ぷかぷか日記

バラを差し出すあなたが素敵

バラを差し出すあなたが素敵。

 バラを差し出すあなたが、必要。

 ひとりひとり、みんなが必要。その当たり前のことを演劇はストレートに教えてくれる。

 演劇は、あーだこーだややこしいことはいわない。障がいがあってもなくても、ひとりひとり、みんなが必要。その大事なことを、サラッと教えてくれる。

 

あなたがそこにいること、そのことが大事。

そこに、堂々と立とう。

バラを手に、堂々と立とう!

 

 

 あなたは欠けてはならないもの。

 ただ、ただ、いっしょに生きていこう。

 

 

4月29日、中山駅近くの緑公会堂で上映会やります。ぜひ!

 

www.pukapuka.or.jp

映画『そういうわけで』の上映会

4月29日(火)午後1時から緑公会堂ホールで映画『そういうわけで』の上映会をします。第8期演劇ワークショップの記録映画です。

 

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 ぷかぷかさんたちと地域の人達でいっしょに芝居作りをした記録です。障がいのある人、ない人、いろんな人がいることで、とても居心地のいい場が自然にできあがっています。社会全体がそんな風になればいいなと思っています。

 いろんな人がいること、そのことがとても大事。トランプのように、世の中には男と女しかいない、などといいきってしまうと、社会はとても窮屈になります。居心地が悪くなります。

 ですからぷかぷかさんたちが社会にいることは、ある意味、みんなを窮屈な社会から救っていることになります。ぷかぷかさんたちにあらためて感謝!です。やっぱり彼らとはいっしょに生きていった方がトク!

 

 更に彼らがいることで、とんでもなく面白いお話ができあがります。第8期演劇ワークショップは「フレデリック」という作品を手がかりに芝居を作ったのですが、彼らがいてこそできた芝居です。        

                             

 

 たとえばこんな具合

 

そうめんネズミがしっぽでのどごし最高なそうめんを干す→ネズミそうめんができあがる。

チーズを見つけるネズミ

チキンレッグを見つけるネズミ

パーティーをしよう!と食べ物を運んでいる途中でわしに襲われる

セレン姫がさらわれそうになり、みんな必死で守ろうとする

絶対に離さないと、お互いのしっぽに捕まってわしにつられて空に浮かぶ

地面に落ちる

チキンレッグ、チーズは食べられたがそうめんが残ったのでこれでパーティー開始!

 こういうことを繰り返しながらできあがったのが、第8期演劇ワークショップの発表会で上演した芝居。映画『そういうわけで』は、その芝居ができあがるまでの記録です。障がいのある人たちといっしょに生きると何が生まれるのかを具体的に見せてくれます。どうしていっしょに生きていった方がトクなのか、その答えがここにあります。

 

 

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   映画の後、映画『そういうわけで』の監督内田英恵さん、『Secret of Pukapuka』をまとめた信田眞宏さん、それに高崎を加えてトークセッションをおこないます。お二人のプロフィールです。

 

内田英恵(うちだはなえ)さん(映像作家)

 

ドキュメンタリーを中心に活動。監督作品に『あした生きるという旅』(SKIPシティアワード他受賞)、『世界は布思議~布のおはなし』(WOWOW)、『絨毯の成る果樹の庭先 トルコある村の手仕事』、『こども哲学-アーダコーダのじかん-』他、短編ドキュメンタリー配信(Yahoo! Japan)など。東京とロサンゼルスで映像制作を学んだのち、2011年まで映画企画制作会社に勤務。現在は世界の子ども達に移動映画館で映画を届けるNPO法人ワールドシアタープロジェクトの理事も務める。

★内田さんは2017年カナダバンクーバーで開かれた世界自閉症フェスティバルに参加するきっかけを作ってくれた方です。2015年にぷかぷかのプロモーションビデオができ、それを世界自閉症フェスティバルの主催者レオノーラさんに紹介してくれました。ビデオを見たレオノーラさんは2017年の世界自閉症フェスティバルで上映することを決めました。その連絡を受けて作ったのが『Secret of Pukapuka』です。そのカナダ上映の話の前に、あの「やまゆり園障害者殺傷事件」があり、「障害者はいない方がいい」という犯人のメッセージが拡散されました。これはまずいと思い、「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい」というメッセージを込めた映画を作ってほしいと依頼していました。何度か打ち合わせを重ねているときに、カナダ上映の話が飛び込んできて、急遽あのような映画にまとまりました。映画の冒頭にやまゆり園事件へのメッセージがあるのはそのためです。

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信田眞宏(しだまさひろ)さん映像クリエイター)
映像業界で仕事を始めて42年目、経験を活かしたプロボノによる映像制作で社会貢献を目指す。

主な経歴 
ソニーPCL(ポストプロダクション)統括部長
日本ポストプロダクション協会 業務委員会 委員長
マザース(CM制作会社)取締役/プロデューサー
その後フリーランスのプロデューサー/ディレクターとして活動
現在は銀座サクラヤで後進の指導にあたる
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主な作品
映画:「金田一少年の事件簿」(テクニカルコーディネート)
コンサートビデオ:「中島みゆき/夜会」(テクニカルコーディネート)
コンサートビデオ:「原田知世 / Melting Sun & Ice Moon」(プロデュース) 
ドキュメンタリー映画:「高木正勝 / 或る音楽」(プロデュース) 
CD:高木正勝「Private/Public」「Tai Rei Tei Rio」(プロデュース) 
iPadアプリ:「ダライ・ラマの般若心経」(プロデュース) 
PRビデオ:国連大学「浦戸諸島/震災をともに乗り越える人々」(ディレクション)
番組:BS朝日 「しあわせロハス」(ディレクション)
番組:BS朝日「Game Changers」(ディレクション)
番組:NHK「AI美空ひばり あなたはどう思いますか」(取材・収録)

プロボノ作品 実績(全てディレクション)
NPO法人ぷかぷか「The Secret of Puka Puka」「ぷかぷかさんカナダを行く」
国立市公民館(外国人支援)、梅島うたの会(介護予防)みんなのことば(幼児教育)、
パラキャン(障害者スポーツ)、たまプラ一座(地域活性)
むすびえ(こども食堂)、ユースコミュニティー(学習支援)など

 

 

 上映会についてのお問い合わせは高崎まで takasaki@pukapuka.or.jp

どうすればよかったのか

半月ほど前、暴れる重度障害の子どもの首を絞めてしまった年老いた父親の話が新聞に載っていました。

www.tokyo-np.co.jp

 なんともやりきれない事件でした。記事では

《障害者の扶養を家族に担わせる風潮が強く、行政支援は足りない「構造的問題」を指摘。「家族に過度な責任を負わせない方向に、障害者政策を転換する必要がある」と警鐘を鳴らした。》

 とありました。まちがってはいないとは思いますが、私たちひとりひとりにとって、この事件はなんだったのか、どうすればよかったのか、を考え続ける必要があると思います。

 息子に手をかけたお父さん、地域に何でも話のできる人はいなかったのでしょうか?行政の窓口とかではなく、隣近所の関係の中で悩みを聞いてくれるような人です。そういう人が一人でもいれば、もう少し状況が変わったのではないかと思います。

 医療にかかっていたのかどうかわかりませんが、精神を病んだ私の娘は、いい病院のいい先生に出会うことができ、救われました。医療も結局は人との出会いだと、5箇所くらい病院を巡った感想です。

 

 家で大暴れしていた息子さんも、やっぱり満たされない何かがあったのではないかと思います。うちの娘も大暴れし、収拾がつかなくなって、警察に2度ほど来てもらったことがあります。夜中の3時頃、パトカーで警察に連れて行かれ、女性の警察官が娘の手を握りながら1時間も話をしてくれ、ようやく落ち着いたこともありました。

 娘がいちばん変わったのはダイエットのつもりで出かけたボクシングジムとの出会いでした。サンドバッグを思いっきり叩いたり、コーチとの他愛ない話で、ストレスが発散できたのか、娘はぐんぐん変わりました。

 大暴れする息子さんも、どこかでたまったエネルギーを発散する場があったり、息子さんとちゃんと向き合ってくれる人がいれば(地域や医療)、もう少し違った結果になったのではないかと思います。障害者政策を転換しても、こういう事例は解決できない気がします。

3月21日は世界ダウン症の日

今朝の東京新聞の1面使った全面広告

 個人的にはダウン症の人、大好きです。いっしょにいるだけで心が和みます。あたたかい気持ちになれます。たのしいです。

 人と一緒にいて、そんな気持ちになれることは、とても幸せなことだと思います。

 まわりの人たちをそんな気持ちにさせる彼等は、社会の宝だと思います。このすさんだ社会にあって、社会に必要な人達だと思います。政治家がいくらえらそうなこと言っても、このすさんだ社会はなかなか変えられません。でも彼等は、ただそこにいるだけで、まわりの人たちを少しずつ変えていきます。お互いにとってもう少し楽に生きられる社会に。

 だから、彼らとはいっしょに生きていった方がトク!なのです。

彼らがいることで社会が豊かになる

  ぷかぷかを立ち上げてからのいちばんの気づきは

「障がいのある人達が社会を豊かにしている」

ということでした。

 「え?どうして?」

と多くの人は思います。あれができなかったり、これができなかったり、言うことが通じなかったり、勝手なことをしたり等々、と社会から排除されることの多い彼等が、どうして社会を豊かにするのか。

 ぷかぷかは街の中でパン屋、お惣菜屋をやっています。たくさんのお客さんがやってきます。ぷかぷかさんたちがお店で働くことで、ちょっとホッとできるような雰囲気のお店になっています。お店に来て彼等とやりとりしているうちに、とがった心がまるくなります。ふっと心があたたまります。お客さんたちが、そういうことに気がつくと、障がいのある人達の見方が、ほんの少しですが変わります。

「彼らって、こんな雰囲気を作ってくれるんだ」

っていう気づきは、人間の幅を少し広げてくれます。広がった分、人生が、少し豊かになります。そういう人たちが少しずつ増えること、それが、社会が豊かになる、という意味です。

 「マイナスのイメージの多い障がいのある人達が社会を豊かにしている」なんて、なんか素敵じゃないですか。共に生きる社会を作ろう、とか、共生社会つくろうとか言わなくても、お客さんたちは、彼らっていた方がいいね、って自然に思ってくれます。

 こんな雰囲気のお店を作るコツは、彼らが自分らしく、のびのびといられる雰囲気を作ることです。

 

 

 それは彼らとどういう関係を作るか、ということに関わっていると思います。社会の多くは、彼等に対して何かやってあげるとか、支援するとか、言ってみれば上から目線の関係が多いと思います。そういう関係の中で生まれるものは、どこまでも支援する側の発想が生むものでしかありません。ですから今までにない新しいもの、といったものはなかなか生まれません。

 でもいっしょに生きていく、という関係だと、彼らの発想がそのまま生かされるので、思ってもみない新しいものが生まれます。 お客さんたちはぷかぷかのお店に来て、ぷかぷかさんたちと出会います。社会にあわせたぷかぷかさんではなく、そのままのぷかぷかさんです。彼らと出会うことは、人間の幅を広げることです。「障害者」のイメージが少し変わったと思います。

 なんとなくいやだと思っていた「障害者」が、ぷかぷかに来ると、なんか違う。いやどころか、好きになってしまう。これはどういうことか。

 別に「共に生きる社会を作ろう」とか「共生社会を作ろう」とか言ったわけではありません。ただそのままのぷかぷかさんでお店をやっただけです。そうすると自然に彼等のこと好き!っていうお客さんが増えた、ということです。そういう魅力を彼等は持っている。そのことに私たち自身が気づくかどうかです。

 

 私は彼らとはいっしょに生きていった方がトクだ、と思っています。そばにいると心が安らいだり楽しかったりしますが、社会的にはどうなのか。つまり社会にとって彼らといっしょに生きる意味はなんなのか。ほんとうにトクなのかどうか。

 お惣菜にメニューに彼等の絵が入ると、こんな風にグンと楽しい雰囲気になります。これはどう考えてもトクだと思います。

 

買い物袋にぷかぷかさんの絵。ただの買い物袋がこんなに楽しい袋になります。

 

こういった絵が味気ない社会を豊かにします。彼らとはいっしょに生きていった方がトクなのです。

『そういうわけで』の予告編

昨年の演劇ワークショップの記録映画『そういうわけで』の予告編です。「あ、おもしろそう」って思われたら、ぜひあなたのところで上映会やってみて下さい。新しい出会い、気づきがたくさんあります。

 問い合わせは高崎まで。takasaki@pukapuka.or.jp

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『Secret of Pukapuka』予告編

『Secret of Pukapuka』(ぷかぷかのヒミツ)の予告編です。『ぷかぷか』は就労支援の事業所です。でも、そういう枠組みをはるかに超えてどうしてぷかぷかはこんなにおもしろいのか、そのヒミツに迫る映画です。

  2017年カナダバンクーバーで開かれた世界自閉症フェスティバルで、世界に向けて2016年に起こったやまゆり園事件を伝えようと思って作った映画ですが、期せずして事件とは対極に位置する(事件で犯人は「障害者はいない方がいい」といいましたが、ぷかぷかは「障がいのある人たちとはいっしょに生きていった方がいい、その方がトク!」と言い続けています)ぷかぷかを語る映画になりました。いっしょに生きていくことで生まれる豊かな世界がよく見えます。

 「あ、おもしろそう」って思われたら、ぜひあなたのところで上映会やってみて下さい。新しい出会い、気づきがたくさんあります。

 

 問い合わせは高崎まで。takasaki@pukapuka.or.jp

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八障連福祉フォーラム2025

先日八王子で詩のワークショップをやってきました。

                                                     

 

 

テーマは主催者提案で「楽しいこと」。それぞれ5,6行の詩を書きます。

 

 

 グループの中で発表したあと、詩を一行ずつ切り離します。切り離した言葉をシャッフルし、グループとしての詩にまとめていきます。

 詩にまとめる、といってもむつかしいので、とりあえず初めの方に来る言葉、後ろの方に来る言葉、真ん中辺に来る言葉、という風に分けていきます。

 

 

 バラバラの言葉がグループとしての詩にまとまったとき、言葉が力を持ちます。ここが言葉というものの不思議なところであり、詩のワークショップのおもしろいところです。

 言葉はまた人と人をつなげます。これもまた言葉のチカラ。

 

 そうやってまとめた詩をみんなの前で朗読します。声を出してみんなに向かって詩を読むのです。誰かに向かって声を出して朗読するとき、いつもと違う自分に気がつきます。

 誰かに自分の思いを届けます。

 

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●参加した人達の感想

・初めての体験 ドキドキした。以外とつながるものだ。本当に自分は楽しいことをしているのだろうか?

・あんなふうにして詩が出来るなんてびっくりです。

・「詩」と思うとハードル高かったけれど、「楽しいこと」を思い浮かべて書くということとなるとすらすら出てきて、また他の方の「楽しい」で混ざり合うことも楽しかったです。

・色々な方と共有すること、おしゃべりしながらまたそこで笑うこと、楽しかった。

・「楽しい」と「幸せ」「うれしい」の混同になっているかなというところ、まとまりがなくなったかなと思った。
・食べる、ねる、しゃべる(友人) どこのグループにも共通していること、人間にとって大切なことだなと再認識。

・「楽しいこと」を書いた一文を切り離してまぜてならべた時、いろんな人と人が重なったり接したりして、その「楽しいこと」の瞬間ができてることを体感できました。詩は声に出すと全く届いて打たれました。

・グループの皆さんの言葉が集まることで詩が出来るのだと感じました。
・表現することの楽しみが実感できました。

・初体験でしたが、とても楽しめました。
・一緒に参加した方々の、楽しく感じていることを知れたり、自分自身の楽しみについても久しぶりに考えて、心と言葉が一致してつながった体験となりました。

・皆で朗読した時も、自分のものではなく、仲間の書いたことを読み上げるというのも、お互いの想いを共有して認め合っているような仲のよい雰囲気となって、心地良かったです。一緒に参加したメンバーさん達も楽しかったと話されたり、施設の活動でやっても面白いと思うとの感想も出ました。

・詩が思ってたより、簡単に書けると感じました。

・あたたかい、笑い合える雰囲気で一緒のグループになった人はもちろん、会場でご一緒した人がみんなこれで友達になったような気持ちです。

 

●映画『Secret of Pukapuka』を見て

・娘が生まれた時のことを思い出しました。もう16歳。毎日「心ぷかぷか」幸せをもらっています。守らないと、彼らは社会の一員だ、というのではなく、彼らと一緒にいる事で自分たちも幸せを感じる。彼らが地域を耕すというフレーズに感動し、共感し、もっと広がっていけばいいなと思いました。娘もぷかぷかさんにお世話になりたいです!!

・すばらしい。みんな楽しそう。たのしいことは、みんなで創る。いろいろな人が集まってさらに集まって、ほんわりふくらんで行く、みんな気が楽になる。だから集まる。また。

・以前から存じ上げていて活動の方向は同じ方向でやっていけたらとの思いです。一緒に何かをすることは楽しく、彼らの作り出すものにはリスペクトすることが多いと日々感じています。

・活動についても初めて知りました。物事のとらい方も一方からでなく、決めつけでなく広く楽しみだと思いました。ありがとうございました。

・ぷかぷかさんの以前からのファンです。八王子でやってくれてうれしい!!
久しぶりにsecret of pukapukaを見て、「生きること」のシーンはまた涙がじんわりきました。皆の全部の姿が元気をくれます。一人ひとりが「〇〇さん」「〇〇くん」だからかな。

・それぞれの自由度があり、その自由さが新たな形になっていく印象を受けました。

・障害を問わず、お互いが、楽しかったり、元気を分け合って、個性を認めあえる、自由で活力のある活動をされているなと思いました。
ぷかぷかさんの活動に参加してみたい、皆さんにお会いしたい、美味しいパンを食べてみたい、と思いました。

・同じ障害者福祉に携わる者としてとても参考になりました。

 

視覚障害の方の盲導犬も参加

どうすればよかったか?

映画『どうすればよかったか?』を見てきました。統合失調症になった姉を巡る家族の物語です。

 訳のわからないことを叫んでいる姉の姿は、精神を病んだ私の娘が荒れた頃と重なり、見るのがとても辛かったです。多分監督も辛い思いをしながらカメラを向けていたのだろうと思います。

 ある日精神科を予約し、姉を待っていたのに母だけが来ます。父が受診する予定の精神科医の論文を読み、娘を見せるのを止めたといいます。ちょっと驚きましたが、そういうお父さんです。その一方で家の玄関には鍵をかけ、娘が外に出ないようにしていました。

 といって、何か解決方法があるわけではありません。「どうすればいいのか」悶々とする日々だったのではないかと思います。精神を病んだ娘と、どうやっていっしょに生きていくのか。

 ひどい状態の中で、精神科病院に3ヶ月ほど入院。よく合う薬が見つかったようで、見違えるように元気になります。カメラの前でおどけたりもしていました。その姿にちょっとホッとしたのですが、肺がんが見つかります。そして数年後、姉は亡くなります。

 お姉さん、いい人生だったのだろうか、とふと思いました。翻弄された家族たちも。みんな「どうしたらいいんだろう」って悩み続けた人生だったのではないかと思います。

 あれがもし何か解決方法が見つかってハッピーエンドになっていたら映画にはならなったのではないかと思います。「どうしたらいいんだろう」って悩み続けたこと、それが人生をある意味深みのあるものにしたのではないかと思うのです。だからある家族の物語として一本の映画になった。

 

 娘が精神を病んで荒れた頃、ほんとうに「どうしたらいいんだろう」って悩みました。でもそれがあったから、精神を病む人達の苦しみを多少とも想像できるようになりました。それまで想像もしなかった世界でした。娘のおかげです。感謝!

 

 映画『どうすればよかったのか?』、おすすめです。ぜひお近くの映画館で。

dosureba.com

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