しい価値を一緒に作り出しているのです。新しいものを一緒に生み出す関係を「ぷかぷかさん」たちと作っているのです。  タヌキのシーンでは原作にある「愉快な馬車屋」(江原さん作曲)を江原さんと大ちゃんのコラボでやります。 www.youtube.com タヌキのシーンではもう一曲「てぃーちでぃーる」を歌います。太鼓のリズムが難しく、デフパペットシアターひとみの音楽担当やなせさんと、ピアニストのあみちゃんの特訓を受けました。 デフパペのプロの役者が「ぷかぷかさん」相手になんだか困っていました。  ワークショップをやっているリハーサル室の片隅ではアートパーク館長と舞台監督が発表会の舞台設計をやっていました。
  • 社会全体を見渡す目を持つこと
    少し前になりますが、hanaちゃんのお母さんがすばらしいこと書いていました。 ameblo.jp 《 それぞれの親が   『自分の子ども』   のことだけを考えている間は   きっとこの社会は変わっていかない。     自分の子どもがぷかぷかみたいな素敵な場所に入るにはどうしたらいいのか。   ではなく     ぷかぷかのような世界を自分の周りにも広げるにはどうしたらいいのか?     をそれぞれの親が考え始めたら   なんかこの社会が変わる気がするのです。 》      こんなふうに社会全体のことを考える人が、ほんとうに少なくなってきた気がします。社会全体が変わらないと、子ども達の社会的生きにくさなどは解決しません。  ぷかぷかは《障がいのある人たちの社会的生きにくさを少しでも解消する》ことを法人の目的として立ち上げました。  みんなでワークショップの第一期の企画書にこんなことを書いています。    口にはしないものの、障がいのある人たちのことを「何となくいやだな」と思っている人は多い。障害者施設を建てようとすると、地元住民から反対運動が起きることさえあります。とても悲しいことですが、これが障がいのある人たちの置かれた状況です。  これは障がいのある人たちに問題があるのではなく、彼らのことを知らないことによって生じる問題です。何となく怖いとか、不気味、といった印象は、彼らのことを知らないことから生まれます。“知らない”ということが、彼らを地域から排除してしまうのです。  彼らの生きにくい社会、異質なものを排除してしまう社会、他人の痛みを想像できない社会は、誰にとっても生きにくい社会です。誰かを排除する意識は、許容できる人間の巾を減らすことにつながります。社会の中で許容できる人間の巾が減ると、お互い、生きることが窮屈になります。これは同じ地域に暮らす人たちにとって、とても不幸なことです。  逆に、彼らが生きやすい社会、社会的弱者が生きやすい社会は、誰にとっても生きやすい社会になります。  そういう社会はどうやったらできるのか。それへ向けてのひとつの提案が「ぷかぷか」を街の中に立ち上げ、街の人たちと障がいのある人たちが出会える場所を作ったことです。お店で彼らといい出会いをした人たちが、ぷかぷかのファンになりました。そういう人たちを増やしていくことで、「ぷかぷか」は地域社会を変えてきました。      社会全体を見る目を持っていないと、障がいのある人たちの生きにくさがどこから来ているのか、どうすればいいのかがよく見えなくなります。  冒頭でふれた地元住民の反対が、実際にグループホームの建設を断念させるという事件が瀬谷区でありました。障害者はこの街に住むな、という主張が通るような社会は、どんどんやせ細っていきます。相模原障害者殺傷事件の背景を見た気がします。   神奈川新聞がこの事件をよくまとめています。長いですが、ぜひ読んでみてください。 www.kanaloco.jp www.kanaloco.jp   www.kanaloco.jp   社会全体を見る目は、私たち自身の生きかたをも問います。そして自分を豊かにします。         
  • 最近の日記
    カテゴリ
    タグ
    月別アーカイブ